ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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今回正月回です。

今回は新元号に合わせて出す事にしました!

平成、今までありがとう!令和、これからよろしく!

それでは、どうぞ!


第89話 お酒は大人になってから

新年、千棘さんがウチに挨拶に来るというのでついでにメシを食べて行く事になった。承太郎さんは徐倫さんに会いに行き、ジョルノ兄さんは彼女(トリッシュ)さんと過ごすためにイタリアへ里帰りしていた(まぁ兄さんは日本生まれだけど)。

 

ピンポーン!

 

竜「坊っちゃあ〜ん、お客さんですぜ〜!」

 

承一郎「ああ、わかった」

 

僕は階段を下りながら竜の声に応えた。

 

承一郎「(やれやれ、わざわざ挨拶なんてしなくても…)やぁ、おはようちと…」

 

僕はが関のドアを開けると、

 

千棘「明けまして!おめでとうございま〜す‼︎」

 

いつもの皆が着物を着て待っていた。

 

集「おーっすジョジョ〜〜!あっけおめ〜〜!」

 

万里花「明けましておめでとうございます承一郎様〜!」

 

小咲「今年もよろしくね一条君」

 

承一郎「な、な、な…なんで皆まで一緒に…」

 

千棘「フッフッフ、どう?ビックリしたでしょう。皆と連絡取り合ってたらいっその事皆で行こうかなって思って。なんならそのまま初詣にも行っちゃおうかって」

 

承一郎「おいおい…そんな事言ったって皆の分の飯なんて…」

 

竜「坊っちゃん‼︎嬢ちゃんから連絡頂いてお料理人数分出来てまさぁ‼︎」

 

承一郎「おいおいおいおい、君もグルか」

 

千棘「おっじゃま〜♪」

 

承一郎「おいおいおいおい」

 

千棘さんが家に入るのに続いて皆も入ってくる。

 

集「…いやぁ〜〜、うらやましいですなぁ〜ジョジョは。新年早々こんな美女軍団が自分の部屋に来てくれるなんて♡」

 

承一郎「………いきなり来られても困るっての」

 

万里花「…ところで承一郎様は普段はどのような和服でお過ごしで?」

 

承一郎「………なんだそのメモは。よだれ垂らしてるぞ」

 

そして僕の視線は小野寺君に無意識に向かっていた。

 

承一郎「!」

 

小咲「…………変じゃあ…ないかな」

 

承一郎「……変じゃあない。全っっ然変じゃあない!」

 

大晦日で見た巫女服に勝るとも劣らない新鮮な感じだ。いつも綺麗だけどより洗練された美しさだった。

 

あの巫女さん姿で抱きしめられたら誰だってオチる。まぁあの時の感触は除夜の鐘でブッ叩かれて記憶が飛んでしまったんだけどね……悲しい。

 

千棘「…お邪魔しま〜す!」

 

──まぁ確かに、突然の事にビックリしたけど、集の言う通り、正月早々自分の部屋にこんなに女子が来てるなんてかなり幸せな事だよなぁ…。

 

千棘「ねぇねぇダーリン、何か甘い物とかってないの?デザートとかさぁ…」

 

皆が一通り食事を終えた後に千棘さんはそう言った。

 

承一郎「…君、ホントよく食べるね」

 

そう言いつつも、僕は台所で探す。

 

承一郎「(やれやれ…)しかしウチに甘い物なんてあったかな…」

 

そういえば和菓子苦手らしいからね、特にどら焼き。

 

承一郎「ん?チョコレートか、これでいいかな」

 

僕は見つけたチョコレートをキッチンから皆のいる部屋まで持って来た。

 

承一郎「ほらハニー、持って来たよ」

 

千棘「わ〜い、ありがと〜」

 

千棘さん達はチョコを食べながらかるた大会を開始した。ほのぼのし過ぎてなんだか眠くなってきたな…。

 

承一郎(やれやれ、平和なこって…)

 

彼女達がかるたを楽しむのを見ながらうたた寝をしていたが…

 

 

?「…ヒック」

 

謎の音で目が覚めた。

 

承一郎(?…なんだ今の音は…)

 

目が覚め、視界がクリアになると千棘さんが僕の隣に座っていた。

 

承一郎「…あれ?どうしたハニー?皆とかるたやるんじゃあ…」

 

千棘「……ねぇダーリン、あんた女の子とキスした事ってある?」

 

承一郎「………は?な…なんだいいきなり…いやそりゃあないけど…。ていうかコレ前にも一度答えたじゃあ…」

 

千棘「……じゃあさ…あたしと、キスしてみる?」

 

承一郎「は…はあぁあーーーー‼︎?なななな何言ってるんだ君…‼︎何わけがわからない事を…ん?」

 

さっきから要点が掴めない話に驚いて彼女の顔を見るが、

 

トロン…

 

千棘さんの顔はなぜか赤くなって微睡んでいるような目だった。

 

千棘「えへへへへへへへへへへ…」グラン…グラン…

 

彼女はなぜか笑って体を左右に揺らしている。

 

承一郎「…⁇?お…おい、どうしたんだい?なんか顔赤いんじゃあ…ん?これ…さっきのチョコ…ウイスキーボンボン…?」

 

僕が落ちていたウイスキーボンボンとその包紙を手にする。

 

承一郎「ま…まさか……君コレ食べて酔ったのかい…?そんなアホな…」

 

バカな、チョコレートの中に入ってるだけの量で酔うなんて、どれだけ酒に弱いんだ…。

 

千棘「え〜〜?あんたその歳でキスもまだなの〜?ダッサ〜(笑)じゃあさ〜、私がしてあげてもいいわよ〜?ねぇしよ?しなさい?」

 

承一郎「うおおおおッ、落ち着いて千棘さん‼︎もう言ってる事別人みたいになってるぞ…‼︎」

 

千棘「ねぇ〜お願い〜」

 

承一郎「ダメだって…!」

 

千棘「しよ〜よ〜」

 

承一郎「絶対ダメ…‼︎」

 

千棘「ねーー」

 

承一郎「ダメったらダメーー‼︎」

 

千棘「…だってあんた万里花とはしたじゃん‼︎!」

 

承一郎(え…えーーーーーー‼︎?)

 

千棘さんは急に泣き出した!何これ、千棘さんって泣き上戸⁉︎

 

集「お〜いジョジョ〜どうしたのさっきから」

 

承一郎「おお集!いいところに…!それが…『キング・クリムゾン‼︎』で…」

 

ちょっと待て、今時が吹き飛ばされたような気が…。

 

集「へ?ウイスキーボンボンで?どんだけお酒弱いのさ桐崎さん」

 

なんで分かったんだ?君、通訳とか向いてるよ、きっと。

 

集「………ふ〜むしかし…お酒に弱い女の子ってなんかいいよね、カワイイ‼︎」

 

承一郎「………こんな時に何バカな事…」

 

?「…な〜んを、言いよっとばい‼︎!☆」バァン‼︎

 

突如現れた女子のツッコミが集に直撃、集が吹っ飛ばされた!

 

グオングオン、ドガァァアァン‼︎

 

…この手錠と鎖、もしかして……。

 

万里花「フ…フフフフ…」

 

承一郎「うわーー‼︎集ーー‼︎?たっ…橘さん……⁉︎」

 

スタンド込みでやったのか⁉︎なんて危険極まりない…!

 

万里花「あーーいっくんがおるばい。いっくんいっくん〜」

 

承一郎「た…橘さん…!まま…まさか君まで…⁇」

 

万里花「いっくんいっくんアイ(I)ライク(like)♡な〜んば言いよったりして☆」

 

承一郎「」(絶句)

 

万里花「ブプーー‼︎!」

 

承一郎「いや何も面白い事言ってないけど⁉︎」

 

橘さんは笑い上戸かよ!これはこれでカオスだな!

 

万里花「ほ〜ら舞子さんギブと?ギブしよっと?ギブせんばそのメガネカチ割っとよ?はいワーン、ツー」ギギギギギ…

 

橘さんは倒れた集に追い打ちと言わんばかりにプロレス技をかけた。集の口からは泡がブクブクと出ている。

 

承一郎「わ〜〜‼︎橘さんストーップ‼︎そいつもう落ちてるから‼︎」

 

やめてあげて橘さん!集のライフはもうゼロだ!

 

承一郎「(マ…マズい…!なんか思った以上に大変な事になってる…‼︎)「…一条承一郎」ん?」

 

承一郎「ああ、鶫さんか…!良かった…!君は無事だったんだね…!」

 

鶫「………ん?ああ…もちろんだ…」

 

ガシッ‼︎

 

鶫さんは唐突に僕の顔を両手で掴んだ。

 

承一郎「へ?あ、あの…?鶫さん…何を…?」

 

鶫「……ん…?…お前の唇柔らかそうだと思って…」

 

ダメだ‼︎全然大丈夫じゃあなさそうだ‼︎

 

承一郎「つ…鶫さん…!何をするつもり…」

 

鶫「ん?何って…ただの接吻を…」

 

承一郎「ただのって‼︎というか接吻て…おいマジか‼︎待て待て待てって…おい鶫さん…!うおおおおおおおッ…‼︎」

 

ヤバイ、鶫さんの唇がッ!ちょ、マジで近すぎるッ!

 

ジョニィ『やれやれ…緊急脱出!「ブラッディ・シャドウ」ッ‼︎』

 

鶫「ん…思ったより固い…」

 

ジョニィの機転によって僕は脱出、鶫さんは奥の狸の置物にキスをした。あ…危なかった〜〜〜‼︎

 

るり「…大変そうね一条君」

 

承一郎「へ?おお宮本さん!やっぱり君は平気だったのかい」

 

るり「ええもちろん、でも日本は今大変な事になってるのよ?」

 

承一郎「…は?」

 

るり「溜まりに溜まった国債も限界にきているわ。雇用の減少に回復の兆しは未だ見えないし、深刻な少子化の影響も様々な形になって世に顕れてる。政治は税率を上げる事ばかり考えているしその上…」ペラペラペラ

 

承一郎(あ…ああダメだ‼︎やっぱり宮本さんもダメだったーー‼︎ハッ…!そういえば小野寺君は…小野寺君はどうなったんだ…⁉︎)

 

?「あー!一条君だー」

 

声のする方を振り向くと、そこには小野寺君が座っていた。なんだかフワフワするような、奇妙な雰囲気を醸し出していた。

 

小咲「わ〜い、一条君だ〜」

 

承一郎「あ…ああ、小野寺君…大丈夫かい…?(大丈夫じゃあなさそうだが…)」

 

小咲「う〜ん、なんかね〜、すっごくフワフワして気持ちーのー…」

 

承一郎「ちょ…ちょっと待っててくれ、今皆に冷たい水を…!」

 

小咲「う〜ん、でもこの部屋すごく暑いんだ〜」

 

承一郎「は⁉︎」

 

ぬぎっ‼︎

 

小野寺君は突如着物に手をかけて、胸をはだけさせようとする!

 

承一郎「‼︎?」ブッ‼︎?

 

シュル…

 

ま、マズイ!これでは…み、見えてしまうッ!

 

承一郎「わーーわーー‼︎何やってるんだ小野寺君、ストップストーップ‼︎」

 

小咲「へ?何って?あれ?う〜〜?」グイ…グイ…

 

しかし、小野寺君の着物はそれ以上はだけない。よかったと言うべきか残念と言うべきか…。

 

小咲「…一条君、これほどいて?」

 

承一郎「ノオォォオォォ‼︎!」

 

小咲「だって暑いんだもん…ねぇ…脱がして?」

 

承一郎「だだだダメだってば…‼︎ほら今エアコン切った‼︎切ったからぁ…‼︎」

 

小咲「ぶ〜…ケチ〜……あ♡…一条君てさ〜〜〜…お肌キレイだよね〜、女の子みたい」のしっ…

 

小野寺君は言うや否や僕の体を倒してその上に乗った。バカな、僕がマウントを取られているだと…⁉︎

 

承一郎「ヒェッ‼︎?」

 

小咲「いいな〜うらやましいな〜。あ、でもガッシリしてるね〜」つつつ…

 

小野寺君は僕の体へ指を這わせ、ゆっくりと下へ下ろしていく。

 

承一郎「ひいっ‼︎?やめっ…!」

 

小咲「髪も…ツヤツヤで柔らかくて…もっと…触らせて…?」クシャ…

 

今度は僕の髪を…ダメだ、これ以上は僕の中にある決定的な何かが切れてしまうッ!

 

承一郎(ダ…ダメだ‼︎手に負えない…‼︎これ以上ここにいたらダメだ…‼︎!一時避難をッ…‼︎!)

 

ガツンッ!

 

承一郎「痛っ…!何だ、まるで空中に壁があるような感じが…!」

 

僕は小野寺君をチラッと見てみると、小野寺君の後ろに(ヴィジョン)が…やはり、小野寺君は…!

 

ガシッ‼︎!

 

承一郎「ヒィ‼︎?」

 

肩を掴まれ、振り向くと千棘さんが。

 

千棘「ねぇ…ちょっと聞いてもいい…?」

 

承一郎「…は⁇え…ち…千棘さん…⁇」

 

千棘「私の事、好き…?」

 

承一郎「はぁ‼︎?」

 

千棘「ねぇ、どうなの?好きなの?嫌いなの?どっちよ?」

 

承一郎「…そんな事言われても…あ…すっ…好きだよ!もちろん!ほら…恋人としてね…?」

 

千棘「そういう好きを聞いてんじゃあない‼︎」くわっ!

 

承一郎「え〜〜‼︎?」

 

千棘「だからぁ〜こう〜男と女の好きって言うかぁ〜。あんた私の恋人でしょ〜?恋人なんだったら〜〜…私の事好きって言いなさいよバカァ‼︎!」

 

承一郎「さっき言いましたけどぉ‼︎?」

 

もうやだよぉ、彼女達怖すぎるよぉ!

 

ジョニィ『お前、なぜ気づかないんだ…』

 

千棘「好きって…ちゃんと好きって…言わないとぉ〜…メチャクチャにする」

 

承一郎「え〜〜〜〜‼︎?」

 

万里花「え〜?なんばすっとね〜?私もやっよ〜」

 

鶫「私も…やる…」

 

小咲「するー、するー」

 

千棘さんの言葉に呼応するように小野寺君達もゆっくりと僕に近づいてくる!ちょっと待て、ナニをするつもりなんだ⁉︎

 

承一郎「ヒィ〜〜〜‼︎?ちょっ…ちょっと待て君達…‼︎待て!落ち着いて話し合おう‼︎後生だから見逃して…」

 

ジョニィ『やれやれ…もう一度か。ブラッディ…「つぐみ‼︎!」何ィッ‼︎?』

 

ジョニィがスタンド能力を使って脱出を試みるも、鶫さんが『ザ・グレート・エスケープ』の分身体で、橘さんが手錠で僕の体を拘束する!

 

承一郎「HA☆NA☆SE!待ってくれ…‼︎何する気だい‼︎?お願いだから止めてくれ‼︎頼む助けて…!助け…」

 

承一郎「僕のそばに近寄るなああーーーーーーーーッ‼︎!」

 

その後、僕の意識はまるでロウソクの火のように掻き消えた…。

 

キング・クリムゾン‼︎

 

次に僕が目を覚ましたのは夕方頃だった。

 

承一郎「ん…う〜ん…?………あれっ…?なんだ…?僕はなんで寝てたんだ…?今日は…突然皆が来て…それから…」

 

僕は目を擦りながら考えるが…

 

承一郎「何も思い出せない…。なにかものすごい怖い夢を見たような…。まぁいいや、なんか頭痛いしもう少し寝よう…」

 

千棘「…今日は何も起きなかった…そうよね皆?」

 

三人「うん…」

 




というわけで正月回、終了です!

新しい時代になりましてもコツコツ続けていきたいと思います!

それではまた次回!

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