ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
スマン、ありゃウソだ。
話の構成を考えたら完成には無理だった…(汗)
承一郎(泊まってけって…僕が小野寺君の家に…⁉︎いいのか…⁉︎)
承一郎「で…でも小野寺君他に家の人とか…」
小咲「…お父さんも今日は用事で帰って来なくて。妹はもともと寮生活してるから…」
承一郎「へぇーー…、小野寺君妹いるんだ」
承一郎(ってそうじゃあなくてッ‼︎小野寺君と二人きりなんていいのだろうか⁉︎)
承一郎「…っていやいや、さすがに女の子一人の家に泊まったり出来ないよ。悪いけど傘貸して貰えるかい?このくらい自力で…」
小咲「え…でも…」
だが、外はビュオオオオオオ、という風が吹き荒れていたッ‼︎
男性1「わーー‼︎瓦が降って来やがった‼︎」ガシャーン‼︎
男性2「気をつけろ‼︎あんま外ウロウロすんな‼︎」
承一郎(…なんでこんな事に…)
承一郎は帰る事を諦めるしかなく、店の中に戻った。
承一郎(さすがに二人きりはマズイよな…。やっぱり不安なんじゃあ…)
そんな事を考えている承一郎の背後では小咲が店の暖簾を下げていた。何も思ってないように見えるが、
小咲(どうしよう、どうしてもニヤニヤしちゃう)
そんなわけがない。よりにもよって好きな人と一緒に一晩を過ごすのだ。動揺しないわけがない。
小咲はつり上がってしまう顔を手でグニグニと直そうとしていた。
小咲(ダ…ダメだよ私、こんなみっともない顔見せられない…!戻れ〜戻って私の顔〜…!)
グニグニと顔を直し、ようやく小咲は承一郎の方へ向いた。
小咲「…えーと、それでどうしようか一条君。その…夕食とか…」
承一郎「…なんでニヤニヤしているんだい?小野寺君」
小咲「はひぇ‼︎?」
まだ完全に直りきってない顔を抑え、
小咲「え…え〜と…昨日のテレビが面白くてその…思い出し笑い…?」
承一郎「…?」
小咲(わーーん!どうしよ〜、全然抑えきれないよ〜〜‼︎)
小咲はなんとも苦い言い訳をして、後ろに振り返ってしまった。
JOJO(お前らマジで早くくっつけ。砂糖吐きそうだ)
と、JOJOが読者の皆の言葉を代弁している。
承一郎(…やっぱり緊張しているんだろうか)
JOJO(それもある。それもあるんだが…、こいつらマジで鈍いな)
小咲「じゃ…じゃあ色々話して決めようっか。まず部屋に上がって貰って…」
承一郎「え」
JOJO(…oh)
小咲(私ったらなんて大胆な事…‼︎!)
普通では言わない事を言った自分に驚く小咲。
承一郎「……いいのかい?部屋に上げて貰って…」
小咲「も…もちろん…だってその…別に…ね…?」
今更ながら、なんて大胆な事を言ったのだろうと小咲は赤面している。
小咲「あっ‼︎でもちょっと待って、少しだけ片付けさせて…!それに着替えもしたいし…‼︎」
承一郎「う…うん、気にしなくていいからゆっくり…」
それを聞くや否や、小咲はすごいスピードで部屋に入っていった。
ビュンッ‼︎グオオオオ、ガタン、バタン、ドン、ガタガタガタ…、とすごい音が聞こえた。
承一郎(おお……すごい片付けてる)
承一郎はひとまず作業服から私服を着替えた。
小咲(これで…大丈夫かな…)
超高速で片付け終えて、着替えも済ました小咲は部屋を出ようとするが、机の上にある写真立てを思い出す。
写真立ての写真には中学の最後の運動会で一位で駆け抜ける承一郎の姿があった。
小咲は写真立てを伏せて中を見られないようにした後、承一郎を呼びに部屋を出た。
小咲「適当に寛いでくれていいから」
承一郎「失礼します…」
承一郎は小咲の可愛らしい家具が置かれている、女の子らしい部屋に入った。なんだかいい香りがした。
小咲「あ、私お茶入れてくるね。ちょっと待ってて」
承一郎「いや、そんなお構い無く…」
小咲が部屋を出た後、承一郎は部屋を見回した。
承一郎の目に止まったのは、机の上にある伏せられた写真立てだ。
承一郎(…見てみたい)
承一郎とて男子だ。好きな人が写っているであろう写真を見たいと思わない方がおかしい。
承一郎(でもさすがにマズイだろうな…)
承一郎が心の中で葛藤していると、
JOJO(関係ない、行け)
まさかのGOサインをJOJOが出してきた。あれ?こんなキャラだっけ?
承一郎(…見るよ)
JOJO(……)ゴクッ
承一郎はゆっくりと写真立てに手を伸ばす。そして写真を見ようとした瞬間、
小咲「お待たせー、お茶持って来…」ガチャ
承一郎はその圧倒的な身体能力を使って元の位置に座った。
承一郎「や…やぁ、ありがとう。有り難く頂くよ…」
小咲「…?どうぞ?」
承一郎(…危なかった、もう少しで最低な奴になるところだった…)
この後夕食を作って食べたり(「小野寺君に料理作らせるなッ‼︎」みたいな事があった。マジで)お風呂に入らせてもらった(レディーファーストでやましい事は何一つない。マジで)。
その後食器を片付け、中学の頃の思い出話に花を咲かせた。
小咲「一条君とは二年でクラスが一緒になって以来だね」
承一郎「実際話すようになったのは三年になってからだったけどね」
そんなこんなで時間はどんどん過ぎていった。
承一郎「そろそろ寝る時間だね」
小咲「うん、一条君はどこで寝るの?」
承一郎「僕はリビングにあるソファで寝るよ」
承一郎はそう答え、小咲から毛布を貰った。
小咲「それじゃあ、おやすみ」
承一郎「うん、おやすみ」
そう言い、小咲は部屋に行った。
承一郎はゆっくり意識を手放した。
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赤い大地の上に承一郎はいた。
周りは紅く、何もない。ただ真紅の色で世界が塗り潰されていた。
承一郎が辺りを見渡していると、地面から何かが出てきた。
それは
承一郎は逃げようとするが、自分の足元から出てきた腕に掴まれ、動けない。
承一郎「うっ…‼︎」
承一郎は攻撃をしようとするが、
承一郎「ッ……‼︎」
その亡者達は
自分のミスで死なせてしまった仲間達。それが承一郎の肉を喰らおうと群がる。
承一郎「うっ…うっ…‼︎」
承一郎は罪の意識でどうする事も出来ず、亡者達に次々と体を掴まれてしまう。
過去の亡霊達が口を開き、承一郎の肉を喰らう。
承一郎「ぐあぁああぁあぁああ‼︎‼︎」
想像を絶する痛み。
これは報いなのか。
そう思っていた時、誰かに名前を呼ばれ、承一郎の意識は突然現実に引き戻される。
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承一郎「………ハッ⁉︎」ガバァッ!
小咲「一条君⁉︎」
小咲は今夜、妙に寝付きが悪く、ずっと部屋で寝るまで待とうとしていたが、いつのまにか雨の音が消えていたのに気付き、承一郎を見に行こうとリビングに行ったのだ。
承一郎が起きていたらどうするか聞こうとリビングに行ったのだが、そこでは承一郎が魘されていた。
小咲が必死になって承一郎を起こそうと揺さぶっていたらやっと承一郎が起きた。息は荒く、その顔には滝のような汗が流れていた。
承一郎「…ここは…?」
小咲「私の家のリビングだよ。一条君、魘されてたんだよ」
承一郎は荒い呼吸を整え、やっと落ち着きを取り戻した。
小咲「…一条君、何に魘されていたの?」
小咲の質問は承一郎の過去につながるものだった。
承一郎「…昔のことだよ…」
小咲「え……」
承一郎「ありがとう、起こさせてくれて。台風、どうやら過ぎたみたいだね。そろそろ帰るよ。…ごめん、みっともない姿を見せてしまって」
承一郎は荷物を持って扉に手をかけると、
小咲「…あの、一条君!」
承一郎「…なんだい?」
小咲が声をかける。
小咲「…あの、私達、学校とかじゃあよく話してるのに…、お互いLINEとか登録してないなって…」
小咲は少しだけ勇気を振り絞った。
承一郎「…そうだね。ちょっと待ってて、QRコード表示するから」
LINEとついでに携帯番号など交換した後、今度こそ承一郎は小咲の家を去る。
承一郎「それじゃあ小野寺君、また今度」
小咲「うん、またね」
扉が閉まり、承一郎は去って行った。
本来なら連絡先やらLINEやら交換出来た事に喜ぶべきだろうが、小咲は心配だった。
魘されていたものは何だったのか、それが小咲を悩ませた。
<= to be continued=
次回「ようこそ杜王町へ」