ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
承太郎達を苦戦させた男に、クリスタル・クルセイダーズはどうする⁉︎
ダラス空港で露伴先生達を見送り、バスへと戻った僕達は、再びミスタの運転で州間高速95号線へもどり、フロリダへと向けて出発した。
なお、露伴先生との見送りでは仗助さんと露伴先生との仲はまた1つ、溝を作った。
あのボインゴのトト神の絵を真似た写真を見たときに、仗助さんが「酷い絵」と言ったのを聞いた露伴先生が突っかかってきた。
露伴『君達を助ける為に僕がプライドを捨ててまで、あのセンスの無い絵を描いたというのに、東方仗助。君は僕をどこまでバカにすれば気が済む?』
仗助『いやいや、そんな気は全くねぇって!あのトト神とかいう漫画の絵が酷いって言ってるんだよ!』
露伴『そんなことを言いながら、君は僕をバカにする。そういう男だよ。君は』
とりつく島の無いとはこういうこと。
仗助さんの言い分をまったく聞かないで露伴先生は去って行ってしまった。
一度こじれ、十何年も経った今でも修復されない仗助さんと露伴先生の仲は、多分ずっとこじれたままなのだろう。
高速道路を走って数時間。バスはメリーランド州からバージニア州リッチモンドへと差し掛かった。
ミスタ「悪い、もうじき昼時なんだが、この辺りで一旦高速を降りていいか?」
仗助「またか?どうも出発からお前の昼時を狙われるパターンって多いんだよなぁ。ピストルズを説得することは出来ねぇのか?」
すみません、それ僕のせいなんです。スカルズ兵達を強襲させちゃったから…。
ミスタ「そうは言ってもよぉ。リッチモンドを過ぎればピーターバーグとかまで行かないといけないだろ?そうなるとピストルズも拗ねるんだよ」
ピストルズ「「ソンナコトニナッタラ脳汁ブチマケテヤルゾ!チクショー!」」
ピストルズがうるさくて仕方がないからリッチモンドで降りることにしたわけだが…、
正直、あまりリッチモンドには寄りたくなかった。ここにはダウンタウンがある。
昔ほどでは無いが、バージニア州のダウンタウンは治安が悪いことで有名だった。今でも決して良いとは言えない。
まあ、そういったスラムやダウンタウンはどこにだってあるものだが。
仗助「とりあえず、インターの近くで済ませるぞ。あまり時間を掛けてはいられないからな」
バスはリッチモンドで降りて近くのレストランで食事を取ることになった。
ミスタ「チキン料理店?イタリアンじゃあねえのか?」
ジョルノ「ミスタ。あなたの都合で急いでいるところを昼食にすることになったのです。贅沢は控えて下さい」
億泰「ハイウェイからすぐの所にレストランがあっただけでもラッキーだよな」
ミスタ「わかったよ。そこで食えば良いんだろ?」
ミスタさんはやっと渋々そこで食べることにした。
最初は文句を言っていたミスタさんも、食べ始めたら文句を言わなくなった。
やはり、スピード重視なのはわかっているのだろう。
早めに食べ終わった億泰さんはピンボールで遊んでおり、隣の台の男と楽しそうに盛り上がっている。
隣の台の男「では、あなたはこの私との勝負に魂を賭けますか?」
億泰「魂って根性とかそういうものか?いいぜ、俺の根性を見せてやるよ」
隣の台の男「グッド、では、オープン・ザ・ゲーム」
八幡「あっ!バカ億泰!」
億泰がピンボールを始めたところで食べ終えた八幡が叫び声をあげる。
ヤバイ、あの台詞は…!
億泰「ああっ!負けた負けた!やっぱりよぅ、興味本意でやったゲームじゃ長持ちしねぇ…よ…な…」
男──ダニエル・J・ダービーからスタンド、『オシリス神』が出現し、億泰の魂を掴みあげる。
仗助「億泰!」
陽乃「無駄よ!種や仕掛けはどうあれ、あのスタンドにゲームで負けた事を認めてしまったが最後、負けた者の魂は捉えられ、コインにされてしまう!もしも直接攻撃してしまって殺してしまったら、億泰はもう2度と元には戻らない!」
八幡「ちっ!気付くのが遅かった!やっぱりお前だったのか。オシリス神のダニエル・J・ダービー!」
父が初めて出会った『魂を掴む事が出来る』スタンド使い。
遊んでいる億泰に賭けをそうと感付かせずに持ちかけてスタンド攻撃するたぁ中々やる奴だ。
このギャンブラーにゲームで勝たなければ億泰が助かる道はない。なのに…、
ジョルノ「ああ、敵の攻撃にやられてしまったんですね?油断しているからです」
ミスタ「気の毒だけどよぅ。もう時間がねぇから、俺達は見捨てるぜ」
ジョルノ兄さんとミスタさんはやられた億泰を放って店から出ていった。
特にミスタさんはあなたが原因だろう!
今度は仗助さんがダービーの前に立つ。
仗助「今度はチンチロチンで勝負だ!」
チンチロチンとはどんぶりにサイコロを振り、出た目の役で勝負を決めるゲームだ。
ダービー「良いでしょう。その勝負に魂を賭けますか?」
仗助「良いぜ、賭けてやるよ!」
まずは仗助さんが親だ。サイコロを3つ振る。
出た目は「3、3、5」の微妙な数字だ。最後の5が3なら3のアラシで無条件の勝ちだったのだが。
ダービー「次は私ですね」
ダービーが振ると「4、5、6」のシゴロ。2倍役で負けだ。
ダービー「いきなりすみませんね。次は私が親です」
ダービーが振る。「1、2、4」の約なし。
最後の4が3ならヒフミで無条件の2倍勝ちだったのに。
次は仗助さんだ。「2、2、4」の約なし。1の差で俺の勝ち。
だが、さっきのシゴロ分だけ仗助さんの負けだ。
次は仗助さんの親だ。「2、5、6」だ。微妙に1つだけ外れる。
次のダービー。「3、3、3」のアラシ。三倍負けだ。
こんな感じで微妙な勝ちを交えながらもジワジワと役を食らって追い込まれる仗助さん。
イフミとかダービーが時々やるが、ここぞというタイミングでアラシとかシゴロとかの大役を食らう。
この段階になって仗助さんも何かおかしいと思い始めたようだ。
仗助「テメェ…何かをやってやがるな?このダイスがイカサマダイスとかじゃあないよなぁ!」
ダービー「なら、何故私の方もイフミとかの負け役を出しているのですか?」
仗助「疑われない為の手品かなんかじゃあねえのか?」
ダービー「ふむ。では、私をボディチェックでもしてみますか?」
そう言われてボディチェックをしてみるが、場にあるダイス以外のダイスが見当たらない。
仗助「でてこねぇ!」
ダービー「そんな物に私が頼るとでも思っていたのですか?私クラスのギャンブラーともなればダイスの目を自分の思うようにすることなど可能なのですよ?サイコロのギャンブルを挑んだ段階であなたは最初から負けていたんですよ」
やはりか。ダービーは承太郎さんに敗れる前までは負け知らず、無敗のギャンブラーだったのだ。
熟練のディーラーがルーレットで好きな色を出せるのと同じように、ダービーもそのような事が可能なのだろう。
仗助さんはの心の中で敗北を認めてしまい、ダービーのスタンドによって魂を抜き出され、コインにされてしまった。
<= to be continued=
今回はここまで!次回はJOJOが大活躍!
それでは、また次回!