あと、お気に入り登録500人突破してました。ありがとうございます。こんな僕の妄想を具現化させた完全ご都合主義&タイトル詐欺な駄作がここまで伸びてるなんて思いませんでした。これからも変な方向に物語は進んでいく(予定)ですが、何卒、あたたか〜い目で見守っていただけるとうれしいです。
※因みに、ポケモンにおいて伝説ばっかり使ってる人はあまり好きじゃないです(ブーメラン)
「ん……?」
ふと眩しく感じたのだが、それよりも気になったのが何か俺の上に乗っているのかやけに重みを感じるのだ。なんとか目をなんとか開けてみた。
「あっ…///おはようございます!マスター!!」
そこには俺の上に跨っているメアの姿があった。
「おはよう………あのさ。」
「はい?」
「なんで跨ってんの?」
「いや、その、マスターの……アソコが………その、苦しそうだったので………その、楽にしてあげようと///」
「は?」
「あっ///当たってますって///」
例の朝起きた時の生理現象が今起きてるわけだが………てか、メアのスカートって結構短いよな(話題強制転換)あと少しで、見え……見え……見え、
「もうっ!マスターってば私のパンツみたいなら見たいって言ってくれればいいんですよ!!ほらっ、好きなだけ見てくださいねっ!!」
メアはそのまま躊躇なくスカートをめくった。……うわ、結構エロいの履いてるんだな……って違う違う!!!
「なにやってんだよ!!」
「えっ?何って、パンツ見せてるんですよ。おかしいですか?」
「いやいやいや、なんでそこで首傾げてるんだよそこがおかしいんだよ!!羞恥心ってもんがねえのかお前には!!」
「だって、別にマスターにならいくらでも見られても平気ですし、それで満たされるならいくらでも見せますよ?…………まぁ、ほかのゴミどもに見られたら即殺ですけど。」
「その辺の常識感がぶっ飛んでやがるから困るんじゃ!」
「そんなこと私たちポケモン言われても……ねぇ?」
「人の形してるんだから、少しは人に合わせようとしてくれよ。」
「無理ですね☆」
もうダメだ。こいつらに説得なんて最初から無理な話だったんだ。俺は思わずため息をついた。
「わかったわかった。だからさっさとどいてくれ。」
『ゴロゴロゴロ!!!』
すると突然外からとんでもない轟音が響いた。
「なんだ………って雷か。てか、めっちゃ雨降ってんじゃん。おっかしいなぁ、確か天気予報では晴れのはず…………ってメア?」
ふと気付けばメアは俺の胸に顔をうずめ、ブルブルと震えていた。
「おーい、怖がりアピールはもう通用しないぞー?」
またいつものか、と思って言ったのだが、なにか様子が変だった。
「……ごめんなさい。わ、わたひ、しょっ、しょの………雷が……あの、怖くt『ゴロゴロォォ!!!!』ひっ!!!?まっ、ましゅたぁぁ………!!」
上目遣いでこちらを見ているメアの水色の綺麗な瞳からぽろぽろと大粒の涙が零れ落ちる。どうやらガチで怖いらしい。俺のパジャマをしっかり掴んでいて全く離す気配が無い。正直、なんでも(俺に関わる悪を)ぶちのめすサ●コに近いやつだったから怖いものなんてないと思っていた。意外な弱点だと思った。
「ほら、俺がついてるから大丈夫だぞ?だから、とりあえずリビングに行こう?」
「ま、マスター……そ、その、雨が止むまで一緒にいてくれませんか?あの、その、一人じゃ、と、とてもまともにいれそうにないです……。」
「お、おう……」
***
朝食を済ませた俺はなんとなく窓から外を見ていたのだが、やはりおかしいと感じた。
「うーん、てんきけんきゅうじょの予報はほぼ確実に当たるはずだから今日は晴れるはずなんだけどなぁ……明らかに異常気象だよなー。」
俺は立ち上がり、玄関に向かった。
「ご、ご主人様?どこに行くんですか?外すごい雨ですけど……」
「明らかにこの雨は異常だから何か手がかりがないか見てくる」
「そ、そんな!!危険ですっ!!雨が落ち着くまでは家にいてくださいよ!!」
アオイがすごく心配してくれている。すごくありがたいのだが…
「つっても、ちょっとその辺ぶらぶらしてくるだけだからね。すぐ帰るさ。」
そう言って俺は傘を持って外に出た。
***
「うっわ、すげー降ってるなぁ。洪水とかになったりしないよな?」
外は窓越しで見るより明らかに大降りで、あちこちで大きな水たまりができていて、小さな川のようになっていた。なんとなく海の状態が気になった俺は海岸の方に行ってみることにした。
「……まぁ、風が吹いてるわけでもないから洪水は大丈夫そうだな。」
雨が降っていて少し水かさが増している気がしたが、洪水になる程じゃなかったので少し安心した。すると、ちらっとある物が目に入った。
「………アクア団か。」
海岸のはずれに穴の開いた洞窟のような物があった。そこからたまに怪しい人たちが出入りしている。原作通りだとアクア団のアジトで間違いないだろう。
「まぁ、アクア団とマグマ団は主人公たちがなんとかしてくれるだろ。最悪、大誤算がなんとかするだろうし。」
帰ろうと思って振り返った時だった。
「ん?なんだあいつ、こんな土砂降りなのに傘もささずに…」
灯台の方にだれか女の子が座っているのが見えた。傘を持っていないのかびしょ濡れになっているようだったので行ってみることにした。
「おーい、なにやってんだおまえ?」
その少女は振り向いた。みずいろの長い髪に青いワンピースを着こなしていて、ラティアスと似ているようで少し違う黄色の瞳をしていた。独特な格好と雰囲気でなんとなく察した気がする。
「……なに?」
「なに?じゃねえよ。こんな土砂降りの中なんでこんなとこにいるんだ?どっか雨宿りできる場所いくぞ。話はあとだ。」
俺はとりあえずその少女の腕を掴み、屋根のある場所まで移動した。
***
「ここなら大丈夫だな。」
「……なんで私に構うの?」
「そりゃあおまえ、あんな土砂降りの中ほっぽり出されてたら気にするに決まってるだろ。」
「……」
「てかさおまえ…」
「………?」
少女は首を傾げた。
「こんな雨の中突っ立ってるからワンピース透けてるぞ?」
何故、このとき俺は口を滑らせたのかはわからなかった。その時彼女のワンピースは雨に濡れて水分100%状態だったので無論、透けて下が見えてしまっていたのだ。それを何故躊躇なく指摘したのか……
「………??」
しかし、彼女は首を傾げたままだった。いやいやいや、なんでそこで首傾げたまんまなの!?おかしいでしょ!!
「………私に話しかけない方がいいよ。」
「なんでだ?」
「だって、この雨
「!?」
なんていった?今降らせちゃってるってるっていったよな?確かに彼女が一般人との感性がかけ離れちゃってるのは一目瞭然だからポケモンだとは思ってたけど。決め手はやっぱり見た目ですね。
「………どうしたの?私が怖くないの?早く逃げなよ。」
「まぁ、特性なら仕方ないよな。別にわざと降らせてるわけじゃないんだろ?」
あれだ。メアのナイトメアと同じ要領だよ。つまり、管理が効けば何とかなるかもしれない。
「まさかとは思うけど、あの伝説の
「……………。」
あっ(察し)
「そうなのか。」
「………そう、私の名はカイオーガ。多分、ニンゲンたちの伝説になってる通りね。逃げないの?私が本気を出せばホウエンを一瞬で海の中に葬れるよ?」
「お、おう。そうか。」
すると、彼女はなぜか不機嫌そうな顔でほおを膨らませていた。おそらく、俺のリアクションが薄すぎたからだろう。だって、仕方ないでしょ、俺の家にはサイコパス&ヤンデレ集団、更には、知り合いにレックウザがいると来たもんだ。正直、今更驚くこともない。
「なんで怖がらないの?私ニンゲンじゃないんだよ?普通ニンゲンは恐れて逃げ出すはずだけど………。」
「ウチの家庭が特殊なだけさ。慣れてるのさ。それよりなんでお前もこんなところに来てるんだ?別に滅ぼすつもりもないんだろ?」
「………。」
彼女は俯いてなにも答えなかった。でも、その顔はどこか寂しそうで、とても見放せなかった。
「………私がこんなこと言っても笑わない?」
カイオーガは俯いたまま、少し目線を上げ、俺を懇願するかの様な目で見つめてきた。
「笑わないよ。真剣なことっぽいしな。」
そういうと、彼女はゆっくりと顔を上げた。
「……私ね、ニンゲンに憧れてたの。」
「………。」
「ニンゲン達みたいに群れになって………仲間たちと一緒に協力したり助け合ったりして暮らしたかった。ニンゲンは私からすれば短命で直ぐに死んじゃう。それでも、私から見ればそれが輝いて見えたの。短い命の炎を燃やしながら何かを残そうとしてるんだもん。それほど魅力的なもの無いと思う。こうして、ニンゲンの形をしてても、中身はポケモン、『カイオーガ』なの。地上に出ればこの通り。降らせたい訳でもないのに、こんな土砂降りの大雨になっちゃう。こんな大雨じゃニンゲンがそもそも外に出てくる訳ないよね。……私には仲間なんてものはどこにもいないの。ニンゲンもポケモンも私のことを恐れてる。危害なんて加える気なんて微塵も無いのに、私を見るなり、ビクビクしながら、逃げていくんだ。……それ、がぁ………!うぅ、辛ぐっ……でぇ……ッ…!!」
最初は無表情だった彼女からだんだん悲しみや寂しさなどの感情が溢れ出し、気づけば彼女の瞳からは大粒の涙がぽろぽろとこぼれ落ちていた。俺はいつのまにか彼女を抱きしめていた。彼女も俺の胸に顔を埋めて泣いていた。
「よく今まで頑張って耐えたな。もう大丈夫だ。俺が一緒にいるからな。」
カイオーガは驚いたように顔を上げ、俺の目を見ていた。その瞬間、俺は悟った。また、やらかした、と。明らかに俺は何かやばいフラグを建てた気がしたのだ。
「ほんと……?ずっと一緒にいてくれるの?」
「あぁ、ま、まぁ、ずっといっしょとはいかないけど、相談くらいなら…………。」
「えっ………。」
「え?」
そして、この今にも泣き出してしまいそうな目、更に上目遣いという必殺コンボ。こんなん断れないやんけ。
「どうするか、俺の家に来るか?あめふらしも何とかしたいしな。」
すると、カイオーガはコクコクと強く頷いた。どこか嬉しそうな様子だった。
「よし、それじゃ帰るか。」
「うん……!」
カイオーガはそのまま俺の腕に抱きついてきた。生憎、彼女は
***
「ただいまー。」
「おかえりなさい!!大丈夫でした!?滑ってこけたりとかしてませんか!?風邪ひかないように早くタオルで拭いてください!!」
まず、アオイがとても心配そうな様子でやって来て、あたふたととりあえずタオルを渡してくれた。そのタオルでカイオーガの髪を拭いてあげた。彼女も心地よさそうにしていた。そして、その後ろからラティアスがやって来たが、笑っているのに目が全く笑っていなかった。てか、殺意剥き出しやめろ。
「で、またお兄ちゃんを誑かす○○野郎が来やがったんだね?とりあえず消していい?お兄ちゃん。」
「いやいやいや、ダメに決まってんだろ!!てか、お前共有してるなら事情くらい把握してんだろ!!」
「………やるの?」
「おい!やめろよ!家が吹っ飛ぶから!!」
「あっ、おかえりなさいマスター♪」
まさに一触即発の状態の時に何故か俺の部屋のベッドの掛け布団を体に纏ったメアがやって来た。俺がいない間に何があったのか知らないが、メアがやけにツヤツヤしているのが気になるところだ。
「なんで、俺の布団被ってるんだ?」
「雷が怖くて今にも死にそうだったので、マスターの布団を被れば大丈夫かなーって思いまして。」
「んで、本音は?」
「マスターの香り最高でした。」
「はい。」
「はい。」
「まぁ、いつものお前らしくてなんか逆に安心したわ。」
「えへへ♪」
「褒めてないからな?……まぁ、それはどうでもいいとして、メアにお願いがあってだな。」
「なんですか?マスターの性欲くらいなら速攻で、正確には30秒で満たしてあげますよ?」
「ちげーよ。アイツに特性の制御の仕方教えてやってくれ。あめふらしらしいんだ。」
「…………また、連れてきてる……。」
メアはムスッとした表情をしていた。そして少し間を開けた後、
「……今度私とデートしてくれるならいいですよ。」
デートか。最近構ってやれてなかったし仕方ないな。
「おk、その条件でいいよ。それじゃ頼むわ。」
すると、メアの不貞腐れたような表情から一変、少し頰を赤らめて嬉しそうに笑みを浮かべた。
「えへへ……///任せておいてください!!私の全力を尽くして、彼女の特性を制御させて見せましょうッ!!」
……まったく、現金なやつだ。
***
「…こんな感じに、力の流れを感じとって……そうです。」
***
「…あとは、その力の流れを掴むようにして……」
***
「……おっ?」
外をぼんやりと眺めていると、突然雨が止み、日差しが差し込み始めた。どうやら、うまくいったらしい。
「雨…止んだわね。」
「あ、シロナさん。」
気づけばとなりにシロナさんがいた。
「なんであなたの周りって、とんでもないポケモンばっかり集まるのかしら?ホウエンの伝説のポケモン、ほとんどいるじゃない。」
「……。」
たしかに、グラードン以外の伝説のポケモン2体とこうして、遭遇している。しかも、俺に対する好感度がやたらめったら高いのだ。あ、俺は鈍感系主人公じゃないですよ?現実逃避のスペシャリスト、ただのヘタレです(諦め)。
「しかも、捕まえてるわけじゃない……つまり、野生の状態なのにあそこまで慕われてるって……正直異常だわ。そもそも、普通の野生のポケモン自体、人間に対する警戒心が強いの。それに加え、伝説となればプライドも高いはずなのに……。」
「割とそうでもなかったりするんじゃないですかね。」
「どういうこと?」
「伝説のポケモンのような周りから畏怖されている存在だからこそ一人を寂しがってるんじゃないかなと。カイオーガも色々苦しんでたみたいですし。」
「強いが故……ねぇ……。わからなくもないわね。」
「でしょう?」
「だとしても、あなたの伝説のポケモンの遭遇率は異常だわ。」
「……それは自覚してます。」
まさか、転生の特典それだったりしないよな?このペースだと俺があまり好んでない伝説厨コースまっしぐらだぞ?まぁ、可愛いからいいんだけどね。
「終わりましたー!」
俺の部屋からカイオーガとメアの二人組が戻ってきた。
「……ありがと。ハルトのおかげで特性を制御できるようになった。」
「俺のおかげじゃないぞ、メアのおかげさ。」
「でも、ハルトに出会ってなかったら…、ずっとあの時のままだった。本当にありがと。」
「はいはい、どういたしまして。」
「……///」
カイオーガはそのまま俺の胸に体を預けて来た。気持ちよさそうにしてたので優しく頭を撫でてあげた。
「……ッ!!あのメス、またお兄ちゃんと……ッ!!だったら私も!!」
負けじとラティアスも抱きついて来る。なんか知らんけどもう慣れちゃったのか何も感じなくなって来た。これはやばい(狂気)………嘘です。やっぱり、女子特有の甘い香りは理性を壊しにかかってます嘘つきましたすみません。
「ただいまー」
「ただいまっス。」
そして、安定の戦闘狂二人組が帰ってきた。誰かって?ヤヨイとレックウザだよ。てか、なんでレックウザは当たり前のように帰って来るんだよ。
「あ、お義父さん、これおみや………………げ……………………
おい、なんでてめえがここにいるんだよ。」
気づけばレックウザはとんでもない殺気を放ちながらカイオーガを睨んでいた。
「……この人…、ハルトに助けてもらったの。」
「生きる災厄の分際でお義父さんのそばにいるんじゃねえよ、失せろ。」
「やだ。」
「お前がいたら、またとんでもないホウエン1つ吹っ飛ぶ規模の豪雨に見舞われるだろ。別にそれでホウエンが無くなるのはいいよ。もしそれで、お義父さんが巻き込まれたらどォすんだ、あァ?」
「今、その力を制御できるようになった。そんなことは絶対あり得ない。」
「チッ……ホントかよ、もしそれでお前の災厄にお義父さんが遭ってみろ、塵も残さず消してやるよ。」
「……わかってる。」
「あのー…なんでいきなりこんなバチバチしてるんですかね?」
てか、急に口調崩れてるし、レックウザの本来の口調ってあんなんなんだな。いやー、正直怖かったわ。……なんかさっきの会話の中にとんでもないことが聞こえてような気がしたが多分気のせいだろう。
「……私はただ、お義父さんを守ろうとしただけっす。……もうこの幸せを絶対に手放したくないから。」
何かレックウザが小声で言ったがよく聞こえなかった。多分大したことではないのだろう。
「カイオーガは特性を制御できてる。災厄は起きないと思うぞ。俺が保証するよ。」
「ハルト……」
「まぁ、お義父さんがそう言うなら信じるしかないっすね!」
とりあえずこの場は丸く収まったようだ。
「あっ!そうそう、お義父さんにお土産あるんすよ!はいどうぞ!」
そう言ってわたされたのは謎の三角形の物体だった(察し済み)
「………ちなみに聞くがどこで見つけた?」
「ヤヨイさんとやりあってたら気づけば宇宙にいたんすよ。」
「はい。」
「そしたらなんかヤヨイさんのげきりんが隕石に当たっちゃったみたいで……」
「はい。」
「隕石が木っ端微塵になったんすけど、その中に入ってました。」
「はい。」
てか、戦いが宇宙にまで及ぶってなんだよ。色々とツッコみたいところだらけだわ。しかも、軽く地球救ってるし。本人らが気づいてないのが少し腹立つな。
***
あーだこーだあって、カイオーガは海底洞窟に、レックウザはそらのはしらへと帰っていった。カイオーガが凄く寂しそうな顔をしていたのが印象的だったが、これ以上泊めると部屋がパンクしちゃうので致し方ない。
「……ん?」
そして翌日、散歩がてら、ちらっと海岸沿いを見るとアクア団のアジトから何かが出て行くのが見えた。
「潜水艦か。……………やばくね?」
アクア団が潜水艦を出したってことはつまり、海底洞窟に向かい、カイオーガを復活させるということになる。あれ?もう復活してないか?普通に俺の家にきてたし。ま、
……シナリオ通りに進めばな。
***
「……ッ!!いたぞォ!!カイオーガだァ!!!」
俺、アクア団のボス『アオギリ』は目的のモノを見つけ、駆けていった。そこには大きな湖のような空洞、その真ん中には伝説のポケモン、『カイオーガ』が眠っていた。その禍々しい姿を見て思わず、鳥肌が立ち、高揚感に襲われた。
「待てアオギリ!」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。この憎たらしいような声……ヤツだ。
「…やっぱり、お前も来たか。ユウキ!!」
「俺はここでお前を止めてホウエンを守ってみせる!!」
「へっ、ガキのくせに言うことは一丁前だな。」
……実際強いから困るんだが。だが、ここで止まるわけにはいかねェ…!
「行くぞユウキ!!俺を止めてみろォ!!」
俺は決意を固め、ポケモンを繰り出した。
「絶対に勝つ!!」
***
……うるさいなぁ、せっかく
「………!!………ッ!!」
誰かがなんか言ってるのが聞こえるがまだ眠くて脳が覚醒してないのかよくわからない。
!!?
突然、意識が覚醒した。というより、させられた。と言ったほうが正しいだろうか。
気づけば、目の前にはニンゲンが何人かいた。そして、1番前のニンゲンの右手には『あいいろのたま』が握られていた。
「ハハハハハッ!!ついに目覚めたぞォ!!」
なんか急に笑い出したし……………気持ち悪。
「俺はアオギリ!!アクア団のアオギリだァッ!!!」
……どうでもいい。
覚えておくニンゲンの名前なんて
「さぁ!カイオーガ!!世界をあるべき姿にィ!!
は?
今こいつ、なんて言った?海に沈めてしまえって?何言ってんの海に沈めちゃったら
私の胸の奥から黒いドロっとした感情が込み上げてくる。こんなの感じたことのない初めての感覚だった。でも、そんなことはどうでもいい。昔のわたしだったら怒りに任せて暴れてただろう。投げやりになってホウエンくらいなら軽く沈めてただろう。でも、今は違う。私には生きる理由がある、愛してる人がいる。絶対にそんなことは出来ない。もしそんなところを彼に見られてしまったら、彼に嫌われてしまったら、もう生きていけないだろう。
それは置いとくとして、よく見たらあのニンゲンの手には『あいいろのたま』があった。あれで強制的に目覚めさせられたのだろう。あれには使い方によっては
そこからの行動は速かった。
『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』
***
『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』
カイオーガが鋭い咆哮を挙げる。
「ハハハハハッ!!!いいぞカイオーガ!!!そのままやってしまえ!!!」
「ッ!?」
そのまま世界を海に沈めてくれる、そう確信した瞬間だった。突然目の前が光で覆い尽くされる。
***
ヒトの姿になった私はアオギリ?だっけ、そのニンゲンのそばまで歩み寄る。ポケモンの姿だと色々と不便なところが多いのだ。…細かい動作ができないし。
「………アオギリ?だったっけ?まぁ、いいや。とりあえずそれ、返してもらうね。」
アオギリは口を開けたまま震えていた。精一杯笑顔を作ってるつもりだが、もしかしたら笑えていないのかもしれない。まぁ、こんなニンゲンに笑顔なんて必要ないのだろう。
私は震えているアオギリからあいいろのたまを奪うとそのまま元の姿に戻り、地上へ向かった。
***
光が収まり、目を開けると目の前に一人の少女がいた。今までこの場にいなかったはずなので驚いた。俺はハッとなって辺りを見渡した、しかし、カイオーガはいない………はずなのにあの禍々しいオーラが消えていなかった、むしろ近づいている気がした。そして俺は気づいた。
その瞬間、恐怖が体を支配し、その場から動けなくなってしまった。これから殺される、わかっているのに体の震えが止まらず、うまく体を動いてくれない。
「ねぇ……」
「ひっ…!?」
「………アオギリ?だったっけ?まぁ、いいや。とりあえずそれ、返してもらうね。」
カイオーガは笑っていた……笑っているのだ。しかし何かが違った。彼女の目にハイライトは無く、全く笑っていない。さらに有無を言わせようとしない威圧感を感じた。俺は耐えきれなくなり、震えながら右手にもつあいいろのたまを差し出した。すると、カイオーガはパッと手から奪い取った。
次の瞬間、再び目の前が光りで見えなくなった。気がつけばそこにカイオーガはもういなかった。
「バケモノめ……!」
あのカイオーガの目が脳裏に焼き付いてしまっており、体の震えが止まる気配がなかった。それからしばらくその場から動くことができなかった。
***
そのころ俺は自宅でのんびりと洗濯物を干していた。主人公がきっとうまくやってくれてると信じて。……にしてもだ。
「あのー……なんか、ひでりで洗濯物が乾くのはとてもいいことだと思うんだけど、流石に暑すぎませんかね?」
そう、ひでりである。原因は間違いなくグラードンだろう。アクア団が動く裏でマグマ団も動いているはずだ(エメラルド参照)まぁ、本来ならひでりと雨が合わさって中々カオスな展開になるのだが、カイオーガは特性の制御をマスターしてるから雨は降っていない。……でも、やばい。暑すぎてぶっ倒れそうなんですが。まさか、ひでりだけだとこんなにしんどいとは…。
「やっぱり、雨欲しかったなー、熱中症で倒れそう。」
あ、やべ、なんか、あたまが、くら…く、ら…し………て………
『………ッ!……!?』
だれかにひっしになにかをいわれているがわからず、そのままいしきをおとした。
***
「〜♪」
私は上機嫌だった。ずっと探していた『あいいろのたま』が手に入ったのだ。これで私の本当の力を解放できる。
「……喜んでくれるかな、ハルト♪」
「カイオーガ!!」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。振り向くとそこにはレックウザがいた。普段よりもどこか焦っている様子だった。
「…なに?」
「た、大変だ…お義父さんが倒れた……!!」
「えっ……?」
なんで?どうして?いつ?どこで?頭の中でたくさんの?とそして、何かがこみ上げてきた。
「どうして……?」
私は考えた。そして、違和感に気づいた。
「ま、まさかこの大熱波で……!?」
レックウザも小さく頷く。そう、この異常なほどに強い日差しである。私はみずタイプというか、そもそもポケモンなのでどうもなかった。しかし、ハルトはニンゲン、この異常な猛暑に身体が耐えられなかったのだ。
「…は、はると……ッ!!」
私は頭の中が真っ白になり、ハルトのところに向かおうとした。しかし、何かに私の左腕を強く掴まれた。そう、レックウザだ。
「………ダメだ。私達にはまずやることがあんだろ…!!」
「なんで!?離してよッ!!……でないとハルトが!!」
「ダメだつってんだろォッ!!!」
レックウザが強く言った。しかし、その声とは裏腹に震えており、瞳から一粒の雫が落ちる。
「……私達がお義父さんのところに行ったところで出来ることなんて限られてる………いや、できることなんてない。むしろ私達のすべきことは……」
「ッ!!……グラードンを止めること…!」
「そうだ。つっても、アイツはお前みたいに特性の制御が出来ない。だから、気絶……最悪殺すしかない。」
「別にいいよ。ハルトにあんなことするヤツは生きる価値なんてないんだから。」
「……ダメだ。殺したりしてみろ、それこそお義父さんに嫌われる。」
「あっ……。」
そう、どんなポケモンにも優しくしてきてくれたハルトがいくら止めるためとはいえ、グラードンを殺しても喜んでくれる訳がない。最悪、拒絶される可能性もある。それだけは絶対に嫌だ。彼に嫌われてしまったら生きる理由が無くなってしまう。
「ルネシティにおそらくヤツはいる。行って止めるぞ。」
「うん……!」
私とレックウザはグラードンを止めるため、ルネシティに急いだ。
***
「……で、だ。」
「ひっ………。」
「なんで、グラードンを家に連れてくるかなぁ!?」
そう、結論を言うとグラードンはあっさりとやられた。まぁ、そうだよね。相性も悪いし、なんせ2対1だったしね。しかもさ、目の前で正座させられてビクビクしてるコイツがグラードンなんだぜ?正直一番びっくりしたわ。
「ご、ごめんなさい!そっ、そのっ、魔が差したんですよ!なんか、その、マグマ……団?って人たちが、わざわざべにいろのたまをもってきてくれたから、その、暴れてみたくなったちゃったりして…」
「……あなたのその好奇心で私の大切な人が死にかけてるんだけど、どう責任取ってくれるの?」
「もう、用済みなんで殺しちゃっていいすか?」
「ひっ!!ごめんなさいごめんなさい!本当に悪気は無かったんですよっ!!」
てか、別に死にかけてないからな?ちょっと暑くてフラッと倒れただけだし、意識も戻ったよ。ポケモンにとってはあのくらいの熱波はどうもないらしく、それで倒れた俺をみて一大事だと勘違いしたらしい。しかも、シロナさんも無知すぎて案山子状態だったし。以前ニンゲンをやっていたアオイが適切な対処をとってくれてよかったよ。ちなみに手柄はこの作品(エメラルド)の主人公クンに全部
「…まぁ、別に怒ってないからいいよ。マグマ団が勝手にべにいろのたまを持ち出したのが悪いんだし。」
「ほ、ほんとですか!?ありがとうございます!!」
「……私は許してないから。」
「上に同じく。」
もう、伝説二人組の怒りと殺気がやばいやばい。まぁ、ゆうてラティアスもジュペッタ人形に思いっきり釘を何本も打ち込んでるし、メアもブツブツ言いながら何か企んでるし、ヤヨイだって関節をポキポキ鳴らしてるんだもん。正常なのはアオイくらいだよ。しかも、アオイ関しては機嫌が良いし。
「あとさ、1つ気づいたんだがカイオーガ……お前なんか変わった?」
「…?」
首を傾げているカイオーガだが、明らかに姿が違う。まず、目だ。普段は黄色なのに赤になっていて、青色のワンピースにも薄黄色の線が刻まれており、水色の髪にも黄色の髪がいくつか混じっている。そして、なによりも違和感なのが胸あたりにたわわに実った2つの果実である。見間違いや幻覚でなかったならば明らかに慎ましい方だったはず。
「……あ、これね。ゲンシカイキって言うんだ。言い換えるとね、メガシンカ?みたいなものなの。グラードンと私カイオーガはメガシンカの代わりにゲンシカイキが使えるんだ。とは言っても、キーストーンと同じく、私ならあいいろのたま、コイツならべにいろのたまが必要なんだけどね。」
「へえ……っておい何を……!」
カイオーガは俺に右腕にその豊満になったモノを押し付けるようにして抱きついてきた。
「えへへ……私、魅力的になったでしょ?」
「は?」
「おい」
「何してんだぶち転がすぞ?」
「はわわ……///」
すかさず、反応するコイツら。もう、部屋の雰囲気が戦場みたいになってるんですけど。
「……そろそろお開きにするか。正直しんどいし(本音)」
「えっ?」
「え?」
「…何言ってるの?私達みんな
は?何を…みんなって…
「まず、
「えっ?捕まえたって……どうやって?」
「普通にモンスターボールで捕まえたけど。」
グラードンも頷いているので本当なのだろう。
「コイツを気絶させてもひでりが直らなかったんすよ。だから仕方なく、モンスターボールで捕まえたって訳っす。」
レックウザが簡単に説明してくれた。なるほどね。
「なるほど、グラードンを捕まえたというのはわかった。でも、この場合ってカイオーガかレックウザのポケモンってことにならないのか?」
カイオーガとレックウザは顔を合わせると少し吹き出したように笑った。
「…私はハルトのポケモンなの。一度、ハルトのモンスターボールに入ったから。」
「私もカイオーガと同じっす。結構前にこっそりボールに入って捕まっておきました。」
「は?」
「だから、グラードンは私のポケモンだけど、私はハルトの物、つまりグラードンもハルトの物ってことになる。」
なるほど、こいつらの説明はわかりやすくて直ぐに理解できた。しかし、一言言わせてほしい。
「お前ら勝手に人のボールに入って捕まったことにするのやめてくれませんかね?」
「もう手遅れだけどね。」
「うっせぇ。」
カイオーガが悪戯じみた笑みを見せる。そして、グラードンも満更でもない顔するのやめろ。
その時の俺は気づいていなかった。
レックウザがお土産と言って持ってきた、あの三角の石。
あの石が徐々に
変色して言っているということに。
更なる脅威が
襲いかかる。
はい、ということでね。戦闘シーンまさかの全省略ですよ。
だって、浮かばなかったんだもん仕方ないね。
ちなみにゲンシカイキなんて言葉使いましたが、僕はDSしか持っておらず、ポケモンもダイヤモンドまでしかしたことがありません。完全にその辺はなんとなくで出してる感じになってます。なんか、説明とかに語弊があるかもですが、それはご都合主義と受け止めていただけると嬉しいです。
次回、ホウエン地方編最終話となります。
投稿予定日は勿論未定です。
それじゃ……まったのぅ〜!