タイトルは浮かばなかったので適当です(小並感)
↑いい加減変えました
家に着いたのは18:30頃だった。
まず家に入れてもらうことはできた。しかし、母さまからは「てめえにやるメシはねえ。」とご立腹の様子で夕飯は抜きとなってしまった。もちろんメアも同罪である。仕方ないので風呂に入ったあと二階に上がって寝ようとしていた。現在時刻は19:38。うん、早すぎる。
「はぁ、腹減ったなぁ。」
めちゃくちゃお腹が鳴っていた。サンドイッチをいろんなポケモンに分けてあげてたので俺は二、三個くらいしか食べていなかったのだ。
「マスター♪おにぎり作って来ましたよー。」
ドアの下の隙間から一つの影が入って来てそこからいくつかおにぎりの乗った皿を持ったメアが現れた。
「おっ、ナイス!」
「お母様がお風呂に入っていたのでこっそり作って来たんです。」
「そうか、でかしたな。いただきまーす。」
『パクっ』
一口かじるとご飯の中から赤い物体が出現した。
「ん、梅干しか。この酸っぱさがたまんねぇなぁ!」
ちなみに俺は梅干しは基本すっぱいものじゃないと食べられない。ハチミツの梅干しとかあるけどあれは口に含んだだけでリバースしてしまう。うちにある梅干しはカントーにいる(らしい)おばあちゃんが作ったものでとにかくすっぱい。でも、この酸っぱさが好きなのだ。
「まぁ、私は塩一択ですけどねー。」
そう言ってメアは具の入っていない塩オンリーのおにぎりを食べる。
「うん、美味しいでふ。」
喋らながら食べていたら気づけばおにぎりは無くなっていた。満腹とまではいかないが結構お腹が膨れたと思う。
「ふー、ありがとなメア。美味しかったよ。」
「はい、これでいつでもマスターのお嫁に行けますね♪」
何かとんでもないことを言った気がするがスルーでいこう。
「んー、とりあえずシロナさんの連絡先を追加しとくかな。」
俺は机の上に置いてある携帯を手に取り、連絡先に『シロナさん』と書いて追加した。その直後だった。
『〜♪』
携帯から着メロが流れる。
「ん?誰だ?」
俺は再び携帯を手に取り、開いて見た。
「......いきなりかい。」
携帯の画面には『シロナさん』とあり、さっき登録した電話番号からかかってきていた。
『ピッ』
「はい、何ですかシロナさん。」
『さっきぶりね。実は一つ聞きたいことがあるんだけどいいかしら?』
「あー、はい。何ですか?」
『あなたの名前教えてちょうだい。まだ聞いてなかったのよ。』
あっ、そういえば名乗ってなかったな、俺の名前?
「ハルトっていいます。要件はそれだけですか?それじゃ。」
『えっ、ちょっ、ハルt...』
「ふー、結構面倒な人と知り合いになったかもしんねーな。」
俺は携帯を充電器に挿し、ため息をついた。
◆◇◆
翌日
「やっべ、本今日までに返さないといけねぇじゃん!!すっかり忘れてた!!」
そう、本を5冊ほど借りていたのだが、返却日が今日までで遅れた場合、延滞料金を取られるのだ。うん、図書館なのに延滞料金取られるって意味わからん。
「母さん、ちょっと図書館行ってくるわ。」
「そう、行ってらっしゃい。」
俺は急ぎ足で外へ出た。因みにメアはまだ寝ているらしい。(もう10時)
昼夜逆転現象不可避。
『がちゃ』
「おはようございまーす。」
俺は入り口のすぐそばにある受付に向かった。そこにはいつも通りナナミさんがいた。
「おはようハルトくん。ちょっと久しぶりね。例の件は済んだの?」
「はい、何とかなりました。」
そう言って俺は借りた本をナナミさんに渡した。それを受け取るとナナミさんはバーコードを読み取ったり返却事務を進めていく。
すると、ナナミさんは静かに微笑み
「そう、なら良かったわ。はい、返却確認しました。また、借りに来てね。」
「はい。それでは失礼しますね。」
ナナミさんは俺が返した本を元に戻すため、受付を離れて行った。
「さて、帰ってメアを起こすか...。」
『ガチャ』
俺はミオ図書館を出た。
「おっ、ハルトじゃないか!」
「あっ、おはようございますトウガンさん。」
ミオ図書館を出ると、そこには赤紫に近い色の髪と鬚を持つ。黒のマントに白のノースリーブ、作業着の下衣を着用していて肩にシャベルを担いでいる男、また、ミオシティのジムリーダーでもあるトウガンさんがいた。
「なんだ、また本を借りてたのか。」
「いや、今回は返しただけですね。」
「読書に勤しむのもいいが、適度に体を動かせよ?お前くらいの子供は一番運動に勤しんだほうがいいからな。」
「はい、気をつけます。」
精神面は高校生並みだが、体はまだ子供だ。確かに体は動かしたほうがいいのかもしれない。
「ところでお前って何歳だったか?」
「10歳ですけど。」
「旅には出ないのか?」
うん、聞かれると思ったわ。
「いや、まだ出るつもりはないですね。出ても12歳くらいですかね。」
「ふむ、そうか。割としっかりしてるじゃないか。うちのヒョウタなんて旅に出たい出たいって6歳のころから言ってたからなぁ!!はっはっは!!」
因みにトウガンさんの息子さんヒョウタさんは今はクロガネシティのジムリーダーをやっている。親子揃ってジムリーダーか。どんな気持ちなんだろ。
「そろそろ、ジムに戻らんとな。挑戦者が来てるらしいからな。」
そう言ってトウガンさんはそそくさと急ぎ足でジムに帰って行った。
「旅か......そろそろ考えないといけないのかな。」
そんなことを考えながら家に帰ろうとしていた、その時だった。
「むくぉー!!」
「おっ、ムクバードか?珍しいなお前がミオシティに来るなんて。」
こいつは218番道路にいる野生のムクバードだ。普段ミオシティに入って来ることなんて滅多にない。因みにだが、俺は218番道路のポケモンたちとも仲がいい。たまにサンドイッチやらを持って行ってあげている。そのムクバードが慌てた様子で俺のところに来た、多分何かあったのだろう。
「おっけー、連れてってくれ。」
「むくぉっ!」
ムクバードは俺を先導するように俺の前を飛んで218番道路に連れて行ってくれた。
「...っ!」
「ぺらっぱぁ!!」
俺は驚きを隠せなかった。草むらの隅の方に檻のようなものが置いてあってその中にペラップが閉じ込められていたのだ。
「ちっ、誰がこんなことやりやがったんだ...!?待ってろ、今助けてやっから。」
俺は檻をなんとか開けようとした。その時だった。
「おいお前、何やってんだよ。」
「あ?」
振り向くとそこには黒?いや、少し灰色に近い髪、そして下に白いTシャツを着て、その上に赤いベストを羽織っている男。うん、RSEの鳥使いの人だな。なんでこんなところに。
「せっかくホウエンから来てやったんだから、シンオウの鳥ポケモンが欲しくてな。だから、ちょっとばかし罠を張ってたんだが、お前何やってんだ?」
すげえ目つき悪いわ。RSEの鳥使いの人って結構イケメンなイメージあったけど、実際に見ると全然違った。全くイケメンじゃなかった。
「てめぇか、こんなとこにこんなもん置きやがったのは。」
「あぁ、そうだ。交通費でほとんど財布の中身が飛んじまったからよ。こーやって拘束して痛めつけてやってから捕まえようってわけだ。」
「ちっ、いろいろツッコミたいところだが、そんな汚ねえやり方しかできねぇのか。お前ポケモン持ってんだろ?だったらそいつで捕まえればいいじゃねぇか。」
「あぁ、確かにポケモン持ってるぜ?出てこいオオスバメ。」
鳥使いはモンスターボールからオオスバメを出した。
「でもな、俺はモンスターボールを2個しかもってねぇんだ。そして、所持金は40円......言ってる意味わかるな?」
いや、なんでこいつこんなドヤ顔してんだ?正直、笑いを堪えるので必死なんですけど。
「なんでもう少しお金貯めてからシンオウに来なかったんだよ!!40円じゃ何もできねえじゃねえか!!」
「てめえ!!一番気にしてることをーーーーッ!!!オオスバメ!!つばめがえしだ!!」
「はぁっ!?なんでだよ!?てめえからふってきたんだろうが!!」
「問答無用!!死ねぇ!!」
『バギィ!!』
「ぐはぁっ!?」
オオスバメのつばめがえしが俺の身体に直撃した。
俺は後ろに吹き飛ばされ、木に背中からぶつかった。
「く...そ...いてぇ...!」
そう言いつつも俺は鳥使いを睨みつけていた。防御力下がってくんねーかな。
「...おい、何だその目は?殺されてぇのか?」
鳥使いは俺の腹に思いっきし蹴りを入れた。理不尽だ。
「ぐっ!!」
しかし、タダでは終われないので俺は鳥使いの足を掴んでそのまま一緒に倒れこんだ。
「いってぇ!!?テメェ、何しやがる!!離せや!!」
「お前なぁ、捕まえるなら正々堂々捕まえやがれ!!こんな捕まえ方して捕まったポケモンが懐くわけねぇだろぉがよぉ!!!」
俺は拳を鳥使いの顔面にねじ込んだ。
「ぐぼぁ!?」
しかし、鳥使いは何とか俺を振り切り立ち上がる。
「ぺっ、てめぇ...!!よくも俺の超絶イケメンフェイスを汚してくれやがったなぁ!?」
いやいや、イケメンじゃねえだろwww中の下くらいの顔しやがって。ナルシストかよ。
「オオスバメ!!ブレイブバードだ!!あいつをぶち殺せ!!」
「はっ!?」
ヤバい、ブレイブバードはヤバい。今度こそ死ぬかも...!!
ブレイブバードは反動ダメージがあるもののひこうタイプの技の中ではゴッドバードの次に威力の高い驚異の120だ。
※ゴッドバードは140※
「すばぁぁぁぁぁっ!!!」
オオスバメはものすごいオーラを纏い、突っ込んできた。
あ、死んだわ。ガチで死を覚悟した、その時だった。
「あなた、私のマスターになんてことしてるんですか。」
「はっ?誰だ!?」
ん、この声は......
「な、何だったんだ...っ!!オオスバメ!!?」
気づけばオオスバメは地面に墜落して、苦しんでいた。
これは多分『ナイトメア』が発動しているのだ。
「......っ、メア...か...?」
「ま、マスターっ!!大丈夫ですか!?」
メアは俺の目の前に現れ、心配そうに肩を貸してくれた。
「あ、あぁ...悪いな。ありがとう。」
「いいんですよっ...!!ほんとに大丈夫ですか...!?」
「あぁ、つばめがえしを食らったときはちょっとヤバかったけどな。」
「えっ......つばめがえしを受けたんですか...?」
「あぁ、めちゃくちゃ吹き飛ばされたよ。」
「...っ!!......そうですか。」
メアはゆっくりと立ち上がった。
「お、おい、何する気だ...!?」
メアは振り向いた。メアは不気味に笑っているが目が全く笑っていなかった。
「いや、ちょっとあのクソ野郎に天国への片道切符を渡してくるだけですよ。」
うん、めちゃくちゃキレてるね。まだ、オブラートに包んでくれているが要するに殺すってことだね、うんダメだ。
「まて、メア...。」
俺はメアの右手を掴んだ。
「離してください、あの人を殺せません。」
とうとうオブラートにすら包まなくなっちゃったよこの子。
「......やってもいいけど殺すなよ?」
俺は許可した。正直彼奴にはムカついてたからな。
「それじゃ行ってきます。」
逝ってらっしゃい。
メアは鳥使いの前まで歩いて行った。鳥使いの人はメアの殺気で動けなくなっていた。既に涙目になっているが、男の涙目なんて需要は無い。だから大人しくメアに食われてこい。
「鳥使いさん。」
「ひゃ、ひゃい!?」
「マスターに感謝することですね。仮にマスターが気絶でもしていたら、私に指示していなかったら...」
「迷わず消してましたよ?アナタ。」
鳥使いをどのような顔で睨んでるのだろうか。想像もつかない。
背中を見てるだけでも殺気が凄い。今すぐでも殺せてやりたいが我慢してやると言っているような、そんな様子だった。
「あが......がぁ......!」
鳥使いは白目をむいて跪いている。何かに取り憑かれているようで真上を向いて泡を吹いていた。
「次はありません。次マスターに手を出すようなら、今度は迷わず消します。跡形もなく.........ね。」
「っ!!」
鳥使いはその言葉で正気に戻ったのか、目を見開いて恐怖の表情を見せていた。
「ひっ、ひぃぃぃっ!!」
鳥使いはナイトメアの効果で気絶したオオスバメを抱えてコトブキシティの方へ逃げていった。
『じゃぼおおおん!!』
「ひゃあっ!?」
橋が落ちていることを忘れていたのか、海の中に落ちていた。
もう知らん。
『ガチャン!!』
「よし、何とか開いたぞ。」
俺はテコの原理やら何やらを駆使して、檻をこじ開けてペラップを解放した。
「ぺらぁぁ!!!」
ペラップは泣きながら俺の胸に飛び込んできた。
俺は優しく抱きしめ撫でてやった。
「ごめんなペラップ。俺たち人間がこんなことしちまって......」
「えっ、マスターは何もしてないじゃないですか、どうして謝るんです?」
メアは俺の行動を疑問に思ったのか聞いてきた。
「たとえ俺がやってなかったとしても、俺たち人間がやったことに変わりはない。だから、俺にも人間としての責任があるんだ。こんなもので許されるとは微塵も思ってない。でも、謝らないといけないと思ってたんだ。」
「...ッ!!」
メアは驚きの表情を見せ、突然涙を流し始めた。
「えっ?」
「ま、まずだぁぁ...!まさかあなたがここまで私たちポケモンのごどを思っていだなんでぇぇ...!!私、感動じまじだぁぁ...!!」
メアはその場で膝から崩れ落ち、感動の涙を流していた。
「( ゚д゚)ポカーン←俺」
「。゚(゚´Д`゚)゚。うわぁぁぁ!!←ポケモンたち」
その後俺は何とか皆を泣き止ませて別れた。
「ふぅ、何とか済んだか。ほら、お前も涙を拭けよ。」
俺はポケットからハンカチを差し出した。
「ぐすっ、ありがとうございます...!!」
メアは俺のハンカチで涙を拭いていた。何故かその時、メアの鼻息が荒かったのかは触れないこととしよう。
「腹減ったな、もう12時か。よし、帰るぞメア。」
「はい!昼ごはんにしましょう!!」
俺とメアは218番道路を去ろうとした。その時だった。
「ふーん、君が
後ろから俺の名前を呼ばれたので振り向くとそこには、水色で肩くらいまでかかった短い髪、透き通るような黄色い瞳、とくに何も描かれていない薄灰色のパーカーに、紺色のミニスカートでメアと同じ.........いや、少し背が低いくらいの少女がいた。
まさかのボクっ娘ですか...!!
初めて見たボクっ娘に若干テンションが上がっていたのは内緒の話だぞ?
その少女は俺を見ながら静かに微笑んでいたのだった。