ラストダンスは終わらない   作:紳士イ級

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054.『神の恵み』【提督視点①】

 間宮さん達の手料理は俺の想像を遥かに超えていた。

 しじみ汁でわかっていた事であったが、単純に美味い。それはあまりにも美味すぎた。

 正直、小食な俺には少し量が多すぎると思っていたのだが、まるで炎天下で渇いた喉にサイダーを流し込んだかのように、我ながら驚くほどにぺろりと平らげてしまった。

 心のこもった極上の手料理と、それを食する俺を見つめる間宮さんの笑顔……もう死んでもいいとすら思った。

 だが、心と腹を満たしてくれた満足感と共に津波のように俺に襲い掛かってきたのは、抗いがたい衝動であった。

 

 一言で言えば、めっちゃムラムラするのだ。

 ただでさえ先ほどのラブリーマイパンツ翔鶴姉によりムラムラしていた俺であったが、食している最中から明らかに長10cm砲ちゃんに装備改修が施されていた。

 間宮さん達にその気は無いのであろうが、元気の出る食材というのは男にとっては精力食材とほぼ同じなのである。

 しかもタイミングが最悪だった。

俺の脳裏には今も千歳お姉のパイオツと翔鶴姉(パンツ)がしっかりと刻み込まれており、しばらく忘れる事は不可能だった。

 なんとか忘れる努力をしようと目の前の間宮さんに目をやったりしてみたが、自動的に顔から下に視線がホーミングされてしまうので慌てて料理に目を向けた。

 この状態でちとちよ姉妹を凌駕するスイカップの持ち主に目を向けるなんて自殺同然であった。

 よくよく考えてみればオータムクラウド先生の作品等を介して、間宮さんには今まで数えきれないほどにお世話になっているのだ。

 長10cm砲ちゃんがパブロフの犬と化して反射的に対空見張りを厳としてしまっても責めることは出来ない……。

 

 というわけで俺の股間は間宮さん達の精力料理により刺激され、俺の中には白露型駆逐艦、ムラ村雨が高速建造されたわけである。

 主砲も魚雷もあるんだよ?(股間) イッきま~す! いやイッたらアカン……!

 このままではちょっといいとこ見せたげると言わんばかりに股間が暴発して白露が(ほとばし)る危険性大。

 御馳走様と共に、俺は前かがみになりながら忍者走りで執務室へと逃げ込んだのであった。

 

 椅子に腰かけ、執務机に向かいながら、俺は悩んだ。

 このままでは執務どころでは無い。そんな事など考えられる状況では無い。

 今は完全にそういう頭と身体になってしまっている。

 いくら頭を執務モードに切り替えようとしても、身体は正直なのだ。

 即座に解決する方法はただ一つ。抜いてスッキリするしかない。これを賢者モードと言います。

 

 しかし、妹達が言っていた……女の子は嗅覚が鋭いから、絶対にバレると。

 大淀とかはさっき俺に近づいていたからな……次に顔を合わせた時にイカ臭くなっていたら確かにバレてしまいそうだ。

 艦娘達に倉庫の整理を任せ、大淀にはかなりの無茶振りをしてしまい、その間に俺が一発抜いていたなどと知られてしまっては、流石の大淀さんもキレてしまうのではないだろうか……。

 俺の股間の勢いを物理的に削ぐべく、裏から龍田に手を回して文字通り去勢されかねん。

 神堂貞子の爆誕である。祝え、新たな女王の誕生を……!

 まさにシコ子・フルティン子ってやかましいわ。

 

 そういえば初日は余裕が無くここのトイレでデイリー任務を達成してしまったが、バレていないだろうか……。

 提督専用だからおそらく誰も使用しておらず、気付いていないのだろう。そう信じるしかない。

 ともかく、抜いた後に風呂に入って念入りに全身を洗えば……駄目だ、さっき佐藤さんと風呂に入ったばかりではないか。

 くそっ、あれがなければごく自然に風呂に入れたかもしれないというのに……。

 抜くのはアカン。しかしこのままでは暴発するのも時間の問題……!

 こうなれば、やはりこの全身にみなぎる性衝動と荒ぶる股間を何とか鎮静化もといチン静化させる方向で頑張るしか……。

 長10cm砲ちゃん、そろそろ仕事の時間だからおとなしく……駄目だ、精気が満ち溢れておられる……!

 

 そんなこんなで俺がムラムラと格闘している内に、大淀達が入室してきた。

 俺の秘書艦を務める事となった鹿島と羽黒、そしてそれに加えて香取姉と妙高さんまでついて来ていた。やったぜ。

 何やら妹達の見学に来たとの事で、俺は何も考えずに喜んでOKを出したのだが、よくよく考えてみたら横須賀十傑衆第三席と第七席(天龍が追い上げるまでは第六席)の猛者。

 当然オータムクラウド先生の作品を介して何度もお世話になった面子である。俺は馬鹿か。

 いかん、何とかしてエロい事は考えないようにしなくては。

 

「提督さんっ。お茶をお淹れしますね。珈琲の方がいいですか? ミルクとお砂糖、たっぷり入れるのはどうでしょう? うふふっ」

「う、うむ。ありがとう。珈琲を頂こうか。ミルクと砂糖は多めで頼む」

「はいっ、了解しました! 頭を使うには糖分が必要ですもんね! えへへっ、提督さんは甘い方がお好きなのですね。なるほどぉ、覚えておかなきゃ」

 

 おぉ~、グッド~! ムラ村雨、パワーア~ップ! スタンバイOKよ!

 普通に会話しただけだというのに、俺の性衝動は更に勢いを増した。

 駄目だ。鹿島コイツ、エロスの権化だった。

 コイツを前にしてエロい事を考えるなという方が不可能だ。

 大体なんなんだその体型(スタイル)は。

 香取姉には劣るものの十分に豊かなパイオツ!

 短すぎるスカートとそこから覗く生足! ケツ! ムッチムチの太もも!

 精を搾り()る形をしてるだろ?

 

 勝気そうな目つきと対照的に柔らかな表情と物腰、ふんわりと漂ういい香りから声に至るまで、全てが俺のムラムラを刺激する。

 鎮守府の外では有志により非合法に作られた鹿島のフィギュアが淫魔像と呼ばれ高値で取引されているという噂も納得だ。

 今の俺には目の毒にしかならない。絶頂へのカウントダウンが早まってしまう。

 鹿島の淹れてくれた甘い珈琲に口をつけながら心を落ち着ける。美味い……。

 ミルクと砂糖の他に媚薬とか精力剤とかが盛られてない事を祈る。

 つーかコイツがミルクとか言うだけでいかがわしい単語に聞こえてしまう。

 俺の好みをメモしているのも同様だった。いつかプレイに活かすつもりじゃないだろうな……。

 

「し、司令官さん。あの……こちらが現在の備蓄状況で、こちらは大淀さんが計画した遠征計画です……本日分の開発、演習等はどうしましょうか……」

「そうだな……まずは倉庫の整理を優先してもらいたい。開発や演習に回す資源に余裕が無いからな」

「そ、そうですよね……ご、ごめんなさいっ」

 

 俺の言葉に怯えるように頭を下げる羽黒に、障子紙並みの強度を誇る俺の心は軽く傷ついた。

 話しかけるのにも躊躇していたようだし、なんだか悪い事をしているような気になってしまう。

 元々やりたくなかっただろうに、妙高さんから強制的に押し付けられたような形だったからな……。

 何か俺が見る限り、常に涙目なんだよな羽黒は……。

 今も監視されているから、嫌なのを我慢して話しかけてきたのだろう。

 わざわざ訊ねてくれたが、開発や演習に回す資源に余裕が無いのは俺のせいである。なんかすいません。

 

 しかし、今の俺にとって羽黒の存在は利点がある。

 まず、全体的に俺の好みではないというのもあるが、羽黒からはほとんどエロスを感じないのだ。

 地味だが可愛らしく、庇護欲をそそる守ってあげたい系女子の羽黒はそれなりに薄い本界隈でも人気があったようだが、俺の需要とは結び付かなかった。

 一説によれば俺と同レベルのオ〇ニー好きであり妙高型で一番のムッツリドスケベだという情報も聞いたことはあるが、それが嘘にせよ本当にせよ、仲間意識は持てるものの、オカズとしてはどうでもいい話である。

 

 話が逸れた。そう、今の俺にとって魅力が無いのが魅力的という話だ。

 妙高型が身に纏う制服が、非常に露出が少ないものであるという事も、今の俺には非常に良い。

 他の艦娘達の例に漏れずタイトなスカートの丈は短いが、妙高型は白いタイツを履いているのだ。

 さらに腕にも白い手袋を装着しており、肌が露出しているのは首から上だけという徹底ぶりである。

 それが今は逆に良い! 心は傷つくものの年下系という事もあり、あまり気も遣わないし、股間もピクリとも反応しない。

 俺と接するのを嫌がっている羽黒には悪いが、もうしばらく我慢して頂きたい。

 鹿島とプラスマイナスゼロで相殺する効果に期待したい。

 

 羽黒と鹿島は執務机の上に資料を広げ、俺が寝ている間に大淀が仕切ってくれた備蓄回復作戦について説明を始めた。

 大淀が考えた作戦だ。イムヤの大破進軍と疲労を隠していた満潮というイレギュラーがあったものの、それ以外はしっかり計算された作戦なのであろう。

 少なくとも俺が考えるよりも間違いは無い。

 

 そんな事よりも、執務机を挟んで立つ鹿島の太ももが視界に入って集中できない。

 なんという太ももだ。挟まれたい。いかん、俺は何を。

 何か別の事を考えねば。コイツ何とかしてくれ香取姉……そうだ、香取姉の事を考えよう。

 香取姉の何が素晴らしいかって、その落ち着いた柔らかな性格や年上系の雰囲気は勿論の事、実は意外と背が低くて童顔なところが可愛いと思うのだ。

 だというのにそのパイオツは鹿島を遥かに凌ぎ、「意外と重武装でしょ、私」との本人の弁の通り、こういうのをトランジスタグラマーと呼ぶのだろう。

 生足の鹿島に対して黒タイツで覆われたムチムチの足も魅力的。

 なんという太ももだ。挟まれたい。

 駄目だ、考えを逸らせていない。

 香取姉はあの淫魔の姉……! そして俺ランキング第三位、トップスリーの実力者……。

 ムラムラが治まるはずがねェ……!

 

「先遣隊による偵さちゅ……てっ、偵さちゅ終了、あ、あうぅ……」

「い、急がなくてもいい。もっとゆっくりでもいいぞ」

「ご、ごめんなさい、ごめんなさいっ」

 

 俺が一人孤独に性衝動と格闘していると、羽黒が舌を噛んだ。

 軽くパニックに陥っていたようだったので、俺は思わず笑いかけながら落ち着くように伝えた。

 いかんいかん。妹達からキモいから笑うなと言われていたではないか。

 思い返せば霞に対しても意識せずに普通に笑いかけてしまっていたな……。

 夕張にもうっかり俺って言ってしまったし、翔鶴姉(パンツ)にも素で拒否ってしまったし、イムヤの轟沈騒ぎで動転し、気が緩んでしまったのだろうか。

 オ〇禁は一日目にして達成できなかったし、こんな事では妹達に合わせる顔が無い。絶対馬鹿にされる。つーか怒られる。

 

 うーむ、しかし涙ぐみながら何とか説明を終えた羽黒には悪いが、ムラムラと戦うのに必死で全然頭に入ってこなかった……。

 俺は報告書を眺めているふりをしながら思考を巡らせる。

 こんな状態では執務が出来ない事はわかっていた事だったが、だからといって一発抜いてスッキリするわけにも……。

 ムラムラしすぎて執務が頭に入らないクソ提督と、賢者のごとく執務に励めるが栗の花の匂いを纏うクソ提督、どっちがマシなんだ……。

 ひとつだけ言えるのはどっちも最悪だという事である。

 究極と至高のクソ提督対決。

 悩ましすぎる……なんという最悪の二択なのだ。

 オ〇ニーするかしないかでここまで悩む日が来るとは……。

 

 抜くか抜くまいか真剣に苦悩している俺の顔を嬉しそうに覗き込み、鹿島が教鞭をぴしぴししながら声をかけてくる。

 

「提督さんっ。何かお悩みですか?」

「い、いや、そういう訳ではない」

「うふふっ、そうですかっ。何かありましたら、遠慮なくこの鹿島にお声をかけて下さいね? ふふふっ」

 

 コイツ、俺の悩みを嗅ぎつけて……⁉

 そりゃあ現在俺が抱えているお悩みはお前の手にかかれば文字通りお手の物だろうが……遠慮なくお声をかけたが最後、数秒で解決と絶頂に至らしめる事が可能であろう。

 というか先ほど佐藤さんに宣言していた通り、たとえ枯れ果てても最後まで搾って抜かれ、俺はおそらくテクノブレイクで死に至る。

 先ほど俺の好みを把握した事から、やはり甘やかしプレイを……⁉ いや、それともあえてその教鞭で厳しく焦らす方向で……⁉

 どちらも容易に想像できる……いかん、想像したせいでまたムラムラが……!

 つーかその声だけでムラ村雨が元気になるからもう黙っていてくれまいか。

 ムラ叢雲、出撃するわ! 酸素魚雷を食らわせるわよ!(股間)

 いや誰だお前は! もうこれ以上新キャラはいらん! カエレ!

 

 くそっ、ドスケベサキュバスに負けてたまるか。

 そう、悩んでいたのはそんな低俗な事ではない。勿論目の前の報告書に関する事である。そういう事にしよう。

 とりあえず何か適当に疑問に思った事を問いかければいい。

 個人的に気になる事と言えば……大淀の編成した先遣隊が駆逐艦だけで編成されているという事だ。

 面子は俺も知っているように、駆逐艦の中でも練度の高い者ばかりで編成されている。

 だが、先日俺が編成したように、せめて軽巡を……えぇと、天龍と龍田は俺が夜間哨戒に送り出したせいで休んでいたから編成できなかったとして、大淀は俺の代わりに指揮してくれていたし……夕張と、そう、せめて川内型の三人をそれぞれの艦隊に組み込むなりすれば、より安全安心だったのではないだろうか。

 結果論かもしれないが、その場に俺への怒りで修羅となった神通が居れば、イムヤが轟沈する事もなく、朝潮達が揃って中破する事もなく、救援できていたかもしれん。

 いや、話を聞く限り、修羅となった神通は暴走して敵味方の区別がつかなくなるそうだから利根のようにむしろ被害に遭う者が出たかもな……ヤベーイ!

 

 俺は真剣に報告を聞いていた事をアピールすべく、顔を上げて鹿島に問いかけた。

 

「ふむ……それでは、鹿島。練習巡洋艦のお前から見て、先遣隊の力量はこの任務に適切だったと思うか?」

「そうですね……私は、十分すぎるほどだと思っています。六駆の暁ちゃんと響ちゃんはこの鎮守府の駆逐艦で唯一改二が実装されている事からもわかる通りの実力を有していますし、雷ちゃん、電ちゃんも練度は負けていません。時雨さん、夕立さん、江風さんは川内さん達が特別目をかけていますけど、戦闘センスが飛び抜けています。元々あの三人はその実力を買われて、他の姉妹艦と別れて横須賀鎮守府に異動になったくらいですし……。八駆の四人も、私個人としては六駆に負けない練度と資質を持っていると思っています」

 

 鹿島は少し考えた後、すらすらと流れるように俺の問いに答えた。

 なるほど、オータムクラウド先生が描いていた通り、やはり昼の鹿島は真面目で勤勉な優等生というのは本当のようだ。

 適当な答えだとは思えない。

 さっきからドスケベサキュバスの顔がちらちらとはみ出ている事を置いておけば、非常に優秀なようだ。

 羽黒に比べて、秘書艦の仕事も初めてとは思えないくらい自信満々にこなしているし……優秀にして色欲を併せ持つ、まさに才色兼備。

 鹿島の意見としては、駆逐艦四人、時雨達は三人での編成でも十分すぎるほどの戦力はあったという事か。

 しかし、念には念を入れ、俺は香取姉に目を向けて問いかけた。

 妹のフォローをする為にここにいるのだ。意見を求めてもおかしい事では無いだろう。

 

「ふむ……香取はどう思う」

「あ、えぇと……はい、私も鹿島と同意見です。旗艦に軽巡を編成するなりすればなお安定はしたでしょうが、いささか過剰戦力になったかと。提督もお分かりでしょうが、今回の失敗の原因は、イムヤさんの大破進軍、そして満潮さんの疲労を隠しての出撃という想定外のイレギュラーによるものです。潜水艦はどれだけ練度を上げても装甲自体は大きく強化されませんから、被弾、大破すれば即撤退する事も織り込み済みで計画を立てています。満潮さんは、実力は十分ですが、やはり過去の経験上、精神面で難しいところはありますね……」

 

 ほう、香取姉も鹿島と同じ意見……鹿島は本当に優秀なんだな。

 軽巡を編成すればなお安定するという事は当然わかっていたようだが、それでは戦力が過剰になったと考えているのか。

 つまり、やはりこの鎮守府近海は駆逐艦数人でも戦えるほど雑魚しかいない海域という事だ。

 まぁこんなところにまで強敵に攻め込まれていたらこの国はもう終わりな気もするし、当然の事であろう。

 それでも被害が出てしまった原因は、やはりイムヤの大破進軍と満潮の強行出撃。

 それさえなければ、おそらく朝潮達があれほど被害を被る事もなかったのだろう。

 必要の無かった負傷、満潮があれだけ落ち込んでいたのも当然か……。

 それにしても、潜水艦はどれだけ練度を上げても装甲はそこまで強くならないのか……なんか出撃させるのが恐ろしくなってきたな。

 

 鹿島と香取姉の意見を聞けば、大淀の作戦に問題が無かったという事は明白だが、更に念を入れて大淀本人にも訊ねる事にする。

 

「うむ……大淀はどうだ」

 

 声をかけてから気が付いた。

 エッ、な、何か難しい顔をしていらっしゃる⁉

 そんなに難しい事は訊いてないのに、俺の疑問に何か問題でも――⁉

 内心ヒヤヒヤしている俺に、大淀は妙に悩んだ後に、ゆっくりと確かめるような声色で答えた。

 

「……は、はい。制海権を奪還した現在の鎮守府近海には、下級の深海棲艦しか存在しないはずです。現在の備蓄状況を考慮して、なるべく資源を消費しない事と戦闘力を両立する先遣隊を考え、私はこの編成がベストであると判断しました」

「うむ……」

 

 な、何だったんだ今の間は……。

 首を切られないように落ち着いて考えよう。

 香取姉の言葉から推測したように、やはり現在の鎮守府近海には下級の深海棲艦しか存在しない。

 大淀がベストだと判断したあの編成は、戦闘力と資源の節約を両立する為の編成という事か……。

 香取姉も軽巡を旗艦に編成するのは安定すれどいささか過剰だと言っていたしな……。

 

 ちょっと待てよ。報告によれば、大淀が今回向かわせた遠征先は、先日俺が向かわせた場所と同じだった。

 グレムリンが怪しい感じがすると言っていた場所であったが、偶然にもそこに敵が資源を貯め込んでいたのが見つかったのでブン取るという算段らしい。

 大淀達は駆逐艦だけで十分だと理解しているのに、そこに俺は軽巡をフルに採用して出撃させたわけだ。

 

 朝潮、大潮、荒潮、霞に加えて大淀、夕張。

 暁、響、雷、電に加えて天龍、龍田。

 時雨、夕立、江風に加えて川内、神通、那珂ちゃん。

 

 確かに安定はしただろうが、大淀達に言わせれば明らかに過剰戦力、資源の無駄……。

 そうか、今回大淀が安定を捨てて駆逐艦だけで編成したのは、俺が無駄に使った資源の尻拭いの結果だ。

 俺が無計画に建造したり、空母六隻で出撃させたり、その救援で余計な出撃をさせたりしなければ、まだ備蓄に余裕があったわけで……それなら今日の出撃に軽巡を編成する余裕があったかもしれず……イムヤが轟沈する事もなかったのかもしれん。

 なんか全部俺のせいだな……死にたくなってきた。

 

 そうか、大淀のあの顔……。

 コイツはそんな事もわからないのかと本気で悩んでいたのか。

 俺の尻拭いのために軽巡を編成しなかったのに、他ならぬ俺が「この編成で問題なかったの?」などとアホ面で言い出したものだから、そりゃあ呆れ果てるだろう。

 何とかこらえてくれているが、大淀がもう少し短気だったら「お願い、艦隊指揮の邪魔、しないで‼」とその右拳でブン殴られてもおかしくはない。本当にすみません。

 

 いや待て。それはともかく、鎮守府近海に雑魚しかいないのだったら、あの夜に艦娘全員で出撃したのはやっぱり……。

 あンのゴリラがァ~……‼ テメーが一番資源の無駄遣いしてんじゃねーか‼

 くそっ、しかし俺の信頼度の低さが招いた事だから主張できん……!

 

 ともかく、俺の無能っぷりが改めて明らかになってしまったのはともかくとして、先遣隊に無理をさせているわけではないという事がわかったのは良かった。

 ムラムラは一向に収まる気配が無いが、それはそれでちょっとだけ気になっていたのだ。

 俺は気を取り直して、威厳たっぷりに鹿島と香取姉に声をかけた。

 

「いや、流石だ。鹿島と香取は練習巡洋艦なだけあって、皆の力量をよく理解できているな」

「えへへっ、そうですか? やったぁ……!」

「ふふ、勿体ない御言葉です」

 

 鹿島はよくわからんが、香取姉も俺に対する負の感情を表に出さんな……。

 まぁ大人としては当然の嗜みであるし、千歳お姉と同じように大淀の話術の影響下にあるのかもしれないが……。

 顔に出さないだけだと考えておいた方が身のためであろう。

 俺は大淀に顔を向け、深くお辞儀をしながら「生意気な事言ってすいませんでしたァーッ‼」と陳謝したい気持ちを抑えながら、冷静に声をかける。

 

「大淀の仕事も完璧(パーフェクト)だ。私が眠っている間、よくやってくれた。本当に助かった、ありがとう」

「い、いえ……そんな事は」

 

 どこかそっけない態度の大淀さんであった。凹む。

 いや、しかし大淀の場合、これが正解なのだ。

 この御方はあくまでも俺の影となって後ろから操る事が目的なのだから、俺がへりくだってはならない。

 堂々と上官として、提督として振る舞う事こそが、大淀に対する何よりの忠誠を示す事なのであろう。

 そして俺に何か至らぬ点があったとしても、ちょっとの事は大目に見て、フォローして下さるのだ、この御方は。

 今回の俺の失礼な質問も水に流して下さるであろう。本当にすみません。

 

 何やらまた難しい顔で考え込んでしまった様子の大淀を見ないふりをしながらムラムラとの戦闘を再開したところで、執務室の扉がノックされた。

 扉を開いて姿を見せたのは、涙を拭いながらすんすんとべそをかいている千代田であった。

 

「うぅっ、千歳お姉に嫌われたよぉ~……! もう生きていけないよぉ~……! 足りない……千歳お姉が足りないよぉ~……」

「千代田さん……ど、どうしたんですか」

「千歳お姉が、提督に報告に行ってきなさいって……! 私と一緒に居たくないのよ……! うぅぅ~……!」

 

 千歳お姉も泣いていたが、こっちは大号泣だな……。

 俺の推理によれば、俺が視姦していたという事実をもみ消す為のとばっちりを受けた形になる。

 すいません、大淀は悪くないんです。勿論千代田も悪くないんです。悪いのは全て俺です。

 それはそれとしてなんという乳だ。

 

 千代田の涙に罪悪感を、千代田の乳に股間を刺激されている俺に、大淀が横から声をかけてくる。

 

「提督、申し訳ありません。御存知かとは思いますが、千代田さんが軽空母への改装にすでに目覚めていた事が判明しまして……」

「うぅぅ~……! ご、ごめんなざい……!」

「う、うむ。大体の事は千歳から聞いた。千代田も、もう気にするな。それと、瑞鶴からも聞いたが、大淀が皆をまとめてくれたらしいな。助かった」

「は、はい……」

 

 大淀が求めている事とはいえ、堂々と上官を演じるのが若干心苦しい。

 しかし、千歳お姉と千代田が気まずくなってしまったのも俺のせいだし、俺をフォローしてくれた大淀さんに報いねば――。

 

「あ、それに関してなんですが、その、性能を計る為とはいえ、隙を見て視線を送るのは今後やめてもらえないでしょうか」

「エッ」

 

 一瞬心臓が止まった。

 大淀の放った言葉は、一瞬とはいえ確実に一人の人間を死に至らしめるほどの威力を持っていた。

 間宮さんの精力料理がなければ息を吹き返せなかったかもしれん。

 エ? ア、イヤー、エェ?

 

「いえ、勿論提督のお心遣い故という事は理解できているのですが、今回瑞鶴さんに指摘されたように勘違いされる事もあるかもしれませんし、やはり盗み見るような真似はよろしく無いかと……それに、皆も提督の視線にはそれなりに気付いていたので、そんな真似をする意味も無いかと……」

「そ、そうか……」

「ですので、今後艦娘の性能を計りたい時には、本人に直接同意を得て、堂々と正面から計るようにお願いします。同意を得られない時はこの大淀にご相談頂ければ、誠心誠意、出来る限りは説得しますので……」

「ハイ」

 

 死にたい。

 皆それなりに気付いていたって……。

 恥ずかしいより、死にたい……。

 無表情を保つので精一杯であった。

 艦娘達の間でどんな話題になっていたのか。考えるだけでも恐ろしい。

 妹達の言っていた通りだった。見られている方にはバレバレだと。

 わかっていたはずなのに、なんで俺は見てしまったのだ。

 妹達にどう弁明すれば良い……駄目だ、弁明のしようが無い……。

 

 大淀は提督のお心遣いとかいう意味のわからないワードを口にしていたが、おそらくその話術で妙な意図を捏造してくれたのだろう。ダンケ。

 ガン見が性能を計る為という薄い本展開になるのは百歩譲ってわかるとしても、チラ見が俺のお心遣いになる意味がわからない。

 じろじろ見るのが悪いからチラっと見て性能を計っていたという事になっているのか。

 大淀の用意した言い訳はどうなっているんだ……。流石に無理がありすぎる……。

 いや、それではフォローしきれないから、今度からは正面からという事になったのだった。

 つまり俺はもうチラ見はできない。

 正面から計るのを許可されているのにチラ見したのだとすれば、それは完全に下心だとバレてしまう。

 

 お、大淀さん……! 正面から見れるようにしてくれたのは凄いけど、チラ見は男の本能も混ざってるんスよ……!

 本人の意思とは無関係に視線がホーミングされるものなんスよ……!

 し、しかしチラ見が下心からという事がバレたら、大淀が適当な事を言っていた事がバレてしまい、大淀の顔に泥を塗った俺は首を切られる可能性が――アカン。

 あまりの恐怖に俺のムラムラは消え去り、あんなにも言う事を聞かなかった長10cm砲ちゃんがおとなしくなった。

 よ、よし。俺の置かれた状況が大体わかった。

 この調子でいこう。今から、この瞬間から真面目にいこう。

 

「では、早速ですが、軽空母化した千代田さんの性能を確認して頂ければと。千代田さん、お願いします」

「うぅっ、はいっ……千代田、『航』……!」

 

 最終股間変形(ファイナルフォームライド)乳乳(チチチチ)代田(ヨダ)

 俺の股間がデッケード発情態と化した。ちょっとくすぐったいぞ。

 目を離すことが出来なかった。

 暴発の危険性があるにも関わらず俺が千代田のパイオツを凝視してしまったのには深い理由がある。

 

 俺の提督アイにはわかる――コイツ、確実にサイズアップしている……!

 ただでさえ爆乳の域であった千代田が……更に……‼

 

「千代田さんはこの状態では三スロットしかなく、そこまで軽空母としての性能は高くないようです」

「うむ」

「しかし、春日丸――大鷹が改を経て改二となるように、千代田さんもここから『千代田航改』を発動する事ができ、スロット数も四つへ増えます」

「うむ」

 

 大淀が何か丁寧に解説してくれていたが、右から左へ通り抜けてしまっていた。

 

「『改』の状態ならば実戦においても非常に心強い戦力になるであろうと期待されますね」

「うむ。更に上は無いのか」

「えっ、か、改二という事ですか⁉」

 

 いかん。思わず口が滑ってしまった。

 春日丸が改を経て改二にとか聞こえたから、千代田もここから改二になれるのではないかと欲が出てしまったのだ。

 今でこれならば、改二になったらどうなってしまうのだろう……デカければデカいほど良いというわけでは無いが、ロマンがある。

 デッ改二と名付けよう。

 ともかく、俺は失言を適当に誤魔化した。

 

「いや、単に気になっただけだ。『改』までで十分に戦力になるという事だな」

「は、はい」

「そうか……いや、素晴らしいな。これは何としても、千歳にも実装してもらいたい」

「えっ! お姉もできるの⁉」

 

 俺の言葉に、千代田が予想外の勢いで食いついてきた。

 千歳お姉もサイズアップすればいいなって欲望が漏れてしまっただけだったが……そうか、二人が気まずくなった原因的にも大切だな。

 ムラムラしすぎてそこまで頭が回らなかった。

 ともかく、下手に希望を持たせるのは良くない。

 

「い、いや、千代田に出来たのだから姉の千歳にも出来るはずだ、などとは言いかねる。あくまでも私の希望の話だ」

「そっか……」

「確かに千代田さんだけではなく、千歳さんにも同性能の軽空母化が実装されたと考えれば、戦略の幅が大きく広がりますね」

「う、うむ。そういう事だ。流石は鹿島、よくわかっているな」

「えへへっ、はいっ! ありがとうございますっ」

 

 俺の言葉を鹿島がうまくフォローしてくれたので、素直に褒めた。

 今は昼モードなので基本的に真面目な思考なのだろう。

 ドスケベサキュバスでさえなければ本当に完璧なのにな……。

 そして鹿島の声(サキュバスボイス)により俺の性衝動が更に加速した。もう堪忍してつかあさい。

 淫語とか言葉責めというものがあるように、人は言葉だけでも感じる事ができるのだ。

 この調子だとあと数回お前と言葉のキャッチボールをするだけで果ててしまいそうだ。

 

 ふと大淀を見ると、何か怒りを堪えているかのような凄い顔をしていた。ヒャアッ。

 俺がしょうもない事を考えていた事を勘づかれてしまったのかもしれない。

 見なかった振りをして言葉を続ける。

 

「しかし、何故千代田だけ先に実装されたのだろうな……何か思い当たる節は無いのか」

「と、特には……ある日、起きたら突然、実装されている事に気付いたの。それで、お姉に隠れて確認してみて……」

「ふむ、そういうものなのか……少し、調べる必要があるな……」

 

 鹿島の言った通り、戦略の幅を大きく広げるためにも、ちとちよ姉妹を仲直りさせるためにも、千歳お姉に更なる強化(サイズアップ)をするためにも、改装の仕組みを知る事は重要だ。

 俺も詳しくは知らないし、千代田もよくわからないようだが、この鎮守府には改二が実装されている者がそれなりに存在する。

 もしかしたら、何かヒントになるような事がわかるかもしれん。

 俺は鹿島に声をかけようとしたが、これ以上股間に刺激が加わるのを恐れ、羽黒に声をかけた。

 

「改二が実装されている者を、適当に数人見繕って連れてきてくれないか」

「えっ、あっ、は、はい! ごめんなさいっ、失礼します!」

 

 ばたばたと部屋から駆け出していった羽黒を見送っていると、壁際に控えていた妙高さんが執務机越しに俺の正面に立った。

 何か羽黒にまずい事をしてしまっただろうかという俺の心配は杞憂だったようで、妙高さんは胸元に手を当てて口を開いたのだった。

 

「羽黒は慌てすぎて忘れていたようですが……この妙高も改二実装済みです。どのようなご用件でしょうか」

「う、うむ。要するに、更なる強化の実装前後を比較してみたいのだ」

「なるほど、了解しました。まずは『改』をお見せすれば良いという事ですね」

 

 妙高さんはそう言ってその場で艤装を展開した。

 提督アイ発動! ……ふむ、特に妙高さん自身に影響は見られない。

 おそらく単純に『改』となるだけならば身体的な影響は無い、もしくは微々たるものなのだろう。

 千代田がサイズアップしたのは水上機母艦から軽空母という特別な改装だからである可能性が高い。

 そして『改二』こそが、その特別な改装に該当するのであろう。

 つまり、改二が実装される事で身体的な影響が出る可能性は高いと推測される。

 

「そしてこれが――『妙高改二』」

 

 柔らかな光に包まれ、やがて改二状態の妙高さんが姿を現す。

 改めて至近距離からまじまじと見つめてみて、俺は思わず見惚れてしまった。

 何と言うか……美人度が増していないか?

 元々美人ではあったが、更にあか抜けたというか、明らかに魅力が増している。

 艤装がデカくなったとか、独特の迷彩が施されているだとか、制服のデザインが変わっただとか、むしろそちらが重要なのだろうが……え? ちょっと美人すぎない?

 パイオツの力だけで第六席まで駆け上がった天乳ちゃんの地位が揺らぎ始めた。

 提督アイによればちょっとだけ肉付きも良くなっているような……改二マジパナイ!

 

 大淀さんに許可された事とはいえガン見しすぎたのか、妙高さんは少し気恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべながら口を開いた。美しい。

 

「ど、どうでしょうか。何かわかりましたか?」

「い、いや、十分だ。凄いな……その、妙高は改二に目覚める際、何かきっかけとかは無かったのか」

「そうですね……私も特に何かを意識した覚えはありません。戦闘中に身体が光り出して……。大体は、私と同じパターンが多いみたいです」

「ほう……」

「ただ、提督なら御存知だとは思いますが、窮地に陥った際などに、強い思いに応じて目覚めたという例もあるようです。私達は改二などの強化には何らかの『気付き』が必要なのだと考えていますが、それが何なのかはわかりません。個人差があるというのも考えられます」

「なるほど……」

 

 まったく御存知ではなかったが、ピンチの際に目覚める場合もあるのか……。

 少年漫画とかにありがちな展開だな。ドラマチックだ。

 いや、改二の本質は性能の向上なのだから、それはおかしな話では無い。

 むしろ女性としての魅力が増す方が副作用的なものなのだろう。俺的にはそっちの方が重要だが……。

 性能も上がり、魅力も増す……良い事ずくめではないか。

 これは良いわね……みなぎってきたわ! ねぇ! 勿論試し撃ちしてもいいのよね⁉

 いやイカンイカン! 妙高さんが魅力的すぎて俺の股間の飢えた狼が遠吠えしている。

 こらっ、お座り! チンチンじゃない! お座り! ハウス!

 

 躾に奮闘している俺に、横から大淀さんが声をかけてきた。

 

「提督。改二の実装にはある程度高い練度が必要であると考えられています」

「うむ」

「そして提督もご承知の通り、私達艦娘は、提督への信頼によってその練度が底上げされます」

「……う、うむ」

 

 え? そうなの?

 そう言えば最初に佐藤さんから説明を受けた時に、なんかそれっぽい事を言っていたような……。

 話が長くてよくわからなかったし、ハーレム計画を考えるのに夢中だったからあんまり覚えていないが……。

 俺に元々下された使命は、艦娘からの信頼を取り戻す事。

 提督の存在なくして艦娘はその力を発揮できない。

 提督と艦娘の信頼関係や絆が性能を向上させる研究結果も出ているとか……。

 そうだ。思い出した。確かに佐藤さんはそう言っていた。

 

「まぁ、それに関しては考える必要はありません。考えるべきは『気付き』のみ。何かそのヒントになるものはないか聞き取り調査を行おう、という事ですね」

 

 ……ウ、ウン。いや、そうです。わかってます。

 信頼を取り戻すのが俺の仕事であったが、それは初日にして見事に失敗していたのだった。

 そうか、もしも俺が信頼できる一人前の提督だったなら、艦娘達の性能が向上していた可能性もあるのかな……。

 瑞鶴には全てはお前の頑張り次第と伝えたが、案外俺の頑張り次第で改二に繋がる可能性もあったのかも……。

 まぁ大淀さんに考える必要は無いと断ぜられるほどに取り返しがつかないレベルで俺への信頼は地に墜ちているからもうどうしようも無いが。凹む。

 それはそれとして、改二に至るヒントを探ろうとしている事は、大淀さんにも理解してもらえたらしい。

 俺の目的は副作用の方なのだが、性能強化という本来の効果は大淀にとっても悪い話では無いだろう。

 

「うむ。その通りだ。流石は大淀」

 

 俺が褒めると、大淀は眼鏡の位置をクイッと直しながら密かに黒幕スマイルを浮かべていた。フフフ。怖い。

 鹿島が「なるほどぉ、提督さんっ、流石ですっ! うふふっ」と微笑みながら、珈琲のお代わりを持ってきてくれた。

 本当に気が利く良い娘だと思うのだが、頼むからもう声をかけないでほしい。

 そろそろ飢えた狼が理性の鎖を引きちぎってしまいそうだ。

 ん? 何か廊下の方から地響きと獣同士が威嚇するような声が……。

 

「提督、この長門をお呼びだろうか。ちなみに私は改二を発動すれば大発動艇を」

「フン、貴様はその馬力を活かして倉庫を片付けておけ。ここはこの那智が」

「いえ、改二という事であれば、この神通にお任せください」

「哀れね。ここは譲れません」

 

 わぁ~、怖いのいっぱい見~つけちゃったぁ~。帰ってくだち!




大変お待たせ致しました。
繋ぎの回なのですが何故か提督視点だけで三万字超えそうだったので分割します。
お待たせしたにも関わらず全然話が進まず申し訳ありません。
早く展開を進められるよう頑張ります。
次回はなるべく早く更新できるよう頑張りますので、気長にお待ち頂けますと幸いです。

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