守りたいもの   作:行方不明者X

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※フラウィー視点あり。ちょっとぶっ壊れてますのでご注意を


12.顔の良く似た

【Flowey】

 

ドサッ

 

あぁ、また(・・)誰かが落ちてきた。

そう思いながら僕は口角を歪める。

 

次はどんな奴だろう?

 

 

何処までも優しい偽善者ぶった奴?

 

それとも最初っから殺しにきてる奴?

 

それとも……ぜーんぶ知ってて楽しんでる奴?

 

 

まぁ、どれでもいっかと思考の隅に押し込んで、僕はやって来たソイツ(Player)に笑みを作った。

 

Howdy!(やぁ!)僕はFlowey、お花のFloweyさ!」

 

―――――――――――――――――――――――

 

いつも通り(・・・・・)、アイツはママに助けられ、僕は部屋の隅に吹き飛ばされた。さて、コイツはどんな風に進むか見極めてやろうと考えていた、その時だった。

 

 

 

ドサッ

 

 

 

「………え?」

 

 

何かが落ちてきた音がした。(・・・・・・・・・・・・)

 

 

どうして?なんで?

 

 

だって、今まで………

 

 

 

 

 

 

九人目が落ちてくることなんて、なかったのに

 

 

 

 

 

 

 

僕が知ってるのは、アイツ一人が落ちてきて、そこから何回も、何回も繰り返すはずだったのに。

 

なんで……?

 

 

ママと一緒に出て来た九人目が、Charaにそっくりなのさ………?

 

――――――――――――――――――――

 

ガコン

 

仕掛けを作動させる音が響く。

Charaに似てるあの子はアイツと協力しながらパズルを解いていく。

 

黒く長い髪を揺らし、あの服の柄のパーカーに片手を突っ込んで。

 

時には笑って。

 

時には守って。

 

……時には、優しい笑顔でアイツの頭を撫でて。

 

………もし、あのままCharaが生きていたら、あんな風に背の高い人になっていたのかな、と思うと、何も感じなくなったはずの心の何処かがズキリと痛んだ。

 

―――――――――――――――――――

 

「××××!これじゃない?」

 

そういいながらあの子は支柱の裏にあったスイッチを押す。また音がして針山が下がる。

 

「すごいね!」

「いいや、そんな事ないよ。さ、行こう」

 

そういいながら、純粋に尊敬するアイツの手を取って先に進んでいく。

……ますますCharaにそっくりだ。本当にCharaなんじゃないかと勘違いしそうになる。

 

 

…………でも、疑問が出てくる。

 

どうしてアイツの傍にいる?

 

どうしてアイツを守っている?

 

どうして生きている?

 

どうして、なんで。

 

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで

 

 

……今頃、やってきたの?

 

ねぇ、わからないよ。

 

どうして君がCharaの生き写しで。どうして君がその子の姉で。

 

何を望んでいるのか。

 

「どうして、君は……」

 

自分が傷ついても、その子を守ろうとするの?

 

僕が混乱していると、ふと、彼女は、振り向いて、

 

 

僕と、目が合った。

――――――――――――――――――――――

【Lily】

 

なんか視線感じて振り返ったらフラウィーがいた件について。……あー、そう言えばフラウィーストーキングしてるんだっけか?こえぇよ。

 

……あ、引っ込んだ。

 

「お姉ちゃん?どうしたの?」

「あー……いや、なんでもないさ」

 

まぁ、怖がらせる訳にもいかないし、フリスクには黙っとくとして。

 

……次でやっとHomeにつくんだっけ。で、その道を真っ直ぐ行くと玩具のナイフが見つかるんだったか。……フリスクが寝てる間に回収してくるか。

 

―――――――――――――――――――――

 

部屋を移動し、すぐに左に曲がってまた進む。

 

「ああ、思っていたより時間がかかったわ。」

 

ゲームと同じ台詞が聞こえてきた。トリエルさんが来たのだ知って安心する。

電話をかけようとして、トリエルさんはこっちに気づいた。

 

「どうやってここまで来たの、我が子よ?怪我はない?」

 

フリスクは首を横に降る。その後、私を指差してパクパクと口を動かした。

 

「……お姉さん、怪我をしたの?見せて頂戴」

「あぁ、こんな程度大したことじゃ……」

「見せなさい」

「………はい」

 

トリエルさんが怖い顔で言うもんだから逆らえなかった。袖を捲って傷口を見せると、傷口を見たトリエルさんは消毒液と包帯を取りだし、さっと応急措置をしてくれた。……この程度の傷に包帯って、ちょっと大袈裟じゃないか?

 

「これで大丈夫ね」

 

安心したように笑うトリエルさん。……あぁ、なるほど。そういうことか。

 

「……こんなに長い時間放っておくべきじゃなかったわ。こうやって驚かそうとするなんて無責任だったわね。」

 

何を?と言わんばかりにフリスクは首を傾げた。

 

「……もう隠しきれないわね。おいでなさい、我が子達よ!」

 

そう言ってトリエルさんは家のなかに入っていく。

 

「…ママは何を用意してくれたんだろう?」

「さぁね?……でも、少なからずいいものではあると思うよ」

「そっかぁ……お姉ちゃん、早く行こう!」

「はいはい」

 

『いいもの』という単語に目を輝かせ、 フリスクは興奮して私の手を取って走り出した。その足がセーブポイントで止まり、フリスクはぼんやり浮かぶ光に触れる。

……これもよく分かってないんだよな。何で私にも見えるのか。

 

しばらくすると、フリスクはまた走って家の中に飛び込んだ。


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