ラストダンスは終わらない   作:紳士イ級

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063.『覚醒』【艦娘視点③】

「一発必中っ! この海域から出て行け!」

『ミィィーーッ!』

 

 朝潮の放った砲撃がPT小鬼群の一匹を正確に射抜き、小さな爆炎が上がる。

 宣言通りの一発必中。朝潮はふんすと自慢げに鼻息を吐き、小さく拳を握った。

 

 PT小鬼群は深海棲艦の中でも珍しく群体のような性質を持ち、常に三匹一組で行動する。

 三匹で一匹と言うべきだろうか。

 蝶のように舞い、蜂のように刺すとばかりに――回避性能が非常に高く、小型で数が多い。通常であれば非常に厄介な敵。

 だが、対策さえしていれば恐れるに足らず。

 ある意味で戦況を左右するとも言える重要な役目を与えられた事が、朝潮は誇らしかった。

 

 着任当日から続く出撃頻度の高さと任務の重要性から考えるに、どうやら提督は我らが八駆の事を高く評価してくれている。

 この出撃前に磯風が上げた不満の声によりそれを自覚した朝潮は、今も感激のあまり肩の震えを止められなかった。

 提督が搭載してくれた熟練見張員がいなければ、震えのあまり一発必中もままならなかったであろう。

 

「こんなに正確に……司令官! この朝潮、感服しました!」

 

 自らの未熟さを補完してくれる事に改めて提督に感謝し、ますます全身を震わせる朝潮の身体のブレを制御するためだろうか。

 他の者に比べて朝潮に搭載された熟練見張員だけが、まるで暴れ馬をなんとか乗りこなそうとしているかのごとく頭をバシバシと叩いていた。

 そんな事には気付かないままに、朝潮は振り返り、姉妹達に向けて凛とした声を放つ。

 

「荒潮、気を付けてください! 満潮もよそ見は駄目です! 大潮、アゲアゲばかりでは駄目です! 下も、水面下もちゃんと警戒です!」

「よ、よそ見なんてしてないわよ! 警戒してたの!」

「勿論、水面下への警戒もアゲアゲです!」

「あらあらぁ。朝潮ちゃん、ちょぉっと張り切りすぎじゃないのぉ?」

 

 くすくすと荒潮に笑われるが、朝潮は真面目な表情を崩さずに言葉を続ける。

 

「司令官から私達に託された大切な役目……私達にしか出来ない任務です! 今、張り切らずにいつ張り切るというのですか!」

「まぁ、それもそうねぇ。うふふふふっ――そこね?」

『ミィィーーッ⁉』

 

 不意に荒潮が放った砲撃は、闇の中に潜んでいたPT小鬼群に吸い込まれるかのように着弾する。

 本人の目だけではなく、常に周囲を警戒してくれる熟練見張員の能力。

 熟練見張員が敵艦を発見したという情報は瞬時に艦娘へ届き、射撃体勢の正確な微修正まで自動的に行ってくれる。

 対PT小鬼群に特化した装備、最も信頼できる仲間と司令官。

 朝潮はまるで、背中に羽が生えたような気分だった。

 

 少しばかり心配であった満潮にも問題は見られない。

 数日塞ぎ込んでもおかしくは無いほどの失態を犯してしまった満潮をほんの僅かな時間で立ち直らせた提督の手腕を思い、朝潮は更に肩を震わせ、熟練見張員に頭をバシバシと叩かれた。

 

「朝潮姉さん! 前方に敵影発見しました!」

 

 大潮の声に応じて前方に目を凝らしてみると、PT小鬼群の一団が確認できる。

 都合よく、周囲に敵の水上艦は確認できない。

 提督パワーのお陰で息を吹き返した時雨達三人が単騎で大部分を食い止めてくれているとはいえ、未だ続々と増援が現れ続けている。

 それらが更に合流すれば、PT小鬼群の殲滅も難しくなるであろう。

 提督の期待に応えるには、時間との勝負――なるべく急がなければならない。

 

「第八駆逐隊、突撃! 肉薄するわ! 皆、続いてください! 今こそ、必中距離へ!」

 

 朝潮の号令により、四人は速度を上げてPT小鬼群へと距離を詰めた。

 しかし敵の一団もやられるのをただ待ちはしない――タイミングを合わせて一斉に放たれる魚雷。

 搭載された熟練見張員により、朝潮達はその雷跡から軌道を正確に予測し、どのように回避するべきかを瞬時に判断する。

 導かれた答えは直進。あの魚雷は目くらまし――左右を通り抜け、直撃しない。

 

「単縦陣を維持して! このまま真っ直ぐ突っ込みます!」

 

 導かれた結論通りに、PT小鬼群から放たれた魚雷は四人の左右を次々に通り抜けていく。

 瞬間――朝潮を襲う違和感。

 何故ここまで当たらない? 焦りから?

 いや、左右を通り抜けていく魚雷の雷跡は異様に正確だ。

 正確に、自分達の左右に次々と放たれている。

 わざと外している?

 まるで道を作るかのように。まるで壁を作るかのように――私達が真っ直ぐにしか進めないよう、制限するかのように。

 

 不意に――先頭を行く朝潮の目に飛び込んできた光。

 PT小鬼群の前方、自分達の前方、その水面下を揺蕩(たゆた)う不気味な紫。

 あの発光色は――!

 回避は――右、左、迫る雷跡、直撃する――不可能!

 

「皆っ! 止まってぇっ‼」

「えっ――?」

 

 叫びと同時に航行を止めた朝潮の背に大潮が、そして満潮、荒潮と次々に衝突する。

 訳の分からぬ三人だったが、その答えは問うまでもなく、飛沫を上げて自ら海中から姿を見せた。

 大口を開けた巨大な球形――駆逐ナ級。

 現在確認されている深海棲艦の中で、鬼級、姫級を除き()()()の駆逐艦。

 大顎の奥には更に顎、その奥に更に顎。喉から伸びる単装砲が超至近距離で八駆へと向けられ――。

 妹達を庇って両腕を広げた朝潮の腹部に、放たれた砲弾が直撃し、鼓膜が破れんばかりの轟音と共に爆炎が上がった。

 

「朝潮姉さんっ!」

「朝潮ーーっ!」

「朝潮ちゃあん!」

 

 大潮、満潮、荒潮が同時に叫び、意識を失った朝潮を抱き留める。

 一目で大破していると理解できるほどの損傷。

 罠。八駆がPT小鬼群を優先して狙っている事に気付いてか、それを餌として利用した。

 更に魚雷で逃げ場を塞ぎ、水面下に潜んでいた駆逐ナ級がその重巡や戦艦にさえ匹敵する性能を持って奇襲する――。

 結果、混乱、隊列の崩壊、旗艦大破――無情にも、駆逐ナ級は間髪を入れずに二撃目を叩き込むべく再び大顎を開けた。

 

「うぉぉおーーっ‼」

 

 大潮の砲撃が駆逐ナ級の口内に叩き込まれる。

 不意を突かれたのか急所だったのか、駆逐ナ級は口を閉じ、僅かに怯んだ様子であった。

 

「退避しますっ! 満潮は朝潮姉さんを支えて長門さんに合流して! 荒潮は満潮の護衛! 殿(しんがり)は大潮が引き受けますっ!」

「了解!」

 

 大破した朝潮に代わり、即座に次女の大潮が指揮を執る。

 その指揮は迅速かつ堅実、そして最善のものだった。

 提督の出した指示。大破した艦がいれば即座に撤退。

 それでも艦隊が戦い続けるために、各連合艦隊旗艦に搭載された艦隊司令部施設――護衛退避。

 大破した朝潮は長門に合流、護衛一名と共に鎮守府へ送還。

 しかし長門と合流するまでに被弾、轟沈しては意味がない。大破した朝潮を支える役目とは別に、護衛が必要。

 人数と役割を考えれば、大潮一人が殿(しんがり)を務めるしかない。

 

 だが――それがどれだけ困難な事か。

 

 その理由として、艦娘の足部艤装は前方にしか航行できない事が挙げられる。

 面舵(おもかじ)取舵(とりかじ)によって左右に旋回する事は可能だが、バック走のような後方への航行は不可能だ。

 つまり、背後から迫る敵艦を牽制しながら撤退するという事に向いていないのである。

 戦艦や重巡に見られる腰に固定するタイプの艤装も、基本的には前方から真横への攻撃を前提としており、背後は攻撃における死角となっている。

 余程の実力差があるならまだしも、全力を出してまともに戦うならば、文字通り真っ向から立ち向かう必要がある。

 一か月前の大規模侵攻。大和がたった一人で数十隻からなる敵艦隊に立ち塞がったように――。

 

 では、今の状況は――。

 

 満潮と荒潮は振り向かなかった。

 大潮がついてこられるはずがないと理解していたからだ。

 駆逐ナ級、更にはPT小鬼群、他にも水上艦が合流してもおかしくはない。

 大丈夫か、などと大潮に確かめる時間さえも惜しかった。

 

「てぇーっ!」

 

 爆音に混じって遥か後方から甲高い声が届く。

 大潮は撤退していない。

 全力で生き残るために、真っ向から戦っているのだ。

 背中を見せながら戦う余裕などあるはずがない。

 しかしたとえ真正面に相対したとしても、それだけで互角に戦える相手ではない。

 

 大潮の短い叫び声が満潮の耳に届いた。

 おそらくは被弾したのだろう。

 

「大潮っ⁉」

 

 反射的に振り向いてしまった満潮に、大潮は振り返って安心させるように笑顔を作り、腕を上げた。

 

「前を向いて! 大潮、まだ……大丈夫だから! なんとか生還してみせます!」

 

 その声色とは裏腹に、損傷の程度を見るに、大潮は中破まで追い込まれていた。

 だが大潮はいつものようにニカッと笑い、再び敵艦隊に相対して叫んだのだった。

 

「皆……大潮がついてるからね! うぉおーーっ‼」

 

 満潮はそれ以上見ていられず、前方に向き直る。

 一刻も早く長門と合流し、朝潮を退避させ、助けに戻る。残された道はそれしかないのだ。

 瞬間、砲撃音――敵艦から放たれた砲弾が満潮に支えられている朝潮に迫る。

 朝潮を支えている状態では、満潮は攻撃に参加できない――!

 回避も――間に合わない!

 

「きゃあっ!」

「荒潮っ⁉」

 

 荒潮が満潮達を庇うべく砲弾の前に飛び込み、被弾する。

 艤装を盾にしたとは言え、その損傷は大きい。

 

「あらあらぁ、痛いじゃない。もう……ひどい格好ね」

「あ、荒潮……」

「ふふ、これくらい大丈夫よ満潮ちゃん。ごめんなさいね、私が沈め損ねたから……さぁ、行きましょ?」

 

 いつも通りの笑みと共にボロボロの主砲で敵艦に砲撃を放つ荒潮を見て、満潮は震えを止める事ができなかった。

 満潮には何となくわかるのだ――今の荒潮の笑みと態度が虚勢である事が。

 自分に心配をかけるまいと強がっている事が。

 朝潮が大破し、大潮と荒潮が中破。

 朝潮を支えるためとはいえ、自分一人だけが無傷。

 大潮は実力以上の敵艦隊にたった一人で挑んでおり、荒潮も自分達の盾となる事を最優先としている。

 このままでは。このままでは、また――。

 

 複数の砲撃音。

 見れば、駆逐、軽巡からなる僅か二、三隻の艦隊ではあるが、荒潮一人で牽制するには手が足りない。

 最も弱っている朝潮を確実に仕留めに来ているのだろう。

 放たれた砲弾は回避するか、被弾覚悟で耐えるかしかない。

 朝潮を支えている状態では回避は困難。必然的に打てる手は――。

 

「あらあら大変……仕方ないわねぇ」

「荒潮ーーっ!」

 

 荒潮は再び満潮達の前に立ち、艤装を盾に防御を固めた。

 しかし、それはほんの気休め程度だ。

 戦艦である長門とは違い、駆逐艦は被弾を前提としていない。

 あれだけの砲弾を耐えられは――。

 

「――ふんはぁっ! ぐぉぉーーッ⁉」

 

 間一髪のところで荒潮の前に滑り込み、盾となって被弾したのは青葉であった。

 数発の砲弾が青葉の前面に命中し、炸裂して黒煙が上がる。

 しかし、重巡としての耐久力があってか、なんとか損傷は小破程度に留まっているようだ。

 

「あ、青葉さん⁉」

「ぜぇぜぇ……痛たた……さ、流石に長門さんのようにはいきませんね……。お怪我はありませんか⁉」

「お陰様で。ありがとうございます。助かったわぁ……」

 

 荒潮の様子を見て、満潮はホッと胸を撫で下ろす。

 

「荒潮、良かった……青葉さん、どうしてここに」

「戦況に応じて高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対処せよとの事だったので……各艦隊の戦況をつぶさに観察していたんです。間に合って良かった」

「助かりました……あ、青葉さんこそ大丈夫ですか⁉」

「心配は無用です。これでもソロモンの狼、不沈重巡・不死身の青葉と呼ばれていましたからね! この程度の傷なんて、なんのその!」

 

 青葉は笑顔でドンと胸を叩き、瞬時に表情を引き締めて言葉を続ける。

 

「状況は大体わかっています。長門さん達にもすでに伝達済みで――」

「朝潮ーーっ‼ ウォォォォオオオ‼‼」

 

 青葉の言葉をかき消す勢いと共に、長門が霞と霰、朝雲と山雲を両脇に抱えて猛スピードで迫ってきていた。

 満潮達と合流するやいなや、長門は彼女達をその背に隠し、敵艦隊からの砲撃の盾となる。

 

「朝潮っ! 朝潮っ! しっかりしなさいっ!」

 

 霞の声に答えない朝潮の姿を見て、長門は歯をぎりりと食いしばり、こちらを狙っている敵水雷戦隊を睨みつけた。

 

「くっ、朝潮をよくも……! 青葉よ、この長門に続け! 全主砲斉射ッ! てーーッ‼」

「えぇっ⁉ て、てぇーーっ!」

 

 長門と青葉から放たれた砲撃は次々に敵艦隊に叩き込まれ、数隻をまとめて爆散させた。

 

「良し。よくやったぞ青葉。陸奥ほどではないが上出来だ」

「きょ、恐縮です……。では長門さん、護衛退避の発動、よろしくお願いします。青葉は大潮さんの救援に向かいます!」

「あぁ、頼む! それと、霞と霰! 二人も青葉に随伴してくれ! 終わり次第、私もすぐに向かおう!」

「了解!」

「良し! 艦隊司令部施設妖精達よ、準備はいいかッ!」

 

 長門の呼びかけに、艦隊司令部施設妖精達は一糸乱れずにザッと敬礼を返す。

 それを見て、長門は満足気に微笑んだ。

 

「いい返事だ、胸が熱いな! さぁ、護衛退避を発動するぞ。付き添うのは……損傷の多い荒潮がいいな」

「ま、待って……! 待って、ください……!」

「朝潮っ⁉」

 

 霞の声で目を覚ましたのか、意識を失っていた朝潮の瞼が、か細い声と共にゆっくりと開く。

 その瞳が頼りなくきょろきょろと動き、満潮を捉えると、朝潮は震えながら手を伸ばす。

 

「ごめん……ごめんなさい……! 偉そうな事を言っておきながら……私の警戒が……!」

「そんな事どうでもいいから! 早く退避を――」

 

 満潮が言葉を続けるのを遮るように、朝潮は力なく満潮の腕を掴み、ふるふると小さく首を振った。

 

「痛い……でもまだ、まだ戦闘も、救援も可能です……! ぐぅぅっ……!」

「下手な嘘つかないで! 大破したら即座に帰還って司令官が言ってたでしょ⁉」

「満潮……満潮を置いて帰るわけには……!」

「な、何言ってんのよ……! そんな事言ってる場合じゃ……」

「満潮を、一人にするわけには……!」

 

 うわ言のようにそう繰り返しながら、朝潮の瞳から、ぽろぽろと涙が零れる。

 それはまるで、外見通りの年相応のワガママだった。

 長女らしく、いつも真面目でしっかり者で――そんな朝潮が、自分のために子供じみたワガママを言っている。

 その姿を見て、説得を試みて。満潮は初めて、自分がこだわっていた事の小ささに気が付いた。

 

 こんなにも、小さな事だったのか。

 私はこんな小さな事にこだわって、皆に迷惑をかけたのか。

 一人になりたくないからと嘘をついて出撃した私と、一人にしたくないからと嘘をついて退避を拒んでいる今の朝潮は同じだ。

 まるで、鏡を見ているように――。

 

 あぁ、ようやく、皆の気持ちがわかった。

 朝潮は、大潮は、荒潮は。拗ねていじけて塞ぎこむ私に、ずっとこう思っていたんだ。

 

「一人じゃない……!」

 

 朝潮を抱きしめながら、溢れる涙と共に満潮は言葉を続ける。

 

「もう……うぅん、ずっと一人じゃなかったんだ……一緒に戦えなくったって、肩を並べていなくたって、私達は一人じゃない……! そうでしょう……⁉」

「み、満潮……」

「満潮ちゃん……」

「いつも心配ばかりかけてごめん……でも、もう大丈夫。一人じゃないから……皆が、司令官が……いつだって、一緒に戦ってくれるから!」

 

 瞬間――満潮の胸の奥に光が灯る。

 熱を帯びたそれはだんだんと広がっていき――。

 

「……満潮……?」

「満潮ちゃん、それって……まさか――」

 

 全身が光に包まれる。

 それが何を意味するのかは瞬時に理解できた。

 自身に訪れた変化に、満潮は意外なほど驚きはしなかった。

 皐月が言いふらして回っていた、信じることさえ馬鹿らしい力。

 時雨や夕立、江風が、提督の想いを受け取って強くなれたのならば――自分もまた倉庫の中で、とっくの昔に受け取っていたからかもしれない。

 

 朝潮と荒潮を安心させるように、満潮は小さく笑った。

 それは自嘲や作り笑いなどではなく、確固たる自信と決意からくるものだった。

 

「行ってくる。大潮を助けに。二人は鎮守府で待ってて」

 

 返事を待たずに、満潮は戦場へと駆けた。

 視界の先では、傷ついた大潮と共に、青葉、霞、霰が懸命に戦っている。

 

「あーもう! さっさと沈みなさい!」

「外側の装甲が……厚い……」

「くぅっ! 火力が……火力がちょこっと足りないのかしら……」

 

 霞や霰、青葉の砲撃も意に介さず、駆逐ナ級が大顎を開き、噛み砕かんとばかりに大潮に飛び掛かった。

 大潮も迎撃態勢を整えてはいるが、中破しており仕留められない可能性が大きい。

 

 満潮の意思に従い、身体は更に加速する。

 イムヤ達の救援に向かった時が嘘のようだ。

 体中を包み込む光がより一層強まり、熱を帯びる。

 

 汚名を返上するつもりはない。

 名誉を挽回するつもりもない。

 過去は決して変えられない。

 身体に刻まれた傷は恥じゃない。

 過去の失敗は貴重な(かて)となり、やがて未来を切り開く(いしずえ)となるのだから。

 

 泣いていじけて、塞ぎこんでいた大嫌いな自分と――私は共に進む!

 

 先ほどの失敗を通して得られた貴重な糧。

 駆逐ナ級の弱点。狙うは急所――顎の中。

 失敗を悔やんでいる暇なんてない!

 その気になれば、すぐにこうして活かせるのだから!

 大顎を開けた砲撃直前の駆逐ナ級――危険の真正面に飛び込み、演習通り冷静に主砲を構え――満潮は何かを振り払うかのごとく、強く叫んだ。

 

「ウザイのよっ! 蹴散らせ! 『満潮』――『改二』っ‼」

 

 目も眩まんばかりの激しい閃光と共に放たれた強力な砲撃は駆逐ナ級の口内へと叩き込まれ――内部から爆散する。

 光と風を纏い、やがて姿を現したのは、まるで数年分の時を経たかのように成長した満潮であった。

 制服の作りや本人の外見も、例えるならば小学生から中学生へと成長したかのようだった。

 かつて左手に装備されていた魚雷発射管は両太腿に装備されており、雷装は単純に考えて倍に強化されている。

 自分よりも成長してしまったように見える妹の姿に、大潮は目を丸くした。

 青葉と霞、霰も同様の表情を見せている。

 

「み、満潮! その姿は……」

「……大潮、一人で食い止めてくれてありがとう。後は引き受けるから、ちょっと下がって長門さんに合流して休んでて」

「でも……」

「大丈夫。時雨達ほどじゃないけど強くなれた自覚はあるし……私は一人じゃないってわかったから」

 

 それだけ言うと、満潮は敵艦隊へと単身突入した。

 最奥にはPT小鬼群。罠にかかった朝潮達を嘲笑うかのように歓声を上げている。

 満潮は艤装の一部として左胸の辺りに装備されている探照灯の光を照射した。

 瞬間、満潮の行く手を阻むように、水面下から次々と深海棲艦が現れる。

 どうやら深海棲艦は水上艦でも僅かな時間ならばシャチやイルカのように、水面下に身を隠す事ができるらしい。

 ただし、駆逐ナ級の動き等から考えるに、その状態だと攻撃は出来ない様子だ。

 また、この戦法はどうやら人型から遠い水上艦にしかできないらしく、現れたのは駆逐ナ級を除けば下級のものばかりだった。

 闇に紛れて水面下から接近し、不意をつく作戦だったのだろう。

 

「面白い事してくれたじゃない……! 倍返しよ!」

 

 同時に現れた複数の敵艦隊――しかし、満潮は迷わない。不意を突かれても怯まない。

 攻撃、回避、迷いを振り切った全ての行動は迅速かつ正確。

 だが、判断そのものが間違っていた、と行動の後に気付く事もあった。

 回避すべきところをせずに被弾した。

 好機だったのに攻撃できなかった。

 しかし満潮は後悔しなかった。自信を持って行動し、間違っていたならばその場で反省する。

 

「抜けてみせるわ! ふんっ!」

 

 最善ではなくとも、迷いなく大胆な動きに、不思議と深海棲艦達は圧倒されていた。

 改二実装による性能の強化――それよりも何よりも、迷いを断ち切った満潮こそが、深海棲艦にとっての脅威であった事であろう。

 

『ミィッ⁉ ミ、ミミィーーッ‼』

 

 いつしか周囲全ての水上艦を撃沈し、PT小鬼群の一団へと辿り着く。

 一斉に放たれた魚雷は、今度はしっかりと自分を目掛けて正確に向かってくる。

 故に、小回りの利く駆逐艦にとっては回避も容易。旋回し、雷撃の隙間を縫い、砲撃体勢を整え、一切の迷い無く一撃、二撃、三撃。

 熟練見張員の補正もあり、全ての砲弾は的確に敵の姿を捉え、つい先ほどまで嬌声を上げていたPT小鬼群は爆炎を上げて沈んでいく。

 

「ふんっ! 手ごたえのない子!」

 

 姉妹達を笑われた(かたき)を討った満潮は、ふと夜空を照らす満月を見上げ――あの司令官でも知らない事があるのだな、と思った。

 たった一晩で生まれ変われるような魔法など存在しないと司令官は語ったが――。

 

 その魔法をかけてくれた魔法使いの存在を、満潮は確かに知っているからだった。

 

 その魔法使いは、太陽のようでもあり、月のようでもある。

 姿を見せれば、誰にでも平等に暖かな光を与えてくれる。

 夜になり、たとえその姿が見えなくなっても、その光は静かに私達を照らしてくれる。

 闇の中でも、行くべき道を示してくれる。

 

 もう立ち止まらない。

 もう二度と迷わない。

 

 月の引力に手を引かれ、潮が満ちるように――少女も、今。

 

「潮が満ちるには時間がかかる、か……。何それ、意味わかんない」

 

 月を見上げ、一人で憎まれ口を叩きながら、満潮は今さら提督の言葉に込められていた意味に気付き、小さく笑ったのだった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「満潮ちゃん、凄い……」

 

 満潮の戦いぶりを朝潮、大潮と共に見守っていた荒潮が、ぽつりと声を漏らした。

 時雨達ほどではない、とは本人の弁であったが、そうだとしても『改』より数段階上の性能を発揮している。

 それが改装によるものだけではなく、提督への信頼による性能強化が影響している事は明らかであった。

 安堵の息を吐き、荒潮は朝潮に微笑む。

 

「あれなら、満潮ちゃんは大丈夫ね。朝潮ちゃんも安心して退避でき――」

「……駄目です……!」

「え?」

 

 朝潮は歯を食いしばり、荒潮に支えられていた状態から無理やり自分の足で立とうとする。

 しかしやはり相当の無理をしているようで、生まれたての小鹿のようにガクガクと膝が震え、ふらついたところを大潮に支えられた。

 

「朝潮姉さんっ! めっ、ですよ! 司令官も大破した者は無理せず帰投って言ってましたよ! このままじゃいつ轟沈してもおかしくないです!」

「まだ……沈まない……! あの約束を果たす、までは……! 朝潮……沈むものか!」

 

 朝潮のあまりの剣幕に、大潮と荒潮もそれ以上声をかける事ができず、縋るようにちらりと長門の顔を見上げた。

 無言でこくりと頷き、長門は朝潮の前で片膝をついて、目線の高さを合わせながら語り掛ける。

 

「朝潮……大破した者は退避させろというのが提督命令だ。そしてこの長門にはその為の艦隊司令部施設が搭載されている。悪いが、強制的にでも退避させるぞ」

「待って、待ってください……」

「駄目だ。護衛には大潮か荒潮か、どちらも中破しているが……」

「チャンスを下さい……! 私にはまだ、これがあります……!」

 

 そう言って朝潮は戦闘糧食の包みを取り出し、包みを解くやいなや「司令官、いただきます!」と叫んでそれにかぶりついた。

 しかし腹部に超至近距離から砲撃を受けており、おそらく嚥下するとともに激痛が走るのであろう、苦悶の表情を浮かべる。

 それでも朝潮は、泣きながら必死の形相で戦闘糧食に食らいつく。

 それが何を意味しているのかは、この場の全員に理解できていた。

 時雨達に起こった奇跡を願っているのだ。

 痛みに耐えてまで奇跡に縋りつく、ある種の哀れささえも湧き上がらせられる朝潮の姿に、長門も思わず口を開いた。

 

「なぜ、そこまで……」

「PT小鬼群の殲滅……それが私達に、もぐっ、与えられた任務です……! せめてそれを遂行せねば……!」

「それを提督が望まない事くらい理解できているだろう? お前はイムヤの二の舞となるつもりか」

「ですので、最後のチャンスを……! う、うぐぅっ……! 食べ終わるまで、少々お待ちを……!」

「……わかった。わかったから落ち着いて食べてくれ。その間、この長門が全力でお前達を護ろう」

「ありがとう、ございます……! ごくん……それと」

 

 せめて出来るだけの事はさせて、納得させてから帰投させた方が、悔いが無いだろう。

 長門はそう判断し、朝潮達を自らの懐に隠すように身体を大きく広げた。

 朝潮は二つ目の戦闘糧食にかぶりつきながら言葉を続ける。

 

「約束を……はむっ、司令官と、約束したんです……!」

 

 

『――わかった。満潮を一人にしないようにな。頼むぞ』

『はっ……はいっ! 司令官との大切な約束……この朝潮、いつまでもいつまでも守り通す覚悟です!』

 

 

 提督はそこまで考えていなかったかもしれない。

 ただ、今だけ。失態を犯して落ち込んでいる満潮の側にいろというだけの意味だったのかもしれない。

 だがその言葉は、朝潮にとってはその時だけではなく――これからもずっと守り抜く価値があるほどのある言葉だった。

 

「満潮を一人にするなと……はぐっ、そしてそれは……っ、司令官との約束の前に! 私自身への誓いです!」

 

 朝潮は叫び、涙でしょっぱくなってしまった戦闘糧食を痛みと共に飲み込んだ。

 ――そっ、と。

 朝潮の側に、荒潮と大潮が寄り添った。

 よく見れば、二人とも戦闘糧食の包みを解いている。

 荒潮は行儀よく、口に含んだ戦闘糧食をよく噛んで飲み込み、一息ついてから口を開いた。

 

「朝潮ちゃん。それは……私自身、じゃなくて私達、でしょう?」

「満潮をもう二度と一人にしない、そう思ってるのは朝潮姉さんだけじゃありませんよ! 司令官、いただきます! はむっ!」

「……荒潮、大潮……二人とも……!」

 

 かつて、彼女達がまだ艦だった頃。

 満潮が入渠中に、朝潮、大潮、荒潮が相次いで戦没してしまい、彼女一人だけを残してしまった事。

 その後の経験から、満潮は少しばかり捻くれた性格になってしまったようだが――。

 その事がトラウマとなっているのは、残された彼女だけではなかった。

 朝潮も、大潮も、荒潮も――満潮をもう二度と一人にはするまいという覚悟と共に、艦娘として水上に立っている。

 

 昨晩の歓迎会にて、川内が満潮にかけた言葉――。

 

『――だから、私達は強くならなきゃならないんだ。大切な仲間と共に強くならなきゃ、その内、隣に立つ事も出来なくなる……。大切な仲間が危険に晒されている時に、何も出来ないって事にもなるんだ』

 

 それは決して他人事などではなかった。

 満潮が改二にまで至った今、万が一、彼女が危機に陥った時、今の私達の力で助けられるのか。

 救援対象よりも弱い有り様で、助けになど向かえるのか。

 答えは否。

 救援に行くのなら、せめて同等の力を身につけなければならない。

 今までは、満潮が自分達よりも少し後をついて来ていた。

 だが、改二が実装されて一気に追い抜かれてしまった今。

 今度は必死に駆けて、私達が追い付かなければならない。

 

「……司令官! この朝潮に、いえ、私達に……力を下さい! 約束を守り抜く力……もう二度と、満潮を一人にしないための力を‼」

 

 ――ぽう、と。

 朝潮が虚空へと放った叫びに応えるかのように、胸の中に火が灯った。

 続いて大潮、更に荒潮と、次々に光が包み込む。

 

「……なんと……まさか本当に……!」

 

 長門は思わず息を漏らす。

 その陰に隠れながら周囲の艦を牽制していた朝雲と山雲も、光に包まれた三人に目を奪われた。

 

「はぁうぅ~っ! 強化ってぽかぽかしますねぇ~!」

「うふふふふっ、強化は大好き~……」

「司令官……! 本当に、私達に……下さるというのですか……⁉ 今ならわかる……皐月さんが言っていた……この胸に灯る熱……戦闘糧食から伝わった確かな温もり……! これが、これが噂の提督パワー!」

 

 暖かな光に包まれ、大潮は身体の痛みも忘れて無邪気な声を上げた。

 荒潮も両頬に手を当てて、うっとりと恍惚の表情を浮かべている。

 一撃で大破するほどの腹部の痛みさえも消え去り、朝潮はしっかりと自らの二本の足で立つ。

 溢れ出る涙は先ほどまでの悔し涙や痛みからくるものではなく、感涙だ。

 膝だけではなくガクガクと全身を震わせていたが、それは満身創痍の影響では無いようであった。

 熟練見張員が朝潮の頭をバシバシと叩いている。

 今も戦っている青葉、霞、霰の更に奥で、一人奮闘している満潮の姿を確認し、光に包まれたままの朝潮は長門を見上げた。

 

「長門さん! この朝潮のワガママを聞いていただき、ありがとうございました!」

「あ、あぁ……もはや止める必要は無いようだな。私も霞達と合流するとしよう」

「はっ! それでは駆逐艦朝潮、出撃します! 大潮、荒潮! 続いてください!」

 

 深々と頭を下げた後、朝潮は大潮、荒潮を引き連れて全速力で満潮の場所まで駆けつける。

 青葉達を追い抜きざまに礼を言う。

 光を纏った三人を見て、またしても呆気に取られていたように見えた。

 時雨達と同じように、満潮はたった一人で先行し、複数の敵艦隊を食い止めている。

 その戦闘スタイルからか、少しずつ被弾し、(やすり)で削られるように損傷が重なっている様子だ。

 朝潮達は言葉に出さずとも、まるで以心伝心しているがごとく散開し、満潮を囲む敵艦それぞれに狙いをつけ――三者三様に声を放った。

 

「司令官に感謝します! 一発必中っ! 『朝潮』!」

「いっきまっすよぉ~っ! 『大潮』っ!」

「うふふふふっ……暴れまくるわよぉ~……『荒潮』――」

 

「――『改二』っ!」

 

 三つの閃光と共に三隻の敵艦が爆散し、目の前の戦闘に集中していた満潮はそこでようやくその存在に気が付いた。

 光の塊は満潮の前に集結し、徐々にその光は収まって行く。

 満潮の目に飛び込んできたものは――。

 

「み、皆……⁉」

「おぉ~っ! 色々とバージョンがアップしましたよ!」

「あらあらぁ、素敵な事するのねぇ……うふふっ、好きよ……?」

「し、司令官……! 駆逐艦としては、かなりいい仕上がりです! この朝潮、今まで以上に艦隊のお役に立てるよう、頑張る覚悟です! か、感服、感服……!」

 

 胸元のリボンの有無であったり、荒潮だけがなぜかスカートにフリルがついていたりと、細かい違いはあるものの、お揃いの制服に身をつつみ、満潮と同様に外見が少し成長したように見える三人。

 無邪気に喜んでいる大潮はともかく、荒潮は何故か頬を朱に染めて恍惚の表情を浮かべており、虚空を見つめている朝潮は独り言と共に感涙を流しながらガクガクと痙攣し、熟練見張員に頭をバシバシと叩かれている。

 朝潮、大潮、荒潮の三人もまた改二に至った事を理解し、満潮は呆気に取られて茫然としてしまった。

 

「ど、どうしてここに……」

 

 大破状態から全快した朝潮が一歩前に出て、満潮に向けて口を開く。

 

「司令官のおかげで、何とか追い付く事が出来ました。待たせてしまって、ごめんなさい」

「な、何言ってんのよ! それは……それは私の台詞で……皆を、ずっと、待たせてて……」

 

 朝潮の言葉を聞いてこみ上げてきた涙を乱暴に袖で拭い、気持ちを切り替えるように深く息をして――満潮は抑えきれない微笑みと共に、言葉を続けた。

 

「……皆、お待たせ!」

「あらあらぁ、そぉんなに待ってないわぁ」

 

 満潮の意図に合わせるように、荒潮がウインクしながら答えた。

 朝潮は横須賀鎮守府の方角に向き直り、ビシリと敬礼して腹の底から声を発する。

 聞こえるはずがないと理解していながらも、見ていてくれているはずだという確信があったからかもしれない。

 

「司令官! 改装八駆、全艦集合しました!」

「これでアゲアゲです!」

 

 大潮が両手の拳を天に掲げて高らかに声を上げた。

 だが、喜び合う四人を嘲笑うかのように――。

 

『キャハッ、キャハハッ!』

 

 邪悪な嗤笑と共に、闇の奥に敵影を確認する。

 どうやら更に増援が到着し、PT小鬼群は余裕を見せているようだ。

 下級の深海棲艦だけではなく、先ほどの駆逐ナ級や軽巡ツ級のような上級の深海棲艦の姿もいくつか確認できる。

 つい先ほどまでであれば、迷わず撤退するしかないほどの相手だったが――。

 

「……ふぅん。今の私達に立ち向かおうっていうのね」

 

 満潮に恐れは無かった。

 朝潮はキッと敵艦隊を睨みつけ、大潮は全身から気合を漲らせ、荒潮は色気のある微笑みと共にぺろりと舌なめずりをした。

 一人だけでは、時雨達のような芸当は出来ないだろう。

 だが、四人揃った今ならば――今だけは、一人ひとりの性能は時雨達にも決して負けないつもりだ。

 加えて、提督への信頼による性能強化。

 怖いものなど何も無い。

 

 たとえ重巡や戦艦に匹敵する性能を持つ駆逐艦が相手だろうが。

 たとえこれからも限りなく敵の増援が訪れようが。

 たとえ三人が食べた戦闘糧食の内、朝潮のものだけが綺麗な三角形に握られていようが。

 

 そんな事は、四人全員が改二実装済の精鋭、新編第八駆逐隊揃い踏みの前では、ほんの些末な事だった。

 満潮は敵艦隊に向けて主砲を構え、一切の迷いの無い表情で敵艦隊へと言葉を放ったのであった。

 

「馬鹿ね。その先にあるのは――本当の地獄よ!」




明けましておめでとうございます。
大変お待たせ致しました。

お正月に秋イベというのも違和感がありますが、我が弱小鎮守府も何とか攻略完了しました。
掘りの方はヒューストン、デ・ロイテルちゃんに加え、ついに念願の天城とサラトガをお迎えする事ができました。
何度大型建造しても出会えなかったサラトガが特に嬉しいです。
副産物として天霧、浜波、親潮もお迎えする事ができましたが、秋霜と平戸は検討の結果、今後のドロに期待する方向で行こうと思います。

作中ではようやく第八駆逐隊に改二が実装されました。
実はこのお話が連載開始された時にはまだ満潮に改二は実装されていなかったため、当初予定されていなかった展開になりますが、ようやく書けて嬉しいです。

今月中に夕張改二、また加賀改二や比叡改二丙なども実装が予告されていますが、このお話ではどうなるのでしょうか。
高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対処したいと思います。

そろそろ提督視点を書きたいと禁断症状が出てきていますが、次回の更新も気長にお待ち頂きますと幸いです。

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