ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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今回は戦闘回ではありません。

そういえば、このコラボでやっとブラッディ・シャドウで戦わせることが出来たな…(汗)




盗聴してるとき、たまに変なものを聴いてしまう

ニュージャージー州のはずれ───

 

95号のストリート沿いにある、ニュージャージー州のはずれに路駐しているトレーラー。

 

そこに俺と彼女、絢斗はシートを倒していた。

 

彼女曰く、ニューヨークからフロリダまでの最短の道だから、奴等は明日この道を必ず使うらしい。

 

俺は先程読み終わった『バオー来訪者』を頭に被って、耳にイヤホンを付けてデヴィッド・ボウイの『 世界を売った男(The Man Who Sold the World)』を聴いていた。

 

『Oh no,not me I never lost control

You're face to face with the man who sold the world……ガガッ』

 

だが、急に音が変わる。どうやらスカルズ兵達が億泰さんに襲いかかった時に服につけた盗聴器が作動したようだ。

 

億泰『ああ!ジョルノ!もっとやさしく!そこはダメ!ダメ!ダメッ!ああ!やさしくしてやさしく!服を脱がせないでッ!感じる!うああああダメ!もうダメ〜〜ッ!』

 

…便所の鼠がゲロ吐きそうなものを聴いてしまった…。すごく不快な気分になるが、一応盗聴を続ける。

 

ジョルノ『ダメです。自分の命を軽んじた罰です。今日現れた敵が、あなたの叫びに何の心も感じない人間だった

ら、どうするつもりだったんです?ミスタがいなかったら?護衛のあなたが逆に護衛対象に助けられるってどういうつもりですか?どちらかと言えば友達同士で旅しているようなものですが、これは一応は仕事ですよ?仕事舐めてます?もしもこんな失態が続くようならば…あなたはここにおいて行く。つまりクビですよ』

 

どうやらジョルノ兄さんが体罰まがいの事をやっているようだ。治療と称して。おお怖い。

 

億泰『分かった!悪かったから仗助と代わってくれぇ!痛くて耐えられねぇんだよぉ!』

 

仗助『ここまでジョルノにいじられてるんじゃあよ、俺は却って手をつけねぇ方が良いんじゃあねぇの?オメェにも良い薬になると思うしよ』

 

まぁ、負傷を負わせた俺が言うのもなんだが、確かに無茶なことをしたなと思う。だが、誇り高い『覚悟』があったのは素晴らしかった。

 

八幡『今回、現れたのは概略は屍生人だと思う』

 

俺の二人の父の魂が転生した少年、比企ヶ谷八幡がそう言う。さすが吸血鬼の魂が転生した少年といったところか。

 

小町『屍生人?ジョージを殺した奴だよね?じゃあ吸血鬼が絡んでるってこと?陽乃さんの肉の芽の事もあるし』

 

八幡少年の妹、小町が言った。そういえばエリザベス・ジョースター(リサリサ)の転生者か。

 

まぁ確かにジョージ・ジョースターを殺したのはあのクズが作り出した屍生人の一人だったな…。

 

八幡『それが何とも言えねーんだ。ただ、敵の親玉が本気じゃあ無かったのが気になる』

 

さすがに気付かれたか。まぁ仕方がない事だ。屍生人達を作り出した本人が転生した少年だ。バレてもしょうがない。

 

八幡『屍生人は屍生人を作る。ディオとジョナサンの戦いの時、ディオは村を一つ丸々屍生人に変えているんだ。鼠算式に増やしまくってな。けど、今回は二人を襲ってくるだけで何も無かったのがな…』

 

そう、俺のスカル兵達は普通の屍生人とは違って俺の思いのままに操作が可能なのだ。骨を覆っているのはただの太陽光への防御策だけではなく、俺がスカル兵達を操る為のコントローラーの役割を兼ねているのだ。

 

それに、本来なら骨のプロテクターもあんな強度ではない。骨の密度と硬度を操る事によって、近距離パワー型で思い切り殴ってもヒビが入る程度なのだ。

 

八幡『敵が本気だったら今頃ニューヨークはゴーストタウンだ。噛まれたハズの億泰さんが屍生人化していないのも気になるしな。もし、敵が本気だったら今頃は億泰さんは…』

 

億泰『…ゴクリ…どうなるんだよ…気になるじゃんかよ』

 

八幡『その場で屍生人になって太陽の光で灰になってただけですよ。太陽から身を守る術が無くて。つまり、そんくらい今日の億泰さんがやった事ってのは立派でしたが危なかったんですよ。言っておきますが、これは脅しでも何でもありません。純然とした事実です』

 

多分億泰さんはガタガタ震えているんだろうなと考えた。あのガタイで。フフ…面白い…。プッ…。

 

いろは『でもハチ君。屍生人は最後は億泰さん達を助けてくれたんですよね?味方ではないんですか?』

 

八幡少年の幼馴染、一色いろはが言う。エリナ・ペンドルトン…いや、エリナ・ジョースターの転生者。

 

花京院典明さん…あのクズによって殺された青年の親族…なんだかやり切れないものがある。

 

八幡『だったら、ここまで億泰さんをボコねーよ。例え仲間同士でも、美学に反すれば見捨てる…なんてのはアニメとかでよくある話じゃね?』

 

八幡『ましてや、俺達みたいに強い絆で結ばれている仲間同士ならともかく、ただの利害一致だけの仲間同士ならば価値観の違いとかで案外敵味方なんてあっさりひっくり返るまである』

 

静『ハッチ…顔が真っ赤ですよ?恥ずかしいのなら言わなければ良かったのに…』

 

相当恥ずかしかったようだ。俺だったらあんな台詞言ったら絶対悶え転がること間違いなしだ。

 

八幡『俺の結論として、現段階ではいきなり現れたり消えたりする、骨のプロテクターの中身が太陽の光を浴びると灰になる、屍生人の特徴をもったゾンビの敵が現れた。判ってるのはこれだけだな。屍生人の親玉の美学をホル・ホースが冒したから見限られただけなのか、何かプッチ一味とは別に俺たちを攻撃する目的があるのか、それとも単純にゲーム感覚で俺達を舐めきっていたぶっているだけか…』

 

いや、あまりゲーム感覚でやってられない。骨の強度などは確かに弱めているが、スカル兵達を操作するのはとてつもない精神力が必要なのだ。

 

八幡(八幡的には3番じゃなければいいな♪だって、いきなり現れたり消えたりするだけでもチートじゃん?そこに屍生人が無尽蔵に現れるってなに?舐めプなのに億泰さんとミスタさんを追い込むなんてなに?これで本気で来られたら勝てんのかな?いや、無理っぽくね?波紋の戦士が3人しかいないし。勝てるかな?勝てないかもね?勝てないよ!』

 

 

 

JOJO「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ‼︎!」←究極生命体風の笑い

 

考えたことが口に出る。それはしょうがないのだろうが、その内容がアホ丸出しでつい吹き出してしまった。

 

しかも変な俳句を作って現実逃避。俺でもやらない。

 

絢斗「おい、アンタ!起きているなら次の作戦の打ち合わせでもするぞ!次の作戦は、このトレーラーを奴等の車にデラウェアメモリアルブリッジでぶつけてやれば良い。あわや潰されると思えば、奴等は勝手に車を乗り捨てて脱出するだろう。その後はデラウェア州側の川岸にいるこの男に、汐華から譲り受けたこの肉の芽を渡せ。わかったな?」

 

俺はイヤホンを片方だけ外して、漫画を取った。

 

絢斗の手の平にのっている4本足のクモみたいなものを見て、嫌悪感を覚える。

 

『肉の芽』…吸血鬼DIOの細胞から作り出されたもので、人間の脳に打ち込み、相手に『カリスマ』を感じさせて人を操るものだ。吸血による屍生人化とは違い、理性や知性を残したまま下僕に出来る。

 

しかし、脳や精神に負担をかけてしまう事になり、スタンドパワーが落ちるという欠点がある代物だ。

 

しかも、肉の芽はやがて寄生対象の脳を食い尽くされて死んでしまう。

 

JOJO「俺なら完全にぶっ潰すことは出来るが、良いのか?」

 

絢斗「ターゲットのガキまで殺してしまってどうする?我々の使命はあのDIO様の生まれ変わりとかたわ言をぬかす、比企ヶ谷八幡を生きて捕らえる事だ。殺すのは有象無象のジョースターだ。分かったか?このド畜生が」

 

JOJO「いいだろう、アンタに従おう。だが、肉の芽は俺も作れるが、わざわざ貴重なそっちを使うのか?」

 

俺はそう言って髪の毛を変化させて肉の芽を作り出す。

 

肉の芽だが、無害なダミー。こっちを使えば、死ぬ事はないが妨害は可能だ。

 

絢斗「貴様のは使わん。貴様は信用できん。どうしてもと言うのなら、貴様にこの肉の芽を使ってからだ」

 

JOJO「ならいい。そんな物つけるぐらいなら頭に弾丸ブチ込まれる方がマシだ。それだけやれば、後はゆっくりして良いんだな?」

 

絢斗「ああ、それだけで良い。後は寝ていろ」

 

JOJO「いいだろう。後は寝かせて貰うぞ。俺自身はな」

 

俺はまた漫画を頭に被った。

 

JOJO「しかし、そんな綺麗な見た目に反して、アンタには美学というのがないな?DIOって奴は美学は一級品だと聞くが、部下だったとかいうアンタのやり方はとても醜い」

 

言いたい事を言って、外していたイヤホンを付け直し、また八幡達の盗聴を再開した。

 

絢斗「ふん、自分の方がDIO様を理解しているとでも言いたげだな。どこまでも生意気な」

 

JOJO「…………」

 

理解したくもない。あの吐き気を催すようなクズの事なんて、記憶を持っているが、理解しようと思った事すらない。

 

俺は自分で作った肉の芽を、空間の中に入れた。

 

 

 

 

ジョルノ『ところで仗助さん。車の方の手配は?』

 

仗助『手配はできているぜ。ただよぅ…』

 

陽乃『ただ?どうしたの?』

 

仗助『借りれたのがこれなんだわ…』

 

静『こ、これって…』

 

ミスタ『マイクロバスゥ?たった9人でか?』

 

仗助『ああ…10人用くらいの頑丈なミニバンかキャンピングカーで良いって言ったんだがな…経費の無駄だし、最悪敵の攻撃とかでスクラップになるから…』

 

小町『うわぁ…しかもただのマイクロバスじゃあなくてレジャー用の、カラオケやら冷蔵庫やら色々な機能がついてるほとんどキャンピングカーみたいじゃん…今回の旅では無駄だよねぇ』

 

仗助『たまぁにSPWのジョースター優遇主義ってついていけなくなるんだよな。速度と強度の実利優先でいきたかったのによぉ』

 

静『あー…これ知ってます…パパが八幡とかジョルノさんとかがアメリカに遊びに来たとき、みんなでドライブするんだとか言ってオーダーメイドしようとしてたやつです…。ホントに作っていたとは思っていませんでしたが』

 

仗助『…この一件が終わったらよぉ、ニューヨーク本部の車両班と整備班と総務部には菓子折でも持って一家総出で謝りに行かないと不義理かね?』

 

八幡『だな』

 

仗助『他人事の顔してるけどよ、オメェはもうジョースターの一員扱いだからな?』

 

八幡『え?いつの間に?聞いてないんだけど』

 

静『え?今さらですか?』

 

 

 

JOJO「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ‼︎!」→本日2回目の究極生命体風の笑い

 

絢斗「うるさいぞ‼︎」




今回は一旦間を置いて、八幡達のやり取りを盗み聞きする回でした。

ちょっとJOJO、こんなキャラだったっけ?みたいな事を思ったりはしますね(汗)

次からはまた戦闘回です。本城凛さん、またお願いします!

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