ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

43 / 192
前回までの、ジョジョの奇妙な冒険ッ!

麻薬組織のボスの抹殺の任務を請け負った承一郎達。

PMC『デスペラード社』のサイボーグ兵達を退け、どうにかボスを抹殺する事に成功するが、LZ(ランディングゾーン)へ移動する途中、近くの川から突然巨大な何か(・・)が襲いかかる!

一体どうなる⁉︎


野生の掟(Rules of Nature)

巨大な赤黒い塊は水中から飛び出し、近くの車を数台踏み潰しながら着地した。

 

承一郎達の乗った車も、その中の一台だった。

 

承一郎「危ないッ!『世界(ザ・ワールド)』‼︎」

 

ドォォォォーーーーーーz_____ン‼︎

 

承一郎は初めて八幡の『ザ・ワールド』を使い時を止めた!

 

承一郎「くっ…!停止時間が三秒だけとは…!だが皆を車から脱出させるには十分!」

 

承一郎は陽乃達を車から脱出させ、少し離れた場所に移動する。

 

承一郎「時は動き出す…」

 

時が動き出し、巨体がバキバキィ!という音を立てながら車を踏み潰す。

 

陽乃「…ハッ!承一郎、まさか時を…⁉︎」

 

承一郎「はい、三秒だけですけどね…八幡は八秒だったのに…」

 

パック「ジョジョ、これは…?」

 

承一郎「パック、君は早く他の反乱軍達と避難をッ…!」

 

パック「…済まない、この礼は必ずする!」

 

パックはそう言って避難した。

 

その巨大な赤黒い塊はさっき戦ったカムシンのボディの数倍を大きく、見上げるほどだった。

 

だが、承一郎はこの巨体を知っていた。

 

承一郎「クソッ、これは…『RAY』ッ!」

 

陽乃「知ってるの、承一郎?」

 

承一郎「ええ、こっちの世界で開発された二足歩行兵器ッ…!しかもコレはAI(無人操縦)型だ!」

 

アメリカの海兵隊(マリーンズ)が開発した、大型無人機。現在ではその応用として『月光』やサイボーグ技術が発展した。

 

この二足歩行無人機の特徴は、人工筋肉だ。最近ではカーボンナノチューブ筋繊維によって兵器とは思えないような人間に近い動きを再現出来るようになっている。

 

雪乃「ウソでしょ…この大きさって…」

 

承一郎「二人は先にLZ(ランディングゾーン)で退避を!」

 

陽乃「承一郎は?」

 

承一郎「…僕が斬る(・・)!」スラァッ!

 

承一郎は『村雨』を抜き、水圧カッターを帯びさせる。

 

陽乃「さすがにこの大きさは無理よ!私もやるわ!」

 

承一郎「陽乃さん、なら聞きますがあなたの能力は対人向きの能力だ。こんな大型兵器に対応出来ますか?」

 

陽乃「っ……!」

 

承一郎「僕が思うに、あなたの能力で上がるパワーは最高でも人間が発揮出来るパワー限界まで。そんなあなたが挑んでも、挽き肉(ミンチ)が出来上がるだけですよ」

 

陽乃「でも…!」

 

承一郎「少しは信用して下さい。伊達に『不可能を可能にする男』と呼ばれてませんよ」

 

陽乃「…分かったわ、無理はしないでね」

 

承一郎「死なない体を持つ男に言うセリフじゃあありませんよ。…それに、彼女達を残して逝くわけにはいかない!」

 

無人操縦型兵器RAYが咆哮を上げる。その咆哮は実は機体の金属部分が摩擦で軋む音が重なり合って咆哮のように聞こえるのだ。

 

ジョニィ「フン、海の王者(RAY)ごときが。生物界の頂点(吸血鬼)にケンカを売るとどうなるか、教えてやろうッ!」

 

BGM『Rules of Nature』

 

ダダダダダダッ‼︎とRAYの両腕部の機銃が発射される!

 

ジョニィ「フッ!」キィン!キィン!

 

ジョニィはRAYに向かって走りながら機銃から発射された弾丸を叩き落とす。

 

接近してくるジョニィに対して、RAYは頭部の口腔部を開く。次の攻撃は恐らく水圧カッターだろうと予想したジョニィだったが、それは外れだった。

 

キュィィィィィン…ッ‼︎

 

ジョニィ「こ、これはッ…‼︎」

 

RAYの口腔部が赤く光り、承一郎に向けられた。

 

ドグォォォーーーーーーz_____ン‼︎

 

RAYの口腔部から巨大なプラズマ砲が放たれ、周囲の建物を吹き飛ばす!

 

ジョニィは一瞬早くRAYが向けた頭部から横っ飛びで回避してどうにかなった。

 

八幡『クソッ、なんて威力だ!』

 

カズ『大丈夫か、ボス!どうやらそのRAY、水圧カッターがプラズマ砲に改修されているぞ!』

 

ジョニィ「プラズマ砲とはロマンがあるな!良いセンスだ!」

 

オセロット『そんな事を言ってる場合か!まずは奴の脚を止めてくれ!』

 

ジョニィ「了解、くらえ膝治療ッ!」

 

ジョニィは『村雨』の水圧カッターで膝を徹底的に斬る。RAYはそれをやめさせようとしてミサイルを発射するが、『村雨』の水圧カッターで迎撃する。

 

ジョニィ「今だ、支援攻撃開始!」

 

カズ『了解!』

 

そこから数秒後にドンッ!ドォン!RAYの体に次々と爆撃が襲う!

 

RAYの機体が軋み、咆哮のような音が鳴る。

 

ジョニィは圧倒的な速度で走り、RAYへ接近。

 

RAYはミサイルをジョニィに発射、地面に突き刺さる。

 

地面に突き刺さったミサイルが時間差で爆発する!ジョニィは爆発を回避、RAYの脚元へ向かう。

 

RAYは片腕を振り下ろす。その腕には、ブレードが装着させている!

 

オセロット『ボス!ブレードを受け止めろ!』

 

ジョニィ「無茶を言うな!」

 

ジョニィは『村雨』で巨大なブレードを受け止める!

 

ジョニィ「ぐっ…!ハァッ!」

 

ジョニィはRAYのブレードを弾き返す!

 

そしてそのブレードを『村雨』ともう片方の腕で掴む!

 

ジョニィ「WRYYYYYYYYYYYY(ウリィィィィィィィィィィィィ)ーーーーーーッ‼︎」

 

ジョニィは自分の体の数十倍の大きさもあるRAYを投げ飛ばす!

 

カズ『いいぞ!ぶった斬ってやれ!』

 

ジョニィ「もちろんだ!」

 

ジョニィは跳躍、RAYの腕に飛び乗り走りながら腕を斬り刻む!

 

ジョニィ「セイッ!」

 

スパァァァンッ…‼︎

 

ジョニィはそのままRAYの片腕(ヒレ?)を切断する!

 

八幡『ウソだろ、あのぶっとい腕を切断しやがった!』

 

承一郎『吸血鬼と波紋、本来は相反する性質を持つ体質と技術による相乗効果。こんなのが出来るのは僕達しかいないよ』

 

ジョニィ「『村雨』は高周波ブレードの中で最高峰の斬れ味を持つ!それに今は八幡の波紋も重なってるからな。さらにパワーアップしてるぜ!」

 

RAYは片腕を切断されながらも、片腕をジョニィに向け腕に内蔵されている多目的榴弾(HEMP)をばら撒く!

 

ジョニィ「シッ!」

 

ジョニィは『村雨』の水圧カッターで切断、腕の機銃を切断する!

 

RAYはジョニィを捕らえようと頭部で攻撃するが、ジョニィは『村雨』で受け止め、頭部の装甲を逆に斬り崩す!

 

RAYは後方に跳躍、そして、ミサイルの雨を降らした!

 

ジョニィ「この野郎、テメェからケンカふっかけといて逃げるんじゃあねぇッ!」

 

ジョニィは空間を使って跳び、信管を切り裂きながらRAYのミサイルからミサイルへ飛び変える。ミサイルや榴弾は安全管理上、信管が無ければ爆発しない!ジョニィはそれを知っていたのだ!

 

八幡『なんて度胸だ……。信管を切り裂けば爆発しないと知っていても、そんな手段に出るなんて…。やっぱりただ者じゃあないな』

 

承一郎『前は戦車部隊を全部フルトンで回収した事もあったからね。問題ないよ』

 

ジョニィはそのままRAYに接近、装甲を斬り崩して、

 

ジョニィ「無駄ァッ!」

 

スパァァァンッ…‼︎

 

もう片方の腕も切断した!

 

さすがに無人機も力尽きたのか、RAYが倒れる。ジョニィは『村雨』を鞘に納める。

 

しかし、RAYの一度消えた眼光は再び光り、ジョニィを口腔部で捕らえる!

 

ジョニィ「何ッ⁉︎」

 

八幡『野郎、まだ動けるのかよ⁉︎』

 

ジョニィ「野郎、食らってくたばりやがれッ!」ドスゥッ!

 

ジョニィはRAYの頭部に『村雨』を突き刺す!水圧カッターがRAYの頭部を内側から崩壊させていく。

 

RAYは堪らずジョニィを近くの時計塔へ投げて叩きつける!ジョニィが叩きつけられた時計塔は、上部が崩壊する。

 

ジョニィ「ぐはっ!」

 

承一郎『大丈夫かいジョニィ⁉︎』

 

ジョニィ「ああ、お前の骨の鎧でどうにか無事だ」ピキピキ…

 

時計塔が崩れ落ち、瓦礫が落ちてくる。

 

ジョニィ「まずは…あのRAYを両断してやるッ!」

 

ジョニィは時計塔の下で待ち構えるRAYに向かって疾走する。

 

RAYはミサイルとプラズマ砲で迎撃するが、ジョニィは崩れ落ちる時計塔の瓦礫で回避する。

 

ジョニィはRAYの頭部に飛び乗り、『村雨』を掴む!

 

ジョニィ「信乃、力を貸してくれ!全開だ!迸れ『村雨』ェッ‼︎」

 

水圧カッターの勢いがより強力になり、RAYの頭部からボディの一番下まで一気に貫く!

 

そのままジョニィは『村雨』をRAYに突き刺したまま尾の部分まで走り抜ける!

 

ジョニィは着地し、『村雨』を鞘に納める。

 

次の瞬間、RAYの機体がずれ、真っ二つに分かれた。

 

ジョニィ「…やれやれ、任務(ミッション)クリアだ!」

 

こうして、波乱のミッションは終了した。

 

 

<= to be continued=


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。