従兄弟をしばらく預かることになり、そのせいもあってだいぶ執筆をする時間がけずられています。
今後一定期間はこのような執筆速度と思って気長に待ってくださるとありがたいです。
それと、先日まで投稿していたブラック鎮守府の話は、残念ながらこの小説のタグや雰囲気、何より私の描きたいものにそぐわないと判断させていただいたので、勝手ながら削除させていただきました。
これからも、毎日鎮守府をよろしくお願いします。
11/10追記
感想で提督の名前を決めた方が良いというご指摘があったので、良い案がございましたらよければ感想で教えていただけると幸いです。
「今日も...平和だなぁ。」
「そうですね、最近は特にこれといった深海棲艦の動きも聞きませんし。」
と、防波堤の上に座って少し遠くに釣り糸を垂らす。
特にこれといったものを釣るわけでもなく、ただこういうまったりした雰囲気を楽しみたいだけだ。
隣に座っている大淀も、すでに俺が釣ろうとしていない釣りをしていることに気づき、竿を自分の横に置いて、ただ水平線を見ながら会話に意識を傾けている。
ところで、なぜ今大淀がこんなにも執務を放りだしているのかというと、さっきも言った通り、最近は深海棲艦の動きがないため、こんな辺境の鎮守府には大した書類も回ってこないのである。
と、自分が提督としての仕事をしていない言い訳を軽く考えたところで、俺も会話に意識を傾ける。
「なあ、大淀。」
「はい、なんですか?」
「大淀って、好きな子とかいるのか?」
大淀は固まってしまった。俺は特に話題もないため、俺からすればまだ大いに見た目は子供である大淀にこんな質問を投げかけていた。
「提督。それはセクハラとして中将に報告、さしては軍法会議にかけ、この鎮守府から提督をおさらばさせても良いといった判断の元、そのようなご質問をされたのですか?」
「す、すまない。聞き方が悪かったな。ほ、ほら、最近は大淀も良く街に出かけるだろう?そういう時に、例えば店員さんとかで、この人かっこいいなぁ...とか思ったりしないのか?」
「いえ、まったく思ったことがありません。しかし、なぜそのようなご質問を?」
「いや、まあ君らは見た目も精神もほとんど同じだろう?となれば今の君らは花も恥じらう乙女だ。そういう浮いた話もいくつかないのかと気になってな。すまん、こんなおっさんがしゃしゃり出てきて。おっさんであっても乙女のそういう話には興味があるんだよ。」
「いえ、私たちと少しでも親睦を深めようとしてくださる姿勢はとても素敵だと思います。まあ、私たちにもそういった話はないわけでもありません。」
「や、やっぱりそうなのか?差し支えない範囲で教えてくれたりしないか?」
「まあ、大体みんな同じ男性の惚気話をしますよ。」
「何?みんな街に出たときは必ず行く店行きつけの店とかあるのか?」
俺が以前行っていた鳳翔さんの居酒屋のように。
一体みんなが共通で行く店はどんな店だろうと考えていると、大淀は大きくため息をついた。
「はぁ...この人はまったく...。」
「ん?なんかいったか?」
「いえ、提督はもう少し乙女心というものを知った方がいい、と言ったのです。」
「しかし、俺は男だぞ。乙女心などは残念ながら持ち合わせていない。」
「そうですか...。あ、竿、糸引いてますよ。」
「お?おぉっ!」
急に竿が引っ張られだしたので、糸が切れたりしないように、慎重に糸を巻いていく。
なかなかの力で引っ張られているとはいえ、竿はしなるが一向に折れる気配はない。
少しの間、魚と一進一退の攻防を広げていると、大淀が何かいいことを思いついたようで
「提督!いいことを思いつきました!ちょっとそのまましててください。」
そういうと、大淀は艤装を展開して海に飛び降りて行った。
「どうしたんだー?大淀ー?」
水面に引き込まれる釣り糸を凝視しながら大淀に声を掛けると、ちょうど凝視していたところに大淀が来て
水面に手を突っ込んで上がってきていた魚をわしづかみした。
「とれましたよー!提督ー!」
そこにはびしょ濡れになった大淀。体のところどころに海藻をつけ、その元気溌剌な大淀の姿を見ていると、先程のあまりにも直感的すぎる行動に疑問を持つのも馬鹿らしくなってきた。
「よくやった、大淀。こいつは何の魚かは分からんが、後で鳳翔さんのところにでも持っていこう。大淀は今から風呂に行ってこい。髪の毛ばっさばさになるぞ」
そういうと大淀はすかさず鎮守府の方へ戻っていった。
俺が魚をクーラーボックスに入れ、居酒屋鳳翔へと向かっていると、正面から町での買い物を終わらせたであろう鈴谷が歩いてきた。
鈴谷は俺の顔を見るなり
「おっ、提督いいところにぃ~......やっぱいいや、何でもない!」
「どうしたんだ?」
「いや~、この荷物鎮守府まで一緒に持って行ってもらおうと思ってたんだけどさ、今の提督すっごい臭いからやっぱりいいやと思って」
臭い!?俺の体臭か!?毎日ちゃんと風呂に入ってるのに臭うのか!?加齢臭か?まだ2〇才だぞ!?いや...もう2〇才もおっさんか...そうか...。い、いや、もしかしたら聞き間違いかもしれない。そうだ!もっかい聞いてみよう!
「く、臭いか?俺」
そう聞くと鈴谷は苦笑いして、
「違うってー、提督、そのクーラーボックスと恰好から見るにさっきまで魚釣ってたっしょ?それにここまで臭ってきてるんだよねー、餌の臭いとか青臭い臭いとかー」
なんだ...そういうことか。驚いて損した...。
「なんだ、そのことか。てっきり俺の体臭がきついのかと思ってびっくりした」
俺の言葉を聞くと鈴谷は大爆笑しながら鎮守府の方へと歩を進めていった。
「でも僕はそんな提督の匂いも好きだよ!」
もう時雨がどこからともなく気配を消して近づいてくるのは慣れた。
その後、同じように気配を消して現れた鳳翔さんがクーラーボックスと時雨をもって俺に一礼して居酒屋の方へ帰っていった。
遅くなりましたぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!
超遅い。遅すぎる。でもこれはvtuberのせいなので私は悪くありません。
調子を取り戻したら以前のような更新速度に戻るつもりなので、提督の名前とか感想欄で募集してるので、よかったらお願いします。
たぶん基本的に中将しか呼ばないし、読んでも「〇〇提督」みたいになると思うので下の名前はあってもなくてもいいです。