ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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もうこの際、静かにというサブタイは無視してくれ…。


第67話 毒蛇は静かに獲物を狩る その④

千棘はジョニィに言われて退路を進む。

 

その途中で、鶫と合流した。

 

鶫「お嬢!ご無事で⁉︎」

 

千棘「ええ、私は平気。それよりも承一郎が…」

 

鶫「あの男なら大丈夫です。ひとまずここから脱出します!」

 

千棘と鶫は廃工場から脱出し、ピークォドと合流した。

 

ピークォド「鶫さん、そちらが千棘お嬢さんで?」

 

鶫「ああ、早くここから離脱を!」

 

千棘「ちょっと待って、承一郎は…?」

 

ピークォド「こちらピークォド、ボスはどうします?」

 

ピークォドはジョニィに無線を送る。

 

ジョニィ『こちら「毒蛇」、こっちは問題ない。そのまま千棘と鶫を連れて離脱しろ。こっちはすぐに戻る』

 

鶫(『毒蛇』だと…⁉︎まさか…)

 

ピークォド「了解!それでは二人共、離脱します」

 

千棘「ちょっと、あいつは置いていくの…⁉︎」

 

ピークォド「大丈夫ですよお嬢さん、ボスは不可能を可能にする男です。それにボスには軍隊を引き連れても勝てるかどうか分かんないですし」

 

 

ジョニィ「斬ッ!」スパァァァン!

 

男「ギャァァァァ‼︎」

 

高周波ブレードが男の胸を斬り裂き、

 

ジョニィ「奪ッ!」ドスゥッ!

 

手を男の胸へ突っ込んだ。

 

ジョニィが手を戻した時、手には心臓が握られていた。

 

そしてその心臓を握り潰す。

 

男「このッ!」ダァン!ダァン!

 

チュイン!と男が撃った弾丸をジョニィは走りながら叩き落す。

 

男「ヒィッ…!」

 

ジョニィ「情け無いぞ!男なら…覚悟を決めろ!」スパァァァン!

 

ジョニィは斬った男の首元を掴み、

 

ズギュン!ズギュン!

 

血を搾り取った。

 

男「ぐぇっ⁉︎血…血がぁ…ッ⁉︎」

 

ジョニィ「フンッ!」ブォンッ!

 

ジョニィが吸血した男を他の男達に投げる。

 

ドバァッ!と男達の体が肉片となって吹き飛ぶ。

 

男「クソッ!」カチッ!

 

男は手榴弾(グレネード)を投げつける。

 

ドォォォォォン‼︎と爆発する。

 

男「ヒヒッ、やったか…!」

 

だが、その煙の中からジョニィは刀を両手で振りかぶるように構え、男に飛びかかるように突っ込んだ。

 

男「えっ⁉︎」

 

スパァァァン!と刃が男を一刀両断し、男の真っ二つに分かれた体が左右に倒れた。

 

ジョニィは刀をゆっくり鞘に納めた。

 

ジョニィ「…カズ、後は頼めるか?」

 

カズ「ああ、後は任せてくれ」

 

カズは戦闘班スタッフを引き連れ、現場の後始末に取り掛かった。

 

ジョニィ「こちら『毒蛇』、スターバックを寄越してくれ」

 

オセロット『こちらオセロット、了解だボス。すぐに急行させる』

 

ジョニィは『白鯨』の一等航海士、スターバックのコードネームを持った車に乗り、千棘達の元に戻った。

 

 

ジョニィ「よぉ、待たせたな」ガチャ!

 

ピークォドの中にジョニィが乗り込んだ。

 

千棘「じょ、承一郎…!」

 

千棘がジョニィに気づき、声をかける。

 

ジョニィ「…スマン鶫、お前は先に学校に戻ってくれ」

 

鶫「…分かった。お嬢、失礼します」

 

鶫はピークォドから降りて、スターバックに乗り学校へ行った。

 

ジョニィ「ピークォド、すまんがお前も…」

 

ピークォド「分かりましたボス、話が終わったらまた呼んで下さい」

 

そう言ってピークォドは車の外に出た。

 

千棘「…何で来たの…?」

 

ジョニィ「…勝手に体が動いてたんだ。それにお前はオレの恋人だからな」

 

千棘「…何よ…ソレ…。海では…あんな事言っといて…」

 

ジョニィ「…は?」

 

千棘「あんたが言ったんじゃあない。どーせ私達は何も上手くなんかいかないって…。それなのになんで今さら…」

 

承一郎(なんだ…彼女…もしかして…今までずっと、あの時僕が言った事気にしてたのか…?だって…あんなの…いつもお互い言い合ってるような内容じゃあ…)

 

承一郎(…………いや…違うだろ……それでも彼女はそれで傷ついて、今まであんな真剣に怒ってたんじゃあないか──…)

 

承一郎は自分の犯した過ちに気づき、後悔した。だが、どう言えばいいのか分からなかった。

 

ジョニィ「…………嫌いじゃあねぇよ…。…すまん、オレがお前に海で言った事をそんなに気にするとは思わなかった。正直まだ完璧ピンと来てるわけじゃあねぇけど、あれを言い過ぎたとは思ってる…」

 

ジョニィが言えずにいる承一郎の気持ちを代わりに弁明する。

 

ジョニィ「だからせめて正直に言うけど……やっぱりお前はオレの好みとは違うし、がさつだし暴力的だし、かわい気ねぇし、ケンカばっかで上手くいかねーと思う。それは本音だ」

 

ファントム──人格だけのジョニィにとっては、この言葉は相棒の気持ちを代わりに言っているだけだし、何も感じない──ハズなのだ。

 

ジョニィ「………でも…(…どうしてこんなに…)」

 

ジョニィ「…………嫌いなんかじゃあねぇよ…(胸が疼くんだ──…)」

 

ジョニィ「それに…好き嫌いの問題じゃあないだろう。目の前で攫われたんだ。マジで焦ったんだからな…」

 

千棘「……………そっか………」

 

 

キング・クリムゾン‼︎

 

怪我をした小咲の代わりに千棘にジュリエットの役をやってほしいという最初の目的は千棘は了承してくれた。

 

ジョニィ(なぁ承一郎…)

 

承一郎(ん…?)

 

ジョニィ(オレがやってもいいか?ロミオ役…)

 

承一郎(…ああ、思いっきりやればいいよ!)

 

男子1「おーい‼︎ジュリエット役見つかったぞー‼︎」バンッ‼︎

 

小咲「…千棘ちゃん!良かった一条君、間に合ったんだね?」

 

ジョニィ「ああ、ギリギリだがな…!」

 

千棘「こいつが泣いて土下座してお願いしますって言うもんだから…」

 

ジョニィ「言ってないぞそんな事…‼︎」

 

千棘「よ〜し!やるとなったらとことんやってやろうじゃあない‼︎台本貸して‼︎ギリギリまで覚える‼︎」

 

ジョニィ「ああ‼︎いや待て‼︎もう細かいところは覚えるのは無理だ。重要なところだけピックアップする…‼︎」

 

男子2「え⁉︎ジュリエット役見つかった⁉︎」

 

男子3「桐崎さんがやるって‼︎」

 

男子4「大丈夫かよセリフとか…」

 

女子1「いいからとにかく準備…‼︎」

 

皆千棘がジュリエットの役を演じる事になり、重苦しい雰囲気がマシになってきた。

 

ジョニィ「…あーもう‼︎何回ここで詰まってるんだ‼︎ちゃんと覚えろよ‼︎」

 

千棘「うっさいわね、そんなすぐ覚えられるわけないでしょ⁉︎黙ってなさいよこのデクの棒‼︎」

 

ジョニィ「なにッ⁉︎」

 

男子5「…おいおい、あの二人ま〜たケンカしてね?」

 

男子6「あれで本番大丈夫なのかよ…?」

 

小咲「………大丈夫だよ」

 

男子5「え?」

 

女子2「開演10分前‼︎ジュリエットはドレスに着替えて‼︎」

 

小咲(………良かった…。ようやくいつも通りだね、二人とも…)

 

小咲の願いは叶い、劇が幕が上がる。

 

ジョニィ「行くぞ!」

 

千棘「おう!」




はい!次回は文化祭本番です!

文化祭もジョニィを活躍させますよ!

クロード?何それ美味しいの?

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