毎度毎度遅くて申し訳ないです。
そしてお気に入り1000人突破しました!
目標にしていた人数に達して私嬉しいです!
こんな駄作にお気に入りしていただき、ありがとうございます!
今回も自信は無いですが、よければゆっくり見て言ってください!
もし矛盾する部分があれば、良ければ教えてください!
あと、前一度消したのですが、ハーレムのタグを付け直しました。
混乱するかもしれませんが、よろしくお願いします。
「すー………すー…………」
「ん?…………寝たのか」
ギルくんがギルちゃんと化してからおそらく数時間が経過したが、未だに元に戻す方法が思いつかない。
だが、いくつか分かった事がある。
一つ、女体化したギルくんは歩けない。
二つ、筋力もかなり衰えている。
三つ、やはり原因は瓶の薬である。
四つ、このままじゃギルくんは王になれずに長男である俺が王としてこの国を率いていかなければならないかもしれない。
…………うんヤバイ、特に四つ目がヤバイ。
一つ目は生活に困難になる。
二つ目も一つ目と同じ理由、その上大きめの本すら持ち上げれなくなっていたのは流石に驚いた。
三つ目は瓶の中の薬品は【毒】ではなく、あくまで【薬】というカテゴリーに入っているので俺の宝物庫にある解毒の薬じゃあ何の効果も見込めない。
四つ目は抑止力に殺されそう。
以上の点で非常にやばい事になっているのは、十分に分かってもらえると思う。
しかし誰にも相談できないため、事実上俺1人で解決しなければならないのが問題だ。
薬は国の研究者に頼もうかと思ったが、この城にいるほぼ全員はルガルバンダ王の部下なため、俺が珍しい注文をすればきっと変に思い、主人であるルガルバンダ王に連絡を寄越すだろうから却下。というか俺の部下ってエルナルと俺の部屋を護衛する兵士くらいだ。
かと言って、俺には医学の知識がないし、宝物庫の中身はまだ全部は試していないができる可能性は限りなくゼロに近い。
それどころか適当に使ってみて余計に症状が悪化するケースだってあるかもしれない。
あれ……………詰んでね?
コンコン
そんな事を考えていると、扉からノックする音が聞こえて来た。
………………あっ終わった。
俺が返事をするわけにはいかないし、かといって無視していたら絶対に入ってくる。
そしてギルちゃんを見られたら絶対にルガルバンダ王に報告がいく。あぁ、これはもうダメだ。
そうこうしているうちに、扉がゆっくりと開かれていく。
「失礼しますね、ギルくん」
「えっ?」
聞いたことのある声が聞こえて来た。
扉から入って来た人を見てみると、立っていたのはこの前の魔猪討伐で俺の側近となったエルナルがそこに居た。
「あぁ…………エルルだったか。
ちょうど良かった、手を貸して「お゛……」
…………えっ?」
エルルは子供が出してはいけないような声を出し、俺の方を凝視して固まっいる。
特に俺の膝を中心的に見ているような気がする。
そこに目をやると眠っているギルちゃんが居るだけだ。
別にそんなにおかしな所はないと思うが?
「何をそんなに驚いて………あっ」
よくよく考えたら、今ギルくんがギルちゃんになっていると知っているのは俺だけ。
エルルからすれば俺は見知らぬ美少女を自分の部屋にでは無く、留守中の弟の部屋に連れ込んだド変態になるのではないだろうか?
しかし…………それに気付いたのが遅かった。
「エ、エルシュ王子が…………女の子を部屋に連れ込んで……!」
「はいストーップ!」
こいつは主人を信じる心が無いのか?
すぐに女の子を連れ込んだって言いやがったぞこいつ。
あっいや、それよりも先に説明した方がいいな。
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「………じゃあギルくんが女の子になっちゃったって事ですか?それでエルシュ王子の膝で寝ていると?」
「そういうこと。
治したいけど俺は薬学の知識なんてこれっぽっちもないし、かと言ってこの国の科学者達に任せたら王の耳に入るのは時間の問題になる。
王にバレるのだけは絶対に避けたい。
だが、手が無いのも事実。
………て言うところでお前が来て、危ないところでルガルバンダ王にバレそうになったんだよ」
「うっ………………すいません」
「まぁ、何ともなかったし別に良いよ」
何とかエルルの暴走を止めることが出来た。
とりあえず今の現状を教えて、エルルをこちら側へ引き込む。
元々エルルは俺の側近だし、命令さえすれば黙ってもらうことだって出来るだろうが、それでは味方になったとは言えないからな。
今は1人でも味方が欲しい。
エルルには俺が居ない時にギルちゃんを隠してもらうのと、仕事の時に解決策になりそうな資料を調べて貰おうかな?
…………そういえば、エルルはまだ昨日の仕事が残っているとかで自室にこもっているはずだけど、何でここに来たんだ?
「あっエルシュ王子。
ルガルバンダ王の側近のミラーレス様から今日の昼に玉座に来るよう言伝を預かってますよ?」
「…………玉座に?なんで?」
「さあ?私の残った仕事もミラーレス様が『自分がやっておくから呼んで来てくれないか?』と頼まれたので、お言葉に甘えさせていただいて、エルシュ王子を探していたんですよ。
エルシュ王子のお部屋に伺っても留守にされていたので、それならギルくんのお部屋にいらっしゃるのかな?と思い、来させていただいたのです」
…………なるほど、だからこの部屋に来たのか。
しかし運が良かった。もしミラーレスに来られていたら、完全にアウトだった。100パーセントルガルバンダに報告されていた。
だが、ルガルバンダ王は俺に何の用だ?
今日の分の仕事は昨日の内に終わらせているし、報告もとっくに終わらせているし問題は特に無かったと思うんだが。
この頃は外も平和だと聞くし、俺が行く必要なんて…………。
「…………あっ」
その時、脳裏によぎったのは金星の女神であるイシュタルの姿。
そういえばあの魔猪討伐から不気味な位に問題を起こしていなかった。
もう何か問題を起こしていてもおかしくなかった程に期間が空いていたのに、あいつは特に何も行動を起こさなかった。
イシュタルは数日もあれば問題を二つか三つを起こすから、基本的にはこんなにもゆっくり出来る暇なんて普段は無かった程だからな。
…………正直行きたくはないんだけど、俺以外にイシュタルを止めることができる奴なんて多分この国にはいないだろうし。
…………仕方、無いよなぁ。
「じゃあ、俺は行ってくるからギルちゃんの事を頼んだぞ」
「あっ私もついでに来るように言われていますので、お供いたします」
………………へ?
「えっじゃあギルちゃんだけを残して行くのか?
それはダメだろ」
そう言うと「あっ」という声を出してエルルは目をそらした。
…………考えてなかったんだな、きっと。
うーん…………ギルちゃんを1人残して行くのは少し心配だけど、仕方ない。
「仕方ないし、ここに人払いの結界を張っておくとするか」
ギルちゃんを起こさないように慎重に離れ、毛布をかけておく。
人払いの結界をしておけば一般の兵士に見つかることはないだろうし、俺が早めに帰ってくれば大丈夫だろう。
出来る限り音を出さないように注意して、エルルと共にギルちゃんの部屋を後にする。
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場所は変わって玉座の間。
ここに来てそれなりの日にちが経っているが、エルルはまだルガルバンダ王に慣れないのか、俺の後ろに隠れるように立っている。
もう見慣れた光景だ。
ルガルバンダ王本人も特に何も言ってこないから、問題はないのだろう。
というか当の本人は俺達が来たのにもかかわらず、手に持った粘土板に目線を向けている。
あいつ腹立つは〜。
「父上様、ただいま到着いたしました。
御用件はなんでしょうか」
俺が話しかけるとようやく此方に顔を向けた。
…………相変わらず冷たい眼をしている。
ルガルバンダ王は俺達と同じように金髪に赤眼だが、その眼は俺達が透き通ったルビーのような色に対して、ルガルバンダ王の眼は濁ったワインレッドのような色である。
正直、あの眼は苦手だ。
見られたくないと反射的に思ってしまう。
いや、考えると余計に気になってしまう。
こういう事は考えない方がいい。
当のルガルバンダ王は此方に向いて何秒間か時間が開いたのち、ようやく口を開いた。
「少し頼みたいことがあってな。
お前には今からレイナガという山に行ってもらう」
「レイナガ…………ですか?」
聞いたことがある。
確かこの頃異様なまでに魔獣や異形な化け物とかが目撃される山だったか?
そこに行けって事は原因調査及びその解決って事でいいのか?
「あぁ、そこに女神イシュタルを目撃したという情報が今朝方入ってきてな。
別に他の誰かでもよかったんだが、一番交流のあるお前が行った方が女神イシュタルを刺激しないだろうからな。
…………頼めるな?」
そこで頼めるか?じゃなくて頼めるな?と聞いてくるところが好きになれない。
まぁそれは別にいいけど、困ったな。
このままにしておけば、レイナガ山から出てきた魔獣や化け物が村や町を襲うかもしれない可能性がある。
そうなってしまったら遅いしな。
だけど、今はギルちゃんの問題を解決しなくちゃ行けないし。
というか俺が近くにいなくちゃ、何日もギルちゃんは1人っきりになってしまう。
それ以前に1人だったらバレるかもしれないし。
…………どうしよう。
「あっあの、私は何故呼ばれたのでしょうか?」
俺が頭を悩ましていると、後ろからエルルの声が聞こえてきた。
そういえばこいつも一緒に呼ばれたんだっけ?
「君にはエルシュ王子の代わりに彼の仕事をしてもらいます。といっても全てをしてもらおうって訳ではない。
重要な仕事は私がやりますので、君は兵士や給仕係の代わりをしてもらう仕事を追加するだけだ」
なるほど、エルルは俺がいない間もギルちゃんの近くにいることができるってことか。
なら、エルルに任せて俺は出来るだけ早く終わらせて帰ってくれば万事オッケーってことか。
「そう…………ですか、分かりました」
エルルは何故か落ち込んだような声音で返事をしていた。
何かあったのか?
「おい、エルル?何か…………」
「では、エルシュ王子は明日より出発です。
エルナル、君は明日の朝私の部屋に来てください。
エルシュ王子は明日、ご自分の部下1人〜4人ほどお連れになったなください。
準備は此方で済ませていますので、今夜はごゆるりとおくつろぎください」
小声でエルルに何かあったのかを聞こうとしたが、ミラーレスに遮られてしまった。
というかミラーレス完璧じゃん。
ルガルバンダ王よりもミラーレスに報告や命令を伝達してもらいたいんだけど。
そんな事を考えているうちに話はどんどん進んでいき、俺は明日の日の出に出発する事になった。
俺はエルル以外に部下は1人しか居ないと言うと、仕方ないから兵士を1人貸してくれるらしい。
俺はその時のミラーレスの顔は忘れられない。
しかし、エルルは話が終わるまで顔の曇りを晴らす事はなかったのが気がかりだった。
その後玉座の間から出た後も、俺と一緒にギルちゃんの部屋に戻らずに別れた。
戻ってもギルちゃんは眠ったままで、誰かが入った形跡も無く、ひとまずホッとした。
とりあえず明日の準備を始めるか。
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【三人称side】
エルナルはエルシュと別れた後も、玉座の間の前から動けずにいた。
エルナルは重たげな表情をしながら、頭の中で一つのことを考えていた。
“私は、王子の足を引っ張っているのではないか”
エルナルは元々字も読めなかったため、城に来てから数日間は字の勉強に費やした。
それである程度読めるようになってはいたが、読み間違いも度々起こし、エルシュに迷惑を掛けた事も少なくなかった。
他の仕事も、ついこの間まで畑仕事しかしていなかった子供のエルナルには難しく、出来ないことの方が多かった。
エルナルにはそれが気掛かりだった。
エルナルにとってエルシュはまさに救いの神と言っても過言ではないような恩人である。
そんな人の足を引っ張っていると思うと、心も体も張り裂けそうな思いだった。
エルシュは前回の魔猪討伐にギルガメッシュを連れていきたいと自ら申し出た事はエルナルも知っていた。
しかし今回はエルナルが一緒に行けない事を知っても何も言わないどころか、少し安心したような顔をしたのを見てしまった。
そんな表情をしたのはきっとギルガメッシュの事で、自分が近くにいるなら安心だ、そう思ってくれたからだとは分かっている。
だがもし、本当は自分が居ないから仕事が楽になると考えていたのではと考えるようになっていた。
自分がもっと優秀なら、自分がもっと強ければ、エルシュは自分を頼ってくれるのではないか。
もしかしたら自分は…………エルシュにとって必要無いのではないか。
その考えにたどり着いた時、エルナルの眼には涙が溜まっていた。
今にもこぼれ落ちそうなその涙はふと聞こえてきた音に気づいて、いそいで拭き取った。
カツカツと扉の向こうから2人分の足音が近づいてくる。
中にいたのはルガルバンダとミラーレスの2人だけだったので、その2人が出て来るのだと思ったエルナルは、ルガルバンダとミラーレスが出て来る前に近くの柱の裏に隠れた。
別にエルナルが居ること自体に問題は無いが、エルナルはまだルガルバンダと顔を合わす事もままならない。
故につい反射的に隠れてしまった。
ガチャリと扉が開かれると、エルナルの思った通りルガルバンダとミラーレスの2人が出てきた。
バレないようにその場から離れようとしたエルナルの耳に、ルガルバンダとミラーレスの話し声が聞こえてきた。
『………………』
『……………………?』
『………………』
「えっ…………?」
最初は2人が何を言っているのか理解出来なかったが、会話の意味が分かった時、エルナルは2人の前に飛び出していた。