ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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今回は妙にシリアスな回になったなと自分でも思います。

今回は吸血鬼のプロフィール付きです!


第26話 承一郎の秘密

ジョルノ「君はもしかして、二重人格者なのかい⁉︎」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

承一郎「……少し、昔の話です」

 

承一郎は話し始めた。

 

承一郎「僕は昔、『波紋』と同時にある体質を持っていたんです」

 

ポルナレフ「ある体質…?」

 

承一郎「『吸血鬼』…と言えば分かりますかね?」

 

ポルナレフ「何ッ⁉︎まさかッ!」

 

ジョルノ「吸血鬼だって⁉︎」

 

承一郎「そう、父『DIO』の持っていた体質…。太陽のエネルギーに触れるだけで体が消滅する体質…」

 

承一郎「幼少期、僕は相反する技術と体質によって体が弱かったんです。太陽に当たるのも極力控えて家の中で過ごしていました」

 

承一郎「ある日、母が事故で亡くなったと聞いて酷く泣きました。まるで悪夢を見ているようでした。その時、精神が崩壊するのを防ぐ為と、相反する能力で体が崩壊するのを防ぐ為か僕は二重人格になっていたんです。主人格に『波紋』を、副人格に『吸血鬼』の体質を分けて…」

 

ジョルノ「…まさか二重人格だとは」

 

ポルナレフ「だが人の精神は時に幼少の時に受けた衝撃などが原因で『心』に亀裂が入り、その部分が年齢とともに別の『人格』に育っていくことがあるという。別の『人格』は青年の頃になるとハッキリと日常に現われ一方が他方を支配する、『多重人格』の学説だ!」

 

ポルナレフ「実際に私達は二重人格者を見ている。一方は少年だったがもう一方は中年の男…」

 

ジョルノ「ディアボロ…パッショーネの元ボス、未来を予知し、その時間を吹っ飛ばすスタンド『キング・クリムゾン』の使い手…」

 

承一郎「…この話を知っているのはウチの組の皆と父さん、そして承太郎さんとあなた方しかいません。この秘密、黙っててくれますか?」

 

ジョルノ「…ええ、もちろんです。弟の頼みならなおさらじゃあないですか」

 

ポルナレフ「私も秘密にしておこう」

 

承一郎「…ありがとう、兄さん、ポルナレフさん…‼︎」

 

承一郎の目からは涙が流れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、承一郎はある夢を見た。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

どこかの市街地。その上の屋上に自分はいた。と言っても、塔の天辺だが。

 

もう一つある塔の上に目に傷がある男がいた。緑色の学生服の男だ。

 

自分の周りには、緑色の触手が張り巡らされている。触れるだけでエメラルドのエネルギー弾が飛んでくる『法皇(ハイエロファント)』の『結界』だ。

 

?「触れれば発射される『法皇』の『結界』はッ!すでにおまえの周り半径20m!おまえの動きも『世界』の動きも手にとるように探知できるッ!」

 

男が叫ぶ。自分のスタンドの秘密を知る為に。

 

?「くらえッ!DIOッ!半径20mエメラルド・スプラッシュをーーーッ!」

 

ドッバァーーーーz____________ッ

 

とあらゆる方角から放たれたエメラルド・スプラッシュは、自分を倒す為に向かってくる。

 

承一郎?「マヌケが……。知るがいい……………。『世界』の真の能力は…まさに!『世界を支配する』能力だということを!」

 

そして、『世界を支配する能力を持つ』自分のスタンドの名を叫ぶ。

 

承一郎?「『世界(ザ・ワールド)』‼︎」

 

 

ドォォーーーーz___________ン‼︎

 

 

世界のカラフルな色が白と黒のモノクロに変わり、全ての人や物が静止する。

 

崩れかけている塔が静止する。落下する瓦礫すらも色を失い、静止した。

 

自分と、自分のスタンド以外を除いて。

 

自分は自分のスタンドと共に男に近づくが、男には何の反応もない。

 

承一郎?「これが…『世界』だ。もっとも『時間の止まっている』お前には見えもせず、感じさえもしないだろうがな…」

 

『世界』が拳を握り、男に構える。

 

───…おい、何をしようとしているんだ!───

 

自分の意思とは反して、その拳が動く。

 

承一郎?「死ねィ!花京院ッ!」

 

───⁉︎何を言っているんだ僕はッ⁉︎止めろッ!───

 

だがその願いも叶わず、花京院と呼ばれた男は、『世界』の拳によって体を貫かれた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

承一郎「うわぁあぁああぁぁああぁああぁぁあ‼︎!」

 

僕が起きた時はもう朝だった。

 

承一郎「ハァ…ハァ…夢…?いや、それにしてはリアルすぎる…。もしかして、誰かの記憶?一体誰の…」

 

───くらえッ!DIOッ!───

 

承一郎「ううッ!」

 

頭痛がしたが、やがておさまった。

 

承一郎「あれは…父の記憶…?」

 

承太郎「承一郎、大丈夫か?かなりうなされてたみたいだぞ」ガラッ

 

承太郎が部屋に入ってきた。

 

承一郎「承太郎さん…。大丈夫です」

 

承太郎「…そうか」

 

承一郎「…承太郎さん、あなたは父とどういう関係なんですか?」

 

承太郎「…宿敵だった…」

 

承一郎「…そうですか…」

 

そう言い、承太郎は部屋から去った。

 

<= to be continued=




吸血鬼

人間が誕生するよりも昔、柱の男と呼ばれる一族が生まれ、その中の一人、カーズが太陽を克服する為に製作された『石仮面』という道具によって生み出される存在。

指圧破壊度数235kg/㎠や跳躍力4m22など、人間を超越する身体能力と圧倒的な再生能力を合わせ持つ。

太陽の光と、そのエネルギーを持つ『波紋』に触れると肉体が消滅する。

DIOは体の水分を蒸発、気化されることにより熱を奪い、凍らせる『気化冷凍法』や、目から圧縮した体液を高速で発射される『空裂眼刺驚(スペースリパー・スティンギーアイズ)』などの技を使っていた。

肉体操作も出来、血管を針のように操ったり、切られた腕を操ることも可能。

石仮面は血を浴びると作動し、骨針が被った者の頭に刺さり、脳を覚醒させる仕組みになっている。

吸血は口の牙だけではなく、指からの吸血も可能。

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