ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
それとスマン、静かにというタイトル…ありゃウソだ(汗)
〜千棘side〜
廃工場内───
私が目を覚ました時には、私はどこかの工場の椅子に座らされていた。
両手は後ろにまわされ、両手両足は紐で拘束されていた事に気づいた。引き千切って脱出しようかと考えたが、クロロホルムか何かで眠らされていたせいかまだ力が入らない。
周りを見渡しすと私の周りには三十人くらいの男達が立っていて、拳銃を持っているやつもいた。
男「さぁ〜て、これでまずビーハイブの嬢ちゃんを誘拐する事が出来たな…。護衛も付けずに一人で歩いてんだもんなぁ!」
男「攫ってくれって言ってるようなもんだぜぇ!」
男達のギャハハという品のない下卑た笑い声が工場内に響く。
千棘「あんた達…私を攫ってどうするつもり?」
傍で笑っていた筋肉質の男に問いかけると、男は私の表情を見て目を見開いた。
男「ほぉ?さすが、巨大ギャングの一人娘といったところか…。誘拐され、これから何をされるかもわからないというのに…冷静でいられるか」
千棘「舐めないでくれる?アメリカにいた頃はあんたみたいな奴らに結構ちょっかいかけられてたから」
誘拐されたことはないものの、未遂までならアメリカにいた頃は何度か経験していた。
日本よりもアメリカの治安は悪い。その分、争いごとに巻き込まれることは決して少なくはない。
男「あんたを誘拐した理由か…。心配すんな。俺たちが用があるのはビーハイブという組織にじゃあねえ」
千棘「えっ?」
男の思わぬ言葉に目を丸くする。
てっきり、自分を人質にして組織を潰すかそれとも吸収するか、どちらにしろビーハイブに仇なすつもりだとばかり思っていた。
だが、男の狙いはそうではなかった。
男「あのお前の恋人…、一条とかいうガキに用があるんだよ…!」
千棘「っ⁉︎」
男達の狙い、それはビーハイブではなく集英組。それもその息子の承一郎なのか。私は目を見開いて驚愕する。
しかし何故?確かに承一郎はヤクザの息子だけど、そういう裏の世界ではあまり知られてはいないと鶫から聞かされたことがある。
男「オレ達はな、麻薬で大稼ぎしてたのをあの一条ってガキに邪魔されたんだよ!麻薬ルートに取引写真まで撮られて…葛西のヤロー、何やってんだか」
男「おかげで俺たちはドブネズミのような生活を強いられたんだよ!サツから逃げて、飯を食うのにも苦労するような生活、何で俺たちがしなきゃならねぇんだ!だから俺たちの憎しみをぶつけてやるのさ!お前の恋人…一条承一郎になぁ!」
承一郎が麻薬組織を潰した?でもあいつそんな素振りすら見せなかったハズ。
そういえば前につぐみが夜遅くに帰って来たのを覚えてる。集英組と合同の任務があった事も。まさかその時に?
男「ここで待ってるんだな!お前の恋人が蜂の巣にされるその様をな!」
そんなわけない。あいつが来るハズがない。今頃は劇の本番の準備をしているだろーし、私なんてどうせニセモノの恋人。
来るハズがない。…でも、つい思ってしまう。
あいつが助けに来てくれるって──
そう考えていると、
ブゥゥゥン…ブゥゥゥン……という羽音が聞こえてきた。
男1「な…なんだ⁉︎」
男2「気をつけろ!蜂の大群だァーーッ‼︎」
突如現れた蜂の大群に混乱する男達。
そんな中背後から
承一郎?「いいか千棘?今紐を解くから大きな声を出すなよ?」
承一郎がいた。
〜千棘side out〜
千棘「じょ、承一郎…!なんで…?」
ジョニィ「お前を助けに来たのに決まってるだろ。それ以外に何があるんだ?」ブチッ!
ジョニィは千棘の紐を解いて、無線を入れる。
ジョニィ「カズ、今だ!」
カズ『了解ボス!GO!』
カズの合図と共に戦闘班のスタッフ達が工場に突入する。
ジョニィ「オレは千棘を脱出させる!カズ達は制圧を頼む!」
カズ「了解だ。お前ら、一人も逃すな!」
戦闘班「「イエッサー!」」
戦闘班スタッフは慣れた手つきで男達を制圧する。一人一人訓練された精兵達がゴム弾(日本で実弾はマズイらしい。ギャングとかはドンパチやってるのに)で男達を気絶させる。
男「このッ…!」
男達は懐から拳銃を取り出して承一郎に撃とうとする。だが…
ジョニィ「連続ッ!Cッ!」ブンッ!
男「うげっ!」
ジョニィ「Qッ!」
男「うごぉっ!」
ジョニィ「Cッ!」
男「アギッ!」
ジョニィの連続CQCが炸裂し、男三人は宙を舞い落下して地面に叩きつけられた。しかも拳銃は全て投げられた時に分解された。
ジョニィ「千棘、早く逃げろ!退路は鶫が確保している。お前は早くここを脱出しろ!」
千棘「承一郎は…?」
ジョニィ「オレは…まだやる事がある。元々はオレの不始末のせいでお前を巻き込んでしまったかんだ。落とし前はキッチリつけないとな」
ジョニィは鶫のいる退路を指差す。
ジョニィ「早く行け!」
千棘「う、うん…」
ジョニィは千棘が退路へ進んだのを確認すると、ジョニィは腰を差した刀を取り出す。
高周波ブレード──高周波によって原子間結合を強固にし刀身の強度を高め、逆に高周波エネルギーを帯びた刀身に触れた物体は原子間結合力が弱められるため、刀剣の切断能力を大きく高められた刀だ。
ジョニィは刀を圧倒的なスピードで一閃、鞘にカシュン…と戻すと、
ガラガラガラ……!と退路が崩れた。
ジョニィ「さて…斬られたい奴から前に出ろ」
男「なんだとテ『スパァァァン!』メェ…?」ズルッ
男は言い終わる前にジョニィに斬られ、上半身と下半身が分かれた。
ジョニィ「てめーら…オレの女に手を出して、タダで済むと思うなよ!体を引き裂いて、臓器を順番に並べてやるぜ!」
ジョニィは刀を構え、男達に宣言した。
完全にタイトル詐欺だなコレ…どこが静かになんだ…?(震え声)