ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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皆さん、長らくお待たせしました!やっと二学期目が始まります!

ちょっとテスト期間だったのと原作沿いにするとちょっと一話分が長くなってしまいまして…四千字は長い…(汗)

それでは第4章、スタート!


第4章─女心はよく分からない─
第62話 演劇の配役


集英組───

 

ヤクザ1「…そういやぁ最近坊っちゃんと例のお嬢ちゃん一緒にいるとこって見たか…?」

 

ヤクザ2「いや?そういや見ねぇなぁ…」

 

 

ビーハイブ───

 

ギャング1「今まであの二人が三日以上会わなかった事なんて無かったハズだぜ?」

 

ギャング2「それがもう十日近くも連絡とってねぇとか…」

 

クロード「まさか…あの二人……」

 

 

学校───

 

新学期、夏休みも終わり残暑の中再び学校が始まる─

 

承一郎(…まったく、彼女あの海に行った日以来電話もLINEも全部無視している。…わけが分からない…何を怒ってるんだ?いやそもそもあれは本当に怒ってたのか?)

 

小咲(…一条君なんだか元気がないなぁ…。もしかして千棘ちゃんとのケンカまだ続いてるのかな…?)

 

承一郎(…ダメだ、さっぱり分からない。もともと彼女の考えなんて分かるわけないけど…)

 

 

『…私達が本当の恋人だったら、上手くいってたと思う…?』

 

『…答えてよ』

 

『………ごめん…』

 

 

あの海辺での千棘の言葉が思い出される。

 

承一郎(…なんなんだ、その『ごめん』は。今まで僕とケンカしてもまともに謝った事なんて無いクセに…。……彼女、まさか学校にも来ない気じゃあ…)

 

ガラッ‼︎といきなり教室の扉が開き、千棘が教室に入ってきた。

 

千棘「……おはよ…」

 

承一郎「あ…うん…」

 

承一郎「…連絡くらいしてくれ。無視はちょっと冷た過ぎるんじゃあないか…?」

 

千棘「……ごめん、色々忙しかったから…」

 

承一郎(………なんだこの冷たい空気…)

 

承一郎「…何を怒ってるんだい。ちゃんと言ってくれ。言わなきゃあ分からないだろう…」

 

千棘「………別に怒ってなんかない。…ほら、そろそろ黙んないとHR始まるわよ」

 

承一郎(な…なんだ?なんなんだ彼女のこの態度は…‼︎今までも前日に何かあっても翌日ケロッとしてる事は何度かあったが、今回はそのどれとも違うような…)

 

朝のHRの時間になり、集が前に出た。

 

集「…はいはい注目〜〜‼︎それでは早速今年行われる我が校の文化祭の話し合いを始めたいと思いま〜す‼︎」

 

男子1「げ〜〜〜‼︎舞子が実行委員かよ〜‼︎」

 

男子2「変な企画立てんなよ〜?」

 

集「シャラップ‼︎私が文化祭実行委員に立候補したからには忘れられない素晴らしい文化祭をプロデュースしてやるぜ…‼︎我がクラスの出し物は厳粛な投票によって文化祭当日に行う演劇に決まった‼︎気になる演目は…『ロミオとジュリエット』‼︎」

 

『ロミオとジュリエット』とは、イングランドの劇作家ウィリアム・シェイクスピアによる戯曲の一つで、恋愛悲劇として有名な物語だ。

 

承一郎(『ロミオとジュリエット』か…僕達とは全く逆だね)

 

ジョニィ(そうだな。両家が争っているのは同じだが、お前達はその争いを止めるために恋人のフリをしてるからな)

 

集「今日はその配役を決めたい…!そこでどうだろう私の提案なのだが、主役のロミオとジュリエットには我がクラスの有名ラブラブカップル…‼︎一条承一郎と桐崎千棘嬢にお願いしようと思うのだがいかがかー‼︎」

 

集の提案に満場一致の拍手が起こった。

 

承一郎「ええっ⁉︎ちょっ…ちょっと待ってくれ…‼︎おい集…‼︎」

 

千棘「やらない」

 

千棘は拒否した。

 

千棘「演劇に興味もないしやりたくもない。誰か…他の人に…」

 

集「…う〜んそっかぁ、残念だけど仕方ないねぇ…。じゃあ誰か他の人に…」

 

万里花「はいはいは〜〜い‼︎私がやりますわ‼︎ジュリエット‼︎」

 

万里花がすぐさま手を挙げ立候補する。

 

万里花「私と承一郎様が演じるロミオとジュリエット…!ああなんて素晴らしい…!共に頑張りましょうねロミオ様…‼︎」

 

承一郎「誰がロミオだ‼︎」

 

万里花「…構いませんよね?桐崎さん♡」

 

千棘「…好きにすれば」

 

万里花も千棘の反応に違和感を覚えた。

 

万里花「…どうしたんですかこの人」

 

承一郎「…いや…」

 

男子1「何ィィイィ〜‼︎?マリカさんがジュリエットだとぉ〜〜‼︎?」

 

男子2「ならばロミオはオレがオレが〜〜‼︎」

 

万里花がジュリエットをやると言った途端に男子達が立候補しまくる。

 

承一郎「うおおおお〜〜‼︎落ちついてくれ〜〜‼︎おい集‼︎僕だってロミオ役なんてやりたくないんだけど…‼︎」

 

万里花「え〜〜⁉︎やりましょうよ承一郎様〜‼︎」

 

集「う〜ん……仕方ねぇな。ならここは公平にくじで決めるという事で…」

 

くじの結果、ロミオ役は承一郎、ジュリエット役は小咲に決まった。

 

男子1「ええーー‼︎?なんでまたジョジョがロミオ〜〜‼︎?」

 

男子2「死ねーー‼︎」

 

承一郎「僕だって知らないよ‼︎」

 

集(承一郎…お前って実はもの凄くクジ運良いんじゃあ…)

 

万里花「小野寺さん」ガシッ

 

万里花が小咲の肩を掴んだ。

 

小咲「へ?」

 

万里花「替わってくださいまし」

 

小咲「ええっ‼︎?」

 

万里花「良いではありませんか!私は承一郎様と主役を演じたいのです…‼︎小野寺さんの同意を頂けるなら替わっても構わないでしょう⁉︎どうかどうかどうかどうかお願いしますわ‼︎」

 

小咲「え…えーと…」

 

承一郎(…やっぱりこうなるか)

 

小咲「ご…ごめんなさい…。でも…その…実は私もやってみたいかなって…。その…主役…」

 

承一郎(え……)

 

万里花「………ふ〜ん…?…そうですか、なら仕方ないですわね。でしたら私は当日小野寺さんが出演出来なかった時のための代役で手を打ちます。それでよろしい?舞子さん?」

 

集「オッス、よろしいですわよ♡」

 

集よ、それはキモイからやめろ。

 

承一郎「……小野寺君…演劇とか興味あったのかい…?」

 

小咲「え?う…うん、えーと…す…少しだけ…?」

 

承一郎「…?」

 

承一郎(…ヤバイ、マジか‼︎僕と小野寺君がロミオとジュリエット⁉︎まさか小野寺君と恋人役をやる日が来るなんて…‼︎たかが劇とはいえ緊張してきた…‼︎………しかし…)

 

千棘の素っ気ない態度に、承一郎の胸にはは何かモヤモヤしたものが残った。

 

 

キング・クリムゾン‼︎

 

 

帰りのHR───

 

集「…それじゃあ放課後劇の練習始めるから教室集合なー」

 

一同「「おーー!」」

 

承一郎は千棘の席が空席なのに気づいた。

 

承一郎「ん………………あの子……」

 

承一郎はこれから帰ろうとしている千棘を呼び止めた。

 

承一郎「───おい!待ってくれ千棘さん!」

 

千棘「…何?」

 

承一郎「何?じゃあないよ。何早々に帰ってるんだい?」

 

千棘「だって私劇には出ないし特にする事もないもの」

 

承一郎「そうじゃあなくて…!一緒に帰らないと怪しまれるだろう。ラブラブ設定なんだから」

 

千棘「一日くらい平気よ」

 

承一郎「…………そういう問題じゃあ…。………なんで…ジュリエット役断ったんだい?僕達は恋人同士って事になってるんだから…あんまり無下に断ったら…」

 

千棘「…だってしょうがないじゃあない。やりたくなかったんだから…。…話はそれだけ?なら私帰るけど…」

 

承一郎「……‼︎だから‼︎こないだからなんなんだいその態度は…‼︎?文句があるなら言ってくれ‼︎何が気に入らないんだい…⁉︎何も言わずにいきなりそんなんじゃあこっちだって分からないだろう‼︎」

 

承一郎「僕が何かしたのかい…⁉︎気に障る事言ったのかい…⁉︎それとも他で嫌な事でもあったのかい…⁉︎全部解決してやれないかもしれないけど話してみるぐらい…」

 

千棘「………だから…何もないし怒ってないって言ってるじゃあない…。それとこうも言った。『もうなれなれしくしないで』って。私達別に本物の恋人でもないのにどうして人の見てないところまで仲良くおしゃべりしなきゃなんないの?………それじゃあ…」

 

千棘はそう言うとそのまま帰ってしまった。

 

承一郎(………………なんだい……それ……。僕はただ君の事を心配して──…僕は──…)

 

小咲「あれ?一条君?どこ行ってたの…?もうすぐ練習始めるよ?」

 

承一郎「ああ悪い、今行くところだったんだ」

 

小咲(………一条君達、やっぱりまだケンカしてるんだ…。一条君が元気なく見えるのはやっぱりそのせい──…?)

 

小咲は承一郎が持っていた千棘が写っていた写真を思い出した。

 

小咲(…ダメダメそんな事考えないの!私ったらすぐにもう…!…でも、本当になんだったんだろうあの写真…。一条君は千棘ちゃんの事どう思ってるんだろう…)

 

 

職員室───

 

小咲「…コレ、集めたプリントです」

 

キョーコ「おお!サンキュー!…しかし小野寺がジュリエットをね〜…。驚いたよ、どういう心境の変化かな…?」

 

小咲「えへへ…」

 

キョーコ「きっとよく似合うよ。こりゃ先生もバッチリ見ないとね〜」ガラッ…

 

小咲「いえそんな…」

 

小咲の目は、キョーコ先生が開けた引き出しの中にある写真に止まった。その写真は承一郎が持っていた写真だった。

 

小咲「………先生…その…写真は…」

 

キョーコ「ん…?ああコレか…?一学期に林間学校に行ったろう…?これはその時の写真なんだが…ほら、ここに小野寺が写ってるだろう?」

 

小咲(え…?)

 

キョーコ「先生のミスであんたの下着姿が入っちゃってね、一条がコレに気づいて持って来てくれたんだよ。多分他の子には見られてないから安心しな?案外紳士だねあいつは」

 

小咲「………一条君が…」

 

キョーコ「おっとイカン、一条には言うなって言われてるんだった。小野寺今の内緒な?」

 

小咲(…そうだったんだ。一条君は…私の事を想ってあの写真を届けてくれたんだ…。それを私は──…)

 

 

男子1「…よー一条、お前主役とかホントに出来んの?」

 

男子2「ダメならいつでも替わってやるぞ?」

 

承一郎「…うるさいな、余計なお世話だよ」

 

承一郎(…まぁ実際確かに僕に主役が務まるのか不安だが──…くそ…今は演劇なんて気分でもないのに…)

 

 

『なれなれしくしないで』

 

 

承一郎(…くそっ!もういい、あんな子知らない…!頭切り替えてこっちに集中しないと…こっちは小野寺君もいるんだし恥かかせるわけにはいかないだろう…!こうなったら精一杯やってやる…‼︎)

 

承一郎「…おおジュリエット‼︎僕は君だけを愛してるんだ──…‼︎」

 

小咲「……へ?」

 

承一郎の台詞に対して、小咲の顔は真っ赤に染まった。

 

承一郎「いや…小野寺君…次は『私もですロミオ様』…」

 

小咲「へ⁉︎あ…ああ、そそそうだよねごめん…‼︎」

 

小咲(…どうしよう、写真の事が思い過ごしって分かった途端すごい意識しちゃってる私…)

 

そんな中、校舎の外には千棘がいた。

 

千棘「…ホント、バカなんだから…」

 

その手には、演劇の台本が握られていた。


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