ラストダンスは終わらない   作:紳士イ級
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030.『歓迎会』【提督視点⑤】

「……提督、大丈夫? 確かにかなり辛めに作ったけれど、食べる前から汗が凄いわよ?」

「ダ、大丈夫ダ、問題ナイ……」

 

 少しだけ、ほんの少しだけ腹の痛みが引いた……。

 だが気を引き締めろ。肛門の括約筋も引き締めろ。

 俺の十八番である痩せ我慢により表情だけは今まで通り無表情を保てるが、汗だけはどうしようもない。

 止まらない冷や汗と脂汗を不審に思われない内に何とかせねば……。

 考えろ……何か画期的な策を考えるのだ……俺は天才……俺は智将だ……! 

 駄目だ……何も思い浮かばねェ……!

 脳細胞がニュートラルだぜ……‼ もう考えるのは止めた……!

 

 おそらくこれは天罰だ……こんな俺ごときがハーレムを願うという罪が、神の怒りに触れたのだ……!

 いくら神に祈っても状況は変わらないだろう……‼

 

 おごォォオッ⁉ また腹痛がぶり返してきやがった……‼

 現在ハザードレベル2.6……いや、2.7……!

 

 こ、この状況……戦わなければ生き残れない……‼

 だが俺は運命と戦う……! そして勝ってみせる……‼

 たとえ腹痛が限界であろうと……カレーを完食できるはずだ……。

 俺に……提督の資格があるなら……!

 

 俺はもう迷わない……! 迷ってる内にまた腹が痛くなる……‼

 ハーレムを願う事が罪なら、俺が背負ってやる……‼

 命……燃やすぜ……! 俺の生き様……見せてやる……!

 絶望が俺のゴールだ……! さぁ……振り切るぜ……‼

 

 ――俺が覚悟を決めてスプーンを握った瞬間の事であった。

 

「オラオラァ! 天龍様のお通りだ! 駆逐共、道を開けな!」

 

 まるでモーゼが海を割るかのごとく、駆逐艦の群れをものともせずに、天龍が俺へと歩み寄ってきたのであった。

 あっという間に俺の前まで辿り着いた天龍は、腕組みをしながら俺を見下ろす。

 相変わらず柔らかそうな乳である。天乳。いや何を考えてんだ俺は……!

 

「あぁっ! いくら天龍さんでも、割り込むのはズルいわ!」

「一人前のレディとして有り得ないわよ!」

「流石にこれは……少しズルいな」

「天龍さん、鬼なのです!」

 

 駆逐艦たちのブーイングを浴びながら、天龍はいつものように自信満々に笑みを浮かべる。

 

「はぁぁん? このオレがお行儀よく順番待ちをするとでも思ってんのかぁ? へっへ、提督。ちょっとツラ貸して貰うぜ」

「う……うむ……」

「ちょ、ちょっと天龍! 提督は今私のカレーを……」

 

 天龍は俺の胸ぐらを掴み、有無を言わさずに店の外まで引っ張っていったのであった。

 俺は肛門に力を入れながら前かがみでチョコチョコと小走りについていく羽目になった。

 足柄も訳も分からない様子で、俺と共に外に出て行く。

 店から離れ、後ろをちらりと確認すると――天龍は俺の背中を軽くさすって、こう言ったのだった。

 

「ったく……大丈夫か? 気分悪くないか? それとも腹でも痛むのか? 何だか顔色が悪いように見えたからよぉ」

「えっ……そ、そうなの提督?」

 

 ――何……だと……⁉

 コイツ、遠くから俺の顔色を見て、体調を崩した事に気が付いて――⁉

 そ、そして俺が駆逐艦に囲まれて動けないのを察して、あえてあんな強引な真似を――⁉

 

 俺が改めて天龍の顔を見ると、天龍はニッと歯を見せて笑ったのであった。

 

 て、天龍ちゃん、お前……! 天使ちゃんじゃねーか!

 世界水準を軽く超えたいい奴すぎる……!

 お前が俺の最後の希望だ……!

 龍田の頭の艤装らしきアレ、お前の角と逆じゃないのか……!

 どう考えても悪魔の龍田に角、天使の天龍に輪っかの方が相応しいように見えるのだが……。

 いや、今はそんな事を考えている状況では無い……!

 また痛みの波が近づいてきた……!

 

 俺は今朝の自分を恥じた。

 天龍はこんなにいい奴なのに、俺はと言うと意図的に胸を押し付けられてチン代化改修に励んでいた。

 天使の描かれた宗教画をオカズにするかのごとき愚行ではないか。

 つーかその後実際にオカズにした。

 罪悪感が……半端ない……‼

 

 済まない……今朝は本当に済まない……!

 何が天乳だ。馬鹿か俺は。

 神に誓います……! もう二度と天使ちゃん、いや天龍ちゃんでいかがわしい事を考えません……!

 もう二度とオカズにはしません……! 今朝はお世話になりました……! 今朝ので最後にします……‼

 

 俺は猛省と共に冷や汗を流しながら、小さく口を開いた。

 

「う、うむ……恥ずかしながら、実はつい先ほどから腹の調子がな……よ、よく気付いたな」

「へへっ、たりめーだろぉ? オレが一番強いんだからよぉ」

 

 強いかどうかはわからないが、今の俺にとっては一番天使に近い存在だ。ラブリーマイエンジェル翔鶴姉に匹敵する。大淀がいなければ完全にMVPをかっさらっていた事だろう。

 い、いかん……足柄が凄く申し訳なさそうな表情を……。

 俺は腹痛を堪えながら、足柄に謝罪した。

 

「す、済まない足柄……私の考えが足りなかったんだ……少し一気に酒を呑み過ぎてしまった……」

「……そんな状態なのに、なんで言ってくれなかったの? もしかして私に気を遣って……」

「い、いや、その……足柄に悪いと思って……本当に、済まない……そ、その、良かったら、後でちゃんと食べたいのだが」

 

 俺がそう言うと、足柄は少し怒ったような表情でハンカチを取り出し、俺の汗を拭ってくれたのだった。

 

「もう……無理はしないで。那智姉さんと呑み比べをしている事くらい知ってるわよ。あのカレーは空母の誰かにでも食べてもらうわ」

「す、すまん……本当に……だが、本当に楽しみにしていたんだ……それは、それは本当なんだ……」

 

 駄目だ……俺が何も考えずに呑み比べとカツカレーのダブルブッキングをしたせいで、せっかくの足柄の好意を無碍にしてしまった……。

 俺はもはや自己管理も出来ずに約束を破ったクソ提督と捉えられてしまっただろう。足柄が怒るのは当たり前だ。凹む。

 

 俺が肩を落としながらそう言うと、足柄は小さく笑いながら口を開いた。

 

「ふふ、わかってるわ。そんなに悲しそうな顔をしないで。私も残念じゃないと言えば嘘になるけど……実を言うともう少し、煮込む時間が欲しかったの。だから、今度はより完璧な、名付けて完全勝利のカツカレーを作ってみせるわ! その時は、召し上がって下さるかしら?」

 

 足柄はそう言って、にっこりと微笑んでくれたのだった。

 お、俺はもう泣きそうだ……。

 天龍といい足柄といい、何でこんなにいい奴ばかりなのだ。

 

 こんなにも恵まれているのに、俺はその好意を無碍にしてばかりで……自分が嫌になってきた。

 天龍に対してはセクハラの挙句にオカズにしてしまい、足柄に対しては俺の為に作ってくれたカツカレーを食わないという仕打ち。

 最低だ……俺って……。

 あまりにも凹みすぎて、あんなにも元の姿に戻らなかった俺の股間も物理的にしおれてしまう。大潮です。

 精神的なストレスにより引き起こされるこの症状を勃起不全と言います。

 

 俺の股間の同志ちっこいのは、サイズは小さいがその硬さと回復力には自信がある。

 だが、おそらく今夜は罪悪感により二度と立ち上がる事が出来ずに、このまま大人しくしてくれる事だろう。

 名前はヴェールヌイだ。信頼できるという意味の名なんだ。

 

 股間が元のサイズに戻った事で、俺は前かがみの状態から背筋を伸ばし、胸を叩いて足柄にこう言った。

 

「も、勿論だとも! 今度はちゃんと万全を期して頂く事にするよ」

「ふふっ、それは楽しみね。でも無理だけはしないで下さいよ? 何なら那智姉さんにも私の方から……」

「い、いや! それは結構だ。腹の調子は悪くなったが、それほど酔っているわけではないからな。ここで負けを認めるわけにはいかん」

 

 ここで足柄がタオルを投げてしまっては、俺の敗北が決定してしまうではないか。

 あれだけの酒を呑んだのだ。那智もつい先ほど見てみればひどく苦々しい顔で、明らかに飲むペースが落ちていた。

 おそらく奴も限界が近いのだ。

 俺も闇の人格がはみ出つつあるが、腹の痛みのおかげか罪悪感によるメンタルへのダメージのおかげか、妙に頭が冴えてきた。

 おそらくここが正念場。俺の運命を決める分水嶺。

 那智との勝負をここで諦めるわけにはいかん……‼

 

 おごォォオッ⁉ い、いかん、凹んでいる内にまた腹の痛みが……‼

 ハザードレベル2.8……2.9……ア、アカン……!

 

「男のプライドというものかしら……ふふっ、でも勝ちにこだわるその姿勢、嫌いじゃないわよ。わかったわ。私は戻って駆逐艦の皆に上手く説明しておくから……じゃあ天龍、後は任せてもいいかしら」

「おう! このオレに任せときな!」

 

 勢いを増した便意を堪えつつ、店内へと戻っていく足柄を見送っていると、不意に足がふらついた。

 危機を脱した解放感からか、気が抜けてしまったようだ。

 今まではいくら酒を呑んでも足元がおぼつかなくなった事などなかったというのに、やはり相当酔ってしまっているようだ。

 の、呑み比べを続行したのは間違いだったか……⁉ い、いや、しかし負けてしまったら那智に見切りをつけられ、俺が鎮守府を去らねばならん可能性も……!

 そんな俺を見て、天龍は仕方なさそうな顔で俺へと近づいてきたのだった。

 

「あーあー、無理すんなって。ほらっ、肩貸してやっからよ」

 

 俺が答える前に、天龍は俺の右腕を自身の首に回し、その左腕を俺の腰に添えるようにして、俺の身体を支えたのだった。

 瞬間、当然その身体は密着し――俺の右手に天龍の右側の魚雷が、俺の脇腹の辺りに天龍の左側の魚雷が命中した。

 これこれ! こういうの欲しかったんだよ! 早くぶっ放してぇなぁ。

 こ、コイツ胸が当たってるの気付いていないのか……⁉ い、いや、気にしていない……⁉

 よっしゃラッキーッ‼ これが……これが俺の求めている『海戦(ロマン)』‼

 

「おいおい、大丈夫か? またそんなに前かがみになっちまって」

「イ、イヤ、腹ガナ」

 

 同時に股間の同志ちっこいのは俺の信頼を早々と裏切り、再び立ち上がった。不死鳥の名は伊達じゃない……!

 腹の痛みも相当なものだが、股間の装甲も痛いくらいにカッチカチであった。

 

 提督七つ兵器、『提督スキン』、発動!

 俺は点字を読み取るがごとく、右手と脇腹の肌に触れる感覚に集中した。

 こ、この圧倒的ボリュームと柔らかさ……提督アイで凝視しただけでもわかっていた事だったが、明らかに俺の知っている軽巡洋艦のそれでは無い……‼

 比較対象の横須賀鎮守府平坦担当、大淀さんと比べれば一目瞭然ではないか。

 その他の夕張や川内型とも比べ物にならん。一部の重巡洋艦よりもデカい……⁉

 もう日本の枠には収まらん。まさに世界水準を軽く超えている……!

 これはもう重巡洋艦級……アドミラル・オッパイ級、プリオツ・パイゲン!

 い、いや! 下手したら戦艦級⁉ クイーン・エリザベス級、ウォースパイパイ‼

 

 この軽巡洋艦凄いよォオ! 流石龍田のお姉さんンン‼

 軽巡の世界水準を軽く超えている……他の軽巡の胸部装甲を頂いたかのようになァア!

 わかっているのか大淀ォォオ!

 提督、絶好調である‼

 いやわかったからとりあえず落ち着け。

 

 この歓迎会の間に俺は何度も被弾して満身創痍だ。

 俺の背中にはイクの魚雷が、右腕そして両手の平には金剛の徹甲弾が、それぞれ命中している。

 だが、分厚いスク水に隔てられたイクや、サラシで固められた金剛のそれと比べ、天乳ちゃんは比べ物にならない柔らかさだ。

 ま、間違いない……こ、この天乳の高度な柔軟性と臨機応変な対応力の正体はノーブラ……!

 薄い生地の制服には、天乳の柔らかさを阻害する能力など無いに等しい……!

 つ、つまりこれこそが本物のパイオツに限りなく近い感触――‼

 千載一遇のこのチャンス! た、堪能せねば――‼

 

「さ、早く行こうぜ。提督専用のトイレならすぐそこにあるからよ」

 

 天龍はそう言って、俺をトイレへと導こうとする。

 今まで喉から手が出るほど望んでいた理想郷(シャングリラ)

 だがそこへ辿り着けば、俺の現在の桃源郷(エデン)を手放す事になる……!

 それはあまりにも惜しい……!

 

 この天乳チャンスには時間制限がある。

 俺がトイレへと辿り着けば、天龍は俺を支える必要がなくなり、この幸福を具現化したような柔らかさも離れてしまう。

 な、何とかして引き延ばさねば……ん?

 

 な、何ッ⁉ 腹の痛みが……消えている⁉

 あの痛みの波が嘘のように引き、今の俺の腹は干潮状態だ。波の気配すら無い。

 馬鹿な、天乳ちゃんには癒しの力があるとでも……パイオツは世界を救うのか……と、とにかくこれは願ってもいない僥倖!

 

 ッしゃオラァ! みなぎってきたぜェェェエエッ‼ ヒャッハァーーーーッ‼ これならイけるイけるゥ‼

 今の俺は、負ける気がしねェ‼

 智将フルティンコの頭がフル回転! 神算鬼謀が湯水のごとく次から次へと溢れ出して止まらねェ!

 ――よし! 繋がった‼ もう考えるのは止めた! 脳細胞がトップギアだぜ! トイレまでひとっ走り付き合えよ!

 柔らか軽巡洋艦天乳ちゃん、思う存分堪能の時間だコラァ‼

 

「――待て。私の部屋まで連れて行ってくれまいか」

「あぁ? 何でンな遠いとこまで……」

「ついでに少し済ませておきたい用があってな」

 

 艦娘寮の最上階にある俺の部屋へと向かう事で、天乳ちゃんを堪能する時間を稼ぐことが出来る。

 さらに、俺の部屋へ辿り着く事でパンツを回収し、俺の装甲を強化する事が出来るのだ。

 痛みの波が引いている今の状態ならば、俺の部屋まで辿り着くのは容易。安全に部屋まで辿り着け、心おきなく用を足す事が出来てスッキリ。

 パンツを装備する事で股間の装甲も強化され、気持ちの問題だが安全安心。

 そして天乳ちゃんを限りなく長い時間味わう事が出来る。

 一石三鳥のこの妙策を一瞬にして閃くとは……フフフ、自分の頭脳が怖い。腹痛さえなければこんなものだ。絶好調である。

 

「いや、それなら別にトイレ行ってからでも……」

「大丈夫だ。問題ない」

「まぁ、提督がそうしろっつーんならそうするけどよ。ほらっ、行くぜ」

「ウム。できるだけゆっくりな。腹に響くからな。ゆっくりとな」

 

 天龍は首を傾げながら、俺の身体を支えつつ艦娘寮へと歩を進めた。

 俺も強制的に前かがみになりながら、ゆっくりゆっくりと歩を進めていく。

 本来ならば永遠に制止しておきたいくらいであったが、こればかりは仕方が無い。

 時々腹が痛むふりをして立ち止まり、天龍に背中をさすってもらう。そしてその間も柔らかな感触を味わう。早くぶっ放してぇなぁ。

 腹の痛みは大丈夫だが股間の主砲暴発事故にだけは気をつけねば。いつイってもおかしくは無い。

 信頼してるぞ、ちっこいの……! いや、今はそれなりにおっきいの……!

 

「いやぁ、悪ィな提督。龍田はあぁ見えてオレより馬鹿だからなー。加減ってもんを知らねぇんだよな」

「ウム」

「駆逐共にせがまれて酌の仕方を教えてやってたみてぇだけど、全員に教えるんだもんなぁ。龍田もだけど鹿島の奴も結構馬鹿なんだよなー。あぁいうのを天然、っちゅーのか?」

「ウム」

 

 提督スキンに集中する為に他の感覚をほとんど遮断していた為、天龍の言葉が右から左へと通り抜けて行く。

 柔らかな感触を楽しみながら階段を少しずつ上り、二階へと辿り着いた。

 

 

 第八席:重巡洋艦・筑摩。(年上属性×、包容力○、巨乳◎)←DOWN……。

 姉の利根を差し置いてランクイン。姉より優れた妹などいないと思っていた俺の常識を見事に壊してくれた。その清楚さとワガママボディは翔鶴姉に匹敵するだろう。

 

 第七席:軽巡洋艦・天龍。(年上属性×、包容力×、巨乳◎)←UP!

 凄く柔らかいです。

 

 

 何とマーチクを追い抜き、天龍が第七席へ。早くぶっ放してぇなぁ。

 この柔らかさならば当然、いやむしろ必然と言っても良いかもしれない。

 川内型と同様、天龍も龍田も、大淀も夕張も、軽巡洋艦は俺には高校生程度にしか見えないわけだが、まぁ一応天龍も龍田の姉だしな。

 俺の理想のパイオツを持ち、かつ重巡洋艦とはいえ、筑摩には妹というハンデがある。早くぶっ放してぇなぁ。

 しかし左の胸と右の胸を押し当てられているこの状況、考え方によっては俺の全身が天龍ちゃんにパイ〇リされていると言っても過言では無いのではないだろうか。

 早くぶっ放してぇなぁ。

 

「へへっ、提督よ。これで今朝の借りはチャラだかんな」

「ウム」

「ま、まぁ、俺もあぁいうのは初めてだったけど、悪い気はしなかったからよ……提督もキツい時にはちゃんとオレ達に頼るんだぜ? なっ?」

「ウム」

 

 提督スキンに集中する為に他の感覚をほとんど遮断していた為、天龍の言葉が右から左へと通り抜けて行く。

 柔らかな感触を楽しみながら階段を少しずつ上り、三階へと辿り着いた。

 早くぶっ放してぇなぁ。

 

 

 第七席:重巡洋艦・妙高さん。(年上属性◎、包容力○、巨乳○)←DOWN……。

 温和なお姉さんである妙高さんだが、オータムクラウド先生によると実は怒らせるとかなり怖いらしい。是非とも尻と眉毛を撫でてみたい。

 

 第六席:軽巡洋艦・天乳。(年上属性×、包容力×、巨乳◎)←UP!

 早くぶっ放してぇなぁ。

 

 

 な、何と……妙高さんまで追い抜いただと……馬鹿な……!

 いや、妙高さんは俺の求める年上属性の持ち主ではあるが、未だ手の届かぬ高嶺の花。

 一方で天乳ちゃんはゼロ距離で密着し、リアルタイムでその感触を満喫できる。早くぶっ放してぇなぁ。

 絵に描いた餅よりも、手に触れる二つのお餅。やはりそういう事か……!

 この勢い……俺の部屋に辿り着くまでに天龍は一体どこまでランクアップするのだ……まさに龍が翼を得たる如し。早くぶっ放してぇなぁ。

 次は龍と鶴の戦いか。天使と天使の戦いといってもいい。まさに性戦、いや聖戦。

 俺のラブリーマイエンジェル翔鶴姉はなかなか手ごわいと思うンコォォォォオオオオッ⁉

 

 なッ……何……だと……ッ⁉

 こ、ここにきて津波レベルの痛みが押し寄せてきやがった――⁉

 干潮状態だった痛みは一気に満潮状態へ! 馬鹿ね、その先にあるのは地獄よ!

 ハザードレベル3.0に到達‼ ア、アカン、ケツの堤防が決壊寸前‼ このままじゃぶっ放しちゃう‼

 こ、これは計算外……! こんな事ならば素直に近くのトイレで事を済ませておけば良かった……ッ‼

 学生時代、帰り道で腹が痛くなった時に、まだ我慢できると思ってコンビニの前を通り過ぎ、引き返せなくなった頃に痛みがひどくなって後悔した記憶が蘇る……!

 だ……誰だ……俺の部屋まで行くなどと愚かな決断をした奴は……! お……俺だ……‼

 

 よ、よくよく考えれば俺がトイレに行こうが行くまいが、酔って足がふらついていたのであれば天龍は俺を支えてくれたはず……!

 つまり俺が腹の中の爆弾を輸送しながら部屋に向かう意味は皆無……‼

 ば……馬鹿か俺は……ッ! 天乳を前にして判断力が鈍ったか……ッ!

 ご、ごめんなさい……ごめんなさい……か、神よ……お慈悲を……‼

 お、俺が一体何をしたというのですか……!

 

 あまりの激痛に俺は足を止めた。もはや柔らかさを堪能している余裕など無かった。

 落ち着け……呼吸を整えるのだ……ひっひっふー……ひっひっふー……この呼吸法をラマーズ法と言います。

 これは出産の際に用いられる呼吸法であり、筋肉を弛緩させる事で陣痛を和らげ……いや筋肉弛緩させちゃイカン……!

 現在大活躍中の俺の括約筋が弛緩しちゃったら痛みが無くなると共に生まれてしまう……!

 分娩時ならばともかく、便意を我慢する時には使っちゃイカン……!

 い……痛いの痛いの、飛んでかないよォ……‼

 

「お、おいおい大丈夫かよ……だから近いとこに行ってりゃ良かったのに」

 

 天龍が心配そうにそう言うが、時すでに遅し。

 すでに現在地は三階。上に進むも下に進むも大して変わらない。策士、策に溺れたか……!

 し、しかし失敗は誰にでもある……!

 大事なのはそれを後悔で終わらせる事では無く、反省し、次に活かす事だ……!

 この悔しさをバネにして、進まなきゃ……! 一歩でも……ほんの少しだけでも、前に……‼

 

 立ち止まっていても、状況は何も変わらない……!

 だが裁きの時は着実に近づいてくる……!

 こういう時は冷静に、痛みを堪えながら、一歩一歩前に進むしかないのだ……!

 ただ進み続けるだけでいい……! 止まんねェ限り、トイレは近づく……!

 だ、だからよ……お、俺の足……止まるんじゃねェぞ……‼

 は、早くぶっ放したい……‼

 

「ハァーッ……ハァァーッ……ダ、大丈夫ダ……ハゥアッ、アァァーッ……」

「全然大丈夫に見えないんだが……」

 

 その後、生まれたての小鹿のように足を震わせる俺は何度も立ち止まりながら、ようやく俺の部屋へと辿り着いた。

 もう天龍の感触も全然覚えていない。あまりの激痛に股間のヴェールヌイは再び倒れ、桃源郷の記憶も上書きされてしまった。凹む。

 天龍には中まで着いて来なくていい、ありがとうと伝え、俺だけが部屋の中に入った。

 

『私たちはもう一年近く出番が無いのです』

『倉庫に眠ってばかりでつらいよねー』

『たまには出撃したいです』

『装備の棚卸もして欲しいねー』

『平等に出番が欲しいです』

『しくしく、しくしく』

『あー、泣いちゃった』

『泣かないでー』

『我慢していたんだねー』

『今夜は呑むしかないのです』

『おー』

『おぉぉー』

『わぁい』

『今度あのクソ童貞に一言もの申してやるのです』

『ストライキするぞー』

『交渉だー』

『闘争だー』

『団結だー』

『おぉー』

『うぉぉー』

『わぁぁー』

『わぁい』

 

 いつもの四人だけではなく大量のグレムリン共がテーブルの上でワイングラス片手に酒盛りしていた。今クソ童貞っつったの誰だ。

 そのワインとグラスはどこから出したとツッコむ余裕はもう無かった。

 騒がしい魑魅魍魎共に目もくれず、俺は最後まで気を緩めずに、少しずつ部屋の奥のトイレまで歩を進める。

 

『あれっ、クソ……提督さんお帰りですか』

『随分と早いねー』

『顔色が……悪い……』

『お手洗いですかー?』

『ちゃんと換気してねー』

『まだ死にたくないのです』

『化学兵器の使用は禁止されています』

『消臭スプレーも……使って……』

『出てきたら話を聞いてもらいます』

『交渉だー』

『闘争だー』

『出番をよこせー』

『仕事をよこせー』

『うぉぉー』

『わぁぁー』

 

 ここは俺の部屋だとツッコむ余裕も無かった。

 俺はプルプルと震える手でトイレのドアノブを掴み、ようやく理想郷(シャングリラ)へと辿り着く。

 ゆっくりとドアを閉め、鍵をかけ、ズボンを下ろし、便座に腰かける。

 

 俺は大きく息を吸った。

 

 クソ提督、いざ運航する!

 爆撃開始するであります!

 それっ! ちゃくだーん、今!

 

 

 …………。

 

 

 やりました。

 流石に気分が高揚します。

 痛みが無いという事がこんなにも素晴らしい事だったとは。

 こんなにも心が安らかなのはいつ以来だろう。

 世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに、皆が幸せになりますように。今なら心からそう思える……。

 

 結局天乳の感触は綺麗さっぱり忘れてしまったが、何とか無事に用を足す事は出来た。

 それだけでいいじゃないか。

 二兎を追う者は一兎をも得ずとならなかっただけマシだ。

 最悪なのはトイレに間に合わず漏らしてしまい、天乳の感触も忘れてしまう事。

 用も足せたし、パンツも履ける。一石三鳥とはいかなかったが、一石で二鳥は得られた。

 先に近くのトイレに向かっておけば一石三鳥は容易に達成できていた事は置いておいて、十分すぎるほどの戦果ではないか。

 これ以上欲しがるのは流石に強欲というものだ。

 

 地獄の腹痛も無くなり、腹の中も膀胱の中も空っぽだ。

 身体の中から毒が抜けた気分だ。デトックスとはこういう事を言うのだろう。

 心も体も軽やかだ。俺は全身を包む多幸感と共にトイレから出る。

 

『提督さん、さぁ話を……あー……』

『あぁぁー……』

『ぐわぁぁぁー……』

『うぁぁー……』

 

 俺に向かって飛んできた妖精さん達が、蚊取り線香に近づいた蚊のごとくポトポトと地面に落ちた。

 いやそんな臭くねェよ!

 酒盛りをしていた妖精さん達も倒れ伏してピクピクと痙攣している内に、俺は干してあったパンツを装備する。

 ただパンツを履いただけだというのに、何なんだこのハイパームテキ感は……。

 俺はボクサーパンツ派なのだが、こう、包まれているという安心感が凄い。もう何も怖くない。

 腹痛も無くなったし、最後の激痛のおかげか股間のヴェールヌイも大人しくなったし、地獄は見たが何とか窮地から生還できたようだ。

 

 しかし何も考えていなかったが、天龍にはわざわざここまで来た理由を何と説明するか……まさかパンツを履く為だと素直に言うわけにもいかない。

 そうだ、そういえば大淀から貰っていた報告書。

 あれは日報だし、早めに処理しておきたかったという事でいいのではないか。

 

 俺は報告書を手に取り、パラパラとめくってみる。

 なるほど……撃沈したのは鬼に姫に……ん? 鬼に姫?

 どこかで聞いた事があるような……確かイ級とかロ級とかとは別に、人型に近い深海棲艦の事を確かそう呼んでいたような……。

 そうだ。オータムクラウド先生の作品では無いが、姫級や鬼級がメインの作品をちらっと目にした覚えがあるな。

 確かシリーズ物で、漁船の網に引っかかった鬼級や姫級が船の上に引きずり込まれ、女に飢えた屈強な漁師達に好き放題されるという、毎回お決まりのパターンの作品で有名な作品らしいが……。

 自国への脅威さえオカズにする辺り、もうこの国駄目なんじゃないかな。

 

 艦娘以外には興味が無かったので俺もあまり深海棲艦には詳しくないが、漁師よりも弱いのか……見た目は人間の女性に近いみたいだったしな。

 資材の不足した状態の艦娘は人間と変わらないらしいから、おそらく深海棲艦もそうなのだろう。

 

 鬼や姫という呼び名は、明らかに兵器に近い異形のイ級やロ級などよりも、人間に近い形をしているからだろうか。

 妖怪の鬼の起源は外国人だという一説もあるようだし……。姫というのは深海にちなんで竜宮城の乙姫か何かが由来だろうか。

 オタサーの姫みたいなものだ。イ級とかの中に人間の女性っぽいのがいれば、そりゃあ深海棲艦の姫と呼びたくなってもおかしくは無い。

 なるほどな……漁師に捕らえられ、慰み者にされてしまう前にうちの艦娘達に撃沈されたのは、奴らにとって幸か不幸か……。

 

 一番弱い深海棲艦である駆逐イ級が近海の漁船を襲い、沈没させる事例が多発しているという事くらいは俺も知っている。

 つまり、駆逐イ級>漁師>鬼、姫級 というパワーバランスになるという事だろう。

 普通の深海棲艦よりも人間に近く、それ故に力の弱い個体の事を鬼、姫と呼ぶという事で間違いはなさそうだ。

 イ級よりも弱いのであれば、こんな近海にいてもおかしくは無い。

 か弱いイメージの姫はともかく、鬼に関しては名前負けが凄いが……多分人型で角が生えてたりするからだろう。安直なネーミングである。

 それはともかく、姫や鬼は見つけ次第、近海の漁船に捕らえられる前に沈めてやるのが人情というものだろうか。

 

 うぅむ、いかん。こんなに分厚いものに今から丁寧に目を通していては時間が足りんな……。

 

 ……う、うむ、大淀の仕事ならば間違いは無いだろうし……。

 本来ならば報告書の内容にしっかりと目を通して現状を把握してから決裁するのが提督の役目だが、流石に今夜はイレギュラーな事態。

 後でゆっくり確認しようとは思っていたが、今回ばかりは致し方無し。部屋まで戻った理由に使わせて貰おう。

 オ〇禁と同じく、明日から……明日から心を入れ替えて有能提督を演じられるように頑張ろう。今夜だけは許してくれ。スマン、皆……‼

 

 俺が部屋から出ると、天龍はまだそこで待っていてくれた。

 

「おう、大丈夫か?」

「あぁ、心配をかけてしまったな。確認の終わった報告書を執務室に持っていきたかったのだ」

「なるほどな。どうだ? もう一人で歩けるか?」

 

 な、何っ。まだ支えてくれるというのか。

 そうか、腹痛はともかくとして、そもそも俺が支えられたのは酒のせいで足元がふらついたからだ。

 つまり帰りもまた天乳を堪能できるチャンスが――⁉ これは嬉しい誤算!

 地獄の痛みに耐えた甲斐があったというものだ。今度は腹痛に邪魔される事なく柔らかさに集中できる!

 行きは地獄、帰りは天国ではないか! ヒャッハァーーッ! イけるイけるゥ!

 

 せっかく大人しくなった股間に再び刺激を与える事になる? 暴発の危険性? これ以上欲しがるのは強欲? 知った事か‼

 俺の名は色欲童帝(ラストエンペラー)、シココ・フルティンコ! 色欲だ! 欲しがらなくてどうする⁉

 手が届くのに手を伸ばさなかったら死ぬほど後悔する! それが嫌だから手を伸ばすんだ!

 この手で掴めるパイオツがあるなら、俺は迷わず掴む!

 

 俺はわざとらしく額に手を当てながら口を開いた。

 

「うむ、それがな、まだ少し足元がふらついてな」

「へっへ、しゃーねぇなぁ。ほらっ、肩貸すぜ!」

 

 天龍の御言葉に甘えて俺が手を伸ばした瞬間であった。

 

「――お触りは禁止されています♪ その手、落ちても知らないですよ~?」

「ウェ⁉」

 

 変な声が出た。

 背後からの耳元への囁きに俺が背筋を伸ばして振り向くと、そこには艤装を身に纏った龍田が微笑んでいたのだった。

 い、いつの間に俺の背後に――⁉

 

「よぉ、どうした龍田。戦闘体勢に入っちまってよ。はっはぁん、さては酔い覚ましに今から夜戦か⁉」

「えぇ、そうね~。それもいいわね~。もしかしたら、もうすぐ夜戦が始まっちゃうかも~?」

「へへっ、夜戦と言えばオレを外すなよ! あっ、でも提督を支えてやんねーといけねぇんだった。龍田、悪ィな!」

 

 天龍がそう言って俺の右腕を首に引っ掛けて身体を支えるのを見て、龍田の凍てつく視線が俺を貫いた。

 アッ、これアカンやつや。笑っているのに眼が笑っていない。荒潮より余裕でヤバい。

 天龍の右乳に俺の手がめり込んでいるというのに、股間の長10cm砲ちゃんは全く反応しなかった。

 龍田の魔眼に射抜かれて、まるで冷水に浸かったかのごとくヒュンと縮こまってしまっている。

 

「……あら~、聞こえてないのかしら~? ……死にたい?」

「て、天龍。私は大丈夫だ。う、うむ、そうだな。よし、希望通り、酔い覚ましに、天龍と龍田に夜間哨戒任務を命じよう」

 

 俺が龍田の視線に圧倒されてそう言うと、天龍は俺に怪訝な目を向けた。

 

「何だよ提督、もう大丈夫なのかぁ? あっ、さては呑ませた龍田の前だからって、まぁた無理してんじゃねぇだろうな?」

「す、少しはふらつくがもう問題無い。心配してくれて済まなかったな」

「そうか……うっしゃあ、そんじゃ行くぜ龍田! 遅れんなよ!」

 

 そう言って歩き出した天龍の背中を眺めてから、龍田は俺へそっと近づいて口を開いた。

 

「ごめんなさいね~。駆逐艦の皆が提督にお酌をしてあげたいって言うから、私もつい嬉しくなっちゃって~。私もうっかりしてたわ~」

「アッハイ」

「ふふっ、駆逐艦の皆だけじゃなくて、天龍ちゃんにも優しくしてあげてね~? でも、勿論お触りは禁止されています♪」

「ハイ」

「……うふふっ、私も天龍ちゃん共々、よろしくお願いしますね~?」

 

 龍田はニコッ、と天使のように微笑んだ後で、ニィィ……と悪魔のような笑みを浮かべ、天龍の後を追って去って行った。

 ……あ、あいつ一体何を考えて……。やはり、俺の本性を勘づいて俺に社会的な死を……?

 わ、わからん……わからんが極力近づかないようにしよう……。龍田怖いです。

 

 

 

 その後俺はトボトボと一人で執務室まで向かい、報告書に提督印を押しておいた。

 決裁済の書類箱に報告書を入れておき、再び歓迎会場の小料理屋鳳翔へと向かう。

 

「あっ、て、提督……」

 

 小料理屋の入口の前で、長門や金剛型を引き連れた大淀とばったり顔を合わせた。

 俺の顔を見て何故か大淀は頬を赤らめて、ばつの悪そうな表情を浮かべてしまう。

 一応、報告書の件について一声かけておこうかと思ったところで、金剛達戦艦部隊が嬉しそうな笑みを浮かべながら、俺へ歩み寄って来たのだった。

 

「テートクゥ! 私、提督の言っていた意味がようやくわかりマシタ! 艦娘は全員平等に横並び……まさに博愛の権化デース! これが、これが提督のバーニング・ラーーッブっ! というわけデスネー⁉」

「あぁ、全く……胸が熱いな……!」

「司令っ! 司令には、恋も、戦いも、負けませんっ! えへへっ、何だか力が湧いてくるようですっ! はいっ!」

「提督は優しいのですね。榛名にまで気を遣ってくれて……榛名、感激です!」

「私の想像以上の高潔さです。流石司令、データ以上の方ですね!」

 

「う、うん……?」

 

 戦艦達が何を言っているのかよくわからなかった。

 先ほど俺が金剛に口を滑らせた事を、戦艦なりに一生懸命考えた結果納得してくれたのだろうか。

 長門だけじゃなくて戦艦は全員脳筋なのか……? 霧島は頭脳明晰そうだが……。

 戦艦達が何をどう納得したのかは全く理解できんが、横須賀十傑衆の事を明らかにするわけにもいかないし……このまま誤魔化しておこう。うん。

 

「う、うむ。そういう事だ……そ、そうだ大淀。先ほどの報告書には目を通して、執務室に置いてあるからな」

「えっ、あ、はい。了解しました。明日の朝イチで艦隊司令部へデータを送付しておきます。あっ、いえ、そう秘書艦の鹿島達にも伝えておきますね」

「うむ。……あぁ、それとな、大淀」

 

 はっ、と返事をした大淀の肩にぽんと手を置き、俺はしっかりと目を見据えながら伝えたのだった。

 

「――お前を信じてるからな」

「…………はっ……?」

「それだけは、改めて伝えておきたかったのだ。私を一番上手くフォロー出来るのはやはり大淀しか考えられんからな……これからも、至らない私を支えてくれ」

 

 そう、大淀の作成した報告書に間違いが無いと信じている。

 こんなどうしようもないクソ提督の尻拭いが出来るのは、俺の本性を知りながら、横須賀鎮守府の秩序を保つ為、裏で暗躍する黒幕の大淀しかいない。

 苦労はかけるが、横須賀鎮守府の平穏の為に頑張って欲しい。

 一言伝えたかった事だけを伝え、俺は大淀の返事も待たずに暖簾をくぐる。

 

 

『ノォォォオーーッ! どどど、どういう事デスカー⁉ 何で大淀にだけあんな言葉をかけるのデスカー⁉』

『お、おい大淀! お前、さっきの説明と話が違うぞ! 明らかにお前への信頼だけぶ厚いじゃないか! ずるいぞ! くっ、やはり私も遠征に向かわねば――!』

『えっ、あっ、え、えぇぇ……⁉ い、いや、そ、そういう事では無くて、提督は皆を大切に……え、えへへ』

『シィィーーット! 何照れてるデス⁉ その蕩け顔を今すぐ止めるネー! やはり決着をつけねば~……! さぁ今すぐ土俵に上がるデース!』

『あらあら、うふふふ。やっぱり私の見込みは正しかったようですね』

『まっ、間宮さんっ! い、いやこれは、あの、その』

 

 

 何やら背後が騒がしかったが、構わず俺は元の席へと再び舞い戻ったのであった。

 戻る際にカウンター越しにちらりと厨房を覗いてみたが、俺のアイドル間宮さんの姿は無かった。凹む。

 一体何処にいるのだ。あの席では遠すぎて顔を見る事もできないし……間宮さんが恋しい。

 一目、会いたい……。




本当に申し訳ございません。
提督が用を足すまでに一万字超を要した為か提督視点が二万字を超えてしまった為、分割します。
全ては私の計画不足と提督視点の謎の筆のノリによるものです。
次回の提督視点で歓迎会編は本当に終わりますので、大目に見て頂けますと幸いです。


さて、艦これはいよいよ秋イベが始まりましたね。
情報を見るだけで目眩がしてきましたが、弱小丙提督の私はしばらく様子見です。
我が鎮守府は現在何故か睦月型の育成に精を出しています。
史実艦がほとんど育っていないので今回も完走は難しそうですが、また新たな艦娘をお迎えできそうで楽しみです。
提督の皆さん、共に頑張りましょう。







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