CODE:BREAKER -Another-   作:冷目

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バレンタイン、となればホワイトデーです!
バレンタインすら無縁の私にはホワイトデーなんてもっと無縁なもの……
そのため、前回同様こちらも非常に短く、そして単調な内容となっております
もはや半分くらいヤケです、はい
「クスリ」とでも、苦笑いでもいいので笑っていただけたら幸いです
では、どうぞ!





code:extra 17 あの人たちのホワイトデー

 「突然だけど、日和CHAN(チャン)ク~イズ! 今日は何の日でしょう~KA()!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「3月14日……円周率にかけて数学の日と呼ばれている」

 「行事としては廃れたが、国民融和日だ」

 「興味ない」

 「わかってた! わかってたYO()! このメンバーが当てられるわけないって最初からわかってたMON(もん)!!」

 まずホワイトデーという言葉すら浮かばない時雨、虹次、雪比奈の三人。彼らの見当違いも甚だしい答えを聞き、紅一点である日和は一人涙を流し続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ホワイトデー……白の日、か。……ふっ」

 そして、『捜シ者』は『捜シ者』で謎の笑みを浮かべていたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ホワイトデー?」

 「ああ」

 普段は聞き慣れない単語を聞き、遊騎はカクンと首を傾げる。その反応は予想していたらしく、話していた王子は呆れることも無く頷く。

 本日は3月14日。まさにホワイトデー当日であり、そのことを思い出した王子が話し始めたことがこの流れのきっかけである。

 「……ブラックデーは?」

 「んなもんねぇよ。ホワイトデーはバレンタインデーとセットみたいなイベントだ」

 「バレンタインデー……前に聞いたことあるわ」

 たまたま街中で出会った二人だったが、意外と話が続きそうになり近くにあったベンチに座る。そこで王子がホワイトデーについて説明を始める。

 「ホワイトデーは……言ってみればお返しの日だな。バレンタインデーにチョコをもらった奴は、チョコをくれた奴にクッキーとかを送る、っていう」

 「クッキーだけなん?」

 「いや、色々あるみたいだぜ? 確か本命はキャンディーだかマシュマロだか……オレもよく覚えてねぇけどな」

 「本……命?」

 「一番お返ししたい奴、とでも覚えとけ」

 簡潔にまとめ、補足も加えながら説明していく王子。遊騎は首を傾げてばかりだったが、その度に説明もされたため理解はできたようだった。

 「お返し、なぁ……」

 「お前もチョコもらったんならちゃんと返せよ。もらった分は返すのが礼儀ってもんだ」

 最後にそれだけ言うと、王子はそのまま立ち去っていく。遊騎はその背中を見送り、見えなくなると空を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その夜、天宝院グループ全社員は動揺を隠しきれない様子である場所に向かっていた。

 「一体、何事なんだ!? 急に全社員本社に集合なんて!」

 「わからん……。なんでも社長命令らしいが」

 「あの社長が!? 今までそんなことなかったぞ!」

 まさに数時間前、まだ記憶に新しい時間に全社員に伝えられたメッセージ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『今夜、7時に本社大ホールへ集合』

 

 

 

 

 

 

 

 

 簡潔な内容だが、その簡潔さが逆に緊急性のようなものを感じさせた。そもそも、現社長の奔放さは全社員がわかりきっていることであり、その社長から集合がかかるなど今までなかったのだ。なにか大きな事件か、事故か……あり得ないことだが天宝院グループ存続に関する危機か。

 嫌な想像が社員たちの頭を行き来し……そうしている内に本社大ホールは無数の人で満たされた。

 天宝院グループ本社の大ホールはパーティ会場のように広く、全社員が集まっても余裕があるほどである。それでも、人が集まれば噂がされ、その噂にも尾ひれがついて回っていく。ざわざわと動揺が大きくなる中、その動揺を鎮められる唯一の人物が現れた。

 「しゃ、社長!」

 「天宝院社長!」

 「皆、集まってくれてあんがとな」

 全社員を集めた張本人である社長……遊騎の登場に、全社員の視線は遊騎に集中する。それに臆することなく、遊騎はいつも通りに話し出す。マイクも使っていないのに全社員に声が届いているところを見ると、『音』を使って声を届けているようだった。

 「社長、一体何があったのですか!?」

 「全社員を集めるなんて、よほどのことがあるとしか思えません!」

 「お願いします! 説明を!」

 次々に不安に駆られた声が上がる中、遊騎は何も答えずその場に立ち尽くす。その間にも社員たちからの声は止まることなく発せられる。

 それでも遊騎はその場に立ち尽くし……静かにその手に持ったスイッチを押した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──バサッ!

 「な──!?」

 「こ、これは……!」

 スイッチを押したと同時に、ある変化が起きる。大ホールの前方……最前列にいるものでない限り気付かなかったが、そこには黒い布がかぶせられた巨大な置物があった。だが、スイッチを押した瞬間にその布は取り払われ、その中身が露わになる。その中身に、社員たちは愕然とする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……お菓、子?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「なんやようわからんけど、今日はホワイトデーってお返しの日らしいわ。オレ、前に『にゃんまる』のチョコもらったから、返さなあかんと思ったから皆に集まってもらったんや」

 先ほどまでとは違う意味の動揺が広がる中、遊騎は淡々とその意図を説明していく。つまり、王子からホワイトデーについて聞いた遊騎は、ならお返しをせねばと用意をし、チョコを用意してくれた社員たちを集めたというわけだ。言ってみれば、まさにサプライズパーティというわけである。

 そして、遊騎は改めて全社員を見渡し、静かに最後の言葉を告げる。

 「ありがとな、皆」

 「しゃ、社長ォォォォォォ!!」

 「一生! 一生ついていきますぅぅぅぅぅ!!」

 この日、天宝院グループにて社長に対する信頼が一気に増大したのは言うまでもない。

 そして、それについて遊騎が特に深く考えていないということも言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「菓子、美味いわー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いかにも、ホワイトデーというのは『綺麗な薔薇には棘がある』という言葉をなんとも上手く表した日だと私は思うんだ」

 ポツリと、やけに真剣な雰囲気を感じさせながら会長は呟く。そのせいか『渋谷荘』の、彼が今いる一室が異様に重苦しく感じる。

 「女の子からチョコをもらい、お腹も心も満たされる……。けど、それは文字通り甘い罠なんだ。チョコだからね」

 両手を腰に添え、一歩一歩ゆっくりと進んでいく。その声色だけでなく、俯かれた顔からも……彼にとって今話している議題がどれだけ大切なことであるかが伺える。

 「でも、受け取ったら最後……。一ヶ月後には、お返しをしなければならない。それも……一般的に言われるのは『倍返し』。倍……倍なんだ」

 『倍返し』……その言葉を口にした途端、会長の足は止まる。そして、さらに深々と顔を俯かせ、まるで何かを溜めこむかのように身体を震えさせる。

 震えに震え、若干の発汗すら見られる。そんな状態が数秒続き、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いかにも、王子への『倍返し』のアイデアなんて欠片も考えていなかったんだな!」

 「そもそもホワイトデー自体忘れてたよ」とちゃっかり付け足す会長のその姿は、反省など欠片も感じさせない。ただ単に目の前の現実から目を背けるだけのダメな大人そのものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「って! これはさすがにヤバすぎるよ!? お返しを忘れてたなんて知られたらR18なシーンが流されちゃうよ! グロ注意になっちゃう! つまり私の命が危ないんだよ!」

 開き直ったのかと思いきや、すぐにドタバタと慌てだす会長。どうやら相当に焦っているらしく、汗をダラダラ流しながら頭を抱え、近くに置いてあるもの全てを蹴飛ばす勢いで部屋の中を走り回っている。

 「──そうだ! ハッキリともらったわけじゃないんだし、そもそもお返しなんてする必要ないんだ! 王子だって『勝手に食べろ』って書いてたわけだし、問題ないよね! 問題…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~想像した~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あのチョコ、別にハッキリともらったわけじゃないから何も用意してないよ? メモの通り、勝手に食べただけなんだな」

 「どちらにしろ食ったんだろうが!! しかも全部食ったくせに皿も洗わねぇし、片づけねぇ! その分も含めてきっちり『倍返し』しやがれ、ゴラァ!!」

 「い、嫌ァァァァァ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (……いかにも、詰んだんだな)

 ふと見つけた解決策を実行した未来を想像し、会長は悟ったような表情で遠くを見始めた。まるで仏のように清々しい表情をしており、見ている者も清々しさを感じるようだった。

 「こうなったら……今日はこのまま出かけちゃおう。ホワイトデーさえ過ぎれば返す必要はなくなる。手痛い出費だけど、ホテルに一泊するくらいは──」

 「おう、今帰ったぞ」

 (いかにも、完全に詰んだんだな)

 最後の手段ともいえる外出すら、実行する前に失敗に終わる。会長のこの清々しい顔が、これから鮮血に染まると考えると、思わず身震いしそうになる。

 すると、せめて少しでも生きる可能性を増やそうと考えたのか、会長はいつも以上に迅速に動いた。

 「お、おかえりなさいませ、王子様! 上着はかけておくよ!? 靴も磨いておくんだな! あと、いつものボトルもちゃんと部屋に持っていくからご安心を!!」

 「……なんか今日はやけに素早いな」

 「いやいや! いかにも、私はいつも通りだよ!?」

 「……テメェ、何か隠してるだろ」

 「ドキィ!!」

 汗をダラダラと流しながら迅速に動く会長のその姿は、まさしく異常そのもの。あからさまに怪しむ王子の視線を受け、会長はビクリと身体を大きく跳ねさせた。

 「渋谷……オレがいる『渋谷荘』で隠し事するとはいい度胸じゃねぇか」

 「違うんです、王子様! これには深海より深い訳が──!」

 「オラ! 洗いざらい吐け、コラァ!」

 「嫌ァァァァァ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あ? ホワイトデーのお返し? んなもん最初から期待してねーっつの。大体、『倍返し』とか見込んで置いといたわけじゃねーしな。ったく、下らねぇ。オイ、渋谷。自分で言ったんだから、さっき言ったことは全部やっておけよ」

 「い、いかにも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『倍返し』の心配自体が杞憂であり、無駄に重傷を負った会長であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~おまけ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ZZZ……」

 もはやこの人に関しては何も言うまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんというかもう……すみませんでした!!(orz)
今まで見てきた皆さまならすでに承知のことでしょうが、やはり私にはギャグのセンスは皆無だと改めて痛感しました……
楽しく書きたいけど楽しいのは上手く書けない……
シリアスそれなりに書ける……シリアス楽しいぃぃぃぃ!!(狂)
というわけで、残りはシリアスも交えながらやっていきたいと思います
やはりオール茶番は難易度が高すぎた……!
では、次は少しでもまともな完成度を目指して……失礼します!


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