ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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すみません、遅くなりました‼︎

実はスマホが入ってたズボンを洗われてて、洗濯槽の底でダンスを踊っていました(大汗)

ゲームデータが洗濯槽の藻屑に……(泣)


第54話 11人の男達 その②

〜小咲side〜

 

小咲「……?」

 

何かが聞こえたような気がした。何かが風に乗って聞こえたような気がした。

 

なんていうか…虫の知らせ、いや風の知らせというべきなのだろうか。

 

千棘「小咲ちゃん、どうしたの?」

 

小咲「えっ?一条君、遅くないかなって…」

 

千棘「あいつの事だから、どうせトイレで吐いてるんじゃあないの?今日気分悪そうだったし」

 

今日は確かに気分が悪そうに見えた。昨日の夜に何かあったのかもしれない。だが、そういう事ではない。

 

千棘「じゃあ、次小咲ちゃんの番!」

 

千棘ちゃんからマイクをもらいながら、一条君のことを考えていた。

 

その時、私を含めて誰も気付いていなかった。

 

私の背後に、(ヴィジョン)が寄り添っていた事に。

 

〜小咲side out〜

 

 

男の死体から現れた2人は銃弾を撃ち込んだ承一郎に目もくれず、千棘達のいる車両に移ろうとしていた。

 

ガチッ…!

 

しかし、ドアが開かない。まるで固定されたように動かない。

 

男2「これは…」

 

男3「どけ」スチャ

 

ダァン!ダァン!

 

銃弾をブチ当ててドアを開けようとするが、ドアに亀裂が入ったかと思うと、亀裂が元に戻っていく。

 

承一郎「無駄だ。すでに手は打った」

 

男2・3「「⁉」」

 

男達が後ろを振り返ると、承一郎が立ち上がっていた。

 

承一郎の体には二つの亀裂が入っているが、次第に亀裂がなくなっていく。

 

承一郎「すでに僕のスタンド、『水晶の骨(クリスタル・ボーン)』はそこのドアに骨の膜を生成した。破壊するのは骨が折れるぜ。骨だけにね」

 

承一郎は銃をクルクル回した後に銃口を男達に構える。

 

承一郎「僕だけを狙うならまだしも、彼女達を襲う事は許さない。あなた達…『覚悟して来てる人達』…………ですよね。人を『始末』しようとするって事は逆に『始末』されるかもしれないという危険を常に『覚悟して来ている人達』ってわけですよね…」

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

承一郎は骨で刀を生成し、波紋で身体能力を上げたスピードで1人を左斜めから斬りおろし、2人目を右斜め斬りあげて仕留める。

 

しかし、その2人からも男が現れる。

 

承一郎の2発の銃弾は死体の胸を貫通するが、関係ないように裏側に移動して承一郎を撃つ。

 

承一郎はクリスタル・ボーンで銃弾を弾き飛ばす。

 

承一郎は、敵のスタンド能力を観察していた。

 

承一郎(ひとり(・・・)の『背中』から2人が出て来た…………少なくともそう見えた(・・・・・・・・・・)!命中した銃弾の銃創が死体の胸を貫通しているのに影響なくそいつの裏側から出て僕を狙った!)

 

男達は死体から一斉に現れて銃を撃つ。

 

承一郎は千棘達とは反対側の車両に移り、銃撃を躱す。

 

男の1人が車両と車両への通路沿いの壁に隠れた。

 

承一郎(『血の影(ブラッディ・シャドウ)』‼)

 

承一郎は空間を繋げ、銃弾を男の顔面まで繋げた。

 

承一郎(『模様』だッ!最初に撃たれた時に見た!背中の『模様』から男どもが浮き出るように出て来たッ、そういう『スタンド』だ!しかもここへ来たのが11人なら、つまりあと残り7人があの死体にそれぞれ入ってるって事かッ!)

 

JOJO(鶫に似たタイプのスタンドだな。だがそれどころかお互いの『背中』から『背中』へ……『死体』から『死体』へ、空間を無視して移動しあえるみたいだ。今倒した奴からも出て来る……)

 

承一郎の強み、それは二重人格だからこそ成せる二重思考(ダブルシンク)。それに基く観察眼や冷静な判断力だ。

 

死体の一つから男が顔を出す。

 

承一郎「やれやれ、『ヤツらを倒す』。『彼女達も守る』。『両方』やらなくっちゃあならないってのが『2代目』のつらいところだな」

 

コロコロ…と何かが転がった。

 

承一郎「う、ウソだろ…」

 

それは手榴弾(グレネード)だった。

 

承一郎「オラァッ!」バシッ!

 

承一郎は手榴弾を車両の後方に弾き飛ばす。

 

ドゴオオオォォォン‼︎

 

爆風が承一郎の体を打ちつける。

 

承一郎「くっ…!」

 

JOJO(このままじゃあジリ貧だな)

 

承一郎が銃をマグ交換(チェンジ)していると…。

 

ズル…ズルリ…ズルッ…ズルリ…

 

と何かを引きずる音が聞こえた。

 

承一郎「こ…コイツはッ‼︎まずいぞッ‼︎」

 

死体が動いている(・・・・・・・・)。まるで芋虫のように、地を這って動いている。

 

承一郎「死体が近づいてくるぞッ!模様の中のヤツらが動かして引きずっているんだッ!こっちの車両の方に来るぞッ!」

 

死体の中に潜んでいればダメージがない。それを利用したのだ。

 

JOJO(クソ、まさにケツに火がついた状況だな)

 

承一郎「こうなったら…死体の群れに飛び込むか…!」

 

吸血鬼や屍生人(ゾンビ)は痛みを感じない。

 

100年前、ディオがジョナサン・ジョースターによって体が真っ二つに斬られても平気なのはそのせいだ。

 

痛みを感じるのは太陽の光を浴びるか波紋を流し込まれるかだ。

 

だが、承一郎は半分だけが吸血鬼だ。痛覚の完全遮断(シャットアウト)は出来ない。

 

JOJO(だが、いくらスタンドが速くてもあの死体の中に突っ込むのは自殺行為だ。無茶が過ぎるぞ)

 

承一郎(いや、やるしかない!僕達は負けるわけにはいかない!母の真相を知るために…!)

 

承一郎の脳裏をよぎるのは、母の葬式。

 

棺の中で好きだったオオアマナの花に囲まれて冷たくなった母を前に、涙を流した自分。

 

無力だった自分を何度責めただろうか。

 

必死になって母の過去を探り、母が殺されたのだと知った時、自分の中で燃え上がった漆黒の炎は今も瞳の中で燃え続けている。

 

承一郎(母の真相を知るために、コイツらは絶対に倒すッ!例え何が起ころうと!)

 

承一郎を産む前、母はアメリカで有名な秘密工作員(エージェント)であったということが判明した。

 

そして今襲って来ている刺客達は、明らかに訓練された動きをしている。身のこなしや銃の種類、顔立ちなどもアメリカの人間、しかも軍の人間だ。

 

承一郎(母の真相につながる手掛かりをヤツらが握っているはずなんだ!僕は知りたいんだ、母の真実を!母は何故死ななければならなかったのか?その真実を知りたいんだ!)

 

JOJO(…承一郎、俺が言うのもなんだが過去に固執するな。俺達は未来のために戦うんだ)

 

承一郎「…ああ、なら今は彼女達を守るために戦おう!」

 

JOJO「…その言葉を待っていた」

 

瞳が紅くなり、入れ替わる。

 

JOJOの額─ちょうど昔千棘を守って負った傷の位置と一致していた─から白い破片が突き出た。

 

それはまるで鬼。復讐のために一度堕ちた鬼は、今度は守るために戦うことを改めて決意した。

 

JOJO「…さぁ、来い!」




スタンドプロフィール

TATTO YOU(タトゥーユー)

ステータス
【破壊力-なし/スピード-E/射程距離-C/持続力-B/精密動作性-E/成長性-E】

11人の背中に刻まれたタトゥーのスタンド。

11人の男たちの背中に描かれた、人間のような「絵」の中に入り込み、空間を無視して移動することができる。

「11人でひとつ」の能力で、誰かが死亡したとしてもスタンドは消滅しない。

入り込んだ相手が死亡している場合は、死体を動かして移動させることもできる。

スタンド名の由来は、ザ・ローリング・ストーンズのアルバム『TATOO YOU』。

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