ファンタジーライフ ~転生先は異世界でした~   作:篠崎零花

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ファンタジーライフなだけに平和です。

むしろこういう時が一番なのですよ。

…ごゆるりと。

※サブタイトルを分りやすくしてみました。


第7話 情報交換は大事だけど、グッズも大事

――碧喜(たまき)視点

 

 

「とりあえず前世は人間だよ。姓は篠宮(しのみや)、名は碧喜。…といったところであんまりいうほどの前世じゃないんだよなー…大したことしてないしー…あ、これ美味しい」

 

そういってから私は紅茶と一緒に頼んでおいたチーズタルトを一口、食べた。

 

「…ここでよかったのか?俺ら、飲み物しか頼んでないんだが」

 

「だ、大丈夫じゃないのかな?」

 

一切れのチーズタルトを3分の1食べたところで

「喫茶店だし大丈夫だよ、きっと。因みにそれ以外で聞きたいことってないかな?種族だけで平気?」

と2人の顔を交互に見ながら聞いた。

 

「あー、じゃあ俺もいいか?さっきの魔法って誰でも覚えられて使えるのか?それが気になるんだが」

 

「ああ、魔法なら誰でも覚えられるし使えるよ。ただ覚えるには教えてもらうか本を読むとかしかないかな」

言い終えてからから紅茶を一口。

 

「そうか。それだけなら気にせずに覚えられるし使えるな。俺も今度教わってみてもよさそうだな」

 

「色々と手を出すんだな、お前も。でも俺もいいかもね。複合魔法とかも使えそうだし」

 

「お前もそうじゃないか」

 

と言い合い、悠希と愁斗が同時に笑った。

 

チーズタルトを3分の2食べたところでふと思いついたことを言ってみた。

 

「ところで気になったんだけど、2人に前世は?」

 

愁斗(しゅうと)は首を横に振った。

「俺は分からないな。あるのかどうかさえ、知らないし」

 

「あるかも、とは教えたじゃないか。因みに俺はある。名前は菊野優季(きくのゆうき)だよ」

 

とさらりというと何事もなかったかのように「あ、すみませーん。こっちにチョコケーキをお願いします」と大きな声で言った。

 

「あれ、お前…言って平気だったのか?前、無闇に言わないとかって聞いた気がするんだが」

 

「それはそれ、これはこれだよ。なんせエルフだ。言語は若いうちから教わるんじゃないか?」

 

「私の場合はそうだね。確かもう三つは覚えたかな。教えて、ってお父さんとお母さんに頼んだんだ。その後しばらくしたら教えてくれたよ」

とチーズタルトを口の中でもぐもぐしながら。

 

「そうか。せめて食べるか話すかどっちかにしたらどうだ?忙(せわ)しないぞ」

 

こくり、と返事代わりに頷いてまた食べにはいる。

 

「ま、まあ、とにかく。リーシャがいると助かることが多い。愁斗(しゅうと)、どうかな。問題ないと思うけど」

 

ふむ、と腕を組む愁斗。

「そうだな。ところでリーシャさんはまだ平気?」

 

「ん?なにが、かな?」

と聞き返してからハンカチで口元を拭く。

 

「遊べるかってことだ。俺達はまだ遊ぶつもりだし、どうかと」

 

「ああ、それなら平気だよ。でも行く場所決めてるの?」

 

そう話している間にチョコレートケーキが運ばれてきて

「お待たせしました。ご注文のチョコレートケーキです」

と言われ悠希の前の方に置かれた。

 

「決めてないな。リーシャさんは…と聞こうにも都市は初めて、って感じだな」

 

「もちのろん。初めて来たから全然土地を知らないよ」

 

少し不思議そうに首をかしげたが

「あ、ああ。なら仕方ないな。他にも遊べる場所があるから来るか?買い物できる場所も知ってるぜ」

 

「それはいいね。買い物って衣類とかもある?他にもある店とかがいいんだけど」

 

そう聞くと縦に二~三回首を振り

「そういうのもある。遊ぶ場所に関しては賭ける場所もあるらしいが、興味がないから行ってないしどこか知らん」

 

「俺はたまに親の金を借りてするけどね。大体増やして帰るけど」

 

大体…ってことは減るときもあるんだな。

そう思ったけど、口にするのはやめた。

 

「そ、そうなんだ…。都市って他になにかある?」

 

「ある。因みに悠希、もう行けるか?」

 

話していたからなのか、いつの間にかチョコケーキを完食していた。

「行ける行ける。行く先が決まってないなら行きたいところがあるんだけど、いいかな?」

 

私は首を縦に振って

「うん、構わないよ」

と言った。

 

愁斗は

「あそこだろ?行こう行こう」

とむしろノリノリな口調で言い、伝票を持って立ち上がる。

 

「あっ、そうだお金は…」

 

「たまには誰かに払ってもいいかなってね」

 

「おっ、愁斗(しゅうと)。たまにはいいことするじゃないか」

 

「たまにはって言うな、たまにはって。俺も前からやってただろー?」

 

と言うととぼけたような顔を悠希が浮かべ

「そんなの、知らないなぁ。されたっけ?」

と言うと腕を肩にまわし

「お前ー」

 

「はいはい。とりあえず行くよ?」

 

 

「「あっ、はい」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――優季(ゆうき)視点

ある店に3人でやってきた。

売っているものは豊富なのだが、何故かほとんどが変わったもの。

普通なものもあるんだけどね。

 

「えっと…ここって?」

その光景を見たからだろう。

リーシャが戸惑いの声をあげる。

 

それもそうだ。

何故なら…キング以外可愛らしい少女の描かれたトランプで遊ぶ4人組から同じくキング以外が少女に似せて作られたチェスで遊ぶ人達。

 

仕方ない反応だろう。

「ある意味、何でも屋だからね。最初に見た人は大抵そんなリアクションをとる」

 

「そうだな。しかも上にも階がある。グッズとかが多かったはずだが」

 

「な、なにがしたいんだろうね…」

と言いながらリーシャは戸惑いが見える笑みをぎこちなく浮かべる。

 

「なにがしたい、とかは分からなくてもいいんだよ…。いいものがたくさんあるなら、ね」

 

「悠希(こいつ)、保存目当てでトランプを買うほどだしな。遊んでるところを見たことがないぜ。あ、俺はグッズ目当てかな」

 

別にこういう場所があってもいいと思うんだけどな。

結構来る人いるんだし。

 

「別にいいじゃないか、それ目的でも」

 

「そうだね。ちょっと見ていきたいな」

 

やっぱり興味があるのかな?

 

「んじゃ、行こうか」

 

「行くんだったら俺も新しいのがないか知りたいからついてくよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――数時間後、衣類店にて

「リーシャにはこれも似合いそうだよね」

と俺は新たに服を持って見せながら言う。

 

結っていた上部分をほどいてもらった方が可愛かった。

そのついでに似合う服を一緒に見ている。

 

「み、見てくれるのはいいけど…そんなにいらないよ?」

と困ったような笑みを浮かべるリーシャ。

 

「肌が白いからなおさらそれをいかしたくなるもんな。かくいう俺も渡しすぎた気がするしな」

 

「金銭的な意味もあるけど、帰りは少し歩くんだよ?まぁ、おかげで私も欲しいの見つけられたんだけどね」

 

「おっ、そうか。それはよかったね。俺も少し見つけたし、軽く回ってみるか?」

 

と聞くと愁斗(しゅうと)とリーシャは首を縦に振った。

「でも、その前に会計しておかない?」

 

「それもそうだね」

と言って愁斗の方を見たら俺達みたいに手で持てる範囲ではなくかごに入れて持っていた。

 

「…って、お前は持ちすぎだよ。欲しいのは分かるけど減らした方がいいんじゃないかな」

 

「まぁな。着きれてないのとかまだあるし、そうするわ」

 

「ん、はいよ。先に会計すましておくね」

と俺が言うと「分かった」と言いかごを持って減らしに行った。

 

 

 

 

 

 

――先に会計を済ましてから約5分後の店先

 

「よっ、待たせたな」

と出てきた愁斗(しゅうと)の手には俺達の持っている中ぐらいの袋より大きめな袋が。

 

「待ったもなにも…また送らないと移動が大変じゃないか」

俺はそういって肩をすくめた。

 

「送る?都市(こっち)には家に買い物した袋とか送る手段でもあるっていうの?」

驚いたように目を丸くしながら聞いてきた。

 

「あるよな、悠希。俺がよく使ってるし、なによりお前が教えてくれた場所だしな」

 

「町から近いからってよく両親に連れていってもらえたからね。…ってそういうとお前も同じ町にいるよね?」

 

そう言われた愁斗は肩をすくめた。

「そうだな、俺も何度も来てるしな」

と言うとなにかを思い出したらしく

 

「あっ、悪い。先に行っててくれ。俺は後から行く」

といってそのまま何でも屋みたいな店の方へ行ってしまった。

 

「ああいう感じなら平気そう…というかやけに元気な人だね。なんか違うの買いにいってそうだけど」

 

「多分買いそこねたあの時のトランプかフィギュアとかそういう類(たぐい)だからリーシャは気にしなくていいよ。んじゃ、おいて…じゃないや。先に行こうか」

 

(あ、ある意味仲良いね…)

 

なんだかリーシャに苦笑いされた気が…。

気のせいかな。

まあ、行ってよう。

そう思ってリーシャと共に例の荷物を家に届けてくれる施設へと向かった。

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