緊張のあまり声が裏返り、いきなりスタートダッシュに失敗してしまった。
落ち着け、落ち着くのだ……まだ挽回は十分可能だ。
可能な限り人払いもしてムードも整っている。
俺はあえて執務室の照明を落とし、カーテンと窓を全開にして金剛を出迎えていた。
何故なら、今夜は満月。
月明かりの照明が二人を照らし、窓から涼やかな風が頬を撫でる。
BGMは波の音だけ――俺が整えた渾身のシチュエーション、名付けて『
天さえも俺に味方していると言っても過言では無い……。
俺は今夜、童貞を捨てる。
この空も、この海も、ずっと続く――。
だから焦る必要は無い。緊張する必要は無い。
俺は必ず童貞を捨てられるッ!
時間も場所もムードもタイミングも整えた今、それは当たり前の事なのだ!
空気を吸って吐くことのように!
HBの鉛筆をベキッ! とへし折る事と同じようにッ!
できて当然と思う事ですじゃ!
大切なのは『認識』する事ですじゃ!
女性を口説くという事はできて当然と思う精神力なんですぞッ!
自己暗示を終えて冷静さを取り戻した俺は、気を取り直して金剛に声をかける。
「よ、よく来てくれたな」
「ハ、ハイ……」
ん? なんかいつもに比べて元気が無いな……。
いや、元気が無いとはちょっと違うか。緊張しているというか、期待しているというか。
まるで、気になる人から呼び出されて体育館裏を訪れた少女のような雰囲気を醸し出している。
俺はてっきりいつものように「ヘーイ、テートクゥーッ! バーニングッ・ラァーブッ!」と飛び掛かってくる事を想定していたのだが……。
これではまるで英国淑女、いや大和撫子、いや、
俺の隣まで静かに歩を進めた金剛が、俺の顔を見上げた瞬間――俺は反射的に顔を逸らしてしまった。
バ、バーニング・ラァァァァブッ‼
思わぬ金剛の雰囲気に胸を撃ち抜かれ、思わず叫び出しそうになったが、何とか堪えた。
いや、だって、可愛すぎないだろうか……?
普段はあんなに元気いっぱいな感じなのに、今は頬を染めて、何かを期待するかのように口数少なく、上目遣いで瞳を潤ませて……。
俺が顔だけではなく体ごと窓の外に向けたのに合わせて、金剛も同じように肩を並べて外を眺める。
満月と星の光が照らす夜の海。
静寂の中で波音のみが響き、心地よい沈黙と共に肩を並べる二人。
完璧なムードだ……こんなロマンチックな雰囲気を童貞の俺が整えられるとは……。
いや、ここで見栄を張ってもしょうがない。
正直に言えば、薄い本の内容を参考にさせて頂いた。
オータムクラウド先生の薄い本『ヤりました』(加賀本)にあったシチュエーションだ。
前作の『一航戦の誇り……ここで失うわけには……』(赤城本)がちょっと無理やり系であったのとは対照的に、これはイチャラブ本なのである。
故に本番に入る前に数ページに渡って丁寧にいい感じの雰囲気作りが成されていたのだ。
本物の
他の艦娘の見ている中では素っ気ない態度なのだが、秘書艦を務めたある日、二人で残業し、休憩がてら満月を眺めている時に加賀が提督にこう言うのだ。
『月が綺麗ですね』――博識で空気が読める提督は、加賀の表情からそれが何を意味するのかを理解した。
俗説であるが、何かどこかの偉い人が『I love you』をそのように訳したという逸話からの発言であったのだ。
普段はクールな加賀が雰囲気に酔い、つい零してしまった遠回しな告白に、実は加賀に惹かれていた提督も応え、その後は濃厚な薄い本展開が繰り広げられる。
そして朝になり、二人の姿を見るや何かを察した様子の赤城に、加賀がほんのりと朱が差したいつものクールな表情で、ほんの少しだけ微笑みながらこう言うのである。
『やりました』。名作ではないか。まさかのタイトル回収に感動不可避。
読んでて良かった、オータムクラウド先生の作品!
色んな意味でいつもお世話になっております。
しかしこんなロマンチックなシチュエーションを描けるオータムクラウド先生は、さぞやそちらの経験も豊富なのであろう。
いつかオータムクラウド先生に出会えた際には是非とも師事したいものである。
しかし青鬼にこの本の存在を知られたら俺だけでなくオータムクラウド先生の命も危ないかもしれんな……。
絶対に隠し通さねば。
俺がそんな事を考えながら目の前の景色を眺めていると、不意に、満月を見上げた金剛が口を開いた。
「月が……綺麗デスネ……」
「ヘアッ」
変な声が出た。
満月を見上げて思考をフル回転させる。
え? え? 今、確かに言ったよね?
俺は告白とかの大切な言葉に限って耳が遠くなる鈍感な難聴系主人公とは違う。
確かに聞いた。『月が綺麗ですね』と!
完全に告白ではないか。
まさかこの完璧なシチュエーションで、単純に名月の感想を述べただけという事があるだろうか。いや無い!
いかん。嬉しくて恥ずかしくて、金剛の顔が見られない。
普段の金剛のキャラであれば『I love you!』以外の告白は有り得ないと思っていたが、まさかの遠回しな告白!
こ、こいつ、何でカタコトの日本語喋って英国生まれを強調しているくせにこういうところは奥ゆかしい大和撫子っぽいんだ……!
これがギャップ萌えというやつだろうか。可愛すぎる。
と、とにかく返事をしなければ。
俺もお前を愛しているよ。いやそんな平凡な言葉じゃ駄目だ。
そもそも金剛はストレートに愛しているなんて言っていない。
それに普通に返してしまうのはあまりにも野暮というもの。
意外と奥ゆかしいところがあるのが判明した金剛に幻滅されてしまうかもしれん。
俺の一言でムードがぶち壊しに……⁉
それだけは回避せねば。考えろ、考えるのだ。
そ、そうだ!薄い本で提督が返していた言葉ならば、それが正解なのでは――!
オータムクラウド先生、無条件で信じます!
「……そうだな。私も、そう思うよ。今夜の月は、とても綺麗だ……」
「ハ、ハイ……」
「……だが、お前の方が綺麗だよ……」
「ヘアッ」
金剛が何か変な声を出したが、俺は恥ずかしくて金剛の顔を見られないままであった。
いや、オータムクラウド先生……これは少し、いやかなりキザなのではないだろうか……!
「何言ってんだコイツ」と笑われる可能性が高いようにさえ感じられる……!
おそらく発言した俺の方が恥ずかしい。
しかし金剛の様子を横目で見るに、どうやら最悪のルートは回避できているようだ。
それどころかむしろ正解の返答であった様子である。
オ、オータムクラウド先生……! か、感服、感服……!
そこから数十分――俺と金剛は無言で夜景を眺め続けた。
下手な事を口走っていい雰囲気を壊したくなかったというのもある。
というか、おそらく押せばそのまま本番突入できる雰囲気ではあった。
だが、気の利いた事が言えなかったのは置いておいて、俺が夜戦に突入できなかった理由はある。
グレムリン共がゴムを持って帰ってこない事がひとつ。
そして、時雨たちが帰投してこないか心配だった事がひとつだ。
ゴムが無ければ本番どころでは無いし、そもそもそれを理由に断られる可能性は容易に想定できる。
避妊具を用意するのは男性のマナー。まさか用意していないとは金剛も思っていないかもしれない。
それに、もしゴムが到着したとしてもあの犬っぽい三人が帰投し、騒がれてはこの月夜海のシチュエーションもぶち壊しだ。
しまったな……時雨たちと合流できたらすぐ鎮守府に報告するようにと命令しておけば良かった。
これでは合流できたかどうかがわからず、俺はいつ帰ってくるかわからない
その時、俺の被っている帽子の中からグレムリンが囁いた。
『サダオ、お待たせしました。例のブツを用意しましたよ』
よし、でかした!
見つけてきた奴には後で間宮さんのところで甘味を食べさせてやろう。
どうする、時雨たちが帰ってくるかもしれないが、今のうちに夜戦突入するべきか……⁉
俺が今後の作戦内容を再考していると、海の向こうで何かがキラリと光った。
何だあれは……さっきまでは無かった光だ。
チカチカしている。漁船か何かだろうか……。
光を観察していると、今まで黙っていた金剛が俺を見上げて口を開いた。
「て、提督! B島の艦隊からデス! 時雨たちは無事に保護できたと……」
え? なんで?
……あ! もしかしてあの光、いわゆる発光信号って奴だったのだろうか。
聞いた事がある。たしか光を点けたり消したりする事でモールス信号みたいに言葉を伝える技術だ。
つまり、あの光は艦娘の誰かで、俺が指示せずともちゃんと報告してきたわけだ。
なんでわざわざ発光信号なんて使ったのかはわからんが、時雨たちと合流できたのを報告してくれたのは実にグッジョブだ。
しかし、艦娘は当たり前のように発光信号を読み取れるんだな……。
船だから当然なのだろうが、つい三日前まで一般人だった俺が発光信号など理解できるわけもない。
提督の俺が発光信号を知らないなんて、幻滅される可能性大。
知られたが最後、百年の恋も冷めかねん。
佐藤さんからの指令も、提督の威厳を保つ事を重要視していたし……。
よし、ここは知ったかぶろう。
俺は表情を変えずに「うむ」と呟く。
時雨たちが無事に艦隊と合流できた。つまり今夜は帰投してくる事は無い。
それだけわかれば十分なのだ。
「提督! 私が返答しておきマスネー! 支援を向かわせるという事で大丈夫デスカ?」
「え? あ、あぁ。よろしく頼む」
金剛の言葉によく考えずにそう答えた俺であったが、すぐに思考を巡らせる。
返答なんて俺に出来るはずもないから金剛に任せたのはいい。
だが、支援を向かわせると言ったな……もしかして、時雨たちと合流できたはいいが、少し手を焼いているのだろうか。
あれだけ戦力を揃えたのだから、この鎮守府近海で苦戦するとも思えん。
まぁ大人しそうな時雨と、意外と賢そうな江風はともかく、夕立のリードを握るのは大変そうだからな。
俺の経験上、大型犬のダッチを散歩するのは一苦労だったし……。
あちこち走り回って言う事聞いてくれなそうだ。
いや、犬っぽいとはいえ、流石にそういう事ではないか。
一日中出撃しているのだから、時雨たちも疲れているのだろう。
三人を十分に休ませるためには、向かわせた面子だけでは足りなかったのだろうか……。
それはともかく、支援に向かわせられる面子なんて残っていただろうか。
金剛四姉妹を除けば、あとは鳳翔さん、間宮さん、伊良湖、明石、あとは潜水艦三人だけしかいないぞ。
鳳翔さんは今は前線を退いているらしいし、間宮さんと伊良湖は非戦闘艦。
明石のクレーンは俺の股間にしか特効無さそうだし……。
夜の潜水艦は無敵らしいとはいえ、昼に危ない目にあったばかりのイムヤ達を出撃させるのはちょっと……。
もしや、金剛は自分一人が俺の相手をすると思っているのでは……?
いや普通はそうだろうが、俺は完全に四人全員相手するのを想定していた。
しかし、今の俺の気分的にも金剛一人と結ばれれば十分に嬉しすぎる……。
金剛姉妹丼が上々の結果だが、もしも金剛が妹達を支援に向かわせるつもりだと言うのなら俺はそれでも構わない。
俺にとってはどちらも贅沢すぎる事には変わりはないからだ。
「そうか、ともかく時雨たちと無事合流できたか……良かった……」
思考もほどほどに切り上げて、俺は息をついた。
ここからだ。ここからが本番なのだ……!
懸念していた事は全て解決。
ゴムは手に入った。邪魔者も消えた。
我、夜戦に突入す――!
「こ、金剛!」
「えっ、は、ハイ!」
俺の言葉に、金剛は背筋を伸ばして応える。
くっ……勇気が、勇気が出ない……!
言えっ、言うんだ神堂貞男っ……!
大丈夫だ、金剛なら大丈夫だ。
きっとこんな俺でも受け入れてくれる――!
「その……だ、抱きしめても……いいだろうか」
下心も忘れてようやく絞り出した俺の言葉に、金剛は見るからに狼狽えていた。
今までの沈黙から一転、俺の言葉はさながら奇襲、先制攻撃に等しい爆弾発言であったからだろう。
そんな金剛を、俺は気恥ずかしさを押さえながら見つめ続ける。
駄目か⁉ 駄目だったのか⁉
普段はあんなに積極的で自分から抱き着いてくるのに、何を迷う事があるんだ。
正直めちゃくちゃ可愛いけど、やっぱり彼女できた事のない俺に女心はわからない……!
助けてシスターズ! 千鶴ちゃん! 駄目だ、学生時代から現在勤める職場に至るまでかなりモテてるらしいのに何故か彼氏を作らない。
明乃ちゃん! 駄目だ、先日クラスメイトに告られたと長々と自慢話を聞かされたが、結局振っていたから彼氏いた事がない。
美智子ちゃん! 駄目だ、昔も今も陸上一筋で彼氏どころじゃない。
澄香ちゃん! 駄目だ、昔いじめられてた影響で今は彼氏とか興味なさそうだ。
異性との交際経験に関しては俺と同レベル……!
妹たちよ……俺が言うのもなんだがさっさといい彼氏作って青春しろ! クソが! リア充爆発しろ!
「……ハ、ハイ……」
ふぉぉぉぉぉおおおおッ⁉
茫然と頬を染めながら小さくそう答えた金剛に、迷走しまくっていた俺の思考は一気にどこかへ吹き飛んだ。
俺は夢でも見ているのだろうか。
本当に、本当に、こんな俺を受け入れてくれて――。
よっしゃぁぁーーッ! 股間の空母機動部隊に打電!
俺は思わずごくりと喉を鳴らし、深呼吸をして息の乱れを整える。
そして覚悟を決めて、金剛の身体を抱きしめたのだった。
金剛の髪からふわりと香る芳香が俺の鼻腔をくすぐる。
えぇ匂いや……。
なんで女の子ってこんないい匂いがするんだろう……。
柔らかく、温かく、そして何より、自分から抱きしめてみて初めて金剛の華奢さに気が付いた。
戦艦である事を忘れてしまうほどだ。
人生最高潮に鼓動が高鳴り、自然と身体が震える。
幻滅されないだろうか。馬鹿にされないだろうか。
この歳まで女性経験がなくて、女性と付き合った事もなくて、おそらくお前をリードする事ができないこの俺に――。
「こ、金剛……私は、私はな……」
そう思うと、俺は自然に口を開いていた。
「……本当は、自信が無いんだ。不安なんだ。上手くできるかどうか……頭の中でどれだけイメージを積み重ねても、大丈夫だと思っても……お前達に幻滅されるんじゃないかと……上手くできないんじゃないか、失敗するんじゃないかと……そう思うと、怖くてな……」
薄い本やアダルトな動画を嗜み、知識だけはある俺だ。
ただの
だが脳内で致す手順をいくらシミュレーションしても、本番は妄想のように上手くいかないかもしれない。
もしも上手くできずに、それがバレてしまったら。
すでに結婚して子供もいる同級生だって少なくない。
この歳になって、こんな事に怯えている情けない俺を――金剛はそっと抱きしめ返した。
そして俺の頭を優しく撫でながら、慈愛に満ちた微笑みと共にこう言ったのだった。
「大丈夫、大丈夫デスよ提督……不安になるのは当然デス……でも、私達を信じて下サイ。もしも上手くできなくても、私がフォローしますから……」
馬鹿にしないというのか。
俺が上手くリードできなくても、フォローしてくれるというのか――。
「……ほ、本当か……?」
「えぇ。私の可愛い妹達……比叡、榛名、霧島も一緒デス」
一緒なの⁉
いや、むしろ想定していた事だけど、一緒でいいの⁉
姉妹丼マジで有りなの⁉
榛名は大丈夫なの⁉ いや多分大丈夫そうだ……。
金剛だけではなく四人全員で手取り足取りフォローしてくれるとは、まさに至れり尽くせり……。
金剛姉妹に尽くされ、俺は絶頂に至れり……。
予想外の金剛の言葉に、俺も動揺を隠せない。
「よ、四人でか……⁉ ほ、本当にいいのか……? 一緒で……」
「勿論デス……だから、提督は安心して、私達にお任せ下サイ」
任せてもいいのか……!
金剛の予想以上の包容力に安堵し、「そうか……」と声を漏らした俺の中に、
いや新キャラを建造している場合ではない。
ともかく俺の股間の
こんな情けない童貞ですが、ご指導ご鞭撻、よろしくです。
「ひっ、ひえぇ~~っ⁉ おおお、お姉様と司令がぁっ、ひっ、ひえぇ~~っ⁉」
瞬間、甲高い叫び声がムード満点の執務室内に響き渡る。
反射的に抱きしめ合っていた腕を解き、二人揃って慌てて声のした方に目を向ければ、いつの間にか扉を開けていた比叡が腰を抜かしてへたり込んでいた。
い、いつの間に……金剛と抱きしめ合うのに夢中で全然気付かなかった……!
金剛は申し訳なさそうな表情で俺を見上げる。
「提督、申し訳ありません。比叡は私を心配してくれたのデス……」
「う、うむ。いや、そうだな。今回は特別に許そう」
「ありがとうございマス……」
比叡のリアクションでビビッてしまい、不味い所を見られてしまったかと思ったが、よくよく考えたら比叡もここに呼ぶつもりだったのだ。
それにしても、金剛の話だと比叡も俺のフォローをしてくれるとの事だったが、本当に大丈夫なのだろうか……。
実際かなりのシスコンだからこそ今のようなリアクションになるのだろうし、実は嫌だったりしないだろうか。
「私の金剛お姉様に手を出すなんて許さない!」となるか、「金剛お姉様と御一緒できるなんて光栄です!」となるか。
シスコン艦には俺の想定だとこの二通りが考えられる。
たとえば筑摩は絶対に後者だ。姉の初夜に嬉々として参加し、フォローする姿が目に浮かぶ。
龍田は前者だろう。天龍ちゃんにちょっとお触りしただけで手を切り落とされそうになるのだから。
千代田は前者であるにもかかわらず、最終的には何故か千歳お姉と御一緒する事になる感じがする。
女心は複雑なのだ。やはりわからん……。
ともかく、問答無用で比叡に手を出すよりも、まずは偵察が必要だろう。
金剛に受け入れられた事で油断してはアカン。
この勝利で慢心しては駄目。索敵や先制を大事にしないと、って頭の中で何かが……。
俺は金剛の耳元に顔を近づけ、比叡に聞こえないように囁いた。
「その……比叡も今、抱きしめたりしても、大丈夫なのだろうか……?」
「⁉」
瞬間、金剛が目を見開き、驚愕の形相で勢いよく顔を向けてきたので、俺は思わずビビッてしまった。
い、いや、お前が妹たちも一緒って言うから……!
くそっ、どっちなんだ。比叡たちを支援に向かわせたいのかと思えば、四人一緒にフォローするって言うし……。
女心わからん……いや、むしろこういうものなのかもしれん。
嫌よ嫌よも好きのうちとかいう訳の分からん言葉もある。
明らかに俺の事が好きな金剛が、俺を独り占めしたいという気持ちと、最愛の妹たちと一緒に俺と結ばれたいという気持ち。
そのどちらも金剛の本心だとしても、矛盾は無い。
迷ってこそ、葛藤してこその人の心だ。
俺だって一人に決め切れないからハーレムを目指しているクズなのである。
気付けば何やら考え込んでいる様子の金剛に、俺は「嫌ならいいんだが……」と声をかけた。
しかし、金剛は首を横に振り、自らに言い聞かせるような口調で言ったのだった。
「大丈夫デース……! 嫌だと言っても説得しマス。私にお任せ下サイ」
そう言って、金剛は比叡を引っ張って廊下へと連れ出し、扉が閉じられる。
どうやら姉妹たちも一緒の方向で結論が出たようだ。
初体験が美人四姉妹との5Pという贅沢な男は俺くらいではないだろうか。
そう考えただけで一気にテンションが
いよっしゃぁぁぁーーッ‼‼
目の前に広がる神々の
金剛山、比叡山、榛名山、霧島連山を一晩で縦走決定!
何故登るのか? そこに山があるから!
今後の展開を考えただけで
俺の股間のスモールセブン、シコロラド、出るわっ! ついてっ……きなさいっ!
いやまだ出したらアカン……!
ちょっと落ち着いてくれシココロちゃん。
まずは山に挑む順番も検討せねば。
登山は計画が最も大切。ここを
ハーレム物の薄い本では「誰から相手するの?」という展開は日常茶飯事。
選ばれる側としても、一番最初かどうかはちょっと気になる部分なのかもしれない。
やはり俺にとって金剛は特別……ならば金剛山から攻略し、後は年功序列で比叡山、榛名山、霧島連山といくのが王道か。
最後に辿り着く地が天孫降臨の地というのもいい感じだ。
俺の股間の
しかしそれはある意味メインディッシュから手をつけるのと同義ではないだろうか。
俺の気持ち的にも金剛と結ばれる時が最もテンションが上がるはず。
ならば逆の年功序列で霧島、榛名、比叡、金剛と挑むか……。
金剛にはそのように説明すればわかってくれるはず。
待ちきれないという気持ちもあるが、その待つ時間こそが楽しいという事もある。
妹達の乱れる姿を見ながら徐々に気持ちを盛り上げていき、そして最後に結ばれる。
完璧ではないだろうか。
まさか俺が童貞を捨てる相手が霧島になるとは……。
いや、むしろ神話の始まりとしてはそれがベストなのかもしれない。
霧島に天孫降臨して俺がハーレム神となり、ここからハーレム神話が始まる……。
金剛が魅力的すぎて霞むだけで、霧島もめっちゃ美人で背が高くてモデルみたいにスタイル良くて巨乳だからな。
末妹だし性格が俺の好みにドストライクかといえばアレだが、普段の俺には確実に縁の無い、勿体なさすぎるほどの相手だ。
後に控えている金剛のためにも、俺の股間のマイクチェック、よろしくです。
「あぁっ、お姉様押さないでくださいぃっ! まだ心の準備がぁっ」
登山計画があらかた固まったところで、金剛にぐいぐいと背中を押されながら比叡が入室してきた。
そのままドンと背中を突き飛ばされ、比叡は俺の前でおろおろと狼狽える。可愛い。
金剛に目を向けて覚悟を決めたのか、恥じらっていた様子の比叡は俺に向き直り、目をぎゅっと瞑っていつものように声を張り上げた。
「わっ、わかりましたっ! 比叡っ! 気合っ、入れてっ、いきまぁすっ! 司令っ! どこからでもどうぞ! はいっ!」
「う、うむ」
どうやら「金剛お姉様と御一緒できるなんて光栄です!」とはならなかったようだ。
だが、金剛に説得されて恥ずかしながらもご一緒する事になったという感じか。
少し背徳感と罪悪感があって、逆に興奮する。そして恥じらっている比叡が可愛い。
よ、よし。俺も覚悟を決めねば。
そうして勢いのままに比叡を抱きしめると同時に、俺の鼓動は更に加速した。
動悸! 脈拍! いずれもマッハ! 俺の心臓がデッドヒート!
命が削られていく感じがヤバい。
なんだこれは。比叡が、比叡が可愛い。
俺の胸の中で固まりながら顔を真っ赤にして「ひぇぇぇ……」と声を漏らす比叡が可愛い。
こんなにも……比叡はこんなにも可愛かったのか⁉
あれ? 比叡可愛くね⁉
俺の好みとは巨乳以外全然一致していないのに……!
い、いや、これは青春巡洋艦夕張と同じタイプ……!
学生時代の活発な同級生のような雰囲気、そして俺の胸に抱かれて見せるギャップ萌え……!
い、いかん……!
夕張がそうだったように、年上系、包容力、巨乳の三要素以外にも青春系というジャンルも俺に特効がある……!
この青春系のオーラの持ち主は、何故かとにかく可愛く見えてしまうのだ。
横須賀十傑衆に入っていようがいまいが、俺のハートにダイレクトアタックを仕掛けてくる。
俺の動悸が激しくなっている理由はそれだけではない。
気付いてしまった。思い知らされてしまったのだ。
この場に及んで、己の力量を――。
山に登るのは自由だ。俺は許可を出されたに過ぎない。
「金剛山、比叡山、榛名山、霧島連山を一晩で縦走? どうぞご自由に」という事だ。
挑むのは自由。だが、どんなに計画を立てたとしても、それを実現できる力量が俺にはあるのか?
俺は童貞やぞ!
そもそも相手が一人であったとしても、満足させられるかさえもわからない。
四連戦できる体力はあると自負しているが、それはあくまでも
演習は
ましてや5Pともなれば
俺には四人を相手にして全員を満足させられる技術と体力があるのだろうか。
自分だけが気持ちよくなるだけではオ〇ニーと変わらない。
相手を満足させたいという男のプライドが俺にもある。
ハーレム王になるとはそういう事なのだ。
技術、体力、装備やその他の準備。
それらを
比叡を抱きしめただけで興奮のあまりすでに暴発しそうになっている俺である。
間違いない。霧島連山から挑めば、間違いなく金剛山まで辿り着けない。
榛名山への登頂どころかアプローチさえ危うい。
下手すれば霧島だけで満足し、賢者モードになりかねん。
天孫降臨どころか天に召される。
手厚くフォローされたあげく、金剛を抱けなかったとなれば、流石の金剛でも愛想を尽かすだろう。
アカン。非常にアカン……!
と、とにかく比叡の可愛さに興奮しまくり、今にも砲撃を開始しそうになっているシココロちゃんを落ち着かせなければ……!
貴方の……貴方たちのために戦ってあげる。私がそうしたいの!
いやその気持ちは嬉しいが、今はまだその時じゃない……!
もうちょっと待って……!
くそっ、比叡のパイオツの感触が……!
呼吸を……呼吸を整えるのだ……!
股間に意識を全集中……!
猿の呼吸 壱ノ
いやだから発射したらアカン……!
ここでぶっ放したら男としても社会的にも俺は死ぬ。
耐えろ俺、生殺与奪の権を股間に握らせるな……!
「フーッ、フゥーッ……!」
「し、司令……?」
「ハァーッ、ホァァーッ……!」
俺が股間の猿柱を必死に押し留めていると、呼吸の乱れに気付いた比叡が心配そうに見上げてくる。
頼むから至近距離でその可愛い顔を向けないでくれ。全集中の呼吸が更に乱れる。
俺の腕の中にすっぽりと包まれる華奢な体躯も、体に押し付けられる豊満な比叡山の感触も、全てが俺を興奮させる。
だ、駄目だ……俺程度では到底無理な事だったのだ。
このままでは俺の股間の延暦寺が焼き討ち不可避。
俺は比叡を抱きしめていた腕を解き、その場に膝から崩れ落ちた。
シコロラド艦隊、全力斉射! 各個、目標に砲撃開始! 一気に殲滅する! Fire!
短門、いい? イクわよ! 第一戦隊、イッ斉射! てーっ!
あ、危ないところだった……!
あとほんの僅かでも接触していたら俺の股間のスモールセブン共が徒党を組んで特殊砲撃をブッ放してしまうところだった……!
「テートクゥッ⁉」
「司令っ⁉」
床に片膝をついた俺に、金剛が慌てて駆け寄ってくる。
比叡も驚きながらも、俺の身体を支えようとしてくれる。優しい。
だが今はお前からの接触はマジでやめてくれ。暴発の危険性がある。
俺は猿の呼吸を整えながら口を開く。
「ハァッ、ハァッ……! だ、大丈夫だ。比叡、お前は少し廊下に出ていてくれ」
「わ、わかりました……」
比叡に聞かれないように廊下に出てもらい、俺は心配そうな金剛に目を向けて言葉を続けた。
「す、済まないな……私から言い出した事なのに……どうやら、今の私ではお前一人で限界だったようだ……」
「テートクゥ……」
「四人全員、いけると思っていたのだがな……ままならないものだ……この瞬間まで自分の力量も把握できずに……情けない提督を笑ってくれ」
童貞のくせに強欲すぎた。
階段を上るように、一歩一歩経験を積み重ねるしかなかったのだ。
今の俺では金剛一人で精一杯。
何がいきなり5Pだ。何がハーレム王だ。浮かれていた自分を殴ってやりたい。
こんな情けない姿を見せた時点で、やはり金剛も愛想を尽かしてしまうだろうか……。
半分諦めていた俺であったが――そんな俺を、金剛は泣きそうな顔でその胸に抱きしめてくれたのだった。
俺の顔が金剛の胸に押し付けられ、包まれる。
だが俺は全くと言っていいほど不思議と欲情しなかった。
比叡よりも明らかにドストライクなのに、一体何故……。
むしろ、俺が感じたのは劣情ではなく安心感。
あぁ、これは――覚えがある。
昨日の歓迎会で、夕雲や浦風、雷に感じたものと同じだ。
母性――俺の駄目なところを知りながらなお、それごと俺を受け入れてくれるという安心感。
「提督、十分デス。もう十分デスヨ……! 私が頑張りマス。比叡、榛名、霧島の分も私が頑張りマスから……!」
妹たちの分も、金剛が頑張ってくれるというのか。
俺が情けないところを見せても、それでも俺を見捨てたりはしないと……!
俺の事を好きでいてくれるのだと……!
「……そう言って、くれるのか……」
「ハイ! おかげで提督パワーも満タンデース! この私に全てお任せ下サーイ!」
「そ、そうか……ありがとう……」
提督パワーというのは、俺に気をつかって言ってくれたのだろう。
皐月たちの言う謎パワーの事ではなく、俺の想いとか、愛情とか、そういったものの比喩かもしれない。
ならば、そんなものは無いと否定する必要もない。
俺も気持ちを切り替えて、金剛一人との夜戦に集中しなければ。
そうなると比叡、榛名、霧島は、今回は自室で待機してもらうことになるな……。
いや、先ほど金剛が支援を向かわせると言っていた事と、ちょうど都合が良い。
三人には時雨たちのフォローに向かってもらおう。
しかし、まだ俺は立ち上がれそうにない。
股間のスモールセブン共が未だに立ち上がり、砲撃の時を今か今かと待ちわびているからだ。
やむを得ん……金剛にメッセンジャーとなってもらおう。
「悪いが、少しだけ休ませてくれ……金剛。私の代わりに、比叡、榛名、霧島に出撃命令を。B島方面の連合艦隊に合流するように伝えてくれ」
「ハイッ!」
「私は隣の仮眠室で待っているから……終わったら、戻ってきてくれ」
いい返事をしてくれた金剛に背を向け、俺は前かがみになりながら仮眠室に向かう。
布団を敷いたり準備しなければならんからな……。
俺が畳まれていた布団を広げると、中から数匹のグレムリンが『わぁぁー』と転げ落ちた。
こんなところで何してんだ。
ゴムはもう入手したらしいから休んでても構わないが、ムードが壊れるからさっさとどっか出て行ってくれ。
『えー』
『なんでサダオの言う事聞く必要があるんですか』
『今はそんな気分じゃないんですよね』
『出撃させてくれるなら話は別ですが』
『ちらっ、ちらっ』
こ、こいつら……!
まさかこの布団に居座るつもりか⁉
「出撃したい奴らは全員希望に応えてやっただろ! お前らさっき手を挙げなかったのか⁉」
『ほら、例えば授業中に答えがわかってるのに目立ちたくなくて挙手できない時ってあるじゃないですか』
『そんな感じです』
『私達、滅多に人前に現れないほど結構内気な方なので』
「クソが! ちょっと共感できる例えしやがって!」
俺はグレムリン共を両手で掴み、急いで金剛の後を追う。
今しかない。つーかこれがラストチャンスだ。
今から夜戦に向かう比叡たち以外に出撃する者はもういない。
このグレムリン共を出撃させなかったが最後、俺と金剛の雰囲気にかかわらず枕元で童貞音頭を踊り出す可能性がある。
電動ドリルを持っているのは意味わからんが、なんか
童貞祭り開催する気満々ではないか。アカン。
内気なんだったら表に出てくんなや!
前かがみで廊下を駆け、なんとか金剛に追いついた。
「提督……一体どうしたんデース?」
「ハァッ、ハァッ……金剛、ついでにこれらも出撃に付いて行かせてくれ」
「これは……? っ!」
金剛に半ば無理やり押し付けるようにグレムリン共を差し出した。
受け取った金剛の表情を確認する余裕もなく、俺は両膝に手をついて息を吐く。
前かがみとはいえ全速力で走ったせいで股間に刺激が……!
少し休み、股間に余裕ができたので俺は顔を上げる。
そして何故か目を潤ませている金剛の表情を見て、俺は思わず口にしてしまった。
「金剛……その、すぐに戻ってきて、くれるよな……?」
いや、わかっている。
シャワーを浴びたり、色々と準備があるのはわかっている。
我慢できないのは童貞臭いというのもわかっている。
待つ時間は楽しいものだが、正直もう辛抱たまりません……。
今すぐこの廊下でもおっ始めたいくらい気持ちも股間も盛り上がっているのだ。
俺的にはシャワーなんていらない。
気持ち的には身体の隅々まで綺麗にしたいところだが、フェロモンが落ちるという説もある。
布団を敷いたはいいが、次に金剛が執務室の扉を開けた瞬間に抱きしめたいくらい待ちきれないのだ。
その気持ちを是非とも理解して頂きたい。
そんな俺を、金剛は再び抱きしめてくれた。
再び金剛の母性に包まれて、途端に俺の性欲は霧散する。
やはり金剛もマンマ祭り四人衆に入れるべきか。
よし、入れ替え制にするには誰のバブみも甲乙つけがたいし、枠を五人衆に増やそう。
「ハイ……ハイ……! 必ず……! 私は絶対に、すぐに戻ってきます……! 提督に待ちぼうけなんてさせマセン……! 約束します……」
金剛は何故か泣きそうになりながらそう言ってくれた。
俺が待ちきれないという事が、それだけ自分を求めてくれていると理解してくれたのだろうか。
嬉しい。可愛い。Be The One。
どうやら俺をなるべく待たせないように努力してくれるようだ。
せっかちな奴だと呆れないで受け入れてくれた……ありがたい。
お前が俺の最後の希望だ……。
金剛の母性のお陰で俺の股間も冷静さを取り戻し、気持ちを切り替えられた。
俺はキリッと表情を引き締め直して、比叡に向き直る。
「比叡。こんな時間の出撃になってしまって悪いが、榛名、霧島と共に一日中出撃している時雨たちをサポートしてやってくれ。頼んだぞ」
「はっ、はいっ! 了解!」
比叡も姿勢よく敬礼を返してくれたが、その頬は赤く染まっている。可愛い。
いやイカン、今夜は金剛に集中しなければ。
比叡を抱くのはまた今度だ。
経験を積み、男としての自信をつければいつかはきっと金剛四姉妹全員を同時に相手できるようになるだろう。
焦る必要は無い。山は逃げないのだから。
俺は金剛に「待っているからな」と伝え、再び執務室へと戻った。
仮眠室には先ほどのグレムリンの姿は無い。
どうやら出撃する誰かにくっつかせる事ができたようだ。
比叡か榛名か霧島か……まぁ誰でも良い。
これでようやく邪魔者は全て消えた。
よし、それでは今のうちにシミュレーションしておこう。
俺は布団の上に正座して目を閉じ、心静かに瞑想を開始する。
作戦名、バブ
金剛と一緒に今宵も
よし、ラム酒を出そう!
金剛で童貞卒業できるこの栄誉を、
やったぁ! 待ちに待った夜戦だぁーっ!
さぁ、私と夜戦しよ?
まずはキス島攻略作戦! これが奇跡の作戦……キスカ! ワカバダ。
続いてブインならぬボイン防衛作戦! えぇ装備じゃのう、
舞台はアンツィオ沖ならぬパンツィオ沖の最深部へ! ヒャーッ! キヤガッタカァッ!
そしてなんやかんやでついに
響き渡る金剛のアンアン
さぁ、最っ高に素敵なパーティしましょ?
俺は最初からクライマックスだぜ!(限界)
中に出すけどいいよね? 答えは聞いてない!(クズ)
全砲門、Fire! バーニングッ・ラァァァーーブッ‼
ウォォォーーッ‼ 金剛ッ!
…………。
これでフィニッシュ? な訳ないデショ! 私は食らいついたら離さないワ!
主砲、一番、二番! 行くぞ! もう一撃だ!
……よし、大体こんな感じだろう。
なんか勢い余って中に出してしまったが、ゴムを装備しているとはいえ本番では事故が起きぬよう気を付けなければ。
それにしても、本当に俺の秘密兵器に実戦の機会があるとは……。
五感を司る提督アイ、提督ノーズ、提督イヤー、提督スキン、提督タング。
第六感を司る提督シックスセンス。
提督七つ兵器のうち、これらは日常の中でも出番の機会は多い。
だが最後のひとつ、股間を司る提督キャノンだけは実戦に運用された事がなかった。
ついに訪れた実戦の機会。
処女航海ならぬ童貞航海へ向けて、提督キャノンを搭載した俺の
精通してから現在に至るまで十年以上、演習のみで己を磨き上げ、練度を鍛えてきた超弩級戦艦。
その名も
この
イこうか、相棒……。
期待で胸と股間を膨らませながら瞑想していると、廊下から駆けてくる足音が近づいてくるのが耳に届く。
おぉっ、ついに来たか!
こんなに早いとは、まさかシャワーも浴びてないな⁉
比叡たちを送り出して、我慢できずに駆けてくるとは可愛い奴め!
お望み通り、思う存分可愛がってやろうではないか!
俺ももう辛抱たまらん!
ご指導ご鞭撻、よろしくです。
ムラ付けは万全、コンディション値100%!
あとは残された金剛を俺の主砲で落とすのみ!
先ほどまでのような、手に汗握る恋の駆け引きはもういらない。
勝利の約束されたウイニングラン。
これが俺の――ラストダンスだ!
不戦艦・
金剛を迎えるべく俺も執務室の扉へと駆けていき、勢いよく飛びついてくるであろう金剛を抱き留めるべく腕を広げて地を蹴ると――。
「司令! 磯風だ! 入るぞ!」
ノックもせずに勢いよく扉が押し開けられ、思いっきり俺は顔面から衝突し、盛り上がっていた股間も釘を打つように扉に垂直に打ち付けられた。
「イ゛ェアアアアア‼‼」
大変お待たせ致しました。
提督視点が2万字を超えてもまだ終わる気配が無かったので分割します。
なぜ提督視点はこんなに長くなってしまうのか、私にもわかりません。
ゲームの方では、今月には夏イベが始まりますね。
何やら大規模イベになりそうとの事で、戦々恐々としております。
艦これを触れる時間の減少が一番の不安ですが、我が弱小鎮守府も丁作戦でもいいので完走したいものです。
次回の提督視点後半も気長にお待ち頂けますと幸いです。