ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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長くなってしまった…(汗)

今回、DIO様のキャラ崩壊がヤバすぎる…
(゚o゚;;

それでは、どうぞ!


前世持ちの奴って若返ったら前世になるってマジ?

昨日は色々と大変だった。

 

小町が気分転換に外に出た後、八幡少年が嫌な予感がすると言って走って行ったのだ。

 

このただならぬ雰囲気に全員が小町と八幡少年を探しに町へと捜索に出た。

 

八幡少年の嫌な予感は的中していて、小町は敵の刺客、ミドラーに襲われていた。

 

しかも、いつもとは明らかに違う小町は敵の攻撃によってあわやの事態に陥っていたらしい。

 

間一髪のところで小町を救出した八幡少年。

 

その後の事は私も見ていた。ミドラーの事情も。

 

仗助『血の繋がらない子供の為に、命を張った尊敬できる人を見捨てるほど、うちの家系は鬼じゃあ無いっすよ。それに、うちの家系ってそういうのが多いんっすよね。例えばそのエリザベス・ジョースターさん…俺から見たら祖母なんっスけど、元々は孤児だったのを曾祖母が引き取って面倒を見たらしいですし、『俺の妹もそうっス』。だからわかるんスよ。ミドラーさんの覚悟が本物かどうか。だから俺達はあなたを保護するって決めたっスよ。グレートっスよミドラーさんの覚悟』

 

仗助さんの言葉は、俺に突き刺さった。

 

俺はジョースターの人間だが、母を幼い頃に失った身だ。

 

あの時父さん(一征)や集英組の皆と出会わなかったら、俺は多分自分が何者かも分からずに、のたれ死んでいたのだろう。

 

そう考えるとゾッとする。

 

だが、ジョースター家の人間ではない静さんの方が、そういう引け目を感じているんだろう。

 

 

朝、ホテル内───

 

ホテルの小会議室を借りきって小町は全員を集めた。

 

小町「みんな。心配をおかけしてごめんなさい。実はジョセフからの手紙の事でずっと悩んでいた事があって…それで考え事をしていたんです」

 

いろは「マチちゃん。それは解っているの。でも、私たちが知りたいのはその内容。何でマチちゃんがあれほど取り乱したのか、ジョセフさんの手紙には一体何が書かれていたのか。それが知りたいの」

 

いろはは珍しく素で小町に話しかける。

 

小町は頷いて封筒を取り出す。

 

小町「うん。それをこれから皆さんにお話ししようと思ってこの小会議室を借りました。これがジョセフおじいちゃんが書いた手紙。仗助お兄ちゃんが後で気になったから、灰から元に戻しておいてくれていました。内容についてはプライベートを考慮して見なかったみたいだけど」

 

そう言って小町はプロジェクターを起動させて、その内容を壁に写し出す。

 

内容についてはメキシコ支部の機密に関わる事件と柱の一族のことだった。

 

石仮面を創り出した闇の一族の生き残り。ジョセフさんが最初に戦った柱の男。

 

小町「これが、おじいちゃんからの手紙の内容です。そして承一郎さんに確認したいことがあります」

 

小町は真剣な目で僕を見る。

 

承一郎「なんだい?」

 

小町「OCC(オペレーション・クリスタル・クルセイダーズの略)が発動する以前、承一郎さんはあちらがわにも潜入していたとおっしゃってましたが、間違いありませんか?」

 

承一郎「ああ、間違いない。どちらの事も知っていなければ、対等の判断なんて出来ないからね。君達の邪魔をしていたのは申し訳なかったけど」

 

小町「それは過ぎた事ですから、もう構いません。問題はこの写真の人物に見覚えがないかを確認して欲しいのです」

 

小町はプロジェクターをジョースターさんの手紙から同封されていた写真に替えた。

 

そこに写っているのは美人だが、どこか狂気に満たされている瞳が特徴の女性の写真だった。

 

僕には見覚えのある顔だった。

 

承一郎「こ、こいつは…綾瀬絢斗!僕が接触していたときには既にサンタナを奪っていたのか⁉︎」

 

僕は驚きを隠せなかった。

 

八幡「考え得る限りの最悪の事態だな…」

 

承一郎「あの女が何を考えているのかは分からないけど、サンタナの件も含めて警戒をしないといけないな」

 

あのサイコパスな女の考えなんて、正直理解したくもないが…。

 

仗助「とりあえず、考えていたよりも状況は深刻化したとみていい。目的地のフロリダまではあと半分だ。敵の抵抗もより激しくなると考えて良いだろうぜ。各人はそのつもりで行動してくれ。以上、解散」

 

仗助さんが締めて、ミーティングは終わった。そしてそれぞれが出発の準備に取りかかった。

 

朝のミーティングが終わった後、僕は兄さんと一緒に皆の所へ向かっていた。

 

承一郎「兄さん、兄さんの母は、どういう人だったんですか?」

 

ジョルノ「どうしたんだい?急に」

 

承一郎「いや、僕の母さんは僕が小さい頃に死んだしまっていて…。オオアマナの花が好きだったのは覚えているんですけど…」

 

ジョルノ「オオアマナ…花言葉は『純潔』、『潔白』か…。素晴らしい人だったんだね」

 

承一郎「兄さんの母はどうだったんです?」

 

ジョルノ「…母とは呼べない人だったよ」

 

承一郎「…え?」

 

ジョルノ「美しい女性だったが、幼い僕を置いて夜の街に出かけるようなロクでもない母親だったよ」

 

承一郎「…すみません、嫌な事思い出させて」

 

ジョルノ「いや、大丈夫だよ。僕がギャングに憧れたのは、そんな経験をしていたからだしね」

 

承一郎「へぇ…、今度教えて下さいよ」

 

ジョルノ「いいよ、機会があったらね」

 

そんな感じで皆の所に向かうと、いろはと陽乃が睨み合い、億泰さんとミスタさんが遠巻きに楽しみ、小町はいやらしい笑みを浮かべていた。

 

アレッシー「ハァハァ…」

 

変なオッサンがこっちに走って来てるが…、

 

億泰「おい、オッサン?どうかしたのか?」

 

オッサン「っ!いえ、何か向こうの方で一昔前の日本の不良?みたいな方と、カチューシャを付けたお嬢ちゃんが騒いでおりまして、ただならぬ雰囲気に慌てて逃げてきたんですよ!」

 

多分静さんと仗助さんなのだろう。朝っぱらから何をやっているのやら。

 

だが、僕の視線はこのオッサンの影だった。どんどん大きくなって、皆を覆ってしまっている。

 

しまった!このスタンド能力は…!

 

承一郎「皆さん逃げて!こいつは…」

 

アレッシー「もう遅いんだよ!」

 

僕が叫んだが、既に遅く、影を重ねてしまった全員が姿を変えた。

 

一瞬だけ影を交えたミスタと億泰さんは高校生くらいにまで若返っただけで済んだが、ガッツリ影を交えた学生組は僕と一緒にいた兄さんを除いては、そこに姿が無かった。

 

アレッシー「偉いねぇ。気付いた奴は上手く避けたのにねぇ。さて、DIO様の生まれ変わりだけを拐って、逃げますかねぇ」

 

アレッシーは僕たちに銃口を向けて笑っていた。既に八幡少年がやられたか…。

 

さて、どうやって助けるか…。

 

???「ほぅ…誰が誰を拐うだと?貴様も偉くなったものだなぁ?アレッシーよ…」

 

いや、何か変な声が聞こえる。

 

胎児レベルにまで若返らせられたであろう八幡の方へと目を向けると…、

 

DIO「よもや再びこの姿になる日が来ようとは夢にも思わなかったぞ?アレッシー…」

 

アレッシー「ディ、ディ、DIO様っ!」

 

僕の目の前には八幡の前世であり、僕と兄さんの父の姿があった!

 

前世持ちって若返ったら前世になるのか⁉︎知らなかった…。

 

DIO(ふはははははは!やっとこの時が来たかっ!このDIOが復活する日が三度訪れたのだ!ふん、この能力も変わらない。ザ・ジェムストーンでは無いのが少々残念ではあるが、まぁいい。ハーミットパープルと共に訓練すれば、いずれは進化するだろう!不死身!不老不死!スタンドパワー!このDIOは復活したことで、さらなるフューチャーを手に出来るのだ!さぁ、人間共よ、支配してやるぞ!」

 

???「ねぇディオ。八幡の癖が出ているから。究極生物的な変な笑いから全部声に出てるから。エリザベスがマフラー構えて波紋のエネルギー出してるから控えようね?」

 

そしてそこには、DIOだけではなくジョナサン・ジョースターまで復活していた。

 

ジョナサン「やぁディオ。現世では久し振りだね?新婚旅行以来かな?」

 

ジョナサンが波紋をバチバチやりながら(しかもハーミットパープルを出して)構えていた。額には青筋を浮かべてニッコリと。

 

リサリサ「なるほど。兄のアホは貴方の影響でしたか。それならば貴方を消せば、ゴミいちゃんはゴミいちゃんでは無くなるのですか?」

 

リサリサはマフラーを構える。

 

もしかして…サンシャインルビーはまだ使えるのかな?

 

エリナ「試してみますか?ディオ」

 

前世の姿になった聖女、エリナ・ジョースターがDIOに向かって言う。

 

リサリサ「………」

 

エリザベスがDIOに向かって指先を向ける。

 

DIO「いや済まなかった。久々にこの姿になって、少しハイテンションになってしまった。歌でも1つ歌いたくなってしまうくらいには」

 

DIOはダラダラとみっともない汗をかいている。

 

これが俺の父だと思うとちょっと…。完全にカリスマ(笑)になっているじゃあないか…。

 

アレッシー「あわ、あわわわわ」

 

ジョナサン「そうだ。運命共同体のディオよりも、今はこっちの方をどうにかしないとね」

 

ジョナサンは腰を抜かしているアレッシーの胸ぐらを掴んで宙吊りにした。

 

エリナ「この事態は予想外でしたが、良い方向に収まって良かったです」

 

承一郎「父さん達は記憶があるのですか?」

 

DIO「本来なら、若返らせられた者達は、その年齢の頃まで記憶を無くすのだが、転生前の者には例外らしい我々が八幡達の中で眠っていた時の記憶もしっかり残っているぞ。なぁ、JOJO?」

 

ロビーの方角『ふぇぇぇぇぇぇぇぇん!』

 

その時、向こう側から泣き声が聞こえた。この声は静さんの声!

 

DIO「貴様ぁ!静・ジョースターに何をしたぁ!」

 

ジョナサン「ディオじゃあない…こんな親バカはディオじゃあない」

 

同意見です。

 

アレッシー「今だ!」

 

アレッシーが逃げた。

 

DIO「貧弱貧弱ぅ!逃げても無駄無駄無駄無駄ぁ!WRYYYYYY!このDIOからそのヨタヨタ足で逃げられると思っているのかぁ!この間抜けがぁ!」

 

DIOがアレッシーを追おうとして走り出すと…。

 

ジョルノ「父さん!気を付けて!今は昼間ですよ!」

 

DIO「だにぃぃぃ!」

 

急ブレーキをかけてキキィッ!と止まると、足に太陽の光が当たる。

 

シュウウウウ…

 

あ、足が灰になった。

 

こいつ、バカ丸出しだな。

 

アレッシー「DIO様が間抜けになったおかげで助かった。こんな間抜けの下で働いていたんじゃあ20年前も失敗したのも頷けるってものだ。あばよっ!」

 

確かにその通りだと僕は頷く。

 

リサリサ「DIO。貴方の迂闊さには驚かされます。よくぞこの緊急時に間抜けになれると感心します」

 

承一郎「はぁ…クリスタル・ボーン!」

 

僕はスタンドで作った骨のプロテクターをDIOに覆わせる。

 

承一郎「貴方を助けるのは不本意ですが、今は仕方ありません。これである程度は太陽を克服できるはずです」

 

DIO「おのれこのDIOが情けをかけられるなど…このDIOが、このDIOがぁぁぁぁ!だが、太陽さえ克服してしまえばこのDIOに弱点はないぃぃぃぃ!」

 

一同「「良いから早く足を再生させて追うんだよ!このスカタン!」」

 

DIO「…………はい」

 

アヌビス神『待ってくれぇぇぇ!私も連れてってくれぇぇぇぇ!』

 

承一郎「あんたも刀に戻っていたのか、アヌビス」

 

今回、キャラ崩壊ヤバすぎるだろ。

 

まぁそんな事は置いといて、父がアホをやっている間に奴に逃げられてしまった。

 

さて、どこから追うか…兄さんと探していると…、

 

アレッシー「もらった!」

 

僕と兄さんも一瞬だけ影に捕まれた。

 

承一郎「しまった!」

 

初流乃「やられた!」

 

僕の体が小学生くらいにまで若返ってしまう。隣の兄さんは髪が黒になった。

 

アレッシー「お前達はじわじわやらせてもらうぜ!俺って偉いねぇ」

 

初流乃「くっ!ゴールドエクスペリエンス!」

 

承一郎「ブラッディ・シャドウ!」

 

し~ん……

 

しまった!僕のスタンドは矢に射抜かれてから発現したんだった。

 

初流乃「君も小さな頃は使えなかったんだね?」

 

承一郎「はい。多分、あなたは僕の兄さん…ですよね?」

 

初流乃「ああ」

 

アヌビス『間抜けめ。この俺の本体になれ。そうすればスタンドがみえるだろう』

 

承一郎「兄さんが使って下さい。僕なら波紋がありますから、スタンドが無くても戦えます」

 

アレッシー「おや?お前はアヌビス神か?裏切ったのか」

 

アヌビス『違うな。今も俺はDIO様の下僕だ。裏切りは貴様の方よ、セト神』

 

アレッシー「あんなアホに今でも忠誠を誓うなんざ、偉いねぇ」

 

初流乃「勝ち誇るな!」

 

スパァァン!と兄さんとアヌビスの攻撃がアレッシーのサングラスを切断した。

 

承一郎「山吹色の波紋疾走(サンライトイエロー・オーバードライブ!)

 

バコオォォォン!と僕の波紋の拳がオッサンを横殴りに殴り飛ばす!

 

アレッシー「うぎゃぁぁぁ!」

 

アレッシーとか言うオッサンは再び逃げ始める。

 

方向はロビーの方だ!

 

DIO「遅くなった!追うぞ!ジョルノ・ジョバーナ」

 

初流乃「いえ、今の僕は汐華初流乃(しおばなはるの)です」

 

ジョナサン「そんなことはどうでも良いから、追うよ!仗助達が危ない!」

 

そうだった。そのジョースケという人も元の僕には大切な人だった。

 

僕たちは二人の父達を追ってロビーの方へと走った。

 

そこでショッキングな物を見てしまった…。

 

静「お兄ちゃん、離して!もう、ちっちゃくなっちゃった静なんていらないでしょ!血のつながってない役立たずの静なんかいらないでしょ?!もう静の事なんて放っておいて先に行ってよ!うわあぁぁぁぁぁぁぁん!」

 

静さんの体が幼少期までに小さくなって、泣いていた。

 

静さんは悩んでいたのだ。ジョースター家ではないというコンプレックスをこれほどまでに抱えていたのだ。

 

静「もう静は戦えないよぉ!ぐすっ!ハモンの戦士としてもスタンド使いとしても、こんなちっちゃな静じゃあ何にもできないよぉ!ううっ…もう、放っておいてよぉお兄ちゃん!こんなミジメな静を見ないでよぉ!うわあぁぁぁぁぁぁぁん!」

 

仗助さんの目から、

 

DIO「仗助!」

 

ジョナサン「仗助!」

 

リサリサ「仗助!」

 

エリナ『仗助っ!』

 

初流乃(刀持ち)「お兄さん!」『仗助!』

 

億泰「仗助!」

 

ミスタ「おい、そこのおっさん!」

 

承一郎「お兄さん!」

 

クリスタル・クルセイダーズの皆が仗助さんを呼ぶ。

 

仗助さんはより強く、恐らくは透明になっている静さんの体を抱き締めた。

 

仗助「バカ野郎……静…」

 

ポタッ…ポタッ…と、

 

静「おにい…ちゃん?…泣いている…の?」

 

とうとう、仗助さんの目からあふれでた涙が…

 

 

 

 

 

 

 

頬を伝って床に落ちていた…。




次回、仗助の怒りが爆発!

アレッシーは…察して下さい…(汗)

それでは、また次回!

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