ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
学年別成績順発表日───
承一郎達は二学期の学年別成績順を見に来ていた。作者にとっては公開処刑にも等しいが(メメタァ!)、承一郎は自分がどれくらいの位置にいるか知りたかった。
千棘「何っ位っかなー、何っ位っかなー」
承一郎「…そわそわするなよ」
32位 一条承一郎
承一郎(くそっ、207人中32位か…なかなか20位圏内に入れないな…)
別に学校で学ばなくても社会で生きていける知識は身につけているが承一郎は学校に通っていた。その理由は二つ。
一つは『養父になってくれた一征に悪い』と思っているのと、もう一つは『人間として普通の日常を過ごしたい』と思っているからだ。もっとも、二つ目の理由で学校に通っていたのは中学三年生の頃からだだが。
ジョニィ『お前、
承一郎(他人の力で得た結果なんてニセモノだからね)
別に
5位 桐崎千棘
6位 鶫誠士郎
千棘「あっ!あったあった!ちぇーーー、5位かぁ〜。まぁあんまり勉強しなかったしなぁ…」
鶫(お嬢の隣だ…)
承一郎(…天才共め‼︎)
軽々と10位圏内に突入している千棘と鶫に対して心の中でシャウトした。
小咲「…どうだった?一条君」
承一郎「小野寺君、そっちは?」
小咲「私は88位。まぁ…いつも通りかな」
承一郎「そっか、僕もまぁ…まずまずかな」
22位 舞子集
23位 宮本るり
集「………いやぁ〜、隣同士だねぇるりちゃん。うわっ痛い‼︎え⁉︎何すんのちょっ…!痛い痛い痛い痛い」メキメキ…
小咲「…知らなかった、舞子君て成績良いんだ」
すごくシバかれている集を見て小咲は呟く。
承一郎「彼はいつもこんな感じだよ。あれ?そういえばまだ橘さんの名前見てないな」
小咲「え?あ、そういえば。橘さん夏休み直前に転校してきたから成績とか知らないね」
承一郎「どの辺だろうね、彼女の事だから多分上の方じゃあ…」
185位 橘万里花
万里花の名前が確認された成績順位は、下の下の位置だった。ぶっちゃけ作者も中の下くらいだ。
ジョニィ『聞いてない』
あ、すんません。
ドヤァ…
承一郎「いやなんでだよ‼︎!」
承一郎は万里花の謎のドヤ顔に突っ込んだ。
キング・クリムゾン‼︎
万里花「……恥ずかしながら私、昔から勉学の方は得意ではなくて…」
承一郎「へー…意外だね。君ならそういうのもそつなくこなしそうだと思ったのに…」
万里花「ぶっちゃけやる気がないのですわ」
承一郎「…ぶっちゃけたものだねホント…」
万里花「昔から私は承一郎様のお嫁さんになるために習い事や女性の魅力を磨く事ばかりに力を注いできたものですから」
承一郎「………さらっと空気の固まるような事を言わないでくれ」
承一郎は後ろから来る悪寒を背に受けながら言った。
集「でもこの成績のままだとマズいんじゃあない?進級出来なくなっちゃうよ?」
万里花「…先生にも次の数学のテスト40点未満なら追試だと言われました…。そうですわ承一郎様‼︎よろしければ放課後私の家で勉強を教えて下さりませんか⁉︎」だきっ‼︎
承一郎「ええっ⁉︎」
小咲・千棘・鶫「「‼︎!」」
千棘「ちょっ…⁉︎何言ってんのよあんたは。勉強なんて一人で出来るでしょ⁉︎」
万里花「私の要領の悪さを甘く見ないで欲しいですわ。誰かの指導ナシには成績の向上は不可能です」
千棘「…あーそう、なら私が教えて差し上げましょうか?学年5位の私なら申し分ないでしょ?」
万里花「冗談がお上手ですわ。桐崎さんはどう考えても人に教えるのが上手なタイプじゃあありませんのに。ねぇ承一郎様、構いませんでしよう?今日は父も帰って来ないので朝まで存分に勉強に勤しむ事が出来ると思うのですが!」
承一郎「朝まで⁉︎いやいや勝手に話を進めるなって…!別に勉強くらい教えてあげるけどさ、何も泊まりこんでまでやる事じゃあないだろう?」
万里花「いえ、その点についてはですね、数学のテストが明日なので」
承一郎「そうだっけ‼︎?」
キング・クリムゾン‼︎
橘家───
万里花「………それで…なんで桐崎さんまでついてくるんですか?」
千棘「…あ〜ら、家に友達が来てテスト勉強
万里花「…別に問題はありませんが、ハッキリ申し上げるとお邪魔と言いますか…」
千棘「そんな事ハッキリ言わなくていいわよ‼︎」
承一郎(まぁ…僕は助かるけど)
ジョニィ『オレ的には橘に「遺体」の事を聞くのに良いタイミングだと思っていたが…どうやら難しいな』
千棘「ほら!さっさと準備しなさいよ。分かんないところは教えてあげるから」
万里花「…別にあなたに教わるわけでは…。まぁいいですわ、では早速…承一郎様ーーー‼︎この問題が分からないのですが‼︎」だきー‼︎
承一郎「のわぁ⁉︎」
ヒョイ…ぺいっ‼︎
千棘は慣れた手つきで万里花を承一郎から引き剥がし、どけた。もはや日常茶飯事だ。
千棘「真面目にやれ‼︎くっつかなくても教えてもらえるでしょ⁉︎」
万里花「隣の方が教えてもらい易いですのに」
承一郎(やっぱり
承一郎「…で、どこが分かんないって?あー、因数分解か。いいかい?ここはこうやってだね…」
万里花「あーなるほど!私ちょっと分かった気がしましたわ!」
2bx一2ax
万里花「つまり、このaが私でbが承一郎様で2xが桐崎さんだとすると〜…」
a=万里花 b=承一郎 2x=千棘
承一郎・千棘「「………ん?」」
2bxー2ax=2x(bーa)
万里花「こうして2xだけを締め出せばいいと♡」
承一郎「…正解」
千棘「ちょっと‼︎その覚え方ムカつくからやめてくれる⁉︎」
万里花「では承一郎様!次はこちらを教えて下さいませんか⁉︎」
承一郎「え?現国?」
万里花「この章の夫の帰りを待つ彼女の心情を知りたいのですが…」
承一郎「………えーと、これはほら、ただ待つんじゃあなくて自分から会いに行こうとしてるっていう…」
テストと関係ないところまで一応付き合ってやってるあたり、やはり承一郎は根っからのお人好しだ。
万里花「まぁ!正解ですわ承一郎様!では次の問題です!10年間愛しい人を想い続けた健気な女の子からのプロポーズに対する正しい返事とは⁉︎『はい』⁉︎それとも『Yes』⁉︎」
承一郎「勉強しなよ君ッ‼︎っていうか、それ両方同じじゃあないかッ‼︎…あれ?この問題はどうやって解くんだっけ」
千棘「はぁ?教えるあんたがそんなんでどうするのよ。仕方ないわね、どこ?ちょっと見せて?」
承一郎「この問題なんだけど…」
承一郎と近くにいる事にドキッとする千棘だが、万里花がじーーっと見ていた。
千棘「⁉︎ちょっ…何よ…!邪魔しないでくれる⁉︎」
万里花「まぁ邪魔だなんて。それは勉強の邪魔ですか?それとも二人きりの世界の?後者なら断固邪魔する事を宣言いたしますが」
千棘「…あんたねぇ〜、さっきからやる気あんの?そんなこっちゃ本当に進級出来なくなるわよ?」
万里花「まぁ!やる気ならありますわ。ただ苦手な物はどうにも苦手という事でして…」
承一郎「…君それでどうやってウチの高校入ったんだい?まさか裏口入学?」
万里花「テヘッ♡」ペカー‼︎
万里花は手のひらを上に向け、親指と人差し指で輪を作った。要はアレだ、マネーのジェスチャーだ。
承一郎「えええええ‼︎!マ…マジなのかッ‼︎?」
万里花「…というのは冗談ですが、試験の前日に一夜漬けをしましてね。それでギリギリ合格出来たというわけでして」
承一郎「…一夜漬けねぇ…。…ねぇ、君の場合勉強が出来ないんじゃあなくて単純にやらなかっただけじゃあないのかい?僕が君ならちゃんとやればすぐに勉強出来るようになる気がするけど…」
万里花「……そう…でしょうか…」
承一郎「頑張ろう、ちゃんと手伝ってあげるからさ。進級出来なきゃ困るだろう?」
万里花「え、まぁ承一郎様‼︎私と共にニ年生になれないのが淋しいと言って下さるんですね‼︎私頑張りますわ‼︎」
承一郎「間違っちゃあいないけど随分ポジティブに受け取ったね‼︎」
万里花「…フフ、でもなんだかこうして承一郎様に何かを教わっていると、10年前の日々を思い出します」
千棘「……あんた勉強なんて教えてたの?」
承一郎「いや…僕まだ幼稚園だし」
万里花「…承一郎様は私に色んな事を教えて下さいましたわ。一人でも楽しく遊べる遊びとか、幼稚園での事や歌や友達の話など……懐かしいですわ」
キング・クリムゾン‼︎
深夜───
承一郎「…ハッ!(イカンイカン…ついうたた寝を…ってうおっ⁉︎二人とも寝てるじゃあないか‼︎)」
承一郎(まぁでも無理ないか、もう完全に深夜だし)
承一郎は千棘に毛布をかける。
万里花「いっくん…好いとーとよ…」
承一郎(…………ホントに、僕なんかのどこが良いのやら…。彼女は変だけど良い子だし、美人でモテるし、いくらでも他にいるだろうに…)
承一郎(もし僕の今まで行ってきた事を知ったら、彼女はどう思うだろう?きっと幻滅するに違いない。僕はただ中途半端だったから『鬼』から『人』に戻ろうとしている歪な
承一郎(…人に『好き』って言われるのは、なんか…変な感じだ──…)
万里花「…う〜ん」ゴロン…
承一郎「⁉︎」
万里花「ああ…いっくん…そがん所ば…ダメばい…!ああ、でもいっくんが良かって言うなら…私は…‼︎」
承一郎「…君絶対起きてるだろう」
万里花「テヘ♡」
承一郎「下らない事してるぐらいならちゃんと寝ろ‼︎」
万里花「ああ!頑張ります、頑張りますから〜!」
万里花は千棘が寝ている事を確認して、さっきとは打って変わって真剣な表情になった。
万里花「…承一郎様、この前は申し訳ありませんわ。承一郎様がステファノを殺す事になってしまい…」
承一郎「…別に君が悪いわけではないよ。あれは僕の不注意で起こってしまったものだ。君が気にする必要はないさ」
万里花「ですが…!」
承一郎「僕はこの街を守る為なら何だってやる。…もう、大切な人達が傷つくのを見ている事なんて出来ないんだ」
万里花「……はい、分かりましたわ」
承一郎「悪いけど、皆にはスタンドの事は秘密にしてくれないか?『遺体』の事も。君も持っているんだろう?」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド
万里花「!…どうして、その事を?」
承一郎「『遺体』ってキーワードに反応を示さなかった。警視総監の娘である君がだ。とすると君は知っているかすでに所持しているハズ…そう推理しただけだ」
万里花「…素晴らしい洞察力ですわ。その通り、私の『右脚』にはステファノが言っていた『聖なる遺体』がありますわ」
承一郎「…そうか。僕は『左腕』だけど、くれぐれもバレないようにね。
万里花「…分かりましたわ」
キング・クリムゾン‼︎
朝───
万里花「(…ああ、いけませんわ。完全に寝てしまってました…)…ん」
万里花は自分に毛布がかけられている事に気付いた。
万里花「(…やはり承一郎様は優しいですね。とっても温かいです)…ん?」
テーブルの上を見ると、コンビニで買って来たのかおにぎりとお茶が。
ピラッ…
そして、テストに出てきそうな箇所をまとめたメモがあった。
万里花「…本当に、大好きとよ、いっくん…」
万里花は寝ている承一郎の耳元でそう囁いた。
キング・クリムゾン‼︎
学校、数学テストの時間───
先生「…それでは、テスト開始〜!」
万里花(う……やはり一夜漬けと言っても限界と言いますか、なかなか難しそうですわね…。あ、でもこの問題は承一郎様とやった所ですわ。あ、コレも、コレも〜)
万里花(おお〜〜、素晴らしいです!自信のある解答を集めたらピッタリ40点になるじゃあないですか!これならもう追試になる事は──…)
集「…うお〜〜38点かぁ〜〜、惜しかったねー橘さん!残念ながら今回は追試だね。まぁ特に数学は前回0点だったらしいからよく頑張った方だよ」
承一郎「え⁉︎そうだったのかい⁉︎…ん?(…あれ?この解答一度書き直してるみたいだけど、直す前なら正解だったのに…)」
万里花「ねぇ承一郎様、残念ながら私追試になってしまいましたので、またお勉強、教えて下さいね」
承一郎(…やれやれ…)
本田「…大丈夫ですか、お嬢様。…徹夜なんて無茶をし過ぎです。もしお体に障ったら…」
万里花「…大丈夫、このくらい平気よ」
本田「…この前の文化祭といい、最近のお嬢様は無茶をし過ぎです」
万里花「そんな事、言われなくてもちゃんと分かってるわよ」
本田「…私がお嬢様の護衛ではなく、
万里花「…言われなくても、分かってるわよ」
<=to be continued=
今作の因数分解の問題…なんで原作通りにxの二乗が表示出来ねぇんだよォォーー‼︎万里花がよりバカに見えるだろーがこのクサレ脳みそがぁぁーーーーッ‼︎
…ハイ、いきなりキレてすみません汗
喜べ皆ッ‼︎次の回はやりたかったクリスマス回だッ!謎の組織についても迫っていくぞッ‼︎
次回、『千棘の母は超コワイ⁉︎』
その女性は、真の愛国者の真相を握る