ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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今回は鶫のラブレターの回はふっ飛ばしてやりたいと思います。

今日は二話連続だなぁ…。すごいアイデアが浮かんでくるなぁ…。


第32話 ドラゴンアッシュ その①

林間学校が終わり、数日後

 

昼休み、学校───

 

承一郎「なぁ鶫さん、ちょっといいかい?」

 

承一郎が鶫に話しかける。

 

鶫「なんだ一条承一郎。何か用か?」

 

承一郎「君をビーハイブの『黒虎(ブラックタイガー)』として頼みがある」

 

承一郎の目が赤く染まる。

 

JOJO「学校が終わった後、ちょっと一緒に来てくれるか?」

 

その声で、ただ事ではないという事が分かる。

 

鶫「…分かった。いいだろう、だが話は放課後だ」

 

JOJO「すまないな」

 

キング・クリムゾン‼︎

 

 

放課後、学校の屋上───

 

鶫「それで、話とはなんだ?」

 

承一郎「鶫さん…“ビーハイブ”は麻薬の取引をしているのか…?」

 

鶫「…?何を言って…」

 

承一郎「早く答えてくれッ!君の返答次第で状況が180度変わるんだッ!」

 

承一郎の目が赤く染まり、語気が強まる。

 

鶫「……どういう事か分からないが答えは『NO』だ」

 

承一郎「…そうか、ならいい。実は今夜、ある廃ビルで麻薬の取引があるらしい。そこで君の協力が必要だ」

 

鶫「…何故私が?」

 

承一郎「実はウチの組の中で“ビーハイブ”が麻薬の密売をしているんじゃあないかと疑う者がいてね。君を参加させる事によって疑いは晴れると思うんだ。これは昨夜ウチの組の合意の上での作戦だ。協力してくれるかい?」

 

鶫「…分かった、いいだろう。それでビーハイブの疑いが晴れるなら」

 

承一郎「グッド!それじゃあ行くか」

 

キング・クリムゾン‼︎

 

 

夜、廃ビル周辺───

 

鶫「それで一条承一郎、どうするんだ?」

 

承一郎「この作戦は潜入任務(スニーキングミッション)だ。基本的にはCQC(接近戦闘術)(クロースクォーターズコンバット)で制圧していって、全員の拘束した後警察に通報だ」

 

鶫「何故通報するんだ?始末すればいいんじゃあないのか?」

 

承一郎「更生の余地があれば釈放された後にウチに勧誘する事になっているんだ。とりあえず武器を渡しておくよ」

 

承一郎は鶫に麻酔銃とスタンロッドを渡した。

 

鶫「普通の武器じゃあダメなのか?」

 

承一郎「ウチは基本的に殺しは御法度だ。そこのところは理解してくれ。まぁヘッドショットすれば一発で眠ってしまう優れものさ」

 

承一郎「じゃあ行くよ」

 

承一郎は銃らしい物を手に取る。

 

鶫「それは?」

 

承一郎「フックショットだよ。ワイヤーを発射して移動ができる。これで行くよ」

 

バシュッ‼︎という音と共にワイヤーが発射され、廃ビルに刺さった。

 

廃ビル、屋上───

 

パシュッ‼︎という音がして屋上の見張りは倒れた。

 

承一郎「お見事。それじゃあ行こう」

 

ビルに入り、ゆっくりだが確実に見張りを順番に眠らせていく。

 

承一郎「そろそろ取引の時間だ。ビルの奥に向かおう」

 

承一郎達はビルの奥に向かった。

 

現場では数人の男達が麻薬の入ったケースと、札束の入ったケースがあった。

 

承一郎はスマホで証拠の写真を撮る。

 

承一郎「これで良し。あとは制圧だ」ピンッ!

 

承一郎はスタングレネードのピンを抜き、男達の足元に投げた。次の瞬間、閃光が走り、数人は気絶したがまだ何人かが残った。

 

男1「なんじゃあこりゃあ‼︎」

 

男2「まさかサツが嗅ぎつけて来たか⁉︎」

 

承一郎「行くよ、鶫さん!」

 

鶫「分かった!」

 

承一郎達は男達へ走り出す。

 

男1「誰じゃあテメェ‼︎」パァン!パァン!

 

男2「やっちまえ‼︎」パァン!パァン!

 

承一郎「リスキニハーデン・セイバー‼︎」スパパパパッ!

 

承一郎の腕から刃が現れ、飛んでくる弾丸と斬り裂き、男達の持っていた銃を切断した。そして正確にヘッドショットしていく。

 

男3「くらえ‼︎」パァン!パァン!

 

鶫「くっ‼︎」バッ!

 

鶫はしっかりと弾丸を避ける。

男4「死ねェ‼︎」

 

男が鶫を撃とうとするが、後ろから麻酔銃を撃たれて眠ってしまう。

 

鶫2「『死ね』という言葉は私達の世界では使わないものだぞ」

 

鶫は『TGE(ザ・グレート・エスケープ)』を使い、確実に一人一人倒していった。

 

キング・クリムゾン‼︎

 

後はぶっちゃけ作業だった。二人ともしっかりとヘッドショットを狙い、CQCで一人一人正確に眠らせたり気絶させていった。

 

承一郎「これで全員ってところかな?」

 

鶫「そうだな。早いとこ警察に通報するか」

 

承一郎「…‼︎鶫さん‼︎後ろに誰かいるぞ‼︎」

 

波紋の生命探知機を使い、後ろにいる敵を発見し、二人は振り返る。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

黒い帽子を被った男だった。口には葉巻を二本くわえていた。重度のヘビースモーカーらしい。

 

鶫「何者だ、貴様ッ!」ガシャッ!

 

鶫が銃を構える。

 

?「おおっと!なに、ただの通行人だよ」

 

男は両手を挙げてそう言った。

 

承一郎「…あなた、麻薬取引の主格だろう」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

?「…!良く分かったな、すごいじゃあないか」

 

鶫「どうしてこいつだと分かったんだ?」

 

承一郎「一般の人間がこんな所に、よりにもよって廃ビルの中になんて入らない。ホームレスだとしてもあなたの格好は綺麗すぎる。どちらかというと『ヤバイ仕事をやって私服を肥やしている』ような感じだ」

 

?「ヒュウ!素晴らしいな、そこまで分かるとは!俺はあんたらと同じような『能力』を持った者だよ」

 

男は口笛を吹き、称賛する。

 

承一郎「!スタンド使いか!」

 

?「そういうこった。俺の名は葛西善二郎(かさいぜんじろう)ってんだ。よくもまぁこんなに俺の部下を倒したな」

 

鶫「…おい一条承一郎、こいつはどうする?」

 

承一郎「…更生の余地はないが、麻薬の密売ルートを聞き出して潰さないといけないからね。再起不能までに留めておこう」

 

葛西「無理だね。お前達は俺に勝てねぇよ」

 

そう言うと、葛西の葉巻の煙が人の形になり、二人の前に立ちはだかった。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

葛西「俺のスタンド、『龍の灰(ドラゴンアッシュ)』でお前達を始末するからだ!」

 

承一郎「龍の灰か…良いセンスだ」

 

鶫「御託は充分だ!くらえッ!」パァン!パァン!

 

鶫がスタンドに実弾銃を発砲する。鶫の銃は能力によって分裂されていて、スタンドにも当たるようだ。

 

だが弾丸は葛西のスタンドをすり抜けてしまう。

 

鶫「何ッ⁉︎」

 

葛西「『煙』のスタンドに弾丸が当たると思うのかい?それに、俺は煙の成分も操れるから早くそこから逃げた方が良いと思うぜ?」

 

葛西は笑う。承一郎は考えていた。

 

承一郎(何故自分から能力を喋っているんだ?それに成分も操れるだと…?ま、まさかッ!)

 

承一郎はある事に気付く。

 

承一郎「鶫さん!後ろに下がれッ!」

 

承一郎に言われて、鶫は後ろに下がった。

 

鶫「なんなんだ!一体どうしたというのだ!」

 

承一郎「彼の部下を見てみろ!」

 

そう言われて、鶫は起き上がってきている葛西の部下達を見た。

 

どんどんと起き上がるがあっという間に倒れていく。その倒れた男達の目には生気がない。死んでいるのだ。

 

鶫「こ…これは…⁉︎」

 

承一郎「これは『一酸化炭素中毒』だ…‼︎」

 

鶫「『一酸化炭素中毒』⁉︎」

 

葛西「ほぅ、良く分かったな。その通りだ」

 

鶫「一酸化炭素だと…⁉︎」

 

承一郎「彼が葉巻─もといタバコ─の煙の成分も操れるのなら、一酸化炭素の量も操れるようだ。一酸化炭素は無色無臭で吸いすぎると死に至らせる有害な成分だ!」

 

承一郎「彼は自分には害がないように操っているようだが近くにいて一酸化炭素を多量に摂取すれば間違いなく命取りだ!しかもこの廃ビルとの相性は抜群だ‼︎」

 

鶫「どういう事だ…⁉︎」

 

承一郎「僕達が廃ビルを上から襲撃していたが、廃ビルの窓は全部閉まっていた。つまり、煙を充満させやすいんだ‼︎しかも長期戦になればなるほど…」

 

葛西「どんどん煙が充満していく。さすがだな坊主!その通りだ!」

 

場所との相性を組み合わせて、葛西のスタンド、『ドラゴンアッシュ』は二人に迫っていた。




スタンドプロフィール

ドラゴンアッシュ

本体:葛西善二郎

ステータス
【破壊力-D/スピード-D/射程距離-タバコの煙が届く範囲/持続力- A/精密動作性- C/成長性- C】

タバコの煙を媒介にするスタンド。タバコの煙の成分を操ることができるので敵に一酸化炭素を吸い込ませ、一酸化炭素中毒で死に至らせることが可能。

ちなみに煙の成分を操ることができるので本体の肺は綺麗である。

元ネタはバンド『DragonAsh』より。

本体の名前の元ネタはジャンプ作品の『魔人探偵脳噛ネウロ』の葛西善二郎より。

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