ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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原作タグをニセコイに、タグをジョジョに変えました。やっぱりこうしないと上手くいかない…(汗)

不定期更新気味になっているのがどうしようもない(汗)

それでは夏休み編、再開です!


第58話 縁日

縁日、それは屋台が立ち並び多くの人で賑わう夏の一大イベントだ。

 

承一郎「いらっしゃいませーー」

 

僕は組の屋台で焼きそばを作っていた。

 

組員1「坊っちゃん、そろそろ休んだらどうです?朝からずっと働き通しじゃあないですか」

 

承一郎「いいんだよ、僕は夜に休み貰ってるんだからその分働かないと」

 

僕は袋を持って屋台から出ようとする。

 

組員1「そいつぁなんです?」

 

承一郎「差し入れだよ、他の屋台の皆に渡してくる」

 

組員1「坊っちゃん…‼︎あんたってお人は…‼︎」

 

そう、今日こ夜にさえ時間をくれれば手伝いなんて軽いものだ。今夜僕には絶対はずせない重大な任務があるのだ…!それは──

 

承一郎(この祭りの夜にだけ販売されるスーパーウルトラ縁結びアイテム…‼︎“恋むすびのお守り”を手に入れる事だ…‼︎!)

 

承一郎(噂によればその効果は絶大…‼︎持っているだけでとてつもない恋愛成就力を発揮するというありがたいお守り…!販売直後すぐさま完売する程の人気ぶりらしい…‼︎)

 

承一郎(絶対手に入れるぞ…‼︎そしたら僕も小野寺君と…!)

 

ジョニィ(誰かこいつに小野寺が好意持ってるって教えてやってくれ)

 

そんな事を僕が考えていた時に、

 

?「キャッ」

 

人にぶつかってしまった。

 

承一郎「わっ!すみません……」

 

そのぶつかった相手はアイスクリームを持った千棘だった。

 

千棘「何やってんのよあんた」

 

承一郎「…君こそ」

 

千棘「あたしは純粋にお祭りを楽しむに来てんのよ。なんでこんな日まであんたの顔見なきゃあなんないわけ?」

 

承一郎「僕だってウチのもんの屋台手伝いに来てるだけだよ」

 

組員1「おーい坊っちゃん!すいません、このビールも一緒に持ってって…おや⁉︎そこにいるのは坊っちゃんの彼女じゃあないですかい⁉︎」

 

組員がやって来た。

 

組員1「こいつあいけねぇ…‼︎坊っちゃん彼女が来てんのにオレらのために頑張ってくれてただなんてお優しい方だぁ…‼︎」

 

承一郎「いや…おいちょっと…」

 

組員1「店の事はもうオレらに任せて下せぇ‼︎な〜に心配はいりやせん!彼女と縁日なんて男のあこがれるシチュエーションベスト3じゃあありゃあせんか…‼︎」

 

ぶっちゃけそんな事知らない。というかその情報どこ調べなんだ?

 

組員1「そいじゃあ楽しんでって下さいね〜‼︎」

 

これで僕達は縁日でも恋人として過ごさなければならなくなった。

 

千棘「…なんでこうなるのよいつも…」

 

承一郎「…僕も知らないよ」

 

千棘「…あーもう!せっかく楽しみにしてたのに!こーなったらとにかく食べる!あんた彼氏としているならおごってよ!私たこ焼き食べたい‼︎」

 

千棘さんはたこ焼き屋を指差して言った。

 

承一郎「…なんで僕が」

 

その時、僕にある考えが浮かんだ。

 

承一郎「……!…ねぇ、向こうに別のたこ焼き屋があるからそっち行こう?」

 

千棘「え?なんで?」

 

承一郎「やぁ、おつかれ」

 

僕は集英組(ウチ)の組員が経営しているたこ焼き屋に行った。

 

組員2「あれ⁉︎坊っちゃん‼︎休憩入ったんスね‼︎」

 

承一郎「たこ焼き貰いたいんだけどいいかい?」

 

組員2「そりゃあもちろん!好きなだけ持ってって下せぇ‼︎」

 

千棘さんは貰ったたこ焼きを眺めている。

 

承一郎「…どうしたの?味なら保証するよ?」

 

千棘「…あんたの家の人ってかなりの人数いたわよね」

 

承一郎「うん、今日もかなり屋台出してるね」

 

千棘「…その全てが無料…?食べ放題の遊び放題…?」

 

承一郎「……まぁ言い方はアレだけどそうだね」

 

千棘「……」コホン

 

千棘さんは一度改まって

 

千棘「ねぇ承一郎、今から私とデートしない?」

 

と言ってきた。

 

承一郎(現金だねこの子)

 

ジョニィ(まぁ金銭感覚が狂っているよりマシだろ)

 

千棘「だってタダよタダ‼︎あんたフリーパス代わりって事でしょ⁉︎最高じゃあないこれ…!」

 

承一郎「…せめて生き物として扱ってくれ」

 

千棘さんはキャホー‼︎とはしゃいでいる。

 

承一郎(…やれやれ)

 

承一郎「…ん?(……気のせいかな?)」

 

僕は誰かいたような気がしたが、気にせず千棘さんについて行った。

 

承一郎(…しかし、考えてみたら僕この子といる時間ホント多いよなぁ…。出会ってすぐに恋人のフリをする事になって、ホント…変な縁というか…)

 

女1「あ!あれ見てあの子かわいー!」

 

女の人の声に千棘さんがピクッと反応した。

 

女1「すっごいキレイな金髪〜」

 

女2「ハーフ?」

 

女1「スタイルいいな〜うらやましい〜」

 

声を聞いて千棘さんは僕にドヤ顔をする。

 

承一郎「…分かったからすぐそのドヤ顔引っ込めてくれ」

 

男1「…しかし彼氏の方はサエねーなぁ」

 

男2「なんであんなのと付き合ってんのかな」

 

男1「遊びに決まってんじゃん」

 

…聞こえているんだが、もしかしてわざとか?しかも千棘さんは笑いを堪えているがすごく馬鹿にしてる。

 

承一郎「容赦なくムカつくね君は」

 

承一郎(…しかし、カップルには見えるんだね僕達。ずっと恋人のフリしてるし当たり前かな…?)

 

女「…でもあの子なんで浴衣じゃあないのかなー」

 

男「なー?絶対似合うのに…」

 

千棘「……ねぇ…やっぱり浴衣ってそんなに良い物なの?」

 

承一郎「え?まぁ…そうなんじゃあないのかな?」

 

千棘「……ふーん…」

 

少し移動して金魚すくい屋。

 

千棘「あっ」バシャ‼︎

 

千棘さんの金魚すくいのポイ(金魚を掬う道具)の紙が破けて金魚が逃げてしまう。

 

千棘「キィ〜〜‼︎こんな薄い紙で取れるわけないじゃん!」

 

承一郎「止めときなよ。どうせ取っても飼えないだろうに…」

 

千棘「嫌!欲しいの!」

 

承一郎「しょうがないな。ちょっと貸して」

 

千棘「え?でもコレほとんど破けて…」

 

承一郎「コォォォォ…ハッ!」シュババババ

 

僕はほとんど破けているポイを受け取って、金魚を次々と椀にすくい取った。

 

千棘「ええーー⁉︎スゴ…‼︎なんで取れんの…⁉︎」

 

承一郎「フッ…こういうのは家でいくらでも練習出来たからね。言っとくけど縁日での僕は無敵だよ…?」

 

まぁそんな事は自慢も出来ない事だけど。ほとんど破けていても波紋で枠に水を固定してすくっているんだ。

 

組員3「お?来やしたね坊っちゃん。坊っちゃんが来るとウチはいつも惨敗なんで今年は坊っちゃんのために大物を仕入れてあるんスよ…!」

 

承一郎「何…?」

 

組員3「こいつです‼︎」

 

その大物とは…

 

承一郎「錦鯉じゃあないかッ‼︎!」

 

試しに僕はポイを構える。すると、ポイの枠に錦鯉がはまった。

 

承一郎・千棘・組員3((取れたーーー‼︎!))

 

組員3「また…来年のお越しを…」

 

すごい落ち込んでる…。まぁ錦鯉ということ反則技を使ってんだからしょうがないけど。

 

千棘「スゴッ‼︎あんたってスゴ‼︎」

 

承一郎「いや…本人が一番びっくりしてるんだけど…」

 

承一郎「はい」

 

僕は金魚が二匹入った金魚袋を渡した。

 

千棘「!」

 

承一郎「たくさんいてもしょうがないだろう。とりあえず二匹だけね。飼い方は今度教えるよ」

 

千棘「…へへっ、うん…!ありがと!」

 

承一郎(…なんだ、やけに上機嫌じゃあないか。お祭りだからかな…?)

 

あれ?今千棘さんの金魚袋を切ろうとする橘さんが見えたような…。幻覚かな?

 

千棘「…あれ?なんかあっちの方すごい人だかり出来てない?」

 

承一郎(あっ…!お守りの販売時間忘れてた…‼︎)

 

承一郎「…悪い千棘さん、僕はあっちで買いたい物あるからこの辺で待っててくれるかい?」

 

千棘「え?待つってどこでよ…。さすがにこの人手じゃあはぐれちゃうじゃあない…?」

 

承一郎「う〜んそうだな〜…」

 

承一郎(近くに目印になりそうな物も無いし…)

 

千棘「…しょうがないわね。ほら」ギュッ…!

 

承一郎「え」

 

千棘「これなら人ゴミの中でもはぐれたりしないでしょ?付いてってあげるわよ。あんたがいないと私タダで買い物出来ないし…」

 

くそっ…、

 

千棘「ほら!さっきと行くわよ!」

 

何を意識してるんだ僕は…。

 

承一郎「わ…わかったよ…!」

 

僕は小野寺君が好きで恋むすびを買い来ているんだ。

 

千棘「う〜〜、すっごい人〜〜」

 

ドキドキしてる場合じゃあないだろう…。

 

承一郎「…大丈夫かい千棘さん?絶対離さないでよ?」

 

承一郎(もう少し……もう少しで…)

 

僕の手がついに恋むすびに届いた。

 

承一郎「やっ、やったッ‼︎!買えたぞーーー‼︎!」

 

千棘「ちょっと…!ちゃんと買えたの…?だったら早く…キャッ」

 

千棘さんの手が離れて、人ゴミの中に紛れてしまった。

 

承一郎「‼︎あっ…!千棘さん…⁉︎やばい、彼女どこ行った⁉︎」

 

人ゴミの中で手が出ているのを発見した。

 

承一郎(おっ!いた…!アレか…⁉︎)

 

承一郎「まったく、だから離すんじゃあないって…」ガシッ!

 

僕が手を引っ張った次の瞬間人ゴミから出てきたのは、小野寺君だった。

 

小咲「え……」

 

承一郎「へ……」

 

承一郎(ちっ…千棘さんが小野寺君になったーー‼︎?)




おまけ

小咲「…一条君?」

承一郎(こ…この浴衣選んだ人わかってる‼︎)

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