ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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宿敵同士の力を受け継いだ混合体(アマルガム)

その瞳には、何が映るのか。


第55話 11人の男達 その③

JOJO「…さぁ、来い!」

 

JOJOは空間で死体の中に入った。

 

死体はズルズルと承一郎の周りを180度囲っている。

 

とてもシュールな状況だが、そこに漂う緊張感が生死をかけた戦いであることがわかる。

 

死体の中から男達が出て来た。しかも前と後ろから一人ずつ。

 

ダァン!ダァン!ダァン!

 

JOJOは銃弾を前の男に撃ち込んだ。しかしこのままでは背後の敵に対処出来ない。

 

ダァン!ダァン!ダァン!

 

だが、JOJOは弾丸を正面に撃ち続ける。

 

背後の男はゆっくりと崩れ落ちる。

 

JOJO「『ブラッディ・シャドウ』…背後に空間を繋いで弾丸を撃ち込んだ」

 

だが、前と後ろの男達はJOJOにしがみつく。

 

その体には、ピンが抜かれた手榴弾が何個も纏われていた。

 

JOJO「コイツらッ‼︎手榴弾を自分の体にッ…‼︎」ピキピキ…

 

JOJOは骨の鎧の硬度を上げるが…

 

ドグオオォォォォォン‼︎

 

爆発が連鎖した爆発をモロに喰らうJOJO。

 

いくら骨の鎧を纏っていると言っても、沢山の手榴弾の連鎖爆発は耐えきれない。

 

ダァン!ダァン!ダァン!

 

男達は爆死した二人の事など見向きもせずにJOJOに撃ち込む。

 

JOJO「ぐああッ!」

 

承一郎(このままだとやられる…ッ!だがコイツらの目的は何なんだ?僕を始末するためなら小野寺君達のいる車両に移動する必要はないはず…)

 

JOJO(だとしたら、コイツらはの目的は俺達の始末と、何か(・・)の奪取なのか…?)

 

承一郎(だけど、まずコイツらを倒さないと!JOJO、壁際に移動してくれ!)

 

JOJO(了解だ)

 

片方が作戦を練り、もう片方が作戦を実行する。

 

『右を見ながら左を見る』。そんな一人では不可能な事を可能にする。

 

まさに一人で二人。それが承一郎とJOJOなのだ。

 

JOJO「ハァ…ハァ…」ズリ…

 

JOJOは弱った演技をしながら壁際に移動する。

 

JOJO「ハァ…ハァ…」

 

男「死ね」スチャ

 

男達は銃を向ける。

 

JOJO「ハァ…ハァ…俺達(・・)が何も考えずに壁際に移動すると思っているのか?俺達(・・)が自分の能力(ちから)を知らないとでも思っているのか?」

 

承一郎とJOJOは波紋と吸血鬼の能力を研究し尽くした。今では父二人の技が使えるまでに成長した。

 

JOJO「逆だぜ…これならお前ら全員をまとめて捕らえる事が出来るからだぜ!」

 

ザワザワ…とJOJOの髪がうごめく。

 

JOJO「『死髪舞剣(ダンス・マカブヘアー)』ッ‼︎」ビシュッ!

 

JOJOの黒髪が伸びて、男達を拘束するッ!

 

死髪舞剣(ダンス・マカブヘアー)』とはッ!100年以上前にディオが屍生人(ゾンビ)として使役していた黒騎士ブラフォードの技だ!

 

髪の毛を自在に操りジョナサンを苦しめた技でもある!

 

本来はブラフォードの技ではあるが、新婚旅行中のジョナサンを奇襲する時にディオも使用していた!

 

承一郎「さらにッ!髪の毛を伝わる波紋疾走!『黒髪の波紋疾走(ブラックヘアー・オーバードライブ)』‼︎」バシィッ!

 

髪の毛に波紋が伝わり、男達に直撃する!

 

承一郎は吸血鬼と波紋使いの両方の能力を得ている。

 

だがストレイツォとは違い、吸血鬼の体で波紋を練っても肉体は消滅しない。

 

男達は声を上げずに倒れていく。

 

ダァン!ダァン!ダァン!ダァン!

 

JOJOは倒れた相手に一人ずつ銃弾を撃ち込んでいく。尋問をするのは一人だけでいい。

 

JOJO「アンタは…母を知っているのか…?」グイッ

 

JOJOは最後に生き残った男の頭を掴む。

 

男「……」

 

JOJO「この邪悪な瞳を見ろ(look into my evil eyez)…」

 

JOJOの紅い目から火花が走り、吸血鬼の催眠術がかかる。

 

JOJO(…ん?こいつ、何か精神プロテクトのようなものがかかっているぞ?)

 

JOJOは男の記憶のさらに奥を探る。

 

JOJO「…!こ、これはッ…!」

 

男の記憶が映像となって映し出される。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

どこかの建物の中から映像が始まった。

 

男と他の男達が振り向くと、そこには誰かが立っていた。

 

塩基配列の描かれた包帯状のラインが全身に走っており、顔の王冠のような物と肩、腰の辺りは紫色の装飾品のようなもので覆われている。

 

人の形をしているが、どう見ても人間ではない。

 

だが承一郎とJOJOにはこの異形には見覚えがあった。

 

承一郎(これはスタンドだ!しかもこのスタンドは…!)

 

JOJO(白蛇(ホワイト・スネイク)!バカなッ!本体であるエンリコ・プッチは承太郎さん達に敗れ去ったはず…!)

 

ホワイト・スネイク(以下HS)『…君達に任務が下された。任務内容はこの少年の始末、それと『あの御方』の『遺体』の回収だ』

 

JOJO(何を言っているんだ⁉︎『遺体』なんて物は俺達は持っていないぞ!)

 

HS『君達も知っている通り、『あの御方』の『遺体』にはとてつもない(パワー)が秘められている。我が祖国のさらなる繁栄の為に、『遺体』は必要だ』

 

承一郎(『あの御方』…?一体何者なんだ?死後の肉体にまで(パワー)があるなんて…)

 

HS『君達にはこの『DISC(ディスク)』が相応しいだろう…。閣下の期待に応えられる事を祈るよ』

 

ホワイト・スネイクは『DISC』を男達に差し込んでいく。

 

そこで、映像が乱れる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

JOJO「…なるほど、必要な情報は分かった」

 

JOJOは男を離し、千棘達がいる車両へ歩き出す。

 

男は懐からコンバットナイフを取り出し、後ろからJOJOに襲いかかろうとする。

 

コンバットナイフが刺さろうとする瞬間に、

 

ガシィッ!

 

JOJOは男の首を掴んだ。

 

ピッキィィィーーーーz________ン‼︎

 

その瞬間、男の体が首から下まで氷漬けになった。

 

JOJO「…『気化冷凍法』…」

 

JOJOは体の水分を蒸発する事によって気化させ、男の体の熱を奪い、凍らせた。

 

男「ぐっ…!」

 

JOJO「貴様…そんなに仲間の後を追いたいか…」

 

JOJOは男の体を片手で持ち上げた。

 

JOJO「いいだろう!ならば!最も残酷な死を贈ろう!」

 

JOJOの紅い瞳には、漆黒の炎が燃えていた。

 

JOJOは承一郎と記憶と経験と共有している。

 

JOJOという人格が形成されたのは母が亡くなってからだが、母への愛情は承一郎と同じくらいある。

 

その母が殺されたと知った時、JOJOにも憎悪の炎が燃えていたのだ。

 

JOJO「死の忘却を迎え入れろォ‼︎」

 

ドバァァァァァン‼︎

 

バラバラ…と男の体が砕かれ、散っていく。

 

JOJO「そういえば、名前を言っていなかったな」

 

JOJOは一旦車両に向かう足を止めて、言う。

 

ジョニィ「俺はジョニィ・ジョースター。コードネームは…The Venom(憎悪)、…またの名をViper(毒蛇)だ」

 

JOJO…いや、ジョニィ・ジョースターは無情も砕いた男を見向きもせずに言った後、車両に戻った。

 

その額には、角がなくなっていた。




承一郎のコードネームの由来は…

MGSが好きなだけだよ‼︎悪いか‼︎(ヤケクソ気味)

Vはラテン語で5という意味があって、DIOの5人目の息子である承一郎とJOJOを現すコードネームという事です。

この物語には主人公の母を殺した人間への復讐という話も組み込む予定なんですよね。

P.S.

UA20000越え‼︎嬉しいです!

タグにMGSを追加しました。

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