Fate/Septem peccata mortalia 作:幽鬼兎
・多少、食い違ったり、至らぬ点がありますがご了承ください。既に存在するキャラクターは今のところ登場することはありません。全てオリジナルキャラクターです。
声が聞こえる……願いは。汝の願いはなんだ、と。
人は人生の中で必ずしも1つの望みを抱き、その野望の為に時間を費やしていく。一心に抱くものもいれば、無数の望みを抱くものもおり、等しくしてそれは生命における『罪』だと言える。
何故、考えない。
何故、怒る。
何故、食らう。
何故、恨む。
何故、生を求める。
何故、見下す。
何故、欲しがる。
人は____________何故、怯える。
「俺の願いは……
「私の願いは……
「「あの人を助けること」」
※※※
「…………なんだ、今の夢」
苦しいほどの暑さと、もう何も覚えてない恐らくは悪夢だろう意識の中、高校2年生『
今は6月中盤……そろそろ本格的な夏に入るだろうこの時期でも、もう暑いと感じてくる。部屋にあるテレビをつけると丁度朝の天気予報が流れ、今日の平均気温は36度だと知った。
「バカ暑い……今日は……学校か」
金曜日の朝10時半。完全に遅刻であるが、渋々学校への支度を済ませていく。シャワーを浴び、着替え、鞄を背負ってドアの鍵を閉める。両親は海外赴任でおらず、流斗は一人暮らしのため毎日がこんな感じだ。
マンションのエレベーターを降り、ロビーを抜けるとそこはまさに灼熱地獄。もう一瞬で帰りたいと思えるほど強烈な暑さである。
「……飲み物」
気づけば自販機にお金を入れてスポーツドリンクを購入。ほのかに甘く、冷たいものが喉を潤し、少し暑さから解放された感覚が身体を癒していく。
学校までは残り10分ほど。
駅の下を潜り抜け、そろそろ学校へ着くだろう所で流斗に不自然な視線が向けられる。
「……えっと、こんにちは?」
何故か疑問系。そもそも何故挨拶したのだろう。
目の前には、白く緩やかな髪を2つに纏めたツインテールの少女。曇りのない綺麗な黄金の眼は流斗のみを写し出している。服装は白のフード付きのローブのみ……何故、周囲からは不思議そうな目で見られないのか不自然なくらいだ。
何かの宗教だろうか?
まぁ、今の俺には関係ない……と、流斗はその少女を横切り学校へ向かう。そのすれ違う刹那、少女は口ずさむ。
「伏せて、
その数分後、流斗には鳴り響く救急車の音だけしか残らなかった。
「これが今回の聖杯戦争か……」
そんな光景を町全体一望できるビルの屋上から見下げる一人の中年男性と中学生くらいの少女。男性だけ浅くフードを被っており、少女の方は白いドレスを身に纏いながら、能力によるものだろうガラスの小鳥を生成して遊んでいた。
「ふふ、上手く出来ました。どうですか? 魔法使い様」
「うん? あぁ、とても綺麗だよ。ガラスを無から生み出し、変幻自在に形や質量を変化させる力……か。全くもって驚きの魔術だ、『ライダー』」
「ふふ、そうですか? 私は毎晩のよう、夢見てあの舞踏会に参加しましたから。そういう創造力には長けているんですよ」
そう言って褒められたのがよほど嬉しかったのか、ライダーはまたもやガラスの生成へと精を出そうとする。男は少し笑い、そのまま救急車に運ばれる流斗を見送るのだった。
※※※
「…………ここ、は」
気づけばベットで流斗は目覚めていた。まるで意識を今復活させられたよう突然にだ。頭のなかにはまだ微かに「奇跡だ、信じられん」「やりましたね、ドクター!」「ほぅ、生きていたか」などと、鮮明に声が残っている。最後のはそもそも誰なのか。そんなことを考える暇もなく、流卯には次の問いが待っていた。
「お目覚めですか、マスター」
「……誰だ、君……?」
何故これほど冷静なのだろうと自分でも不思議に思う。本当に何故だろうか……この子と、この少女と共にいるだけで安心できる。
目の前には椅子に座って此方を見つめる白髪ツインテールの少女。先程着ていたローブとは違って病院服のような物を着ていた。察するにあの姿で入ろうとして止められたのだろう。
「おめでとうございます。貴方の願いはこの『
「聖杯戦争……? よくわからないが、それは勝てば願いが叶えられるのか?」
「はい、マスター」
拒否することができなかった。
理由はわからない。何故か、断れなかった。願い? そんなものはあるのかもわからない。億万長者? 不老不死? 違う。そんなものはいらない。願いはない。なのになのに……「あの人を助けたい」。
「雨堤 流斗。その聖杯戦争とやらに、参加する。幾つか教えてもらっていいか?」
「はい。では、その前に自己紹介を____________クラス『バーサーカー』、アヴェスターの化身、見ての通り……と、この姿ではわかりませんね。少しお時間を頂きます」
そのままバーサーカーは両手に力を込め、爆発させるように魔力を上昇させていく。すると、頭には角が。腕には白銀の鱗が。そして力強い白き尻尾が現れた。瞳は赤い稲妻を纏い、荒れ狂う息が空気を振動させる。とってつけなのは頬の目の紋章だ。それはまるで目を意識しているのでなく、自分を……頭が3つあると思わせるような模様であった。
「私は
罪聖杯戦争。
此度の戦争に参加するのは、英雄と呼ばれる者達だけではない。神霊や化身、伝承など様々な者達が集う。
魔術師7人、サーヴァント7人で行われる聖杯戦争とは違い、参加者7組で行われる。クラスの他、
『セイバー』____________イラ
『アーチャー』____________アワリティア
『ランサー』____________アケディア
『ライダー』____________スペルディア
『アサシン』____________ルクスティア
『キャスター』____________インヴィディア
『バーサーカー』____________グラ
更に、今回の聖杯戦争は根本的に違う点がある。
それはサーヴァントの数……1人1騎ではなく____________2騎である。2騎である故、新たなクラスが追加された。それが……
『アヴェンジャー』
『ルーラー』
『シールダー』
『リンクス』
『ゾディアック』
『ファンタジスタ』
『エレメンタル』
こうして始まった新たなる物語。
その物語は各地で目覚め始めていた……。
「クラス『アーチャー』。罪は『アワリティア』。真名は『天照大御神』。ま、宜しくなマスター」
※※※
「主がマスターだな? 私は『ルー』。英雄クー・フーリンを知っていれば私は知っているだろう? クラスは『セイバー』、罪は『イラ』。私が主の矛となり、剣となろう。剣王というものを教えてやる」
※※※
「我を望んだのは貴様だな。我は冥府の神『ハーデス』。良い駒を引いたな? 貴様の願い、我に託せ。全てを冥府へと送り込んでやろうぞ!」
※※※
「はいはーい、私は『ランサー』!。真名は秘密、ランサーだけど魔術にも長けてるから宜しくね!。僕の神槍で全てを蹴散らしてあげる!あ、罪は『アケディア』だよっ!」
※※※
「……『キャスター』……よろ、しく。魔法使い……です。みん、な嫉妬しない……で、ね?」