ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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明けましておめでとうございます‼︎

ちょっと投稿が遅れてしまい申し訳ありません(汗)

これからもよろしくお願いします‼︎

…これでも一応、大体の構想は出来ていますよ…?(震え声)


第43話 マリー

承一郎「君…マリーかい…?」

 

万里花「……承一郎様の前では絶対にこの喋り方はしないつもりでおりましたのに…。でもそのおかげで承一郎様に思い出して頂けるなんてなんだか皮肉ですわね」

 

承一郎「…思い出してきた。確かに昔そんな喋り方の女の子と仲良くなった事がある。確かその子も体が弱くて…」

 

万里花「はい。…私が承一郎様と初めてお会いしたのは10年前の夏の事です。小さい頃の私は体が弱くて、父に連れられ空気のキレイな山の療養所に来ていたんです」

 

万里花「私はいつものように一人病室で退屈にしておりました。そうしたら…療養所の隣にあった木に登っていた承一郎様に出会ったのです」

 

昔の事を話す万里花の目は輝いていた。

 

万里花「…ずっと体の弱かった私は昔から他の子達と外で遊ぶ事もなかなか出来なくて、それを知った承一郎様はそれから毎日のように私の病室に足を運び、山で見つけた物等をおみやげにして私を楽しませてくれたのです」

 

承一郎(…そうだ、確かに昔そんな事が…それが10年前の夏…。やっぱり…小野寺君や千棘さんと同じ…)

 

万里花「…私は承一郎様の優しさが嬉しかった。するとあくる日父が…」

 

 

万里花の父『マリー…お前はあん男が好いとるとか?そいならオイが結婚の約束ばしてきてやるけん』

 

万里花『本当ね⁉︎』

 

 

承一郎・JOJO((あ、あの(親父)は…))ピキピキ…

 

ちょっと承一郎は血管が浮き出ている。ぶっちゃけ今の状況(戦争一歩手前)を作り出しているのはあの男(一征)なのだ。

 

 

万里花『…なぁいっくん、いっくんは…どがん女の子が好きと…?』

 

承一郎『え?女の子?(…ん〜…、よく分からないけど…)…まぁ女の子らしい人…とか?たとえば髪が長いとか…』

 

 

万里花「…それからの私は頑張りました‼︎今まで嫌がっていた習い事やお稽古も進んで受け…!ふさわしい言葉遣いと教養を身につけ、承一郎様の求める理想の女性へとならんがために邁進したのです…‼︎」

 

承一郎の額には汗が浮かんでいた。自分の言った何気ない一言で万里花は日々精進していたのだから。

 

万里花「…ずっと、もう一度承一郎様に会うために…承一郎様と交わした約束だけが私の支えだったんです。…恩着せがましい物言いをお許し下さい。ただ、どうしても私の想いを知って頂きたかったもので…」

 

万里花「あの写真は私達のお別れの時撮って貰ったんです。大切な約束を忘れてしまわぬようにと…」

 

承一郎(……僕のために…そんなにまで…僕の事…。…僕にとってはなんでもなかったような事が、この子にとってはそんなにも大事な事だったなんて…。……僕は…)

 

万里花「…まぁそんなにお気になさらないで下さい。私の事を覚えていて欲しかったのはただのわがままと分かっていますから。それにもう無理に私の事を思い出さなくても結構ですよ?」

 

承一郎「えっ…いやそんなわけには…。ちょ…ちょっと待ってて…!今全神経を集中して…‼︎」

 

万里花「…お気持ちは嬉しいのですが…本当にいいんですよ。ただそのかわり、今のこれからの私をたくさん覚えて欲しいのです。あなたのために素敵になった私をもっと見て欲しい…。見せつけてやると…そう決めたんです」

 

万里花「これからの私はもう忘れさせませんよ…?」

 

万里花の笑顔にドキッとする承一郎。

 

万里花「…というわけでまずは…。あ、承一郎様。ほっぺにご飯がついてますよ?」

 

承一郎「え?どこ…」

 

次の瞬間、チュッという音と柔らかな唇の感触が承一郎の頰からした。

 

承一郎「え…」

 

万里花「…忘れられない思い出、一つ目です…♡」

 

万里花は小悪魔の微笑を浮かべた。承一郎は唖然としている。

 

万里花「それでは承一郎様!また明日学校で!ごきげんよう‼︎」

 

承一郎(え…ええええええーーーーーー‼︎!?)

 

JOJO(万里花、すごいグイグイくるな…)

 

 

翌日、放課後、学校───

 

千棘「…私達が」

 

小咲「10年前に会ってる…?」

 

承一郎「ああ、君の親父さんは確かにそう言ってた。結構仲良さそうだったらしいけど。…やっぱり覚えてないかい?」

 

千棘「いや…」

 

小咲「全く…」

 

千棘「…ところでなんであんた顔赤いの?」

 

承一郎「え⁉︎いや別に…⁉︎」

 

小咲「…でも私、確かに千棘ちゃんの事一目見た時から不思議と仲良くなれそーだなって思ったよ…?」

 

千棘「ウソ‼︎私も私も‼︎…てゆーかなんでこんな大事な話今まで黙ってたのよ…?」

 

承一郎「いやそれが…たまたまタイミングがね…?」

 

千棘「…それで?」

 

小咲「これが…問題の鍵…?」

 

千棘「…まさか小咲ちゃんまでこんな鍵持ってるなんて思わなかったわ…」

 

小咲「私も…どういう事なんだろう…」

 

千棘「皆10年前にダーリンと会ってて何か約束してて鍵持ってて…?何がどうなってんの?」

 

承一郎「僕も知らないんだ。僕だって約束したのは一人のハズで…」

 

千棘「そもそもその約束ってなんの約束なの?私どうしても思い出せなくて……」

 

小咲「私も…」

 

万里花「…皆さんは約束の内容は覚えておられないのですか?」

 

承一郎「え?君覚えてるのかい?」

 

万里花「だってそれはもちろん“結婚”の約束に決まっているではありませんか」

 

承一郎・千棘・小咲「「‼︎!!」」

 

万里花「え?違うのですか?私はてっきり皆さんもそうなのかと…。私は承一郎様と別れ際にその約束をしたんです。覚えておられないかもしれませんが」

 

そう言い、承一郎の腕に抱きつく万里花。

 

千棘「ダーリン確か別れ際に約束したとか言ってなかった?その子なんじゃあないの?その相手…」

 

承一郎「い…いやぁどうかな⁉︎まだまだ分からないというか…‼︎?」

 

小咲(…結婚…もしかして私も一条君とそんな大胆な約束を…?もし…そうだったら…)

 

千棘(…まさか…ね…何か大事な約束だったとは思うけど…まさか…)

 

承一郎「…それじゃあなんで鍵は3本もあるんだい?君は全部知ってるんだよね?この約束の真相って…」

 

承一郎「あ…でも僕達に教える気は無いんだっけ…。良かったらヒントだけでも…」

 

万里花「…そうですね……」

 

万里花の言葉がちょっと止まる。

 

万里花「…すみません、それは私にも分かりません」

 

承一郎「…え?いやだって君…!あんな偉そうに答えを知ってるとか…‼︎」

 

万里花「はい…いえ、大変申し訳ないのですが……私も驚いているんです。私の他にも鍵を持っている人がいたなんて。今初めて知った事ですから…」

 

万里花「確かに昔の承一郎様との会話の中で他に一緒に遊んでいる誰かが登場した事はあった気がしますが…」

 

承一郎「……じゃあ…君の言う真相って…」

 

万里花「それはもちろん♡私が承一郎様の事をどれだけ愛して約束したのかという事を決まってるじゃあありませんか‼︎」

 

万里花「私が知っているのは私の約束の事だけですからそれ以外の事は…」

 

承一郎「う〜ん…」

 

千棘「…じゃあこの鍵はどれかが本物でその他はニセモノって事?」

 

小咲「…だとしたら一条君のペンダントが戻ってくるのを待つしかないね」

 

万里花「まぁ何がどうあれ、承一郎様と結ばれるのは私ですよ!もうキスも済ませてしまいましたし…!」

 

千棘「は‼︎?キス‼︎?…ってハン…!もう騙されないわよ。そんな事言ってまたどうせ…」

 

だが承一郎の顔は赤くなっていた。

 

千棘「…ハァ‼︎?ちょっ…したの‼︎?」

 

承一郎「違う違う違う違う‼︎!突然だったんだ不可抗力だったんだ」

 

千棘「したのね⁉︎最っっ低‼︎信じられないこのケダモノ‼︎会って間もない女の子といきなりチューなんて…」

 

承一郎「いやチューって言ってもほっぺにちょっとされたぐらいで…‼︎」

 

よほどショックだったのだろう。小咲は某燃え尽きたボクサーのように白くなりサラサラと崩れかけている。

 

万里花「…まぁどちらが承一郎様にふさわしいか考えれば当然かと」

 

千棘「あ〜ら人のダーリンに手を出しといてよく言うわね。このドロボウ猫さん」

 

万里花「あら、ゴリラよりかはかわい気があるかと…」

 

千棘「ダーリンには私の方が」

 

万里花「いえ私の方が」

 

千棘・万里花「「小咲ちゃんはどっちだと思う‼︎?(小野寺さんはどう思います?」」

 

小咲「え⁉︎」

 

千棘と万里花が同時に尋ねる。仲が良いのか悪いのか分からない。

 

小咲「え…えーと…私は…その…」

 

万里花「あ、そうだその前に。あなたは承一郎様の事をどう思ってらっしゃるのですか?」

 

小咲「え…」

 

万里花「…もしかしたら昔承一郎様と婚約の約束をしたかもしれない。もしや…あなたも承一郎様を…?」

 

小咲は承一郎が持っていた千棘の写真を思い出していた。

 

小咲「……確かに昔そんな約束をしたのかもしれないけど、今は私は良い友達だと…」

 

万里花「…そうですか」

 

承一郎(…まったく何を聞いてるんだあの子は…。でも良い友達か…ちょっと残念だけどちょっと嬉しいかも…)

 

千棘「…まぁ真実がそーだった所であくまで子供の頃の話だけどね」

 

万里花「あら、ひがみは見苦しいですわよ?」

 

千棘「な‼︎誰が‼︎」

 

小咲(…私、やっぱり一条君に会ってたんだ。じゃあ…一条君が私の初コイの…。でも…一条君はもしかしたら千棘ちゃんの事…)

 

承一郎(はぁ…やれやれ、せっかく真相に近づけるかと思ったのに結局また進展ナシ…か…?…この3人の誰かが僕の約束の女の子…?でも僕が今好きなのは小野寺君で…。今の気持ちと昔の気持ち、か……)

 

万里花「…まぁ本物の鍵は私のに決まってますけどね。私と承一郎様は運命の赤い糸で結ばれて…」

 

千棘「…まぁダーリンはあんたの事全く覚えてなかったけどね」

 

万里花「そいば言わんね‼︎」

 

3人が驚く。

 

千棘「…何、今の」

 

万里花「さぁ…何の事ですか?」

 

千棘「いやいやいや…」


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