ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
八幡少年が最後に仕掛ける罠を、読者の皆は気付けるか?
ちなみに作者は全然気付かなかったです(汗)
八幡「俺の…負けだ」
首から下が氷漬けになった八幡少年が敗北を宣言した。
俺はスタンドを引っ込めた。一応骨の鎧を纏っているので、何か仕掛けてきても問題ないだろう。
一瞬、ハーミットアメジストをこっそり地面に這わせて背後にジェムストーンを出して金的をくらわそうとしているんじゃあないかと思ったが、そんな様子はなかったのでそこまで下衆じゃあないんだなと感心した。
JOJO「潔く負けを認めたか。ならば勝者の権利として聞かせてもらおう。ザ・ワールドの能力を得た本人はその先の運命を操れるのか?」
俺が今知りたい事はそれだった。
これさえ分かれば、後は大統領に報告して事が終わる。
元の世界に戻れる。彼女達に会える。
そう思いながらも聞くと、
八幡「フッ……」
JOJO「?何がおかしい?」
俺は八幡を警戒した。
八幡「相手が勝ち誇った時、既にそいつは敗北している…か」
JOJO「そうだ。静・ジョースターがデラウェアで言っていただろう?ジョースター家の家訓を。八幡少年、君はジョースター家の家訓を破ったのさ。相手が勝ち誇った時、既にそいつは敗北している。確実にとどめを刺してから勝ち…『シュウウ…』…?」バタッ
…何が起きたんだ?何故、僕は
ガオン!ガオン!
承一郎「⁉︎」
何故
八幡「相手が勝ち誇った時、既にそいつは敗北している。確実にとどめを刺してからから勝ち誇れ。やっぱり罠を見破れなかったな」
承一郎「ま、まさか!これは…!」
俺の両手は
八幡「お疲れな、『いろは』」
いろは「ハチ君!今すぐ治療するから待ってて!?」
静さんの透明化が解除され、エリナ・ジョースターの転生者、一色いろはが現れた。
俺はやっといろはの事を思い出したが、何故波紋の生命探知機が反応しなかったのだろう。
まさか…、俺が八幡の波紋を逆の性質の波紋で相殺したように、波紋探知機を逆の波紋で打ち消して分からなくさせていたのか。
八幡「いろは、頼む。完全に舐めてたわ。気化冷凍法とか忘れてた」
いろはが泣きながら八幡に治療を施すが、あまり効果はない。
仗助「任せとけよ八幡。クレイジーダイヤモンド!」
まさか…、分かっているから余計に怖い。
クレイジーダイヤモンド「ドラララララララ!」バリンバリンバリンバリン!
グロ注意!グロ注意!嘘だろう⁉︎体を粉々に砕くか普通⁉︎しかも躊躇いも無くやるなんてすごいな…。
能力で八幡の体は元に戻って氷が取り除かれていた。
承一郎「そうか、いろは。君の事を忘れていたよ」
いろは「気安く名前を呼ばないで下さい」
これは僕のミスだった。全員のトドメを刺さず、注意を怠っていた。これからは油断しないように反省した。
八幡「俺の大事な本物を舐めるなよ?確かにいろはは攻撃面では俺達に一歩譲るが、侮られるヤツじゃぁないんだよ。集団戦で敵に回ったら、真っ先に倒すべき存在だぞ?いろはは」
確かにその通りだった。さて、どうするべきか。奥の手はまだあるが…やるべきだろうか。
静「戦いが始まる前からイーハを私が隠していましたからね。自分の相手が何人いるか、それを忘れていた。それがあなたの最初のミス」
そうか、最初に『8人』と言っていた時点で僕は既に彼等の策に引っかかってしまったんだ。
それに、盗聴している時から八幡少年がボロクソ言われている時にいつも真っ先にからかってくる彼女が、僕を挑発している時に黙っているわけがないじゃあないか。
ジョルノ「本当だよ。お陰で、危なかったところだけど助かった。すぐにいろはがエメラルドヒーリングをしてくれなければ、命に関わる所だったよ」
億泰「手足にナイフをしこたま刺してくれたからよぉ、逆に手足を削ってやったぜ。足は小町が蒸発させちまったから、そっちはやり返せねぇけどな。こうなっちまったら仗助でもいろはでも治せねぇぜ。オメェの兄貴以外は治せねぇかもなぁ」
気絶をしていたみんなが次々と起きてくる。厄介だった故に気付いていたが、まさかこんな作戦があったのか。
小町「ぴょっ♪」
承一郎「っ!」
小町は気絶していた振りをして倒れていた体勢のまま跳び上がった。あんな跳び方、ツェペリさんでも不可能なハズだけど…。
小町「サンシャインルビーのアレを防げたのは見事だったよ?あんな避けかたをするなんて、あなたは将来大物になるかもね?でもね、あの一発は確認の為」
ん?何の確認だ?
小町「勝手にあのサインがルビーレーザーの発射の予備動作として防御に移った感じだったけどね?」
承一郎「違ったのかい?」
アレはダンの戦いで見たが、違ったのだろうか?
小町「あのサインは別にルビーレーザーを射つために必要な予備動作でも何でもないから」
な、何だと…⁉︎
サンシャインルビーは腕を組んだまま、肩のエイジャの赤石から解りやすく見えるように、赤いレーザーを上空に照射し続けた。
これは…まさか…!あの技は、ノーモーションで発射が可能なのか…?だとしたらホントのチートだな。
あの人差し指を掲げる動作は、周りの仲間に警告する為だったのか…。
承一郎「そうか…僕は聖女と仲間の絆に敗れたのか…」
父、DIOはエリナ、ホリィさん達聖女が原因で敗北したと言ってもいい。今回は、僕が聖女に敗北したのだ。
終わったのかと思ったのか、八幡はスタンドを引っ込めた。
承一郎「次にお前は『俺は負けを認めても、俺達が負けたとは言ってない』…と言う」
八幡「俺は負けても、俺達が負けたとは言ってない!…はっ!」
スタンドを引っ込めたのは八幡だけだ。やれやれ、油断大敵と言ったのは君だろう。
承一郎『やり返していい?』
小町『はぁ、まったくお兄ちゃんは。死なない程度でOKです』
承一郎『了解』
小町「はい、お兄ちゃんがまた負けました。今日はお説教ね?散々一条さんに油断大敵みたいに偉そうにしておいて、自分が油断してんじゃん。一条さんが良い人でよかったね!でなければお兄ちゃんは死んでたか、拐われてたから」
承一郎「アイコンタクトに気付いてくれてありがとう。確かに1度は、やられたよ。君の性格の悪さにね」
僕はブラッディ・シャドウで八幡少年の首から下を空間の中に入れて、首だけの状態にした。これが僕の奥の手だ。
承一郎「性格の悪さには性格の悪さで返してもらったよ。他のみんなは油断してなかったみたいだけどね」
周りを見ると、全員の視線が痛い。気付いていなかった八幡少年に呆れているのだ。僕の手足が再生したのにも気付いていないようだし。
ジョルノ「言っておくけど、僕は直していない。君はまだ油断があったみたいだね」
兄さんが無表情で見ている。本気で怒っている時の兄さんだ。
いろは「はぁ…また承太郎に鍛え直してもらった方が良いですよ?余りにも情けないです」
いろはがかなり冷たい目で八幡少年を見ている。
静「その前にパパに鍛え直して貰って下さい」
静さんも(ry
億泰「安心しろ。俺も仲間だ。俺も追い詰めておきながらやられた事があっからよぅ」
億泰さんは逆に同情する。優しいが逆に辛そうだ。
仗助「うちのバカが失礼したな。こいつに聞きたいことがあるならば、好きなだけ聞いてくれ」
仗助さんはもはや他人を見る目だ。
小町「陽乃さんの戦いを見ていたら、再生能力を持っていたことを見抜けたはずだよ。最後の最後に勝ち誇って。ジョセフや承太郎の前に小町がみっちり波紋の修行で一から鍛え直してあげる」
承一郎「あ、それ興味あるな。波紋の本場の修行を見せて貰って良い?」
小町「どうぞどうぞ♪むしろこのゴミいちゃんを破門にするんで」
承一郎「安心して良いよ。首から下は空間の中で繋がっているから。妹さんからお許しが出たら、出してあげるよ」
僕はニッコリと笑う。なにかと意気投合している僕達。
仗助「とりあえず、オメェに害意がねえのはわかった。あったなら八幡は拐われていたからな。話ならホテルでしよう。案内するぜ?このバカは尋問でも拷問でも、反省するまで好きにしてくれ」
承一郎「あ、はい。ところでどうします?あの『二人』」
僕は茅ヶ崎さんとミスタを指して言った。ちょっと本気でやっちゃったからな、あの二人…。
億泰「あー、それなんだけどよぉ、あいつ昨日から戦いっぱなしだったし、ずっと運転もやってただろう?小町のアレが決まった時に、「さすがにもう、無理」と言って眠っちまったんだよ。ずっと無理させちまってたからよぉ、文句言えなくて」
まぁ確かにミスタさんは結構頑張ったから仕方がないんじゃあないのかな?
だったら俺もと八幡少年もしゃしゃり出る。
八幡「俺もこの戦いは頑張ったから、ここで許してもらうのは…」
小町「ダメに決まってるでしょ。破門の戦死」
八幡「ですよね?」
僕は八幡のアホさ加減を生で見て、
承一郎「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」←本日7回目の(ry
と笑ってしまう。
一同「「お前か!下の階の奴は!」」
<= to be continued=
次回から、ザ・空気の大統領が動きます。
承一郎は無事に元の世界に帰れるのか?
それでは、また次回!