ハイスクールD×D ~神殺しの王は赤き龍の帝王となりて王道を征く~   作:ガーネイル

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 すいません、お久しぶりです。待ってくださった方、大変お待たせいたしました。
 いつも通り、会話文が多い上に、指摘点を上げたらキリがない作品ですが、これからも応援のほどどうかよろしくお願いします。

 データを保存してあるUSBメモリが行方不明になった瞬間は焦りましたね……。
 今回は繋ぎ回であるため、あまり面白くないと思います。なので次回はなるべく早めにしたいですが、そこは期待せずにお待ちください。それではどうぞ。


9.合宿

 ライザーとの決闘が決まってからオカルト研究部は合宿という名目で特訓をするために山間部にあるというグレモリー所有の別荘に来ていた。

 十日後とはいえ、その間の授業は一体どうするつもりなのか気になる。だが、結論から述べるなら一般人がいるとはいえ、裏では悪魔が経営しているためどうとでもなるのだ。最も、この場にアティがいる以上、勉強する時間は確実に存在する。だから問題ないと言えば問題ないのだ。

 閑話休題。

 別荘に到着後、少し休憩を挟んだ後に特訓を開始する。朱乃はアーシアと魔術の練習。アティは元軍人という経歴を持っているため、戦術講座ということでリアスに勝つための戦術を叩きこんでいる。

 外では動きやすい服に着替えたイケメン二人が向かい合っていた。

 

「遅くなって悪いな、塔上の特訓方法を一緒に考えていた」 

「大丈夫だよ、僕も今来たばかりだから。……前から和希くんとは剣を交えたいとは思っていたんだ。神殺しさまの胸を貸していただきますよ」

「分かった。……ならば、この神殺しが相手になろう。なんてな」

 

 そして、多少冗談を交えながらお互いの手には馴染みのある愛剣が握られる。

 構える祐斗に対し、和希はあくまでも自然体でいる。祐斗を甘く見ているわけではない。自然体でいることこそが最善なのだ。

 

「いつでもかかってこい」

「行くよ!」

 

 祐斗が足に力を入れ地面を蹴る。常人では出しえぬスピードで目の前にいる男へと接近する。それが一般人なら今から決まるだろう一撃でケリが着く。

 だが、接近戦を仕掛ける相手は一般人ならぬ逸般人。そんな易々と終わるわけはずがないのだ。

 悪魔の駒(イーヴィル・ピース)で速度に特化した騎士(ナイト)だが、和希が使う心眼はその速度を容易く捉える。

 頭で理解していても体が追いつかなければ何の意味も持たない。ということはよくあることだが、彼がそんなことになることはまずあり得ない。

 祐斗はその速度を殺さずにそのまま剣を振り下ろす。和希はその攻撃に対し、下から振り上げて対応する。

 剣同士がぶつかり、金属特有の音が響く。

 

「なるほど、駒の特性を生かした攻撃か。いい速度だが、軽い!」

 

 速度に加え、彼なりに力を加えた攻撃を難なくはじき返す。そこで追撃はせずに一度仕切り直す。

 

「次はこちらから行かせてもらう」

 

 祐斗の心臓が存在する場所へと鋭い突きを入れる。祐斗本人は自らの非力さを理解しているため、それを防ぐようなことはせずに回避する。

 だが、この攻撃はこれで終わりではない。そのままそれを横になぎ払う。全く違う動作を続けて行えるのは神殺しとしての強靱な肉体がある故だ。本来ならそれなりの負荷がかかる上に純粋にそこまで強い威力は無い。これが剣ではなく、槍であったなら効率のいい攻撃だっただろう。

 剣を扱う者ならあまりやらないであろう攻撃方法。故にそれは時として有効打になる。

 

「ちゃんと回避するなら後二手くらい先を読むことだな」

 

 和希はそう言いながら自分のジャージを小さく摘んで動かす。

 祐斗としては完全に回避したつもりだった。が、実際はそうではない。その証拠に和希が示したジャージと同じ部分がほんの少しだけ切れて腕から血が流れているからだ。

 

「騎士としての速度を生かした攻撃方法は間違えてない。だけど、今のままじゃただ速いだけだ。だから、ここから先は分岐点だ。このまま速度を生かし、手数のさ。つまり、連撃を主体にするのか、少しずつでもいいから力をつけ、最終的に一撃必殺となりうる剛剣を作り上げるのか。今すぐ決めろとは言わない。ただ頭の片隅に入れておいてくれ。それじゃ、続けようか」

 

 一度仕切り直したところで第二ラウンドが始まる。二人の特訓はまだまだ続きそうだ。

 

 

****************

 

 和希は日が暮れ始める少し前に特訓を切り上げ、一人でキッチンに立っていた。祐斗は疲れたのか、現在は部屋で伸びきっている。キッチンに入る前にアティとすれ違い、夕飯の完成予想時間を伝えたため、完成した頃には皆集まっているはずだ。

 そんなわけで和希がキッチンで何をしているのか。それは夕飯の準備という一点に尽きる。そんなことよりメインをどうするか、である。合宿という面で言うのならばカレーというのが割と鉄板メニューだろう。

 実際、運動部の合宿で夕飯がカレーというのはよくあること(偏見)だ。だが、それではあまりにもありきたり過ぎてつまらない。かと言って面白さを求める必要も無い。ここは堅実に明日以降もまだまだ特訓は続くことを考慮してスタミナ回復やスタミナ増強を促すものにしたい。

 

「さて、どうしたものかな。とりあえず、豚肉を使うのは決定だな」

 

 冷蔵庫から豚肉を取り出しつつ、他に何があるか物色する。物色すること五分。ようやく献立が決まった。

 冷蔵庫から取り出されたのは豚肉、ベーコン、玉葱、ニンニクの芽、サニーレタス、レタス、長ネギ、イカの刺身、ワカメ、カボチャ。

 いつ買ってきて入れた物なのか気になるが気にしない。

 

「サラダ、副菜、メインの順番でいいか。どうせなら他にも作りたいけど多く作りすぎて残すのも嫌だしな。今日は初日だしそんなに豪華じゃなくていいだろう。その前に米を炊かないと色々台無しになるな」

 

 この日の晩ご飯はジャーマンポテト、カボチャの甘露煮、豚肉のオイスター炒め、海鮮風サラダの全四品。

 甘露煮だけは小分けにし、それ以外はそれぞれ大皿二枚使って盛り付ける。

 完成後、ダイニングテーブルまで運ぶと、そこにはメンバー全員が集まっていた。きちんとアティが伝えてくれたようだ。

 

「すみません、お待たせしました。ご飯は各自でお願いします。皆がどれくらい食べるのか分からないので」

「それくらいどうってことないわ。ごめんなさい、本当は私たちが作るべきなのに……」

「どうせなら、謝罪ではなく他の言葉にしてください。俺が好きでやったことなので」

「えぇ、ありがとう」

「どういたしまして。さ、早く食べましょう」

 

****************

 

 晩ご飯を終え、一休み中にリアスが和希に尋ねる。

 

「今日、祐斗と子猫の特訓に付き合っていたけれど二人の実力でどこまでいけそうかしら?」

 

少し考えた後に二人共一定以上の実力があり、不意打ちや犠牲(サクリファイス)など、よほど油断していたか、搦め手という手段を取られない限り負ける可能性が低いことを伝える。

 戦いの場である以上、絶対とは言い切れない。それこそ、誰かが言った言葉がある。『あり得ないなんてことはあり得ない』と。選択し、行動する限り『もしも』の状況というのが必ずと言っていいほどついて回る。故に可能性が低いと言う言葉を選んだ。その後にだけど、と言葉を繋げる。少し言い淀んだ後にしっかりとリアスに真実を告げる。

 それは個人の実力でライザーを倒せるほどの力はなく、グレモリー眷属だけで勝つには誰一人として欠けることなく、ライザーVSグレモリー眷属という状況を作り出すしか方法がないことを。

 その言葉に僅かながら悔しそうな表情も浮かべるが、その後に普段の強気な表情を浮かべる。そしていつもの調子で言うのだ。ライザーなんて消し飛ばしてやると。

 そんな強気な発言に全員笑みを浮かべていた。

 話が一段落話したところでリアスが全く別の話題を振る。

 

「さて、そろそろお風呂に入りましょうか。ここは温泉だから素敵なのよ」

 

 

 当然、男女別で分かれて浴場に入る。祐斗は自分の体を洗いながら和希の体を見ている。

 

「そんなにジロジロ見ても面白い物なんか何もないぞ」

「あぁ、ごめんね。君の体があまりにも傷だらけだったから少し驚いていたんだ。その傷は一体いつから?」

 

 祐斗がそう問いたくなるのも無理ない。つい聞いてしまいたくなるほど、和希の身体は傷だらけだった。

 問いに関してはなんてことないように、何も気にしていないかのようにあっさりと答える。

 

「ヌアダと戦ったときが主だな。たまにアティと模擬戦みたいなことをやるからこの傷が出来たのは全部ほぼ最近だ」

「なんでそこまでするんだい?」

「そうだな……一緒にいて欲しい人たちがいる。俺が誰よりも強くならなきゃその人たちを失うかもしれない。そんなのは御免だ。俺はもう誰も失いたくない。だからこの手が届く距離にいる人たちを助けられるように、守れるように俺は今よりずっと強くなりたいんだ。お前にも夢や願い、達成したいものあるだろ?」

「うん、そうだね……」

 

 そこから特に会話が弾むことなかったが、お互い無言だった時間は決して嫌な時間ではなかった。そして祐斗が再び口を開く。

 

「和希くん、僕はリアス部長の騎士だから。だから、まずは今度の戦いで部長に勝利を捧げてみせる」

「あぁ、いいじゃねぇか。やってみろよ、俺はお前なら出来ると信じてるぜ」

 

 このやりとりを最後にして温泉から出るまで会話をすることはなかった。

 

 悪魔は夜に生きる異族。昼に活動する人間とは真逆の生き方をする。よって夜間も特訓があるのだが、アティはともかく、和希も種族上は人間であるため、夜は眠くなる。そんなにハードな物は出来ないのだ。

 和希は森の中に入り、自らの左手にに意識を集中させる。宿主の力を10秒間で倍。20秒で更にその倍とし、神にさえ届きうる力を持つ赤龍帝の籠手が現れる。

 そのまま目を閉じ、己の意識を籠手へと埋没させていく。

 徐々に音が消えていく。そして見えてくる。荒れ狂う炎が、赤き龍の帝王が。

 

『ほう、もう自らの意識でここまで来ることが出来るとはな。今回の宿主は随分と楽しませてくれそうだな』

「これくらいなら誰でも出来そうなんだけどな」

『残念だが、歴代の中でもそれが出来たやつは少ない。この短い期間で来ることが出来たのはお前が初だ。そしてお前が歴代最強の赤龍帝だろう。ただの人間でありながら神殺しを達成するなど聞いたことがない。神の権能を使う人間と滅神具(ロンギヌス)。面白い組み合わせだ』

「お前、結構おしゃべりなんだな」

『俺は面白いやつと話すのが大好きなのさ』

「なぁ、ドライグ。倍加の力を権能に使ったらどうなると思う?」

 

 ほう。と和希の言葉を聞き少し考え込むドライグ。

 

『今回の件、一部始終はお前を介して全て理解している。それこそ、フェニックスなど瞬殺だ。いや、今現存している魔王ですら瞬殺できる可能性を秘めている。だが、お前の肉体が耐えられるかどうかはまた別の話だ。ヌアダの権能なら限界まで溜めた状態で二回までが限界だろう。それ以上は無理だ。ウルスラグナだと恐らく肉体が負荷に耐えきれない。それこそ、同じ神が相手の時だけ運良く可能になるかどうかだ。それにしても神殺しさえ可能にする力を神の力に使おうするとは本当に面白いやつだ。精々長生きしてくれ、お前のようなやつは最初で最後だろうからな』

「そっか、ありがとう。あと、その点は安心してくれ、簡単に死んでやるつもりは毛頭ないから」

 

 和希はそう言って意識を浮上させる。浮上する間際にドライグが、『いつでも話に来い』とそう言った気がした。

 

「今日やってみようかと思ったけど試すのはまた後日にするか」

 

 そう呟いて部屋に戻っていく。部屋に戻ってから眠りにつくのに時間はかからなかった。

 

――――――――――――――――――――

 

 二日目は悪魔、堕天使、天使の三竦みの座学。各種族に存在する組織やそこの長や役職を持った存在の名前。リアスらオカルト研究部がそれらのことを分かりやすく、アーシアとアティ、和希に教える。簡単な問答をして大体理解できたところで次はアーシアが前に立つ。

 アーシアはついこの前まで修道女だったのだ。悪魔祓いやそれに関することなら一番深く理解しているのは彼女だろう。

 

「以前、私が属していたところでは二種類の悪魔祓いがありました。一つはテレビや映画に出ている悪魔祓いです。神父様が聖書を読み、聖水を使って人体に入り込んだ悪魔を祓う『表側』のエクソシストです。以前、カズキさんもお会いしたことがあります、フリード神父。あの人たちが『裏側』で悪魔である皆さんの脅威となりうる存在です」

 

 そう言ってから脇に置いてあった鞄をごそごそと漁り、何やらたくさん取り出す。出てきたのは聖書や聖水。どれも悪魔にとってダメージとなるものだった。それらの説明を簡単に済ませて簡易的な悪魔祓い講座を終える。最後に前に立ったのは和希だ。

 

「じゃ、改めて俺の持っている力について簡単にですが幾つか説明しようと思います。以前も話しましたが俺が一番最初に簒奪(さんだつ)したのはゾロアスター教の英雄神です。東方の軍神、ミスラの懐刀、常勝不敗の神と呼ばれたウルスラグナの権能です。その数日後に簒奪したのがヌアダの権能となります。あとここから先はオフレコ、この中だけの秘密にしてください。いいですか?」

 

 和希はそう言ってオカルト研究部の面々を見渡す。そしてその言葉に対し、頷いてくれた。彼らを信じていない訳ではない。それでもこれから話すのは自らの秘技に当たるべきもの。可能な限り他人にばれるのは避けたいのだ。

 

「まず、ウルスラグナの権能ですが、これらを使用する際には厳しい条件があります。黄金の白馬だったら民衆の敵にしか使えず、黄金の剣を使う戦士ならば相手のことを理解している必要があります。簡単に言ってしまえばこれらは10の必殺技なんです。だから発動条件も厳しい。そして一日一回しか使えず、再度使用するには日にちを跨ぐ必要があるんです」

 

 ウルスラグナの権能を軽く説明したところでリアスがストップをかける。

 

「カズキは戦士の力を使うには相手のことを理解している必要があると言ったわよね? でもそれって大変なことよね? 何百とある説を全部頭に入れるのと同じなのだから」

 

 伊達にグレモリーの次期当主ではない。そしてリアスの質問に対する答えはYesだ。この時代に通説や俗説は腐るほど転がっている。それらを読む、もしくは口頭で伝えるには膨大な時間が必要となる。

 そして、それらを理解し、紐解いたとき。相手の全てを丸裸にし、神を神たらしめる力をはぎおとす。それが黄金の剣だ。

 ならばそれをどのように行っているのか? まだ、アーシアがいない時だが、和希は言った。自分の体は外部からの魔術は受け付けないと。まさか、自力で行っているのだろうか。

 

「まぁ、どのような手段で得ているかは秘密です。あまり大っぴらに出来ることではないので」

 

 それもそうだ。まさか言えるわけなどない。アティにキスで教授の魔術をかけてもらったなど。下手したら白い目で見られかねないのだから。

 一度気を取り直して続ける。

 

「では、残りの二つについて。まずは以前見せた龍の手(トゥワイス・クリティカル)なんですが、実は滅神具(ロンギヌス)赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)でした」

 

 苦笑して右手で頭をかきながら左手にそれを顕現させる。すると、一同が驚愕に満ちた表情を浮かべる。それもそうだろう。ただの龍の手だったと思えば、実は神さえ殺すことが出来るだったのだから。これで驚かないというほうがどうかしている。しかもそれを何でも無いようにさらっと言われたのだからたまった物ではない。

 

「あと、剣を作り出すこの力ですが、魔剣創造(ソード・バース)ではありません。投影魔術と呼ばれる魔術です。本来は想像した物を魔力で編むのでそんな実戦で使えるものなんて作れないんです。ですが俺のこれは異常で、俺が作り出したものは限界が来るか、俺自身が破棄しないかぎり半永久的に存在し続けます。主に剣を作り出すのは一番負担が少ないからです。それにも理由はあるのですが、また後日ということで」

 

 沸いたように出てくる和希の秘密に対し、既にリアスは頭が痛そうだった。そして人が理解の限界に達したときどうするか。それはとある一言を落とし所とするのだ。

 

「カズキだから仕方ないのかもしれないわね」

 

 そう、○○だから仕方ないという一種の諦めに近い物だ。まぁ、実際それは正しい判断ではある。ただの人間でありながら既に神殺しという人ならざる偉業を成し遂げているのだ。最初から自分たちの尺度で測れる人間ではなかったのだろう。いわゆる逸般人なのだから。

 そんなこんなで午前の勉強会を終えたのだった。




 次回かその次辺りにライザー戦に入ると思います。
 また、今回も読んだ後に指摘点は多いと思いますが、そこは重々承知しているので……。
 流れがおかしい、こんなわけがない。など否定的な意見があると思いますが意図的にそうしている場合もありますので、よろしくお願いします。
 

 話がガラリとと変わりますが、八年前の今日はテイルズオブザワールドレディアントマイソロジー3の発売日なんですよね。
 自分がこちら側に走ったきっかけがマイソロ3なんですよね、皆さんはどんな作品がきっかけでこちら側になりましたか?
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