ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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前書きとかで書くネタが無い(汗)

今回は決戦前夜からG.D.st刑務所への突入までの回です!


G.D.st突入

ホテルマイアミグランドビーチ───

 

マイアミ海岸のホテルの中でも、最低四万円はかかる宿泊費のホテル。

 

大統領はその中でもキングスイートルーム六人部屋を四部屋も押さえていた。

 

仗助「SPW(うち)も大概だが、あの大統領もやることが大概だな」

 

ジョルノ「もう驚きませんよ。あの人の企画外さは」

 

承一郎「なんか小ホールまで借りているらしいですね。何をやるつもりなんでしょう」

 

まぁ、会議はないだろうけど。

 

会議だったなら昼の州議会会議室で既にやっているのだから。

 

由花子「みんなの壮行会よ。久しぶりね、静ちゃん、いろはちゃん、小町ちゃん」

 

この世界では千葉支部の営業係長に転属予定の東京支部所属、営業課の広瀬康一さんの奥さん、広瀬由花子さんがやって来た。

 

旧姓、山岸由花子さんだ。

 

由花子「比企谷君?相変わらずいろはちゃんを大事にしている?」

 

八幡「は、はい。いろは一筋です(最近怖いけど)」

 

由花子「そう。もし、いろはちゃんを裏切っていようものなら…」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

由花子「あんたを拐ってでも一筋の愛を貫く素晴らしさを延々と説く必要があるんじゃあないかと思っていたけど、安心したわ」

 

あれ?良く考えるといろはと静さんに似ているような?…というか由佳子さんに二人が影響されたのかな?

 

八幡「あの、今回俺のディオの転生かどうかが原因の誘拐未遂の事件なんで、拐うとかは洒落にならないんで止めて欲しいんですけど…広瀬さん」

 

由花子「そう?まあ、良いわ。支度が忙しいから、また後で」

 

いろは「あれ?康穂ちゃんは?」

 

康穂とは広瀬夫妻の娘さんで、小町とは同学年でらしい。

 

由花子「康穂はうちの旦那が見てくれているわ。もう小学校高学年なんだし、少し離れるくらいじゃあ大丈夫よ。学校だってあるんだし。それに、比企谷君がいるのに連れてこれないでしょ?」

 

後で事情を聞いたのだが、互いがスタンド使いである者同士で夫婦になった広瀬夫妻の娘である康穂は当然、生まれついてのスタンド使いらしい(能力は知らないが)。

 

生まれついてのスタンド使いの幼少期はいくつかにわかれる。

 

康穂の場合は静さんと同じパターンで、同年代で周りにスタンド使いがいなかったパターンだ。

 

あまりに不憫だと思った康一さんが、ある日八幡達のところに康穂を連れてきた。

 

そこからはあっという間だったらしい。

 

康穂は八幡達になついた。いや、八幡少年になついた。なつきすぎたのだ。

 

結果、八幡少年を巡るいろはと康穂の戦争が勃発。

 

いろはと康穂はそれぞれは仲は良いが、そこに八幡少年が混じると話は別のようだ。

 

康穂も良い子らしいのだが、親が元祖ヤンデレの由花子さん。

 

既にいろはとの関係は決定していたようで(『やはり俺の奇妙な転生は間違っている』第1章、「夕焼けのエンゲージ」参照)、青筋を立てた由花子さんに拉致られて監禁されたようだ。まる1日も。

 

それ以来、完全にこの人が苦手になったようだ。ちなみに康穂はまだ諦めていないそうだ。

 

そんな事情から、康一さんは千葉に転勤しても、基本は東京から出勤するらしい。

 

八幡少年と康穂を日常的に会わせるのはまずい…と。

 

こっちはヤンデレなんていなくて良かったなと心から思う。もしいたら冷や汗ダラダラものだ。

 

 

夜、小ホール───

 

そこでは決戦の壮行会として立食式のパーティーが開催されていた。

 

「そんなんするくらいなら早く休ませろ!」と八幡少年が言ったら、由花子さんに「理由は別にあるのよ」と言われた。

 

ミスタ「お、パーティーの料理はイタリアンか!それも本格的な!」

 

億泰「え、この臭い…ま、まさか!トラサルディーの!」

 

億泰さんが大声を張り上げた。

 

トニオ「さすがは億泰さん。常連の億泰さんなら、私の料理を臭いでかぎ分けてくれると信じていました」

 

億泰「トニオさん!」

 

厨房からシェフのトニオ・トラサルディーさんが現れた。

 

億泰「トニオさん!俺はめっちゃ嬉しいですよ!決戦前の景気付けにこれ以上の料理はないですよ!あれ、でも店は?」

 

トニオ「ここにいる杜王町の方々は私の大事な友人。かつては杜王町の危機を救ってくれた方々です。そして、今度は世界を救う戦いをしているというじゃあありませんか!ならばこんな形でも力を貸したい!そう思って馳せ参じました」

 

今は英語で喋っているからか、トニオさんは普通に喋っているように感じる。

 

普段は似非外国人のような片言の日本語だから、 逆に違和感がある。

 

八幡「おおっ!トニオさんのイタリアンかぁ!これは粋な計らいだ!」

 

陽乃「あれ?比企谷君はイタリアンと言えば千葉のオアシス、サイゼリアじゃあないの?」

 

八幡「ファミレスとしてはそうっスよ。でも、あくまでもファミレスとしてはです。本格イタリアンならトラサルディーは格別です!」

 

陽乃「そんなに美味しいの⁈千葉愛を豪語する比企谷君がサイゼリア以上と脱帽するくらい?」

 

確かにトラサルディーの料理は他のファミレスとは次元が違う美味さだからね。

 

八幡「陽乃さん。確かにトニオさんのイタリアンは味だって絶品です。でも、それだけじゃあない!トニオさんの料理は内側から治療を施す一種の内効薬みたいなものなんですよ」

 

トニオ「今日は全品最低は一口ずつ召し上がって下さい。一人一人に対応はできないのが残念ですが、それで悪いところは全て治る筈です。あとは安眠促進効果や自己治癒向上効果のお料理も用意してあります。皆さん、是非とも御賞味ください」

 

そう言ってトニオさんは厨房へともどっていった。

 

僕達クリスタル・クルセイダーズは全員、少なからず負傷し、疲労を溜め込んでいたので、トニオさんの料理は非常に助けられる。

 

仗助さんやジョルノ兄さんにはない内効的な治療、一番近いのはいろはの治療だが、トニオさんのパール・ジャムはそれを極めた能力だ。

 

徐倫「プッチとの最後の戦いの前に最終的な体のメンテナンスとしては最高のバックアップね。アメリカ式、イタリア式、フランス式、イギリス式、日本のグッジョブ、最高よ!」

 

ヴァレンタイン「ぬ?みんな歯が抜けたり、腹が裂けたりしはじめたぞ?敵のスタンド攻撃か?」

 

まぁ、初めて見る人は焦るよね。この中では大統領くらいなのかな?

 

承一郎「大統領、あれは体の悪い部分が体外に出ているんですよ。そのあと、治療が始まるんです」

 

僕が大統領に説明する。

 

そう、症状が出始めた人は料理に対応した部分に悪いものを持っていたから。

 

それがどんどん治療されていく。

 

ヴァレンタイン「ふむ。CC関係のスタンド使いと聞いたから応援を要請したが、これはすごい。医療関係の食堂に勤務した方が世間の為ではないのかね?」

 

ああ、やっぱりそこに行き着いたか。でも、それをSPW財団がやらない理由は2つある。

 

仗助「おれも、それは一度考えた事があるんですが、それだと意味がないんですよ。将来的には。トニオさんありきでのその治療は、今という時にはプラスですが、将来的にはマイナスなんですよ。誰にでも出来る医療を向上させる方が、プラスなんです」

 

仗助さんが言った理由が一つ目。

 

スタンド能力ありきの治療では医療の発展には意味がない。

 

八幡「それに、やはりトニオさんは料理人なんですよ。食べて欲しいから。食べてもらった人に健康でいてもらいたいから。そんな気持ちがあのスタンド能力として出たものだと思います。だから、あの人の場合は好きなところで好きな料理を作るのが一番いいと思います」

 

スタンド能力は精神の力。

 

好きな杜王町で好きな料理をするのがあの人には一番良いのだろう。

 

???「スッゲエ!傷が完璧に治った!そしてこの料理で完璧に体調が整った!」

 

見るとドレッドヘアーの女の人が騒いでいた。

 

その隣には青髪ロン毛の男の人がキョロキョロしながら料理を食べている。あれは…

 

徐倫「エルメェス!アナスイ!」

 

刑務所の中で徐倫さんに協力した仲間、エルメェス・コステロさんとナルシソ・アナスイさんだ。

 

徐倫「紹介するわ。G.D.st水族館の仲間、女の方がエルメェス、男がアナスイよ」

 

エルメェス「あたしがエルメェス。ここにいる大半がスタンド使いって聞いてるぜ。よろしくな」

 

アナスイ「アナスイだ。ここにいるのは徐倫の為だ。それ以上でもそれ以下でもない」

 

エルメェスさんは姉御というか兄貴というか…。

 

アナスイさんは微妙に由花子さんに似た狂気を感じるのは気のせいではないと思う。

 

ジョルノ「エルメェスというのは雰囲気を変えたブチャラティって気がするし、アナスイというのは服装を変えればまんまアバッキオだな」

 

パッショーネのメンバーに似たような存在がいたらしい。

 

徐倫「そう言えば、あたしの死んでしまった仲間のF・Fというのにミスタさんは似てたよ。誰かに似ていたとは思ってたんだよね。会わせたかったな…」

 

アナスイ「ウェザーにもだ。あの死にたがりが…もう少し待っていれば、こんないい出会いがあったのに。あのバカ野郎」

 

二人は涙を流していた。

 

承太郎「花京院、アヴドゥル、イギー…」

 

仗助「重チー、玲美さん…」

 

億泰「兄貴…」

 

由花子「彩さん…」

 

ジョルノ「ブチャラティ、アバッキオ、ナランチャ…」

 

小町「シーザー、ストレイツォ様」

 

承一郎「……」

 

各々が失った者達へ、哀悼の意を表している。

 

八幡「ジョージ父さん、ツェペリさん…」

 

仗助「もし、失われていなかったら、その人達はここにいたかも知れないよな。でも、その人たちがいたからこそ、今がある…そうとも思える」

 

忍「でも、あちし達の中から、それを出すわけにはいかないわ。それがたとえ覚悟の上でも」

 

承一郎「絶対に生きてここに戻ろう。一人たりともキャンセルを出すんじゃあないぞ」

 

八幡「ああ、絶対に…」

 

仗助「お前ら!」

 

仗助さんは全員に聞こえるように声を上げる!

 

仗助「明日は一人たりとも欠けずにここに戻ってくるんだ!潜入しているやつらも含めてな!それがクリスタル・クルセイダーズの最終ミッションだ!いいな!」

 

わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

心身ともに最高のコンディションを持って、僕達は翌日に臨んだ。

 

そして、夜が上げて翌朝…

 

今回の事件の始まりであり、最終決戦の地となった閉鎖されたG.D.st重警備刑務所、別名水族館につながる直進道路。

 

米軍が取り囲むこの場所の装甲車に僕達が乗り込む。

 

大統領がヘリから降り立ち、全員に檄を飛ばす。

 

ヴァレンタイン「諸君!オペレーション・クリスタル・クルセイダーズ最後の戦いだ!これは世界の存亡を賭けた戦いである!作戦の成否が、世界の命運を左右すると言って間違いがない!諸君の健闘を祈る!仗助代表!」

 

仗助「ラストミッション!エンドレス・ザ・ワールド!始動!行くぜ、テメェら!」

 

仗助さんの号令で外壁に向けて突入の為の援護ミサイルが発射される。

 

そして、僕達を乗せた装甲車が突入を開始した!

 

とうとう、僕達の最終決戦が…

 

幕を開いた!

 

<= to be continued=


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