ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

34 / 192
並行世界を越えた姉弟が、ヴァニラ・アイスの転生者に挑むッ!

それでは、どうぞ!


世界を越えた姉弟の共闘

俺は小町の所までジャンプした。

 

JOJO「良く頑張った小町。後は任せろ」

 

小町「一条さん。小町にもやらせて。小町の大事なお姉ちゃん達をやられて、黙っていられるほど小町は大人しくない!それに、コイツなんだね?二十年前にジョセフおじいちゃんや承太郎おじさんの仲間を殺したのは…絶対に許さない!」

 

JOJO「そうか。だが、その足で無理はするなよ?小町」

 

小町「うん!一緒にやろう!一条さん!もう一人のエリザベスの弟!そして、もう一人の小町のお兄ちゃん!」

 

俺達二人は波紋の呼吸を整えて、構えをとった。

 

静「マーチ…」

 

小町「下がっていて、ジョジョお姉ちゃん。万が一の時には、誰か一人は無傷の人がいて欲しい。ここは小町に任せて」

 

…静さん以外全員が『クリーム』の能力で削り取られたようだな。

 

しかも、吸血鬼…!だが、無敵の能力には欠点があるらしい。

 

おそらく、波紋が『クリーム』の突進に有効みたいだ。波紋使いの二人は他の皆より被害が少ないから、多分そうなのだろう。

 

静「それなら、一条さんだって…」

 

JOJO「悪いな。こいつの先約は俺だ。お前は受けたダメージの回復に務めろ。今はジョルノ兄さんもいないんだからな。それに、聖女達を守れるのは、俺たち以外にはお前しかいない。守備も立派な戦いだ」

 

俺が言うように、俺と小町が攻めに出る以上、波紋を扱えるのは静さんだけだ。

 

今、いろはや沙織さん、陽乃さんを守れるのは静さんしかいない。

 

小町「行くよ。一条お兄ちゃん。万が一、不利だと思ったら、撤退してね。最悪、小町一人で何とかするから」

 

小町がそう言うので、俺はじろりと小町を睨む。

 

JOJO「ジョルノ兄さんじゃあないけれど、覚悟の意味を履き違えるなよ?義姉さん(ねえさん)

 

クリスタル・クルセイダーズの中では最年少の小町を『姉』と呼ぶのは違和感があるので、少し言いにくい。

 

JOJO「義姉さんは最悪、ここで刺し違えてでも無傷で俺達を先に進ませたいと思っているようだが、そんな覚悟は俺達ジョースター家が望むものじゃあない。覚悟とは暗闇の荒野の中で、一つの道筋を示すこと。ジョルノ兄さんが書き加えたジョースターの家訓じゃあないか?」

 

そう、『犠牲』は『覚悟』とは違う。

 

JOJO「刺し違える覚悟をするくらいなら、ジョースターのジジイが言う『逃げるんだよぉぉぉ!』をやる覚悟を持つべきだ。そっちの方がよっぽど覚悟が必要だぞ?」

 

俺はニヤリと笑う。

 

小町が笑った。そうだ、人間笑うのが一番だ。

 

小町「そうだね、一条お兄ちゃん。これで最後じゃあなくて、こっちに永住しない?歓迎するよ?」

 

JOJO「魅力的な誘いだが、やはり俺は俺の世界で生きていきたい。こっちの俺にも悪いしな」

 

俺は、あの世界が好きだ。彼女達と過ごす日常が、好きだ。だから、この世界の彼女達も守り抜く。

 

小町「それもそだね。じゃあ、早くあのゴミ女を始末して、ハッピーエンドにしなきゃ」

 

JOJO「そうだな。合わせて行くぞ、義姉さん」

 

構えを取りながら、俺達は綾瀬絢斗を睨む。

 

絢斗「余裕じゃあないか、クソガキ共。貴様らごときに勝てる私だと思うのか?」

 

JOJO「バカか?貴様ら二十年前の復讐者供は?そんな驕りきった考えだから、バカの一つ覚えみたいに同じ手ばかり使ってきて、勝てたかも知れない戦いですら落として無駄に戦力を失っていたんだよ」

 

小町「マライア、スティーリー・ダンはわざわざ姿を見せる必要なかったしね。あれで頭を使われていたら、本当に危なかったよ」

 

JOJO「まともに頭を使ってきたのはアラビア・ファッツとボインゴくらいか。運が無かっただけでな」

 

少なくとも、この女はバカの類いの存在だ。もうクリームは絶対無敵の能力では無くなった。

 

絢斗「クソガキがぁ!」

 

バカの一つ覚えのように球体へ変化しようと絢斗はクリームの体を口の中に仕舞おうとするが…、

 

JOJO「間抜けが!俺の能力を忘れたのか!」

 

俺がそれをやる前に絢斗の背後に空間を繋げて移動し、ブラッディ・シャドウでクリームにキックを入れた!そして小町の方へとクリームが飛んでくる!

 

小町「ナイスだよ!一条お兄ちゃん!もう一回いくよ!小町版『山吹色の波紋疾走』、『太陽光の赤の波紋疾走(サンシャインレッド・オーバードライブ)』!」

 

S・R「ゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミ!ゴミィ!」

 

吸血鬼にとっては猛毒ともいえる波紋のラッシュ!

 

スタンド越しだからどこまで効果があるかわからないけれど、サンシャイン・ルビーは波紋が無くてもパワーは一級品の近距離パワー型のスタンドだ。

 

無傷ですむはずがないと思う。

 

絢斗「うぎゃあああああ!」

 

ぶっ飛ぶ絢斗。だけど、ここで俺達も油断があった。効果があっただろうと…。

 

だが、ぶっ飛びながら、絢斗はクリームを異次元の球体になる。そして俺に突っ込んで来た!

 

JOJO「波紋が間に合わん!」

 

ガオォンッ‼︎

 

俺は右半身を消し飛ばされた。

 

そのまま俺を吹っ飛ばし、小町に迫ってくる!

 

小町「サンシャイン・ルビー!弾く波紋を!」

 

小町はサンシャイン・ルビーで両腕に弾く波紋を纏い、クロスガードをする!

 

でも、向こうも必死なのか、今度の突進は弾かれずにジリジリと押し込まれてくる!

 

ドギャアァァァァン!

 

とうとう、サンシャイン・ルビーの両腕が切断され、小町の両腕もスタンドのダメージ=本体のダメージのルールに従って切断されてしまった。

 

小町「うああああああぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

切断された両腕はそのまま空間に飲み込まれ、消滅されてしまう。

 

そして、空間はそのままサンシャイン・ルビーに迫る。

 

八幡「小町ぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

 

兄である八幡少年の声が響く。

 

俺は急いで体を修復させる。間に合わない手足の部分はクリスタル・ボーンの骨で義手と義足で間に合わせた!

 

JOJO「義姉をこんなところで失ってたまるかよ!」

 

空間をすぐに繋いで小町をお姫様だっこしながら回避する!

 

ドゴオォォォォォン!

 

クリームはそのまま床を突き抜けて地下へと降りて行った。

 

絢斗「おのれぇぇぇぇぇ!せめて比企谷小町だけでも道連れにしたかったんだがなぁぁぁぁぁ!もう私はおしまいだぁぁぁぁぁぁ!」

 

絢斗の断末魔が響く。

 

良かった…間に合った…!

 

八幡「小町…小町ぃ!」

 

八幡少年は小町の所に急いで駆け寄った。

 

八幡「一条!ありがとう!小町を救ってくれてありがとう!死ぬな小町!お前がいなくなったら俺は…」

 

八幡少年は俺から小町を受け取り、両腕で抱き締めて泣いた。

 

俺は急いで血液が入った瓶で骨で補った部分を修復して、辺りを見回す。

 

この部屋の惨状が、綾瀬絢斗との戦いの凄惨さを物語っている。

 

見ればいろはや陽乃、沙織さんもどこかしら体の欠損があったが、一番酷かったのは小町だ。

 

両腕と右足の指が無くなってしまっている。

 

わずか十歳の女の子が、ここまで戦い抜いてくれた。

 

小町「ごめんね、お兄ちゃん…。やられちゃったよ…。頑張ったんだけどね…小町はここまでみたい…」

 

小町の体から何かが出始める。

 

見れば両腕から酷い出血だ!間違いなく致命傷!

 

忍「ダメよ小町ちゃん!死んじゃダメ!」

 

忍さんが仗助さんに変身してクレイジー・ダイヤモンドで治そうとしてくれようとするが、距離があって間に合わない!

 

八幡「バカ野郎!お前はよくやってくれたよ!そんなになるまで…よく…だから死ぬな小町!逝くんじゃあない!俺達は全員で帰るんだろ!小町ぃ!」

 

小町「おにい…ちゃ…」

 

いろは「マチちゃん!エメラルドヒーリング!」

 

いろはがエメラルドヒーリングの弾を飛ばして小町を治してくれた。

 

だけど、異空間に飲まれた両腕はジョルノ兄さんでなければ治せない。

 

だけど、出血は治まった。

 

下手をしなくても致命傷だったから、いろはがいてくれて助かった…。

 

ほとんど小町から魂が抜け出しかけていた。どっちだ!小町は生きているのか!

 

八幡「ありがとう…いろは!小町、戻ってこい!死ぬんじゃあない!」

 

いろは「当たり前だよハチくん!マチちゃん!戻ってきて!」

 

静「マーチ!マーチぃ!死んじゃ嫌だよ!私達は大事な幼なじみじゃない!誰か一人が抜けても嫌だよ!」

 

JOJO「戻ってこい!義姉さん!」

 

承一郎「逝くな!義姉さん!あとは義姉さんの気力だ!」

 

ジョナサン『小町ぃ!』

 

DIO『小町、死ぬんじゃあない!』

 

全員が小町に呼び掛ける。

 

小町「…………大丈夫だよ。お兄ちゃん達」

 

小町が目を開けて、涙を流した。

 

小町「夢を見たんだ。スージーおばあちゃんが…スージーQが立っていて、『まだ早いですよ、リサリサ様。シーザーやスピードワゴンさんに会わずにこちらに来るつもりですか?』って言われたから、小町も『お兄ちゃんの所に帰る』って言ったら、『では、早くお戻り下さい。全てのジョジョに、あなたはまだ必要な方です。さあ、リサリサ様…エリザベス・ジョースターの転生の比企谷小町様。みんな待ってますよ』…て、怒られちゃった…。本当に悲しい夢だったよ…あれが本当にスージーQだったのか、小町には分からないけど…」

 

杜王町での最後の戦いの時に、億泰さんの身にも同じ事が起こったらしい。

 

八幡「小町…小町ぃ!」

 

小町「お兄ちゃん…うう…うえぇぇぇん!」

 

いろは・静「「マチちゃん(マーチ)!良かった…良かったよぉぉぉぉ!」」

 

悲しい夢なんかじゃあない!素敵な夢じゃあないか!スージーさん…。

 

あなたは本当に…死んでまでも小町に…リサリサさんに尽くしてくれるなんて…。

 

ありがとう…本当にありがとう!

 

忍「良かったわ…本当に。だけど八幡ちゃん、まだ終わってはいないわよ」

 

JOJO「そうだ八幡。まだ、俺達の戦いは終わっていない」

 

静「マーチを…イーハを…陽乃先輩や沙織さんをこんな目に遭わせた奴らを…このまま楽には死なせない」

 

八幡「そうだな。小町、いろは…ここで俺達の勝利を祈っていてくれ。俺達が…このジョジョと呼ばれた俺達がやる!」

 

小町「最後の戦いに参加できないのは残念だけど、無事に帰って来てね…お兄ちゃん…初代ジョジョ」

 

いろは「ハチくん…みんな…死んじゃ駄目だよ?」

 

忍「行くわよ!クリスタル・クルセイダーズ、最後の戦いよ!」

 

八幡・JOJO・静「「おお!」」

 

俺達は綾瀬絢斗が通った地下への穴へと飛び込んだ。

 

綾瀬…同じ吸血鬼として、俺が貴様を絶望の淵へブチ込んでやる!

 

 

一方その頃…、女子受刑者房───

 

間田さんのサーフィスがリキエルに化け、正面に立ったリキエル本人の行動を操る。

 

噴上さんによって匂いを辿られ発見され、エルメェスさんのキッスのシールによって2つになったサーフィスが2体のリキエルに化け、そして操られたリキエルは、自らのスタンドで呼び出されたロッズの体温を下げる能力を自らの脳幹に受けてしまい、もはや死亡が確定された。

 

リキエル「俺は…アポロ11号なんだ…」

 

そう言って事切れるリキエル。

 

間田「ハァ…ハァ…俺でも、やれたんだ…」

 

エルメェス「良く頑張ったな!間田」

 

噴上「お前はここでのスターだ!間田!」

 

間田「君達のお陰さ。君達がいて助けてくれたから、勇気を持つことが出来たんだ。これで、八幡と胸を張ってアニメ談義をすることが出来る」

 

恐怖を乗り越え、ジョースター家が掲げる勇気をものにした間田敏和さんが仲間と共に勝利し、本物となった瞬間だった。

 

リキエル『スカイ・ハイ』

 

死亡

 

 

懲罰隔離房、死刑囚収監───

 

俺達が地下へ飛び降りると、岩の上に絢斗が血だらけで待ち構えていた。

 

あいつはあいつで既に小町によって致命傷をもらっていたんだな。

 

絢斗「くっくっくっ…DIO様の転生か…こんな姿で会うことになるとはな。私はもう、終わりだ…だが、ただでは終わらん。もう、こんな世界などどうでも良い…貴様ら人類など、滅びてしまえ…」

 

絢斗は自分の首を切断し、下の岩に血をボタボタと垂らす。

 

いや、この岩は…

 

JOJO「しまった!奴の下にあるのはサンタナだ!血をサンタナに吸わせるな!」

 

忍「させないわよ!」

 

忍さんが駆け寄って絢斗の体に一瞬だけ触るが、絢斗の体はサンタナに飲み込まれてしまった!

 

静「危ない!忍さん!パパに化けて波紋の呼吸をしながら逃げて!吸収されちゃう!」

 

忍「っと!危なかったわ!」

 

忍さんはとっさに距離を取り、吸収される前に難を逃れる事が出来た。

 

八幡「ちっ…最悪の事態だ」

 

俺達の目の前でサンタナは石化が解かれ、人の形を成した。

 

サンタナ「………」

 

目覚めたサンタナは俺達を確認すると、左手を胸の前でグーにし、指を天に向け…

 

サンタナ「ハッピー、ウレピー、ヨロピクねー♪」

 

と何度も指を天にかざして言ってきた。真顔で。

 

一同「「…………………………はっ?」」

 

いきなりの事に固まる一同。

 

サンタナ「む?ハッピー、ウレピー、ヨロピクねー♪」

 

固まる一同に首を捻り、もう一度やってくる。

 

ふざけている訳では無さそうだが…何がしたいんだ?コイツ。

 

サンタナ「ハッピー、ウレピー、ヨロピクねー♪これはこの時代の挨拶では無いのか?眠りにつく前、ジョジョと呼ばれた人間がやっていたことだが?」

 

70年前のジョジョと言えば…、ジョセフさんの時代…。

 

あの人なんて事言ってたんだ⁉︎

 

いなくなっても悪い意味でDIO並に影響力って一体…。

 

サンタナ「フム…まぁ、あれから時が更に進んだようであるし、下等生物の人間に挨拶は不要だったな。さて、ここには食糧がたくさんあるようだ」

 

見ると回りには食糧の配給が途切れ、ぐったりしている死刑囚達がいた。

 

大統領が刑務所を破棄した際に、どうせ死刑になるのだからと見捨てられた存在達。

 

これはこれで、いとも容易く行われるえげつない行為だな…。

 

彼等を見渡すサンタナは、クリームを発現させる。

 

綾瀬絢斗を吸収したとき、彼女のスタンド能力まで吸収して自分の物にしたのか!

 

サンタナ「ふむ、少し試すか」

 

サンタナは暗黒空間を纏うと、死刑囚の独房を破壊。中にいた死刑囚を食糧として体内に吸収した。

 

その行為を次の独房、更に次の独房へと続け、一回りしてきたときには全ての死刑囚を飲み込んでしまった。

 

酷い。いくら死刑囚だったとはいえ、こんな最期とは酷すぎる。

 

サンタナ「これがスタンド能力か…便利な物だな。特にモードを持たなかった私だが、これはモード代わりに使える…」

 

独り言を終えたサンタナは俺達を見据えた。

 

サンタナ「お前達もスタンド使いのようだが、お前達を吸収すれば、新たな能力が手に入るのだろうか?」

 

こいつ、スタンド能力に魅入られたのか!俺達のスタンド能力に目をつけて!

 

サンタナ「特にお前。お前は他の者のスタンドよりも特殊な物らしいな。お前を吸収すれば、私の理想とする天国が出来上がるのか?」

 

サンタナは八幡少年を見る。

 

ザ・ジェムストーン…いや、ザ・ワールドに目を付けたのか!

 

サンタナ「試してみるか…お前を吸収し、次の新月が訪れる前に」

 

サンタナはゆっくりと、八幡少年に近付いて来た。

 

ザ・ワールドを巡る、もう一つの最終決戦が今、火蓋を落とされた…。

 

綾瀬絢斗(前世 ヴァニラアイス)『クリーム』

 

サンタナに吸収され、記憶とスタンドを奪われ、死亡

 

 

比企谷小町『サンシャイン・ルビー』

 

重傷の為、再起不能(リタイア)

 

 

一色いろは『ナイチンゲール・エメラルド』

 

重傷の為、再起不能(リタイア)

 

 

茅ヶ崎陽乃(本名・雪ノ下陽乃)『アヌビス神』

 

重傷の為、再起不能(リタイア)

 

 

藤崎沙織(スタンドなし)

 

重傷の為、再起不能(リタイア)

 

 

<= to be continued=




次回、『クリーム』の能力を手にしたサンタナと激突か⁉︎

それでは、また次回!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。