とある魔術と超能力者   作:和菓子

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少々下品な表現がございます。
黒子が加速度的にド変態になっていく今日この頃。……どうしてこうなった。
ではでは、どんどん消えてゆく書き溜めに右往左往する作者を嘲笑いつつお暇を潰しちゃってください。



1-7.友達 “Don't_hate_yourself.”

 目を覚ますと、そこは病院だった。

「ん……?」

 そう判断した理由は定かではない。

 微かに漂う消毒液の匂いかもしれないし、起きて真っ先に目に入った、レールの走る白い天井かもしれない。

 それでも、きっとそれは、自分を見つめる彼女達の泣きそうな表情だろうな、と美琴は何となく思った。

「お姉様ぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!」

 顔を涙と鼻水でクシャクシャにしながらも、白井黒子は絶叫した。夜通し美琴についていたのか、目の周りにはくっきりと濃い隅が浮き出てしまっている。しかし、正気をかなぐり捨てたような絶叫とは裏腹に、黒子はいつものように見境無く美琴に抱きついてくる事は無かった。

 いい後輩を持ったな、と美琴は笑いながら思う。

 そして、病院らしい真っ白なベッドの横、目を丸くしている彼女達に、

 

「おはよ」

 

 そっと、笑いかけた。

「み、御坂さ――」

 微笑む美琴に佐天が心配そうに声をかけ、

「おはよ。じゃありませんのぉぉぉ!!」

 茶色のツインテールをブンブンと振り乱しながら黒子が叫ぶ。疲れた表情もあり、さながら幽鬼の様相を呈していた。

「この黒子が! どれだけ心配したか! お姉様は全く! まぁったく! 欠片も! 分かってませんの!!」

 端的に言って、今の黒子はちょっとどころかかなり怖い。子供が見れば一瞬で泣き出す域に達している。しかし、美琴は嬉しそうに笑って一言。

「うん、ありがと」

 ピシリと、黒子の時間が止まった。目は真円に近い楕円。呆けたように口を半開きにし、体はピクリとも動かない。

「……、し、白井さん?」

 誰も言葉を発せない。いや、発したくない妙な沈黙の中。口火を切ったのは苦労人初春飾利であった。

 ギシリ。軋む音が聞こえるのでは思う程にぎこちなく、黒子はノロノロと立ち上がった。そして、恐ろしいまでに落ち着いて、冷静に、淡々と、

「……、少し、お花を摘みに行って参りますの」

 何の揺らぎも無い瞳を美琴に向けて、そう言った。コツンコツンと、茶色の革靴がリノリウムの白い床を叩く。黒子は粛々と、まるで何かの儀式のように扉に手を掛け、

「ちょい待ち」

 美琴の言葉にビクリと体が跳ねた。

「トイレで何する気? あんたまさか――」

「何って決まってますの!!」

 余裕の仮面を投げ捨てて、黒子は大きく叫んだ。美琴達が凍りつく。

「黒子のこの耳からお姉様の美しいお言葉が消える前に!! 黒子は致す、もとい儀式を完遂させねばならない義務があるんですの!! そもそも――」

 おいお前ホントにナニする気だ。

 絶対零度の死線に囲まれて、なおそれに気づく素振りも見せず、変態は熱く語る。人間のある種の完成形がそこにあった。決して、決してこうなりたくはないが。

「という訳で! 黒子は一刻も早く儀式を行わなければならないんですの!!」

「……、あ、ん、た、は」

 地獄から這い出たような、恐ろしく低い声だった。佐天と初春が怯えて震える中、キョトンと黒子が首を傾げる。

 だが、それが白井黒子の不運なのだった。

 バチン、と美琴の髪の毛から小さく火花が散る。

「一体何を考えてんだぁ!」

 哀れ火花のようにあっさりと、白井黒子は儚く散った。

 

 

 

 ゴソゴソと音がしている。もがく黒子を初春が縛り上げている音だ。繰り返すが、初春飾利は苦労人なのだった。

「あ、あの、御坂、さん……」

 全身から煙を上げて悶える白井黒子だったもの(友情的な意味で)を他所に、佐天がおずおずと切り出した。

「すぅー、はぁー、……何?」

 荒くなった息を整え、美琴は大きく深呼吸。変態の記憶を削除。気を取り直して佐天に向き直り、

 思い詰めた表情に面食らった。

「……、昨日はすみませんでした!」

 突然頭を下げて謝罪する佐天に、美琴は困惑を隠せない。謝られる覚えはなかった。戸惑う美琴に佐天は頭を下げたまま、

「あたしが佳茄ちゃんとはぐれなければ、こんなことにはならなかった。……御坂さんが怪我をする事もなかったはずです」

 だから、全部あたしの責任です。と、恥じるような、責めるような声色で佐天が言った。一晩中自分を責めたのだろう。佐天の顔の隅はひょっとすると黒子のそれよりも酷いかもしれなかった。

「……、」

 その悲痛な懺悔を聞いて、しかし美琴はあっけらかんと告げた。

「そんな事、無いよ?」

「……、へ?」

 顔を上げた佐天は豆鉄砲を食らった鳩のような表情だった。それと似たような、キョトンとした顔で美琴が続ける。

「佐天さんはできる限りの事をしたじゃない。あんなに必死に走り回って、息も切らして……、責められる訳無いでしょ?」

 それに怪我は自業自得だしね、私もまだまだだわ。と、はにかみながら美琴はそう言い放つ。

「でもそんな大ケガ!!」

 佐天が声を荒げる。

「だいじょーぶだいじょーぶ。こんなの怪我の内に入んないわよ」

 嘯きながらぐるぐると腕を回す。ほんの少し 、表情が歪んだ。

「じゃ、美琴センセーはそろそろ眠いわよーっと」

 振り切るように言い放って、真っ白なベッドに身を沈める。この話はこれで終わりだと、暗にそう言っていた。

「っ! ……分か、りました」

 沈んだ表情で佐天が病室から出ていく。黒子を縛り終えた初春がその背中を追いかけていった。

 心配そうにそれを見送り、美琴は大きくため息を吐く。能天気な先輩の仮面はもう外れていた。大きな大きなため息を吐き終えて、

「百合花の癖、移っちゃったかしら」

 複雑な表情で言った。

 

 

 

 佐天涙子は屋上で立ち尽くす。

 頬を冷たい風が刺す。学園都市都市の誇る世界最高のスーパーコンピューター『樹系図の設計者(ツリーダイアグラム)』の天気予言通り、七月十九日の空は暗い薄雲に覆われていた。気温は二〇度と少し。初夏のこの時期にしてはちょっとした異常気象だった。

「寒いですね、佐天さん」

 隣に立つ初春飾利はそう言って、涼しげなセーラー服から突き出した華奢な腕を(こす)る。

「……、うん」

 返事は暗い。

 冷たい大気に引きずられるように、佐天の気分も憂鬱だった。

「私の、せいだ」

 俯いたまま、佐天がポツリと呟いた。

「佐天さん?」

 不安げな表情で、初春が佐天の顔を覗きこむ。

「ねぇ、初春」

 感情の篭らない、意識して押し殺した声。

「御坂さん、どうして許してくれたのかな。私、あんなヘマしたのに」

 だからこそ、佐天が内心で酷い自己嫌悪に陥っている事が初春にはよく理解できた。

「御坂さんがあんな怪我しちゃったの、私のせいなのに」

 昔から、そうだった。

 正義感が強くて思い込んだら一直線、女子っぽく噂好きでミーハー、恋愛話が大好物で、ちょっと度が過ぎた悪戯もするけれど、ごく普通の女の子。初春飾利が出会った頃の、佐天涙子そのままだ。

 だから分かっている。今から初春の言う言葉は、彼女の自責の念をほんの少し和らげる事ができるかどうかすらも怪しい。

 それでも、初春は言わずにはいられなかった。

「佐天さんは何も悪いことなんてしてません。だから、胸を張って下さい」

 佐天は答えない。

(……そんなの、無理だよ。それじゃあ……駄目なの)

 ぐるぐると、負の思考ばかりが彼女の頭を過る。

(あたし、最低だな……)

 初春の気持ちが痛い程分かっても、それだけじゃ頭は納得してくれない。

 面倒なヤツ。佐天は内心で自嘲した。

 にこりと、精一杯の笑顔を作る。初春を安心させられるように、できる限り明るく。言葉は出さない。口を開いたら、余計なものが出てしまいそうだったから。

 だから、佐天は精一杯笑った。

 自分の中のドロドロしたものを全部押し込めて、決して悟られないように。

「うん!」

 誤魔化すように曖昧な笑顔が、初春を酷く不安にさせた。

 

 

 

 美琴の病室の中、カエル顔の医者が呆れたようにカルテを揺らした。

「だから、ボクの名前はゲコ太ではないんだけどね?」

 うっ、と言葉に詰まった呻きが美琴の口から漏れる。クスクスと笑う黒焦げの白井黒子だったもの改め真っ黒子が妙に腹立たしい。

「分かってます!!」

 話題を一刀両断するような鋭さで美琴がきっぱり告げた。いくら目の前のこの医者がゲコ太に似ているからといっても、流石にリアルゲコ太と称して抱きついたのは相当(こた)えたらしかった。

 そんな美琴に頬を弛めたあと、カエル顔の医者は病室を訪ねた本来の目的を告げる。

「まだ傷口は完全には塞がっていない。無理な動きは禁物だね?」

 カルテに目を通しながら、世間話を切り出すように彼は述べた。

 美琴は困ったように頬を掻いて、

「あのー、それなんだけど……、今すぐ退院しちゃ、駄目?」

 呆れた表情で医者が何かを言う前に、黒い影が美琴の横になっている白いベッドの手すりに飛びかかる。

「だ、め、に、決まってますのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 羅刹の如き凶相で、白井黒子が咆哮を上げた。

「お姉様は一体!! 全体!! 何をお考えですの!?」

 全身打撲に火傷、頭を打った上に砕けた床の破片が何ヵ所か体に刺さるような大怪我をしてその翌日に退院。頭を打っておかしくしてしまったのではないかと黒子が危惧するのも無理はなかった。

「大体お姉様はいつもそうですの! いつもいつも」

 フルオートマシンガンの如く言葉を発射する黒子を遮り、美琴は真剣な声で、

「佐天さんの顔、見たでしょ? あんまり責任感じて欲しくないもの」

 黒子は何も言えなくなった。この顔をした御坂美琴は何があっても意見を曲げない。黒子が美琴を案じていることを理解してなお、美琴はそう決意したのだから。

 それに、思い出すのは佐天のこと。ここに美琴が運ばれてきたときの彼女は酷く錯乱していて、黒子は正直見ていられなかった。

「……、駄目ですか?」

 美琴がカエル顔の医者に視線を向けた。数秒沈黙が続いた後、彼は諦めたように首を振る。

「やれやれ。そういうことなら仕方がないが、暴れたりはしないようにね?」

「っ! ありがとうございます!」

 カエル顔の医者は苦く笑って、

「あまり友達に心配をかけちゃいけないね? ……手続きしてくる、少し待ってなさい」

 勢いよく病室の扉を引いた。扉の前に立っていた少女が小さく声を出す。

「おっと、すまないね?」

「いえ、構いませんよお」

 少女と一言言葉を交わし、彼はそそくさと立ち去った。

 医者の後ろ姿に会釈して、金髪を靡かせた少女が病室へと入る。

 うげっ、と美琴の顔が歪んだ。綺麗に整えられた常盤台の制服に、蜘蛛の巣のような模様の入った白いレースの手袋とタイツ。

 御坂美琴の宿敵、食蜂操祈だった。

「あんた、何しに来たのよ……」

 美琴がうんざりした調子で肩を落とす。去年の入学式以来、美琴と食蜂の間には度々トラブルが起きている。その関係で美琴は食蜂の事を自然と警戒するようになっていた。

 ちなみに、美琴と似たような関係であるはずの百合花と食蜂は何故か仲が良かったりする。

 冷たい態度に食蜂はニヤニヤと薄く笑って嫌味ったらしく言った。

「何って、お見舞いに決まってるじゃなあい。常盤台のエースが怪我をしたと聞いて飛んできたのよお?」

 美琴はため息をつく。これだからこの女の相手は嫌なのだ。呼吸するように悪意を滲ませるこの少女が美琴は正直苦手だった。

「食蜂操祈、お姉様に無礼な振る舞いは許しませんの」

 横たわる美琴を背にして、立ち塞がるように黒子が食蜂へと向き直る。そんな黒子を見て、食蜂はわざとらしく驚いた様子で、

「白井黒子さん、いたの?」

「んなぁっ!?」

 ガビーン!! と黒子は盛大にずっこけた。

「ななななんですのその反応は!? よりによって忘れるなんてひどいですの!」

「ごめんなさいねえ。あなた存在力が薄いから気づかなかったわあ」

「きぃぃぃぃぃぃっ!!」

「白井『黒子』とはよく言ったものよねえ、ご両親の命名力には脱帽よお☆」

 ブンブン腕を振り回す黒子を、カラカラと笑いながら食蜂が抑える。取り残された美琴は一人項垂れた。

「……、あんた、ホント何しに来たのよ……」

「ああ、お見舞い品を渡しそびれてたわねえ」

 

 はい、と差し出されたのは、上品な白いレースの下着だった。

 

「……、へ?」

「私とお、そ、ろ、い、なんだゾ☆」

 食蜂が微かに頬を染めた。間違いなく演技である。

「い、る、かぁぁぁぁぁぁっ!」

 ほとんど反射的に、美琴はそれを床に叩きつける。ポスンと軽い音を立て、レースの下着がリノリウムの白い床の上に落ちた。食蜂は頬を膨らませて、

「ひっどおーい。せっかく御坂さんの女子力を補ってあげようと思ったのにいー」

 余計なお世話だコラ。美琴はもう一度ため息をついた。これは本格的にあの少女の癖が移ったかもしれない。米神を押さえながらそんな思考を回してみる。

「ていうか、こんなの私に似合うとは思えないんだけど」

「……、それもそうねえ。御坂さんお子様だし」

「んだとコラァァァァァァッ!!」

 ケラケラとお腹を抱えて食蜂が笑う。直情的な性格の美琴は彼女の格好の玩具なのだった。

 美琴をあしらいながらひとしきり笑ったあと、涙を目にためた食蜂が包みを差し出す。

「今度は何よ!?」

「お見舞い品よぉ」

「またふざけたもんじゃないでしょうね!?」

 引ったくるように包みを受けとり、勢いよく開ける。

 と、美琴の表情がみるみる喜色に染まっていった。

「誰からなのかは言えないけど、言わなくても分かるでしょ?」

 プルプルと手を震わせてそれを抱きしめる。腕の中にはカエル髭紳士、ちょうど小さめの抱き枕くらいの大きさだった。

「げ、げ、ゲコ太!!」

「手縫いだそうよぉ。よくやるわよねぇ」

 幸せそうにカエルのぬいぐるみを抱き抱える美琴を見て、食蜂が呆れたように肩を竦めた。

 百合花さんといい御坂さんといいヘンな趣味よねえ、なんてボソリと漏らしてみる。

 と、食蜂は唐突に笑みを消した。

「ところで、あなたの怪我、どうやら幻想御手(レベルアッパー)が元凶のようねえ」

「レベルアッパー?」

 どこかで聞いた響きに美琴が首を傾げる。

「ええ、とりあえず名前だけ教えてあげる。あとは自分で調べてねえ」

「また何かロクでもない代物?」

「ぬふふ。気をつけてねえ。なかなか性質力の悪いモノのようだしい」

 見透かしたように食蜂は薄く笑みを貼りつける。先ほど覗いた少女の心を思い浮かべながら、手に持ったテレビのリモコンをくるくるとバトンのように回した。

「それじゃあ私はもう行くわあ。さようなら、御坂さんに『黒子』ちゃあん?」

 それだけ言って(きびす)を返し、食蜂は病室から出ていった。

 ギリギリギリィッ! と黒子の歯軋りが耳障りな音を病室に響かせるが、美琴には全く聞こえていなかった。

 

 

 

 カチャカチャと、機械を弄る音が部屋に広がる。

 ベッド、机、その他諸々の調度品。落ち着いた上品な家具と、どこの研究室だと言いたくなるような機械類がごちゃ混ぜになって鎮座するちぐはぐな部屋。その一角で少女は黙々と作業をこなしていた。

「……、ふぅ」

 鳴っていた音が止まる。額の汗を拭って百合花はほっと息を吐いた。その時、

 ガチャリと、タイミングを計ったように扉が開く。

 ひょこりと顔を出したのは食蜂操祈、このちぐはぐな部屋の主である。

「おかえり、操祈」

「ただいまあ」

 何気ない挨拶を交わし、食蜂は百合花の隣にコンビニの袋を置いた。

「紅茶買ってきたの、飲むでしょお?」

「ありがと、あとでいただくよ」

 素っ気ない返事に食蜂は小首を傾げる。

 いつもの百合花なら作業を中断して飛びついているだろう、彼女の趣味は利き紅茶などというわけの分からないものなのだから。しかし、百合花はそれを後回しにカタカタとキーボードを叩いている。食蜂が違和感を感じるには十分だった。

「随分と、仕事熱心なのねえ」

「……、御坂さんの様子、どうだった?」

 ああ、そういうことか。口の中で言葉を転がし、食蜂は得心のいった笑みを作る。

 要するに、この少女は御坂美琴が怪我をしたのが余程腹に据えかねたらしい。友達思いな事だな、と食蜂は笑いながら思う。

「気になるのなら、百合花さんも一緒に来ればよかったのよお」

「……、やだ」

 目を細めて食蜂を軽く睨んだ後、百合花は顔を逸らして言った。

 本当に素直じゃない。自分の事を棚に上げて、食蜂はニヤニヤと笑う。

「ピンピンしてたわよお。御坂さんの回復力は並みじゃあないみたいねえ」

「そっか……」

「ぬいぐるみも喜んでたわあ」

「……」

(嬉しそうににやけちゃって、微笑ましいわねぇ)

 口では友達の資格が云々言ってる割りに、本人はしっかり美琴の事を友達、あるいはそれ以上に想っているらしい。

 本当に、素直じゃない。ニヤニヤと笑っていると、

「操祈」

 呼ばれて、食蜂は百合花の顔を見た。

 先ほどまでの弛んだ笑顔はなりを潜め、百合花の口元は真一文字に引き結ばれている。普段は決してお目にかかれない顔つきだった。

「何かしらあ?」

 食蜂は敢えてそれに気づかないふりをして、普段通り、からかうように間延びした声で応える。

「この事件、絶対解決しよう」

 真剣な表情で、百合花が食蜂の目を真っ直ぐに射抜く。

「……、えぇ」

 少しの間を開けて、食蜂は言った。

「絶対に、ねぇ」

 つまり、彼女は怒っているのだ。このふざけた事件の首謀者を、一発殴ってやりたいと思うくらいには。

 




前回の鬱エンドっぽい終わりにも関らず、美琴があっさり復活しました。
冥土返しの医療技術は世界一イィィィィッ!! ってイタッ! 空き缶投げないで!
作者は上琴が好きです。電磁通行も好きです。みこみさは大好きです。
つまり……言っている意味は分かるな――痛い! ちょ、自販機持ち上げて何を――
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