ぼくのかんがえたわるいかんりきょくをヘイトする話   作:NonaIn

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6時の方向に増援!
パイロットだ、運が向いてきたぞ!

四等ライフルマンです。お待たせしました。

StSのようなモノ編、はっじまっるよー。
いくら頭を捻ってもどうしようもなかった、以下の要素にご注意ください。

・キャラクター改変
・原作レ○プ! 独自と化した展開
・クロスオーバーゆえの設定のねつ造
・一人称か三人称かこれもうわかんねぇ地の文


S(すごく)t(違う)S(ストライカーズ)編
Chaptar.1 マギ・ガントレット


N.D.75.5

MID-CHILDA ;Task Force 6 Training Area

 

 

 機動六課、と命名された例外的な特殊部隊が設立されてから、既に半月が経過しようとしていた。訓練自体は概ね良好であり、新人魔導師組――ティアナ、スバル、エリオ、キャロの四人は、限界ギリギリを見極めたきわめて効率の良い指導を受ける事ができていた。

 その遠い原因とも言えるのは、機動六課設立時に司令官である八神はやてが受けた指示のひとつであろう。

 

 ――タイタンおよびパイロットの空戦魔導士との連携可否の実証実験、及び魔導師パイロットとタイタンの運用実例の作成を行う事。

 

 つまり、非魔導師の内の2%のエリートの力を目の当たりにする機会があると言う意味である。

 

 この日もまた、そのためにミリシアから派遣されてきた――のではなく、ミリシアの安寧のために依頼を受諾した傭兵集団"6-4(Six-Four)"の一員であるその女は、年若くしてパイロットとなり戦い抜いて来たその能力をいかんなく発揮し、訓練にいそしんでいた。

 ヘルメットに収まるよう、無造作に短く切られた黒髪。どことなく擦れた印象を抱かせる黒瞳の、人によっては藪睨みされていると受け取られそうな目つき。比較的小柄かつ細身ながらも発育は良く、しかしその身体を迷彩柄のコンバットスーツの中に詰め込むように押し込んでいる。

 10年、いやもっと長い時間を戦いと戦いの準備の中で費やした彼女は、"PM-745"と六課の面々には自己紹介していた。ただし、約一名は違和感を感じていたようだが。

 

 訓練、と言っても大したものではない。

 シミュレーターポッドと呼ばれる五感を上書きして仮想現実へとダイブする装置を用い、ほぼ現実と変わらないそこで実弾実包を使っている設定で、予め設定されたコースをより早く走り抜ける、パイロットたちの間では"ガントレット"と呼ばれる一般的なモノだ。

 ただし、ただ走るだけではない。そこにはパイロットとしての機動と、そして射撃、状況判断など多くの要素が集積されている。

 途中に設置された歩兵を模したホロターゲットにダメージを与えないと、それだけでゴール時にその数に応じてタイムが加算される――つまりより良いタイムを出すためには、より素早い動きを継続しつつ止まらず正確に標的を攻撃する技能が要求されるのだ。

 

 平均的なパイロットのタイムと言うのは、彼女が行っているコースであれば1分少し。

 そして彼女が先ほど叩き出したタイムは、その半分以下の29秒55。

 

 ミリシア内で共有されるガントレットのタイム一覧のトップ10をスタート地点兼ゴール地点に表示させ、ナナはヘルメットの中で溜息を一つついた。

 ふと、仮想空間内に響く足音に彼女は振り向く。

 

「またやってたんですね、毎日よく飽きないと言うか」

 

 これまたパイロットヘルメットに隠れているものの、そこに居るのはナナより半回りほど年下の少女であった。改造したと思しき管理局制服に包まれたカラダは、よく鍛えられているにも関わらず女性的アピールを強く持っている。

 

 新たに仮想空間に入って来た彼女は、スバル・ナカジマであるとHUDには表示されていた。

 

「死にたくなければ鍛え続けなければならない、諦めた時が死ぬ時」

 

「死ぬ時、は言い過ぎだけど解らなくもないですねー」

 

 ナナは彼女と、そして彼女のバディであるティアナ・ランスターとはそれなりに接している。と言うのも彼女らは空中に足場を作りだす事での限定空戦を得意とするコンビであり、その用いる手法――空中に"とぎれとぎれの"足場と壁に見立てた障壁を発生させる――はそのままパイロットをより戦術的かつ限定空戦に拡張して運用可能なものであり、また一年以上前からパイロットの卵として見出しており、ゆえにナナが機動六課に居る理由を果たすために関わらなければならなかったからだ。

 

 とは言えだからと言って、本来ならシミュポッドを使わせる理由にはならない。少なくとも、それだけだったら使わせる気も無かった。

 ナナが持ち込んだ"私物"を使わせる気になったのは、彼女らが見せた才能の片鱗を伸ばすべきだと判断したからである。魔導師としてのそれでもあるが、魔導にのみ頼らないが魔導も組み込めるというスタンスは次世代のパイロットとして非常に大きいと考えたのだ。

 

 それゆえシミュポッドをわざわざ局外のメカニックに弄らせ、機能を一部拡張してまで参加させた。

 本来、五感のうち味覚はシミュポッドでの訓練には必要無い。

 その代わりに組み込んだのが、"魔力覚"とでも言うべきものだ――これを組み込んでないシミュポッドで大人組は盛大に一度吐いていた事で必須だと判明した。尊い犠牲となったなのは、フェイト、はやての三人組に合掌。

 

「ナナさん、もう上位3位には食い込んでるじゃないですか。まだやるんです?」

 

「感覚的にはあと0.3秒も縮められるから。……けど、先にどうぞ。デバイス、魔法無し。目標タイムは1分を切る事」

 

「うへぇ、きっつ」

 

 冗談めかして言いながらも、スバルからはやる気が溢れているのをナナは感じ取った。

 

 軽くストレッチしてから一気にトップスピードに乗るスバルをナナは見守る。

 ジャンプキットの加速特性もある程度把握している事だし、最初のように律儀に階段を走って2分以上かかる事はあるまい。そう思える程度には色々詰め込んでいたから、現段階での成果を見ようとしたのだ。

 

 空戦可能な魔導師にジャンプキットなど必要無い、と多くの魔導師は言うだろう。しかし飛行や浮遊、あるいは足場を作る事に使う魔力を温存できるのだからそうではない、と言うのがナナの――そしてそれを解説された機動六課の大半の見解となっていた。

 年少組のキャロとエリオには流石にまだジャンプキットに触らせていないが、他は概ねシミュポッドを使って一度以上は触れている。その中でも特に適応し、そしてパイロットとしての芽も見せ始めているのがスバルだというだけで。

 

 そしてこのガントレットは、魔力運用が不可能な状態をある程度想定している。もちろん魔力運用が可能な状態用のものもあるが、それは高町教導官が使う事だろうし、教える事だろう。なのでナナはそちらには触れない。

 それゆえシミュレーション、あるいは仮想世界とは言え、使っているのは本物の"質量兵器"である。

 特に管理局法の行き届いた魔法文明に浸かり続けた魔導師たちは、これには強い忌避感を示していた。しかしナナはこう反論したのだ。

 

 ――デバイスも質量兵器も本質的には変わらない。使い道の広さが違うだけで、心持ち一つで人を殺せるんだから。

 

 さらに言えば、10年近い年月は管理局法にも一部メスを入れるに至っていた。

 "マスアーム・フルコンバット・ライセンス"――つまり質量兵器による完全任意戦闘の許可免許、と言う物がごく限定的に認められ得るようになったのだ。もっとも、戦闘に用いる武器は全て登録が義務付けられ、その所在まで魔法的・記録的に監視されている。

 とは言えミリシア側に便宜上位置するナナは、全ての装備を登録した訳では無い。監視されるための装備をわざわざ用意しなおしてから来たので、仕事上がりにはそれらは適当に処分する事になるだろう。

 

 ともあれそう言った理由もあり、若くそしてそこそこ柔軟な思考のできるスバル、そして理屈で色々考えた結果訓練しないよりした方が良いと理解できるティアナは忌避感こそありつつも仮想空間では実銃を使う事ができるようになっていた。

 

 つらつらと色々ナナが考えている内にスバルは戻って来ていたらしく、セイフティをかけなおしたEVA-8ドラムマガジン・ショットガンを片手で肩に担ぎ、もう片方の手を腰に当ててヘルメット越しにもわかるような見事なドヤ顔をしていた。

 

「タイムは?」

 

「58秒24。ふふん」

 

「そう。 ……なら、次に行ってもいいね。それとももう1週する?」

 

「いえ、次に興味があるので! 是非! おねがいします!」

 

 まるで子供のように、やや食い気味に返事をするスバル。ナナはその剣幕に、少しだけ微笑まし気になった。

 それと同時に――パイロット式の訓練が混じった事で、少なからず全員の性格が元から変わったような気もしていたが。まあ、悪くはなっていないだろう。

 

「わかったわ。でも、まず広い場所が必要ね。シミュレーションの設定を変えないと」

 

 そう言ってナナは、ウェアラブルパッドを弄る。

 

 次の瞬間、二人はどこまでも広がる草原に立っていた。

 そしてその視線の先で、鋼鉄の巨人が立ち上がる。だがその巨人は"イオン"ではなく、むしろ"モナーク"と似通っていた。

 

「多装備即時換装の可能な高性能高機能モデル。通称、"バンガード(前線)"級よ。 データコアは昔なじみのレイ、……RD-5013だけれど」

 

「バンガード級……って、ミリシアの虎の子じゃないですか!?」

 

 通常、戦場に持ち込むのはバンガード級ではなくモナーク級である。

 その理由は主に、コストだ。バンガード級は多くの装備ロードアウトを切り替えて使用できる一方、それらを揃えるために実質的にタイタン8機分以上のコストが必要となる。それゆえ損失が予見されるか、あるいは失敗が許されない状況以外ではバンガード級の下位に位置づけられるモナーク級のシャーシが持ち出される、と言う訳だ。

 あるいは、単に重機として用いるなら戦闘用に調整されていない中量級アトラス、重量級オーガ、軽量級ストライダーのいずれかで十分と言うのもある。

 

 驚くスバルを余所目に、ナナは解説を続ける。

 

「パイロットはタイタンと信頼しあってこそ初めて全力を出せる。そしてタイタンが最初から領域に居るのは、危険な事よ」

 

「あぁ。保護層補助用のカートリッジ・バッテリーは上面にあるから、乗られると抜かれるって言ってたっけ」

 

「そう。だからある程度掃討が済んでから、装備や調整も万全にしたタイタンを高軌道あるいは安全域からから突入殻に入れて射出、領域に送り込むの。 これを『タイタンフォール』と言う」

 

 もっとも、稀にタイタン同士での総力戦もあるのだけど。と補則するナナ。

 そう言った状況はあまり発生するものではないと言う事を言外に含ませているのだが、スバルはただ、かっこいい!と目を輝かせる程度であった。これがティアナなら色々考察もするのだろうが。

 

「だから、タイタンフォールのやり方を覚えて」

 

「やり方? 自動で送ってくれるんじゃ……」

 

「タイタンフォールは繊細かつ慎重に行わないといけない。そのためには大まかにしか把握できない遠距離での広域監視を基にするより、戦場に居るパイロットの判断に委ねる方が正確」

 

「……あぁー、何となく解る気はします」

 

 何となくでも解るならいい、とナナは頷いた。

 もっとも、レイはその会話をある程度聞いていたのか、人間臭く肩をすくめる動作などして見せていたが。

 

「やり方は簡単よ。敵が近くに居ない事を確認して、ヘルメットの視点の中心にフォール申請する座標を捉えて、PDAで申請。 申請を受けると軌道上の専用人工衛星から、高速でタイタンが撃ち出される」

 

「撃ち出す、って。なんだか壊れそう」

 

「そこは大丈夫。大気圏突入さえ何とかなれば、タイタンは割と高い所からでも着地できる。 やってみて」

 

「え、えっと。 はい!」

 

 恐らくまだパイロットでもないし、魔導師なのに。と考えたのだろうな、とナナは始終微笑ましく感じていた。

 魔導師は敵、というのはナナ自身の価値観ではない。雇い主と、状況からそう振る舞っていただけだ。そして新たなパイロットとなるなら、既に激戦による疲労や怪我などから幾度かの"再生"を経験したナナにとっては、手塩にかけて育てる価値もあると言うものだ。

 

 申請を正しく行えたのか、上空から轟くような飛翔音が聞こえてくる。

 

「上を見ろ、アナタのタイタンがくる」

 

「お、おぉー……!」

 

 上空から落ちてくるタイタンのシャーシ番号は、FS-1041。本来ならば別の所で使用されるはずであった番号を受け継いだ、"曰く付き"のシャーシである。

 ある程度の高度で突入殻は自らを排するために爆発、タイタンにかかる加速度を殺して。未だデータコアは挿入されていないものの、シャーシだけでもタイタンは見事な着地を決めて見せた。

 

「ここまでで訓練は五合目をちょっと過ぎたくらい。ここから先はタイタンの運用と、特性を学ぶ事になる。 けど……」

 

「けど何ですか? はやくやりましょうよっ!」

 

「わかった。ただし、教導官とバディにはしっかり自分で説明して」

 

「はい!」

 

 だがここで焦ったのは、どちらにとっても痛手となる事をスバルだけが予期していなかった。

 

 近接魔導師として育てたい高町教導官と、パイロットとして育てたいナナ。

 同時進行で、しかもパイロットとしての技能の方が早く身についてしまうとなれば、その分の時間を魔導師としての鍛錬に割り当ててほしくなるのは当たり前であり――しかしタイタン搭乗訓練はそれなり以上に時間がかかる。

 

 タイタンの基本的な動かし方だけをレクチャーした所でこの日のシミュポット訓練はお開きとなり、二人そろって何人かからお説教を受ける事になったのだった。

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