ハイスクールD×D ~神殺しの王は赤き龍の帝王となりて王道を征く~ 作:ガーネイル
全く思いつかなかった。ちなみに今作の文体はカンピオーネが元です。余談ですね、すいません。
今回は色々と自信ないデス……。穴だらけかもしれませんが、それはご都合主義ということに…………なりませんかね?
朝から和希は部屋でアティに正座させられていた。そして紅髪の少女はベッドの上で座っている。
「和希くん。未成年の男女が同じベッド。ましてや裸なんて言語道断です。いいですか? …………」
和希に容赦ない言葉をかけるアティ。
もうやめてくれ、俺のライフはもう0だから!
完全に折れた和希から視線を外し、次にアティは紅髪の少女へと向き直る。だが、紅髪の少女は態度を改めるつもりはないらしく、ベッドの上で座っている。
「それであなたは? 人間ではありませんね? サプレスの悪魔とも少し違う。和希くんに何か用でもあったんですか」
和希に説教している時とは一変して少し攻撃的な態度だ。言葉の節々に棘を感じる。それを受けている少女はアティの質問に対し、少し目の色を変えた。悪魔という単語に反応したのである。
少女は一度考える素振りを見せた後に何かに納得したかのように頷く。
「それなら学校が終わった後に使い魔を送るわ。貴女と和希のことも聞きたいし、お互いに情報交換といきましょう」
「……分かりました。お待ちしています」
(……あれ? 俺の意思は?)
和希の意思は完全に無視される方向で話は着地した。
アティは朝食ができているから和希に制服に着替えて降りてきて、と言ってから部屋から出ていく。
和希は初めて見たアティの態度に少し驚いている。
一方、アティの方も何故自分がこうなっているのか分かっていない。ただ、和希が見知らぬ全裸の少女と一緒にいるのを見たとき、自身の中に形容しがたい何かが生まれたのが分かった。
本当はあそこで説教する必要なんてないはずなのに、そうせずにはいられなかったのである。アティは自分の中にモヤモヤしたものを感じながらリビングに戻った。
和希は制服に着替えた後、何故か、少女と共にリビングで朝食を摂っていた。左隣にはアティ、右隣に紅髪の少女が座っている。和希は左方からものすごい圧力のようなものを感じながら黙々とご飯を食べる。
和希はその時のことをこう語る。あんなに生きた心地のしない朝食は初めてだった、と。
朝食後、和希は簡単に身支度を済ませ、家を出る。そして和希は登校中、初めてその少女に対し、口を開いた。
「一体、何のつもりですか? リアス・グレモリー先輩」
「ようやく口をきいてくれたと思ったらそんなこと?」
「そんなことでも俺にとっては重要なことです」
「そうね。そのことについても放課後に話すつもり。あまり、せっかちだと嫌われるわよ?」
「そうですか。あと、余計なお世話です」
朝起きたときはバタバタしているからそこまで気にしなかったが、和希の目の前にいるのは少女の姿をしている何か、だ。それが悪魔の類なのか、夕麻と名乗っていた少女の仲間なのか分からない。ただ、神殺しとしての体質が機能しているのが何よりの証拠だった。
学校までお互い無口で歩いていく。学校が近づくに連れ、和希達に視線が寄せられていく。和希へと向けられる視線は嫉妬や羨望。憧れや好意と様々なものがある。
和希とリアス。お互い何も話さないが、周りから見るとお似合いの二人なのである。和希は居心地の悪さを感じながら隣を歩いていく。
昇降口にたどり着いたところでリアスが和希へと言葉を発する。
「放課後に使いを送るわ。朝の女性と一緒に来なさい」
「分かった」
和希が頷くのを確認してからリアスは教室の方へと向かっていく。和希は調子が狂うのを自覚しながら教室に向かった。
「風峰覚悟!」
「うるせぇよ!」
和希が教室に入るや否や松田と元浜が襲い掛かってくる。和希は二人を一撃で沈めて自分の席に着く。が、ここで一つ不可解なことに気付いた。昨日いたはずの夕麻という少女の席がないのだ。和希は後ろにいる女子生徒に話しかける。
「おい、昨日きた転校生は?」
「て、転校生なんて来てないと思うけど……」
「そうか、すまない。ありがとう」
その女子生徒は顔を紅くして俯いてしまう。和希はそれに気づかず、思考の海に潜っていた。いたはずの少女が元々来てないことになっているのだ。和希にとって疑問に抱くには十分だった。
様々な可能性を出したころには放課後になっていた。和希の元へ金髪の少年がやってくる。
「木場、お前か? グレモリー先輩の使いってのは」
「察しがいいね、風峰くん。その通りだよ、それじゃ君の知人と合流してリアス先輩のところに行こうか」
木場と呼ばれる少年のフルネームは木場裕斗。駒王学園において女子生徒の間で和希と共に二大王子と呼ばれているのだが、本人たちはそれを知らない。
それはそれとして和希がそれに気付いたのは体質が再び強く作用し始めたからだ。学校内では作用しなくなるということはないのだが、ある程度落ち着きを見せていたのである。木場が近づいてきた瞬間、それが活性化し始めたのであれば、十分理由になる。
和希は立ち上がり、木場と共に歩いていく。周りから黄色い声が上がるが和希はそんなことを気にしない。一方、木場はサービス精神が旺盛なのか手を振って応えている。それにより気絶している人がいるがそれは置いておこう。
木場と和希はリアスの使い魔に連れてこられたアティと合流し、リアスがいるであろう部屋に向かう。
しばらくして到着したのは暗く蝋燭の炎で明かりを灯された部屋。そしてこの部屋に入ると同時にさらに戦闘に向けてボルテージが上がっていく。ソファには白髪で小柄な女子生徒がお菓子を食べながら座っている。
「彼女は一年の塔城子猫さんだよ」
塔城子猫は人形のようで高校生に見えない容姿から一部の男子と女子全般から「可愛い」と評判で駒王学園の中ではマスコットのような存在である。
子猫が和希達に気付き、羊羹を食べるのをやめる。
「こちらは風峰和希くんと……」
「アティです」
一度会釈をしてから再び羊羹を食べ始める。ここで和希が僅かな水の音に気付く。音源を見るとそこにはシャワールームと思われる部屋があった。
……ここは学校の設備の一つだろ。なぜシャワールームがここにある?
和希が言葉にせずに疑問を呈する。それを知ってか知らずかそばにいる女性がシャワーの中にいる人物に声をかける。
「お召し物です、部長」
「ありがとう、朱乃」
木場含め三人は至って当然のような顔をしている。和希とアティは自分たちの常識が間違っているのかと少し不安になっている。
朱乃、と呼ばれた女子生徒も二人に気付き、近づいてくる。和希の前で立ち止まる。
「あなたたちがお客様ですね。初めまして私、副部長の姫島朱乃と申します、どうぞ以後お見知りおきを」
「アティです」
「風峰和希です。こちらこそ初めまして」
姫島朱乃。彼女は大和撫子を体現したような女性である。和希と木場が二大王子と呼ばれているように、朱乃とリアスは二大お姉様と呼ばれている。朱乃もリアスと同じように男女問わず憧れの的にもなっている。
カーテンが開き、リアスが出てくる。
「ごめんなさい、昨日あなたの家にお泊りしたままだったから」
「いえ、気にしないでください。ですが、今後は遠慮してくれると助かります」
「そうね、検討しておくわ。さて、これで全員そろったようね。オカルト研究部はあなたたちを歓迎するわ」
ようやくというべきか、全員が揃い本題に入る。
「オカルト研究部は仮の姿。いわば私の趣味のようなものよ。単刀直入に言うわ。朝、そこの彼女が言った通り私たちは悪魔よ。細かいことは後で教えるわ」
和希はそこで特に驚くこともなかった。なるほど程度の認識である。体質上人外であることは気付いていたし、何より和希はまつろわぬ神と戦い、神がいることも理解していたからである。ルクレチア・ゾラとの一件もあるから尚更である。
そしてリアスは和希とアティを一瞥してから再度、口を開く。
「昨日の黒い翼を持った女。あれは堕天使よ。神に仕えし天使でありながら邪な感情を持っていた為、冥界に堕ちてしまった者たち。彼らは人間たちを操りながら私たち悪魔を滅ぼそうとしているの。太古の昔から冥界、人間界で言うところの地獄の果てを巡ってね。堕天使以外にも神の名によって悪魔を倒しにくる天使もいるわ。つまり三竦みの状態なの。ここまで理解できた?」
和希は前世で、アティは元の世界で戦争というものを経験しているから前半はともかく、三竦み云々というのはきちんと理解できている為、すぐに頷く。
リアスはそれを確認した後、再び続きを言うかと思われたが、和希を一度見てから、ある人物の名前を告げる。
「天野夕麻」
その名前に和希は肩を揺らす。アティは反応を示した和希を見る。
天野夕麻。彼女は確かに存在していたはずである。何故なら和希自身に記憶がある。それに神さえ殺した者が情けない話だが光の槍が和希のお腹を貫通し、一度死んだからである。雄羊の化身を使い生き返ったから問題はないが。
そして今朝、彼女のことについて聞いたが理由ははっきりしていないままではあるが存在していないことになっていた。
そんな時に出てきた彼女の名前。普段ならともかく、思わず反応してしまった。
「覚えているはずよ、直接的な理由ではないけれど告白を振って殺されたのだから」
「あぁ、覚えているさ。周りが覚えてないのは彼女が堕天使の類だからだと?」
「分かっているなら話は早いわ。その通りよ。周りが覚えていないのは目的を終えたから」
「それは俺を殺すことだったのか」
その言葉を聞いて百点というように深く頷く。
アティとしては会話を聞いて驚くしかなかった。何故なら彼女は和希が既に二柱の神殺しに成功した王だと知っているから。その話を聞いてアティは和希が雄羊の化身を使ったことも理解した。
「そう。堕天使はあなたのその身に宿したものを確認して害があると判断しあなたを殺したの」
「神器だな?」
「特定の人物の身に宿る規格外の力。歴史上に名を残した多くの人物がそれを宿していたと言われていますわ」
「時には悪魔や堕天使の存在を脅かそほどの力をもったものがあると言われているわ。カズキ、そこに立って左腕を上に翳して頂戴。そこで目を閉じて一番強いと感じる何かを思い浮かべて」
和希は言われるままそれを行う。左腕に何かの違和感を感じ取った。剣を作り出した時とは違う何か。曖昧だが、それを感じ取り、きっかけとなる一言を発する。
「
すると、和希の腕に籠手のようなものが出現していた。
「
「それはカンピオーネとしての体質のせいだ。カンピオーネの体は良くも悪くも魔術、魔法等を受け付けない。経口摂取のみその限りじゃない。そして人の理から外れた者がいると戦いに備え、体調も万全になっていく。だから天野夕麻やあなたたちが人間でないことは知っていた。それでも死んだのは恥ずかしながら完全に油断していただけだ」
リアスが原因について話す。そしてリアスの質問に対し、和希は事実のまま話す。が、聞きなれない言葉にオカルト研究部の全員が首を傾げる。
それもそうだろう。この世界において神殺しという偉業を成したのは和希のみ。その言葉自体造語のようなものでもある。もっともカンピオーネの大元の意味はチャンピオンと同じだ。
祐斗が手を上げ和希に質問する。
「ごめん、風峰くん。そのカンピオーネって何か教えてくれるかい?」
和希は話してもいいかという確認の意味を込め、一度アティを見る。アティは頷き、それを確認してカンピオーネとはどういうものかを話す。
「カンピオーネは正式な言葉じゃない。多分、この世界だと俺だけだと思う。いわば造語みたいなものだ。カンピオーネはいわば称号のようなものだ」
「称号? あなた、何をしたの?」
「神殺し。カンピオーネとは神殺しの王という意味だ」
和希の口から紡がれた言葉に部員の間に驚愕が走る。
それは当然のことだろう。ついさっき神器を発動させたばかりの少年がそれよりも前に神を殺したのだと言うのだから。
リアスが慌てて立ち上がり、質問する。
「ちょ、ちょっと待って。神殺しってどういうこと? 普通の人間がそんなこと出来るわけないわ!」
「運よくというのかその時、俺には祖父さんからの使いでプロメテウス秘笈を持っていた。サルデーニャの魔女・ルクレチア・ゾラに返すために。その時、俺は東方の軍神・ウルスラグナと出会った。その時にアティにも出会った。そして秘笈には白馬の化身が封じ込まれていた。翌日の朝、メルカルトと共闘して最後のあがきで秘笈を使い、ウルスラグナが持つ黄金の剣を盗み、アティの教授の術で黄金の剣を使えるようになり、ウルスラグナに止めを刺した。その数日後か数週間後くらいに神王ヌアザと戦った。戦い、勝利した代償に俺は一度死んだ。そして俺はこの身に神から簒奪した権能を宿し、神殺しとして生き返った。堕天使に殺され生き返ったのはウルスラグナ第八の化身・雄羊の力。俺が使える権能はウルスラグナが持つ十の化身とヌアダが有していた全てを斬り裂くことが出来る銀の腕だ」
荒唐無稽な話だと思うけどな。和希は最後にそう言って話を終える。
予想以上にぶっ飛んだ話を聞いてオカルト研究部メンバーは固まっている。
それもそうだろう。まさか二柱の神を殺し、その身に神の力を有しているなど誰が考えるだろう。さらにその力で生き返るなど誰が思うだろうか。
考えがなかなかまとまらずどれくらいの時間が過ぎただろう。ようやくリアスが再起動するがやはり信じ切れてはいない。
だが、それは当然のことである。いきなりそんなことを言われても信じられないというのが現実だ。
リアスはその証拠を見せてもらうことにした。
「今の話を嘘だとは思わないけれど、やはり信じられないわ。どれでもいい。一つ見せてくれないかしら?」
「そうだな、ここまで来たら隠し事はなし話だ。投影開始。……俺は俺に斬れない物の存在を許さない。ここに誓おう、この剣は全てを切り裂く無敵の刃であると!」
和希は右手に剣を作り出し、そのまま
ここに来てもう一つの力を見せる和希。剣を創り出したことに木場が反応する。
木場としてはまさか和希が剣を使う者だと思っていなかった。
いよいよリアスは頭を痛そうにしながら話し始める。
「神の権能に龍の手、その剣は
「魔剣創造かどうかは分からない。理由は分からないけど自分が知っている剣しか作れないからな」
「その件はあとね。最後にアティと言ったわね? 最後にあなたのことを聞いていいかしら?」
和希は元座っていた場所に戻る。アティは分かりました。短く言い、自身のことを話す。アティもまた、単刀直入に物事を進める。
「私はこことはまた違う世界から来ました。様々なものが混ざり合う世界リインバウム。周りに機界ロレイラル、鬼妖界シルターン、霊界サプレス、幻獣界メイトルパ。そして名もなき世界。これら五つの世界があります。リィンバウムではサモナイト石と呼ばれる特殊な鉱石にマナを注ぎ込んで四つの世界との通路を開き、召喚対象となる真の名を唱えて誓約によってリィンバウムに呼び出します。召喚に必要なサモナイト石には黒・赤・紫・緑・無色の五種類が存在し、黒がロレイラル、赤がシルターン、紫がサプレス、緑がメイトルパ、無色が名も無き世界の存在をそれぞれ召喚することができます。そのサモナイト石は、世界の地下を流れるマグマに含まれるマナが長い時間をかけて結晶化したものです。本当はもっと過程があるのですがここでは省略しますね。一度召喚に使われたサモナイト石には召喚された存在の真名または紋章のようなものが刻まれ、その存在をサモナイト石が破壊されるか召喚対象の死亡・消滅及び誓約の解除がなされない限り何度でも呼び出すことができます。そして召喚術を用いる者を召喚師、使役対象を召喚獣と呼びます。私は召喚師にあたります。最も、私は
さすが家庭教師を務めていただけあり、出来るだけ分かりやすく伝えることを考えている。だが、リアスたちからしたら未知の世界のこと。理解するのは難しい。ただ分かるのが自分たちの理解の外だということ。よって一度理解するということを諦める。
そしてこの場に再び沈黙が流れる。まさか二人とも予想の範疇を超えるとは思っていなかったのだから尚更である。
リアスは一度溜息をつく。そのあと諦めたように言葉を発する。
「それだけ私の知らないことを知っているなら信じられるわ。最後に私のことね」
「それならいい。グレモリーという悪魔がどういうものかは知っている。お前自身のことだけでいい」
「そう。分かったわ。私、リアス・グレモリーはグレモリー伯爵家の長女よ。オカルト研究部の部長でこのグレモリー眷属のキングよ。もしよろしければあなたたちもこのオカルト研究部に入ってもらえないかしら。アティもどう? この学校で教師としても働けるようになるわ」
二人はこの提案に対し、一度考える素振りを見せる。結果的に二人はその提案を受け入れる。
それを受け入れたところでこの場は解散となった。
今回はここまでです。
まぁ色々突っ込みたいことや文句があるかもしれませんが許してください。今の自分にはこれが限界なんです。
それでは。