ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
活躍するのは絢斗戦!
それでは、どうぞ!
八幡少年、忍さんが変身するジョセフ、ダービー兄弟の麻雀対決が始まった。
こんなところで足止め食らっている場合じゃあない。
東場一局、テレンス親 白を切る
ジョセフ(忍)「ロン!大三元(「白はく・撥はつ・中ちゅん」が三つずつ揃う役満)」
テレンス「なっ!」
いきなりか。いきなり役満(最高点数の事。麻雀ではいくつも手がある。これ以上はいくら手が重なっていても点数は上がらない)とは。
まぁ、全員積み込みやってるんだろうけど。
八幡少年も国士無双(マンズ、ピンズ、ソーズの各1と9、東トン・南ナン・西シャー・北ペー白撥中が1つずつで、どれか1つが二つある手。これも役満)テンパってたし(テンパイしているの略。ビンゴで言うところのリーチ)。
よく大三元の残りカスが全て揃っていたな(麻雀では各牌は4つずつ。忍の所に「白撥中」が3つずつあったので残り1つずつは八幡が持っていた)…。
テレンス「そうか、ジョセフといったら二十年前にいかさまで私に勝った男…。貴様、いかさましてるな!」
アトゥム神『YES!YES!YES!』
あ、コイツバカだ。
スタンドなしって言ったのにスタンド使いやがった。
テレンス「ぐおぉぉぉぉ!」
奴の胸に『錠前』が掛かる。
テレンス「ぐう!だが、いかさまを使っているのはわかったぞ!貴様の敗けだ!」
ジョセフ(忍)「だからどうしたのよ」
テレンス「は?」
ダニエル「この勝負はイカサマとか普通にアリの勝負ではないのか?テレンス」
八幡「早く次の局に移るぞ。東の2局、忍さんが親だ」
ジョセフ(忍)「何であんたはその年で麻雀知っているのよ」
八幡「接待でやることがあるので」
…まぁ大体ジョセフさんに仕込まれてたんだろうな…。
…僕も同じようなものだから…。←ヤクザの跡取り
ジョセフ(忍)「八幡ちゃん。あちしを睨まないで。あちしは忍よし・の・ぶ」
ダイスの目は6。左隣の八幡少年の山だ。
よし、この山は大体積み込んである。
八幡少年だけが役が揃っている。2の三色(ピンズ、ソーズ、マンズが同じ数字で構成されているメンツ)3暗刻あんこう(鳴かずに同じ牌が3つ揃っているメンツを「暗刻」と呼ぶ)。
忍さん、八幡少年の番で四暗刻すーあんこうの頭(同じ牌が最低二つないと麻雀は上がれない。それを頭と呼ぶ)待ち、ダービー兄が捨てて、テレンスが「中」を切る。
八幡「ロン!4暗刻単機待ち!役満!」
テレンス「なんだとぉ!」
まぁ、そうなるように積み込んだんだろうけどね。
次の局で八幡少年の親。ダービー兄の山からスタート。
ダービー兄が「地和チーホー」(既にテンパイの状態でスタート。最初のツモで上がりの役満)でツモ。
親の八幡少年が一番払いがでかいじゃあないか。
東風最後の局。役満を二度も振り込み、さらにダービー兄の役満で既にハコテン(持ち点がゼロ以下になること。略してハコるという)のテレンツは涙目だ。
ダービー「オープン・ザ・ゲーム」
まさか「天和テンポー(地和の親バージョン。最初の14枚で既に上がっている役満。内容は何でも良い)」とかやらないよな?
ダービー兄は、ティーチャー(麻雀のサイコロ)の目を自由に出せるのは仗助とのチンチロリンで証明されてるから、自分の山に目を出してやりかねない。
あ、ダービー弟の山の目を出した。
あれ?この配牌、普通だ。テレンスの奴、積み込みが出来ないな?
この局は八幡少年が鳴きありのソーズの清一(チンイツ。マンズ、ソーズ、ピンズの内、どれか1種類のみでやる手。役満ではなく、鳴くと点が下がるが、決まれば大抵は満貫(8000点))。
こんな感じで半チャン終了(麻雀は東場が四局、南場が四局の2巡をして半ゲーム)。テレンスは何度もハコテンしている。まあ、あの後も字一色ツーイーソー(字牌のみの役満)、緑一色リューイーソー(撥と赤を含まないソーズのみで決める役満)、国士無双に再び四暗刻と、普通ならあり得ない役満のオンパレードなんて喰らい続けたら、普通はそうなる。ちなみにトップはダービー兄だ。
八幡少年やジョセフさんに変身した忍さんがテレンス一人へ狙い打ちしているのに対してダービー兄がツモ上がりの役満をやればそうもなるか。
JOJO「これ以上は見ていても無駄だな。俺は先に行くぞ」
俺はそう言って、壁らしき場所を殴って先に進む。
JOJO「コォォォォ…」
俺は波紋の呼吸を練りながら走り抜けていく。
JOJO「そこだァッ!」ズバァァン‼︎
俺は骨の剣を生成して、近くの地面を斬りつけた。
ケニーG「うっぎゃあーッ!」
斬り裂いた地面から幻覚を作るスタンド、『ティナー・サックス』のケニーGが出て来た。
JOJO「フン、波紋の生命探知機を甘く見るなよ。前回は柱で今度は地面か。まぁ、少しは進歩はしたんじゃあないか?」
ケニーG『ティナー・サックス』
戦いもせずに
俺は空間を繋いで八幡少年達の方を見る。
八幡「さすがですね、ダニエルさん。勝負事に容赦がないですね」
ダニエル「筋書きは決まってますから、後は私達三人の純粋なギャンブルですよ。それにしても比企谷くんもなかなか、その年で大した腕です。磨き続ければ将来は立派なギャンブラーになれますよ」
八幡「そこのジジイのオリジナルに仕込まれましたから。二十年前、あなたに負けたのが相当悔しかったらしいですよ?あのジジイ」
JOJO「フハハハハハハ!相変わらず性格の悪い師弟だ!」
よし、幻覚が解けて普通の薄暗い独房に戻った。
それじゃあ、こっちも急ぐか。
テレンス「な、兄よ!お前もグルだったのか!」
『YES!YES!YES!』
テレンス「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!」
『錠前』が更に大きくなる。スタンド使うなって言うルールを忘れたのか?
ダニエル「アホですか?テレンス。まぁ、今さらバレても問題無いので白状しますが、私も『クリスタル・クルセイダーズ』なのですよ。負けておめおめと戻ったふりしてあなた達の情報を流す任務を帯びてね。ギャンブルに限らず、勝負の世界では良くあることです。味方が敵とグルになるなんて…ね。仮に彼等の仲間ではなくても、スタンド能力に胡座をかいているだけで、勝負の腕を一切磨かなかったあなたに味方する愚は犯しませんでしたよ」
ダニエルからオシリス神が出現する。
ダニエル「負けを認めたな?愚弟よ。オシリス神が出たと言うことは、お前の精神が負けを認めた証拠だ」
ダニエルがスタンドを出しても『錠前』がかからない。
テレンス「何故だ!玉美、何故兄にお前のスタンドが発動しない!ま、まさか…」
玉美「当たり前だろうが、俺は康一さんの舎弟だぜ?俺もクリスタル・クルセイダーズだ。審判がグルって言うのも、勝負の世界では良くあるじゃあねぇか」
テレンス「ふざけるな!こんなのは無効だ!インチキだろうが!兄よ、助けてくれ!俺達は兄弟だろ!弟を見捨てるのか!」
魂を引き出されながら、テレンスはダニエルに懇願する。
ダニエル「助けるか助けないか、あなたのスタンドで見れば良いではありませんか?」
『NO!NO!NO!』
テレンス「に、兄さん!」
ダニエル「こういう時だけ兄扱いですか。私としてはとっくの昔に兄弟の縁など切っているんですけどね。私にとってはあなたよりも、私の命を救ってくれた一色いろはさんのいるこのクリスタル・クルセイダーズの方々の方がよほど信頼できる。さぁ、大人しくチップになりなさい。テレンス・T・ダービー」
テレンス「うわぁぁぁぁぁ!」
ドオオォォォォン!
テレンスの魂はオシリス神によってチップに変えられた。
ダニエルさんはチップを拾い上げる。
ダニエル「…あなた方は友や家族の為にこんな危険な旅に迷いなく出る一方で、私達のように血の繋がりをもあっさり捨て去ってしまう家族もいる。この違いは何なのでしょうね?」
無表情なダニエルだが、その背中には哀愁が漂っていた。
ダニエル「そのまま朽ちていく弟を見るのは忍びない…八幡君。お願いする」
八幡「良いのか?」
テレンス『な、何をする!』
八幡「その状態でも喋れるのか。さて、喋れるのならクイズだ。俺はどちらの拳で殴ると思う?」
テレンス『ひ、左ですか?』
『NO!NO!NO!』
テレンス『一思いに右?』
『NO!NO!NO!…NO!』
テレンス『りょ、両方?』
『YES!YES!YES!』
テレンス『もしかして、無駄無駄ですか!?』
ジョセフ(忍)「YES!YES!YES!…OH MY GOD」
ザ・ジェムストーン「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!
テレンス・T・ダービー『アトゥム神』
死亡(魂は兄、ダニエルのチップアルバムに仕舞われ、現世に留まる)
一方…面会室───
ウンガロ「うがあぁぁぁぁぁ!」
露伴「僕の作った正義の味方に葬られろ、ジャンキー」
アナスイ「徐倫、すぐに行くぞ!」
音石「俺達が好きだったキャラクターがいなかったのがお前の運の尽きだったな。ここで終われ、ウンガロ」
DIOの息子、ウンガロ『ボヘミアン・ラプソディー』
岸部露伴の描いたキャラクターが実体化した自らのスタンドの能力を中心に敗れ、死亡
更に一方その頃…
次のステージで苦戦する女性陣達と対峙する綾瀬絢斗と、ケニーGを倒した俺が到着した別の独房。
絢斗「やっと来たか、クソガキ」
JOJO「どちらもボロボロじゃあないか。どうやったらこんな酷い状態になるんだ?」
独房は円の形をした穴が所々に空いていた。
いろはや小町、陽乃も一部が欠損の傷を負っている。
JOJO「なるほど。この能力は『クリーム』か。サイコパス加減が奴に似ているとは思ってはいたが、まさか本人の転生だったとはな…」
俺は憤怒の表情を浮かべ、絢斗を睨む。
JOJO「アヴドゥルさんとイギーの仇を取らせてもらうぞ!綾瀬絢斗…いや、ヴァニラ・アイス!」
俺は絢斗を睨み付け、宣言した。
<= to be continued =
なんと、綾瀬絢斗はヴァニラ・アイスの転生者だった!
奇妙な形で出会った奇妙なジョースター姉弟の意地をかけた戦いが次回、決着!
それでは、また次回!