ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
いやぁ、歌詞がカッコ良すぎる…‼︎キンクリ演出が起こると思うと楽しみですね…!
〜千棘side〜
某高級ホテル、スイートルーム───
華「…そういえば、まだクリスマスプレゼントも渡してなかったわね。はいコレ、新しいリボン選んでみたの」
承一郎のおかげでイブの夜を一緒に過ごせたママが渡してくれたのは綺麗なリボンだった。
華「…あなたがあのリボンを大切にしてくれてる事はとても嬉しいわ。でも…せっかく女の子なんだもの」
千棘「…ありがとうママ。でも…私…まだコレを大事にしていたいの。コレにはたくさん…思い出があるから…」
そう、コレにはたくさん思い出がある。10年も共に過ごしたものだし、何よりお母さんがくれた大切なものだから。
華「………そっか……あの坊やもさぞ喜ぶ事でしょうね」
千棘「…?承一郎が…?なんで…?」
華「あら忘れたの?あなたがそのリボンをつけるようになったのは、坊やがきっかけだったのよ?」
千棘「⁉︎…え…⁇」
華「10年前…あなたと坊やが夏の間一緒に遊んだ事があってね…?当時あなたが好きだった絵本の中に、そんなリボンをつけた女の子が登場するの」
華「あなたは坊やに『このリボンがきっと似合うよ』って言われて、慌てて私にせがみに来たのよ。覚えてないかしら?」
千棘「………あいつ…が…」
私はつい顔を赤くしてしまう。そうだったのか、あいつが…私に…。
華「……行ってあげたら、千棘…」
千棘「え…?」
華「私がこうしてあなたとたくさん話が出来たのは何もかも全部、坊やのおかげよ。…恋人なんでしょう?…行ってあげなさい」
千棘「うん…」
私は部屋を出た。
華「…皮肉なものね。母の愛を誰よりも求めているから母の愛を誰よりも信じているなんて…ねぇ理那、もしあなたが生きていれば、あの坊やはもっと幸せな日々を歩めたでしょうね…」
ママの言葉は、誰にも届く事はなかった。
キング・クリムゾン‼︎
時間は午前4時半を過ぎ、誰もが寝静まっている頃、私は会社に入った。
千棘(さすがにもう起きてないかな…)
エレベーターのボタンを押して承一郎のいる部屋へ移動する。
静かにゆっくりとドアを開けてみると、なんとまだ明かりが点いていた。
千棘(!あのバカ、まさかまだ仕事しているんじゃあ…)
ガリガリガリッ!タタタタタッ!
近づくにつれてひたすらにペンで書く音とパソコンのキーボードを叩く音が聞こえてくる。
ジョニィ「……はい、そこのコストは2%まで削減して下さい。…難しいですって?△△社は3%も削減しているんですよ、5%なんて甘ったるい事を言わないで下さいッ!」タタタタタッ!
千棘「…!」
ジョニィ「それと、□□社との合同新商品の開発、急いで下さいね。お願いしますよッ!」
千棘(すごい、パソコンを打ちながら商談を進めている…!)
ママもすごいビジネスマンと聞いたけど、承一郎も負けてはいないかもしれない。
タタタタタッ!
ジョニィ「……ふぅ…これでピッタリ…損失分をチャラに…出来た…」
仕事が終わったのか、承一郎はフラフラとした様子でソファに仰向けの状態で寝転んだ。
千棘「…承一郎…?」
ジョニィ「…スゥー、スゥー…」
どうやら限界らしく、私がいた事も気付かないまま倒れるように寝てしまったようだ。
千棘「…こんな所で寝たら風邪引くでしょ、バカもやし………よっ…と…」
隣に座った私は承一郎の頭を自分の膝の上に乗せた。
千棘「…ありがとう、承一郎…」
ジョニィ「………んん……母さん…」
千棘「(…もしかして、私の事をお母さんだと思ってる…?可愛いところあるのね)…はいはい、お母さんですよー」
私は承一郎が甘えているのだと思い頭を撫でた。すると承一郎は
ジョニィ「…母…さん……」ツゥー…
涙を流した。
千棘(…涙……?)
ジョニィ「…母…さん…もう…おいて…行かないで…」ギュッ…!
承一郎の手が握り締められる。母子家庭で幼い頃からにお母さんを亡くしたって聞いてた。なのに、私は気付かなかった。いや、承一郎が悟られないようにしていたのかもしれない。
千棘「…承一郎……」
ジョニィ「……頼む…もう…一人にしないでくれ…!」
今まで知らなかった承一郎の事を知れた気がした。
千棘「…私が一緒にいてあげるわよ…」
私はそう囁き、承一郎の頭を撫で続けた。
〜千棘side out 〜
キング・クリムゾン‼︎
ジョニィ(な…なんだこの状況…‼︎一体何が…)
ジョニィは千棘が起きないようにゆっくりと千棘の膝の上から脱し、横にして毛布をかえた。
ジョニィ(………やれやれ、こんな所で寝たら風邪引くだろう、バカ…)
ジョニィは千棘の寝顔を眺めた。
ジョニィ「…最高のクリスマスプレゼントだよ、ありがとな」
ジョニィからしたら永遠に叶わない恋、だけど諦められないのはまだ人である故か。
ジョニィ「…千棘、愛している。たとえ、この声が届かなくてもな」
名残惜しいがこれだけで充分だとジョニィは泡沫の夢から覚めた。
キング・クリムゾン‼︎
某空港、入口ゲート前───
華「…じゃーね千棘、これからはたまにメールでも送ることにするわ」
千棘「うん、ママも元気でね」
華「…ありがとう坊や、あなたには世話になったわね。公私共にこうして助けられるとは思わなかったわ。高校を卒業したらウチの会社に来なさいな、あなたには良い仕事を用意してあげるわよ?」
承一郎(うっ…ありがたいような恐ろしいような…)
華「…それにしても、10年前に千棘と遊んでた小さな子がこんな風に再会するなんて、不思議な巡り合わせよね」
承一郎「…華さんも10年前のあの時に…?」
華「数日間だけね、あなたの事はよく覚えてるわよ」
承一郎「あの…華さん!このペンダントに見覚えとかありませんか…?」
承一郎は華へペンダントを見せる。
華「…ん?」
承一郎「…ちょっと、当時の事で思い出したい事があるんですが、どうしても思い出せなくて…」
華「…んー、ちょっと私にはわからないわねー」
承一郎「……そうですか…」
華「坊や、ちょっとこっちに来なさい」
承一郎「え?はい…」
承一郎が華に近づいていくと、
華「あなた千棘と恋人のフリをしてるんですってね」
小声での突然のカミングアウトがあった。
承一郎「ブウッ‼︎? なっ…華さん…それ知って…」
華「当然よ、まぁ最初からではないけどね?」
承一郎「…なら言ってくれればいいのに。頑張って
華「……『フリ』…ね?」
承一郎『僕が働く事で、千棘さんに会いに行く事は出来ますか?』
承一郎『…会いに行ってあげて下さい‼︎』
華「………………本当に、ただの『ニセモノ』なのかしら」
承一郎「…え?」
華「あなたの
承一郎「………え…?」
ジョニィ『………』
華「…それじゃあ、仕事の話よろしくね。あなたならどんな所でも輝ける才能があるわ。数十億円の損失をどうやってチャラにしたのか、気になるしね」
承一郎「……あまり知らない方がいいと思いますよ。ちょっと色んな人の伝手に頼っただけですし」
華「そうね、あなたにはあらゆる人を惹きつける才能があるわ。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
承一郎「……なぜ、あなたがそれを知っているんだ…⁉︎」
華「あら、話してなかったかしら?ごめんなさい、改めて自己紹介するわね。私は桐崎華、『フラワーコーポレーション』の代表取締役にしてある組織の一員。その織の名は『
承一郎「『
そこには、承一郎が3年間探し続けてきた組織のメンバーがいた。
次回、『
真の愛国者を殺したのは、皮肉にも愛国者だった。