なにかしら起きたりする予定ですが、まだ先のお話…と言うことで。
※サブタイトルを分りやすくしてみました。
―――
耳に響く赤ちゃんの鳴き声。
視界がなんだか狭く、前よりうまく見えない。
「よしよし、良い子ですね~」
と言うと白い液体が入った哺乳瓶をこちらの口に持ってこようとしてくる。
(て、転生してすぐにこれって…!)
驚いた私は思わず払ってしまった。
だが、嫌がらずに微笑みながら再度持ってこようとする。
でも今度はゆっくりだ。
「大丈夫よ、ミルクだから」
そう言う母親の耳は垂れ下がっているものの、とんがっていた。
――約十数年後
それなりに時間が経ち、色々と馴れてきた頃、母親であるアニス・フェルマーに様々なことを教えてもらえた。
どうやらこの世界にはエルフや精霊以外の種族がいて、その他の種族の人達と交易などをしているらしい。
お土産、と言う概念もある辺り元の世界に似ているな、と思う。
(……に、してもこの本面白い。魔導書で魔法を覚えるのもいいけど、これは分りやすくていいね)
『面白簡単!難しい魔法もこれでばっちり!』というタイトルの本を読みながらそう思った。
その時、扉を3回ノックする音がした。
「はーい」
「リーシャ、いるわね?入るわよ」
と言う声と共に扉が開けられた。
「どうしたの、お母さん。なにか用なの?」
「ええ。ノーラちゃんが遊びに来てるわよ。そうだわ、ちょうどいいし、それを見せてあげたらどうかしら?」
言いながら私が持っている本を指差す。
「これ?……そ、そうかな」
と言って再度読んでいるところを見る。
タイトルの通り、簡単な魔法から難しい魔法まで書いてある本。
なんだけど、簡単な魔法なんて物によっては家事を例えに載っているわ、難しい物にいたってはドッジボール式で載っていたりと色々とおかしい。
(簡単だけど、習得するのにある意味時間かかりそうな本だよね)
「そう思うわよ。ノーラちゃんは魔法を扱うのは上手みたいなんだけど、覚えるのは苦手みたいなのよね」
「そうだったの?ならこれ、貸しても平気だよね。家、近くなんだし」
その本を閉じて立ち上がる。
私が振り返ると
「それも良い手ね。ああ、ノーラちゃんならこっちに案内したわよ」
と言い、手招きしてきた。
1階に降りるとリビングにノーラ・リーンがいた。
金髪が肩に触れる程度伸びていて、明るい水色のつり上がった瞳がどこかツンデレっぽい(外見だけ)。
今日の服装は短パンを履いていて結構ラフに見える。
「おはよう、ノーラ」
「あら、おはよう」
と言ってニコッと微笑む。
「……と、そうだったわ。今から私は用事で外に出てくるわね。それで、なにか外に出るとかするんだったら置き手紙とかしていってちょうだいね」
と言い残してアニスは玄関から外に出ていこうとしてノブに手をかける。
「いってらっしゃーい」
「はい、分かりましたわ」
そう言われ、嬉しそうな笑みを浮かべると出ていった。
すると思い出したかのようにバンッとテーブルを両手で叩き
「あっ、そうだわ!わたくしと行ってほしい場所があるのよ。いいかしら?」
「い、いきなりどうしたの…。いつもそんなことあまり言わないのに」
と言うと
私がその顔をしたいよ。
と言うのは置いておいて。
「それで、どこへ行きたいと思っているの?場所によっては私達じゃ大変だよ?そう、森の民なだけに方向音痴だから」
「大丈夫よ、そんなに厳しいような場所には行かないわよ。……都市へ行きたいのよ」
と呆れたような視線を向けながら言う。
どうやらしゃれは私に合わないようだ。
書き置きを残した私達は(本は
「おー…。すっごいねー」
ちょっとした休憩所のような場所を見渡す。
食事処から雑貨売り場など、小さめながらにあると助かる物が多い。
「ええ、そうね。でも今は乗り場の方に行くわよ」
「はーい。色々と足りればいいんだけどね」
その後も他愛ない会話をしながら、乗り場付近にまでやってきた。
「2人よ、いいかしら?」
「はい。これね」
とお金を受け取り、2人分のチケットを渡す女の人。
因みに飛行船はどこへ行くとしても一律料金。
安いね
「買ってきたわよ。さ、行きましょ」
と私の左手を右手で握り、歩き出す。
「私はノーラちゃんにお金渡さなくていいの?」
そう聞くとノーラは歩きながら
「ええ、いらないわ。わたくしのわがままで来てもらっているのだから」
「気にしなくてもいいのに…。まぁ、分かったよ」
困ったような笑みを浮かべつつ、縦に二度頷いた。
――飛行船内
都市行きなだけあって、たくさんの人が乗っていた。
どこを経由してきたのか、人間やドワーフも乗っている。
「都市へ行くなだけあって、たくさん乗ってるね」
「そりゃ都市って言うほどだもの。これぐらい普通だと思うわよ?」
そりゃそうか、と思い「それもそうか」と言ってから空いている窓辺へと向かった。
窓から見える外を眺めつつ、都市に着くのを待った。