ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
時を吹き飛ばすエフェクトが宇宙空間みたいになってるのがまたイイんですよね〜!
それではようやく話がまとまったので出します。それではどうぞ!
〜鶫side〜
承一郎「…なんだよその勝負は…‼︎なんで君達の勝ち負けに…僕の…その…唇とか…!」
一条承一郎はポーラの出した勝利条件に対して動揺している。それはそうだろう。なんせ勝利条件が自分の唇なのだから。
そういう私も、その勝利条件には動揺してしまった。
ポーラ「あら、男を惑わすのだって立派なヒットマンとしての素養でしょ?」
承一郎・ジョニィ『「十年経ってから出直してくれ」』
ポーラ「なんですって⁉︎」
鶫「…ダッ、ダメだその勝負は‼︎」
ポーラ「あら、
鶫「…話を聞け!信じられないかもしれないが…その男は実はな…お嬢の恋人なんだ…‼︎」
お嬢の恋人、そう聞いた瞬間にポーラは反応した。
ポーラ「………千棘お嬢様の…⁉︎」
承一郎「そっ…!そうなんだよ!ウソじゃあないぞ?ハニーに確認すればすぐ分かるって」
鶫「だから、この勝負は…」
ポーラ「……確かに、それは良くないわね…。でも忘れてやしない
ポーラは私にビシッと指差す。巻き込まれ一条承一郎からしたらたまったものじゃあないだろう。だが我慢してもらうしかない。
ポーラ「…安心なさい、たとえどちらが唇を奪おうと秘密は守るわ。それに…いくらお嬢の恋人でもどうせこいつ『遊び』でしょ?」
承一郎「シバき倒すぞ!」
ポーラ(フフッ…!他の勝負では確かに
鶫(く…唇を奪うだと…?私が…こいつの…⁇そそ…そんな事出来るわけ…でも…この勝負に負けたら私はまたお嬢の側にいられなくなってしまう…それは嫌だ…‼︎それに……)
私は一条承一郎を見て顔を赤くしてしまう。そんな中、一条承一郎は…
承一郎「…はぁ…。…一つ、提案してもいいかい?」
一条承一郎は右手を上げて言った。
ポーラ「あら、何かしら?あなたには悪いけど強制的に付き合ってもらうわよ」
承一郎「いや、そこは納得してるさ。郷に入ったら郷に従えってね。でも僕には付き合わされるだけで何のメリットもない。そこでだ…僕とも勝負をしないか?」
ポーラ「へぇ、驚いたわ。肝が座ってるのね」
承一郎「これでもヤクザの二代目なんでね。それで?勝負をするかい?」
ポーラ「…いいわ、それで何の勝負をするのかしら?」
承一郎「いいや、勝負の内容は君達の勝負さ。だけど第三の選択肢を増やして欲しいのさ」
ポーラ「第三の選択肢?」
承一郎「ああ、『一時間以内に二人共僕の唇が奪えなかった』場合だ」
鶫・ポーラ「「‼︎」」
一条承一郎の提案に私とポーラは驚いた。当たり前だ、二人共ギャング組織の1、2を争うヒットマン。その二人から一時間も逃げ切るというのは至難の業だ。
ポーラ「…正気?私はともかく、
承一郎「そんな事知ってるさ、だからだよ。だからこそ君達から逃げ切る事が出来ると余裕を持って宣言出来る」
一度は私を倒した男…確かにポーラに遅れを取る事はないだろう。だがポーラにも『スタンド能力』がある。本当に逃げ切れるのか…?
ポーラ「…しょうがないわ、『
承一郎「…この男達の身元の特定、そしてその雇い主の特定だ」パサッ
一条承一郎は二枚の写真をテーブルに置く。その写真は11人の男がまとまっている物と、一人の男だけ写されている物だった。
ポーラ「…?まぁいいわ。それじゃあ勝負を始めましょう‼︎」
ポーラはいきなり一条承一郎へ迫るが、
鶫「!」
ダァン!ダァン!ダァンッ!
私の体は勝手に反応して銃弾でそれを阻んだ。
なんだ今の感覚は…こいつとキスするなんてまっぴらゴメンだ。なのに…こいつの唇がポーラに奪われるかと思うと…。
承一郎「くそっ!いきなりか!」
ポーラ「…そうこなくてはね‼︎
ドゥン!ドゥン!ドゥン!
私の手は一条承一郎を盾にしつつ一条承一郎の正面に出ようとするポーラを銃弾で抑える。
承一郎「うおおおおおッ、これはヤバいッ‼︎」
一条承一郎はたまらず部屋から脱出、私達から距離を置く。
ポーラ「待てーーー‼︎私にキスをさせろ〜‼︎」ドパドパ‼︎
承一郎「断るに決まってるだろうッ‼︎」
ドドン!ドドドン‼︎
ポーラ「むっ⁉︎チッ」
私は屋根から屋根へ飛び移りながら弾丸でポーラの行く手を阻む。
…ポーラの妨害をしているだけでは埒があかない。くっ…こうなったら…。
鶫「一条承一郎ぉ〜〜〜‼︎」ザシュァァァァ‼︎
私は一条承一郎の前に降りる。
承一郎「‼︎」
鶫「…じっとしていろ、すぐに済む…!」
承一郎「…悪いがそれは出来ない。この勝負、僕も賭けているものがあるんでね」
鶫「くっ…!」
やはりか!この男、妙に自分を曲げようとしないッ!
承一郎「君は何か勘違いしているみたいだね。この勝負、僕にも勝利条件と報酬が用意された時点で椅子も動く何でもありの椅子取りゲームになった。つまり、君は
…確かにその通りだ。ポーラを倒すか一時間一条承一郎への追跡を妨害すれば私はお嬢の側にいられる。だが…
鶫「私は正々堂々と、
承一郎「へぇ…じゃあ君は僕に勝てるのかい?」
鶫「くっ…!」
正直、今の私では相手にならない。だが昔の私なら?『
鶫「そ…それ…は…」
承一郎「ん…?」
鶫「やっぱりダメだ〜‼︎!」ベキィッ!
承一郎「ウゲェーーーーーーッ‼︎」
ドッガラガッシャーーーーンッ‼︎
一条承一郎はゴムボールのようにブッ飛んで行った。
鶫「あ」
ドン‼︎ドン‼︎
鶫「くっ⁉︎」
ポーラ「アハハ‼︎やはりこの勝負私の勝ちのようね…‼︎」
キンッ!ボシュウ‼︎
ポーラが投げた物体から煙が出た。スモークグレネードか!
鶫「なっ…⁉︎………煙幕…⁉︎」
鶫「‼︎…しまった‼︎」
煙が上がった後には、ポーラと一条承一郎は消えていた。
〜鶫side out〜
某廃工場───
ポーラ「………さーて、ここまで離れればいかに
承一郎「…誰が坊やだよ、明らかに君の方が年下だろう…」パラパラ…
承一郎は能力で刃を作って縛っていたロープを切った。
承一郎「強いて言うなら彼女がアメリカに行ったらハニーが悲しむからかな。それに、君は勝つことが目的じゃあなくて、本当は鶫さんに
ポーラ「……なっ…そんな…事…」
承一郎「違うなんて言わせないよ。君の鶫さんへの執着は『憧れの存在』としての羨望に近い。なんだかんだで君は彼女をライバル視している」
ポーラ「……」
承一郎「それに僕も一回彼女と戦ったけど、あの決闘が手抜きだとしたらそれはそれで腹が立つものさ。だから彼女の全力を知りたい。別に理由としてはおかしくないだろう?」
ポーラ「…あんたが
承一郎「
ポーラ「…寝言は寝てから言いなさい。あんたなんかが黒虎に勝てるわけないでしょう」
承一郎「じゃあ何で僕が
ポーラ「…?どういう事かしら?」
承一郎「彼女が日本に来た理由、それは
ポーラ「…あり得るわ、確かにあの黒虎なら…」
承一郎「理解が早くて助かるよ。そこでだ、僕は君と鶫さんを闘わせよう。その代わりと言っちゃあなんだが、時間切れにさせてもらいたい。もちろん、僕の勝利報酬はナシで構わない」
ポーラ「…どういう事かしら?自分から勝利報酬まで用意して今さら怖気付いたの?」
承一郎「まさか、本来関係のない事に巻き込まれたんだ。出来るだけ被害を最小にするのは当然だろう?僕の勝利報酬なんてオマケみたいなものだしね」
ポーラ「…気に入らないわね、あんた。それに、黒虎に勝ったですって?認めないわよ、あんたなんかにあいつは負けない」
承一郎「…なんでビーハイブのヒットマンはこう血の気が多い奴らばかりなんだ…。…たかだか
ポーラ「…容赦しないわよ」
承一郎「いいだろう、殺す気で来るがいいッ!」
ポーラ「くらいなさい、『
ポーラは一気に間合いを詰めて右脚の蹴りを仕掛ける。承一郎は左腕で防ごうとするが、
ミシミシィッ…!
左腕が
承一郎「ぐっ…⁉︎」
ポーラ「ハァッ!」
ドカァッ!ガシャァーーーンッ‼︎
そしてそのままポーラは右脚を振り切り承一郎を吹っ飛ばす。
承一郎「くっ…!(今のは一体なんだ?投げ飛ばした時に彼女の重さは理解したハズだったが…まるで大海の荒波のように重い一撃だった!)」
ダダダダダッ!
承一郎「リスキニハーデン・セイバーッ‼︎」ズリュッ!
承一郎は骨の刃を腕から生成し、弾丸を斬ろうとする。そして承一郎は見た。弾丸がさもそこに刃がないように一直線に進み、
ベキンッ‼︎
その軌道上の刃を
承一郎「何ッ⁉︎」
承一郎は刃が折れた瞬間に体を捩って弾丸を避ける。
ポーラ「あら、よく今の一瞬の判断が出来たわね」
承一郎「…君のスタンド能力は…自分や武器の運動の
ポーラ「へぇ、その通りよ。私の能力を理解出来たのはあんたで三人目だわ」
優先度、それは物体に起こる優劣の差。
例えるとしたらパチンコでは木の板で弾かれるだけだが、そのパチンコを銃にしたら木の板を貫通させられるのと同じ感じだ。
この場合、承一郎の防御よりポーラの攻撃の優先度が高かったから防御しきれなかったし、承一郎の刃よりポーラの弾丸の方が優先度が高かったから刃が折れてしまったのだ。
防御不可能な攻撃、それがポーラのスタンド能力。回避だけしか対応策がないという脅威の能力だ。
承一郎「…やれやれ、こいつはなかなかヘヴィな能力だな」
承一郎は拳を構え、ポーラの能力の欠点を見極めようとする。
スタンドプロフィール
本体:ポーラ・マッコイ
ステータス
【破壊力-対象による/スピード-対象による/射程距離-A/持続力-B/精密動作性-対象による/成長性-B】
自分と自分が持つ武器などの運動の優先度を操る能力。
自分の攻撃の優先度を高くすればあらゆる防御を突き抜ける防御不可の一撃になる。壁越しの敵でも壁より優先度を上げれば壁を貫通して敵に命中させる事も出来る。
しかし本体が優先度を高くしている途中に受ける衝撃は通常より大きくなってしまう。
元ネタはQueenの『Don't Stop Me Now』
次回、『