ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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いきなり戦車部隊フルトンして悪い?

ジョルノ「おはようございます、カズヒラさん」

 

カズ「ああおはよう、俺の事はカズでいいのに」

 

ジョルノ「一応承一郎が世話になってますから。…それより承一郎は?」

 

カズ「ボスか?ボスはな…アフリカだ」

 

ジョルノ「…え?」

 

カズ「『…え?』って言われてもな…今戦車部隊を全機フルトン回収してるんだ…反政府ゲリラの支援(バックアップ)で…」

 

 

 

承一郎はアフリカの大地を母、理那の愛馬アンダルシアンに乗って戦車と並走していた。

 

承一郎「フルトンパァーンチィッ!」ベシッ!

 

承一郎は並行している戦車に向かってフルトン回収装置を叩きつけ、起動させる。

 

バシュッ!という音と共にバルーンが戦車を持ち上げ、空高く飛んでいった。

 

承一郎「…よし!」

 

八幡『いや「…よし!」じゃあねぇだろ!』

 

承一郎「え?何で?」

 

八幡『何でって…お前話が始まってからの第一声が「フルトンパァーンチィッ!」だぞ?色々とヤバいだろ⁉︎』メメタァ!

 

承一郎「そんな事君に言われる筋合いはないよ!ちょくちょく感想欄に殴り込みを仕掛ける君には!」メメタァ!

 

承一郎は急にアンダルシアンから降りてRPG(ゲームのジャンルではない)を構えて正面に撃った。RPGは『ブラッディ・シャドウ』の空間に吸い込まれていった。

 

オセロット『ボス伏せろ、敵の戦闘ヘリだ…』

 

ヒュゥゥゥ…‼︎ドゴォォォンッ…‼︎

 

オセロットが言う間もなく戦闘ヘリは墜落した。『ブラッディ・シャドウ』の空間から出現したRPGが命中したようだ。

 

オセロット『…言う必要はなかったようだな』

 

承一郎「カズ、さっきのヘリの分も報酬が発生するか?」

 

カズ『ああ、ゲリラ達にとっては脅威、報酬は弾むぞボス!』

 

承一郎「了解、とりあえず帰投する。ピークォドをLZへ」

 

カズ『了解!』

 

こんな感じで反政府ゲリラの支援は戦車部隊を全機フルトン回収する結果に終わった。

 

 

承一郎「…ふぅ、疲れた」

 

オセロット「ボス、お疲れ様。まったく、我らがボスは本当に魅せてくれるな」

 

カズ「本当だ。戦車部隊を全機フルトン回収で我が部隊(クリスタル・ファング)へ、しかもヘリを即座に撃墜させるなんてな。ボス、あんた最高だ!あんたなんなんだ!」

 

承一郎「おいおいカズ、そんなに褒めても何も出ないぞ。それより、皆が起きたんだ。そろそろ次の任務の要旨説明(ブリーフィング)を」

 

カズ「よしきた!」

 

 

カズ「…さて、次の任務はテロリストに占拠されたアブハジアの首都、スフミの奪還だ。テロリストは大統領と多くの官僚を殺害し軍事政権の樹立を宣言している」

 

カズ「国民は高官がブレインバックされて混乱に陥り、敵のサイボーグ達により潰走…生き残った政府の代表は俺達に事態の解決を依頼した」

 

承一郎「了解、この国とはまだ関係を持っていなかったからね。いい機会だ」

 

マザーベースの抑止力は実に様々だ。『情報』と『制御』を操るカズとオセロットによる拠点の場所を調べなくさせたりする事もだが、報復も抑止力の一つとなっている。

 

信乃の刀、『村雨』が生み出す濃霧から襲いかかる髑髏部隊(スカルズ)も抑止力となっているが、それだけではない。

 

各国との依頼した際にカズや諜報班がその国の表には出せないような情報(インテリジェンス)などを握り、それを保険としておくのだ。

 

オセロット「テロの首謀者アンドレイ・ドルザエフはこっちの世界で2010年のロシア地下鉄爆破事件、昨年のグルジア連続テロにも関与し国際指名手配を受けている」

 

オセロット「そして、彼に武力を提供しているのがデスペラード社だ」

 

カズ「詳しい情報を端末に送るぞ」

 

承一郎が持った端末をカズの持ったコードに差し込む。

 

ロードが完了し、情報が空中に投影された。これが空中投影式の情報端末iDROIDだ。承一郎がマザーベースに不在の時はこれ一つでマザーベースの方針などを決めている。

 

八幡『この世界って結構技術進んでるな…サイボーグとか高周波ブレードとか…』

 

承一郎『今度データ渡しておこうか?そっちの世界でも作れるものはあると思うよ』

 

承一郎「…さて、それじゃあ出発しましょう。今回の任務は僕とあと一人か二人…誰か来ます?」

 

ジョルノ「今回は全員で行かないのかい?」

 

承一郎「前回は反乱軍もいたので隠れるもクソもありませんでしたが、今回は国際問題が絡んでくるデリケートな任務です。最悪の場合、スフミにある石油精製プラントを巻き込んだ自爆をもやりかねません」

 

ミスタ「なるほど、そのために潜入(スニーキング)する事が必須ってわけか」

 

承一郎「そうです。…というわけで、誰が行きます?」

 

雪乃「私が行ってもいいかしら?」

 

意外な事に、雪乃が手を挙げた。

 

雪乃「私の能力、あなたの能力に似ているって兄さんから聞いているの。前回は見る機会がなかったけど、今回はあなたの能力の使い方で参考になるものが見られるかもしれないから」

 

承一郎「なるほど、他にいますか?」

 

ミスタ「じゃあ俺も行くぜ。最悪の場合プラントごと自爆するかもしれないんだろ?それなら俺の『ピストルズ』が役に立つハズだ」

 

承一郎「分かりました、それでは行きましょう」

 

 

 

アブハジア、スフミ───

 

承一郎達はピークォドでスフミの海岸沿いに着地した。

 

承一郎「潜入成功、これからドルザエフを見つけます。iDROIDを」

 

ブォン!という音を立て、地形が空中に投影される。

 

承一郎「こちら毒蛇、周囲に敵はいない。ルートの確認をもう一度しよう」

 

カズ『了解、作戦前に伝えた通り、敵の本拠地は海岸沿いの石油精製プラントだ。衛星写真でドルザエフの姿も確認されている。デスペラード社の指揮官、ミストラルも同じ場所にいるようだ』

 

承一郎「プラントへの侵攻ルートとしては市街地から橋を渡り旧市街地を抜け、プラントの奥手へ回り込む…」

 

ミスタ「了解、じゃあ敵には出来るだけバレないように移動するか、暗殺すればいいんだな?」

 

承一郎「はい、その通りです。ではこれを」

 

承一郎は雪乃とミスタに一つずつダイヤモンドを渡した。

 

雪乃「このダイヤモンドは?」

 

承一郎「死んだ仲間達の遺灰から僕の能力で創ったダイヤモンドです」

 

雪乃・ミスタ「「‼︎」」

 

承一郎「僕の能力が込められているので、ヤバい時に二人の役に立ってくれます。さて、行きましょう」

 

承一郎がパチン!と指を鳴らすと、ダイヤモンドがピキピキと二人の体を覆っていく。

 

ミスタ「なるほど、前の骨のプロテクターってこのダイヤモンドを使ったものだったのか」

 

承一郎「そうです、それでは…ムーブ!」

 

キング・クリムゾン‼︎

 

市街地をある程度進んだ所に着き、石油精製プラントが見えてきた。

 

承一郎「あそこが石油精製プラントです。恐らくあの辺りにドルザエフがいると思われます」

 

そう言いながら承一郎は双眼鏡を取り出してスタンド越しにプラントを見る。

 

承一郎「…かなりの数のサイボーグ達がいますね。ドルザエフは…いました。…ん?あの女は…」

 

承一郎はプラントにドルザエフを見つけたが、その隣にいた高身長の女も見つけた。顔はこちらに背を向けていて分からない。

 

突然、ドルザエフが女に向けて銃を向けるが、その後銃をしまい去って行った。

 

承一郎はドルザエフに双眼鏡を向けようとするが、女が振り返ってプラントの柵に肘をついてこちらを向いた。

 

承一郎「…?」

 

女はいきなりこっちに投げキッスをしてきた(・・・・・・・・・・・・・・)

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

承一郎(この女、気付いている(・・・・・・)ッ…⁉︎)

 

承一郎はすぐさま『村雨』を引き抜き戦闘態勢に入る。二人も異変に気付き戦闘態勢に入る。

 

雪乃・ミスタ「「…ッ‼︎」」

 

カズ『ボス、どうしたんだ?』

 

承一郎はプラントの女を確認しようとするが、姿がない。どうやら移動したようだ。

 

承一郎「…心配ない、狙撃は回避した。このままプラントに向かいます」

 

承一郎は崖を飛び乗りる。途中から崖を纏った骨が創り出した鉤爪でガリガリガリ!と減速しながら降りた。雪乃とミスタもそれに続く。

 

雪乃「なるほど…こんな使い方も出来るのね」

 

承一郎「ええ、後は周りの景色と色を同化させたり足に刃を作って下に刺して足場を安定させたりと色々使い方はありますよ」

 

ミスタ「そういえば承一郎、お前の技術とかって…」

 

承一郎「はい、戦場で身につけました。あの頃は…ひたすら力を求めていた時期でしたね」

 

ミスタ「そうか…」

 

承一郎「…さて、それじゃあここからは二手に別れましょう。早くしないと僕達の侵入が気付かれるかもしれない」

 

雪乃「分かった、じゃあ私はミスタさんと一緒に行くわ。近距離戦のカバーをするわ」

 

承一郎「分かりました、気を付けて」

 

キング・クリムゾン‼︎

 

二人と別れて数時間後、日が沈み闇が支配する。

 

承一郎は気配を周囲と同調(シンクロ)させてサイボーグ達の巡回をすり抜けてプラントの屋上へ向かう。

 

しかし、そこにいたのはさっき承一郎達に気付いた女だった。

 

 

<= to be continued=


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