ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
未だにコラボが書き終えていない事に、深くお詫び申し上げます…。
それでは、どうぞ!
八幡「うおおおおォォーーーーーーーーッ‼︎」
八幡は今、ビルを文字通り
ミサイルの雨あられがビルの壁面を爆撃する中を走り抜ける。しこたまミサイル食らっても耐えるビルの耐久力ぇ…。
どうしてこうなった…?
バイツァ・ダスト!
モンスーンを倒した後、僕はワールド・マーシャル本社のビルに入った。
サンダウナー『…モンスーンを殺したか、やるじゃあないか。お目当ての脳はサーバールームで訓練中だ。せいぜい頑張るんだな、毒蛇』
僕はサンダウナーの声を無視して先に進む。
このビルは一般社員のオフィスや一般の来客とのミーティングスペースなどの低層エリア、高度な軍事機密や技術研究の高層エリアに分かれているらしい。
カズが『TOKYO通信』でハッキング出来たのは低層エリアのエレベーターのみ。高層エリアへのエレベーターは幹部達のIDが必要らしいのだがすでに退去されていた。
ジョルノ兄さん達は留美さんの『スティッキー・フィンガーズ』で天井にジッパーを付けていったのだろう。もう高層エリアのかなり上のフロアへと進んだらしい。
僕の能力は目視した範囲にしか瞬時に転移出来ない。仕方がないので高層エリアへのゲートの扉をロックしている3つの電気供給源を破壊し、上へ昇っていった。
だが先に待ち伏せられていたサイボーグや飛行型小型無人機によってビルの外から攻撃を仕掛けていった。僕はそれらの攻撃を無視して瓦礫の山を飛び乗り上階へ進んで行った。
だがこの方法ではジョルノ兄さん達と合流するのが遅くなってしまう。
八幡『代われ承一郎!』
そこで八幡は僕の体をジャックして飛行型無人機が破壊したビルの壁から次から次へと飛び乗りざまに『村雨』を突き刺していき、最後の一体の爆発を利用してビルのさらに上層の窓にくっつく波紋で張り付いた。
八幡「このままじゃあ時間の無駄だ!もう駆け登るぞ!」
承一郎『止まるなよ、落ちたら盛大にアスファルトの染みになるぞ!』
八幡「分かってるッ!」
そんな訳でGE☆N☆ZA☆I…。
八幡「うおおおおォォーーーーーーーーッ‼︎」
一際大きな爆発でビルの壁が崩壊する。やっと耐久力が終わったか!
八幡は瓦礫の隙間をすり抜けながらビルの内部に突入する。危なかった、下手したら潰れたトマトみたいになってたところだった…。
承一郎『…いつもの事だけど、君の意外性には驚かされるよ』
八幡「こんなのは日常茶飯事だ」
八幡達の日常ってこんなアクロバティックなのか⁉︎
カズ『ずいぶんと上まで来たようだな、あと少しだ。奴らの最新の警備データを分析した。その先にVIP用の屋内庭園があるようだ。まずはそこに向かってくれ』
承一郎「屋内庭園だって?ずいぶんと優雅な話だね」
カズ『日本の古い庭園を再現したもののようだ。どうやらワールド・マーシャルの幹部に日本好きがいるらしいな』
承一郎「それで、その庭園をどうすればいい?盆栽の剪定でもすればいいのか?」
カズ『いや、その庭園を抜ければ貨物用のエレベーターにたどり着けるはずだ。低層階の制御ユニットからたどってどうにか貨物エレベーターもコントロールを奪えた。サーバールームの場所も分かった。貨物エレベーターでたどり着ける』
承一郎「さすがだカズ」
カズ『礼なんていい。俺達にはこうする事しか出来ないんだからな。それじゃあ庭園を向かってくれ、ボス』
扉を開けると、そこは桜の花びらが舞っていた。日本の昔の都のような街並みがあった。
場違いな景色を見る暇もなく、こんな場所にもサイボーグ達は待ち構えていた。
僕は『村雨』を抜いて水を帯びさせる。そして、水圧カッターに電流が走る!
承一郎「轟け、『村雨』ッ!」
一振りで周りの敵に水圧カッターが襲いかかり、
バリバリバリィッ!
そして電流が流れて敵を黒焦げにする。
だがサイボーグ達は次から次へと恐怖をナノマシンで消されて距離を詰めてくる。
雪乃「一条君、しゃがんで!」
その時、急に後ろから声が聞こえた。僕はそれに従いしゃがむと、前方の敵が凍り付いた。
ミスタ「いけ、『ピストルズ』!」
ピストルズ『『イイイーーーーーッ!ハァアアアーーーーーッ‼︎』』
ピストルズの声と共に弾丸が氷漬けにされたサイボーグの脳を一発ずつ撃ち抜いていく。
承一郎「皆さん!」
ジョルノ「相変わらず八幡はとんでもない事を考えるね」
承一郎「子供達の脳があるVR訓練室はあと少しです!」
ミスタ「おし、じゃあこのまま突っ切るか!」
八幡『承一郎、代われ!』
八幡は『ブラッディ・シャドウ』の空間からあるものを取り出した。
承一郎『小銃と短刀?刀ではなく?』
八幡「違う。短刀ではなく銃剣だ。古代の戦争でも戦場のアドバンテージを取っていたのは剣ではなく槍なんだ。銃剣は槍の戦い方が出来る。汎用性だけを見れば小銃は刀以上の武器だ。まぁ、見てろ」
数体のサイボーグ兵が突進してくる。
タタン!タタン!タタン!
連発で2発ずつの単連射射撃する八幡。小銃の連発の使い方は2発か3発までが命中と威力を両立できる限界点だ。
何発か命中し、数体のサイボーグの足が止まる。唯一命中しなかった奴が剣を降り下ろしてくる。
それを八幡は銃身に装着していた銃剣の刃先で捌き、そのまま……
ドズッ!
銃剣格闘、縦打撃で相手の溝尾に床尾をめり込ませる。
サイボーグ「ぐはっ!」
八幡「小銃は弾を射つだけが使い道ではない。そして剣より優れているのはこうやって硬い床尾が槍の石突きのように刃以外でもダメージを与えられる事だ。銃を置くだけの部分とでも思っていたのか?最小限の動きで防御と攻撃が出来るんだよ!」
そのままアッパーのように床尾を振り上げる八幡。そして流れるように振り上げた床尾で直打撃で顔面を殴る。
八幡「やぁ!とぉぁ!」
2回ほど足の動きと腰の入れ込みで直打撃を与えた後に斬撃。銃剣には刀のような切れ味は無いが、高周波が加えられているこの銃剣ならば話は別だ。
首チョンパ……。本来なら銃剣の斬撃は敵の頸動脈を斬る為の斬り方。首チョンパ出来たと言うことは本来の使い方としても有効だったのだろう。
八幡「無駄!」
首チョンパした胴体を蹴り倒し……
パン!パン!
頭と胴体に一発ずつ射撃。機能停止。
承一郎『小銃にそんな使い方があったのか…』
八幡「言ったろ。万能武器だって。グリップ以外にも持ち手があるのはこういう使い方をする為だ。刺すだけが銃剣の使い方じゃあない。やぁ!」
次は遅れて来たサイボーグの突きを上に捌いて刺突。人間の心臓にあたるそこに銃剣を突き刺し、そのまま銃把からグリップに持ち替え、引き金を引く。
サイボーグ「ぐほ………」
ばたっ……
承一郎『槍のように刺し、そのまま射撃……』
八幡「まだまだ!」
次は相手が剣道の小手のように小さく斬撃を放ってくる。それも捌くがそのまま相手も突っ込んで来るので体勢的に床尾も刃先も射撃も出来ない。ならば……
八幡「正面打撃!」
サイボーグ「ぶっ!」
一歩後ろに下がって差し出すように銃の下部を前に出す。すると、弾倉が相手の顔面に命中し、更に八幡は一歩踏み込んで床尾を相手の溝尾に打ち込む。
横打撃。踏み込む位置によっては相手の顔面や肩に打ち込む攻撃だ。そして前蹴りで引き剥がして首チョンパ。射撃。
承一郎『遠距離では射撃、中距離では刺突、近距離では打撃……これが銃剣格闘……』
八幡「お前が得意とするCQCを始めとした軍隊格闘技。その中でも一番の技術はこの銃剣による格闘だと俺は考えている。徒手空拳にも、専門武術にもない小銃の使い道が、軍隊格闘技には込められている」
サイボーグ「なめるなぁ!」
ギイン!
サイボーグの斬撃も弾倉とグリップの間で受け止める。剣と小銃のつばぜり合い。
この場合、つばの一点で力を入れている剣と、銃身と銃把の二点で力を支えている小銃……どちらが安定しているかは考えるまでもない。そして、銃剣の利点は更に別にある。
ドズッ!
俺は銃身から銃剣を外し、短剣のようにサイボーグの腹に突き刺す。更に、腰に差してある銃剣の鞘にサイボーグの剣先を当てる。
バキィ!
銃剣の鞘には缶切りのような窪みがある。それは相手の銃剣の刃先を折るための器具になるように出来ている。
八幡「銃剣格闘を舐めたな。近代近接武器にはこういう使い方もあるんだよ!」
再び銃身に銃剣を装着する俺。そのまま斬撃を繰り出す。
サイボーグ「甘いのはお前だ!毒蛇!」
剣先が折れても斬撃を防ぐ道具にはなる。………が、甘かったみたいだ。
パン!
銃口から上がる硝煙……八幡は引き金には触れていない。ならば何故、八幡の小銃から煙が出ているのか……。
八幡「セーフティを解除してある小銃の射線には気を着けないとな。勢い付いた小銃の動きに衝撃を与えるとな?撃鉄が落ちる物もあるんだよ」
それを狙っていたらしいんだけどね。
サイボーグ「………がはっ!」
八幡「終わりだ」
刺突攻撃をした後に、セーフティを連発にして鉛弾を食らわせる。
八幡「カッコ悪いから注目はされていないが、銃剣格闘は軍隊格闘技。離れれば銃、中距離では槍や剣、近距離では鈍器や短剣になる。距離を選ばねぇ強さが小銃にあるんだよ。Do you understand?」
なるほど、勉強になるな。僕も少し勉強するか。本城さんからもすごいディスられてたからね。←メメタァ!
キング・クリムゾン‼︎
ジョルノ兄さん達が加わった事によって怒涛のペースで僕達は上階へ進めた。ジョルノ兄さん達の能力って無人機&サイボーグブレイカーなんだよなぁ…。
承一郎「それにしても、サンダウナーはどこにいる?サーバールームか?僕達を殺したいのならさっさと出てくればいい。勝つ自信がないのか?」
カズ『一応は警備の指揮を執っているはずだが、奴にとってはこれも半ば遊びなのかもしれないな。いろいろともっともらしい事を言ってはいるがあの男がビジネスのためだけにこんな事をしといるとは思えないな」
承一郎「だろうね。ワールド・マーシャルの連中はビジネスのつもりなんだろうがあの男は違う…」
扉が開かれた瞬間、黒い槍が雪乃さんに襲いかかるが、
承一郎「…骨の鎧はいらなかったようだね」
雪乃「ええ、私にもこれくらいなら出来るわ」
雪乃は体を氷を鎧のように纏って防御していた。兄さんが話していた『ホワイト・アルバム』みたいだ。
それよりも問題は攻撃を仕掛けてきたサイボーグだ。あれは僕が粉々に砕いたはずの…
承一郎「バカな!ミストラル…⁉︎」
カズ『いや、おそらく
すると、天井からは二本の釵が飛来してくる。それを『村雨』で弾き飛ばし天井を見上げると、天井に逆さにち立っているモンスーンの姿が。あれもAIか!
ジョルノ「面倒だね。承一郎、君は先にサーバールームへ向かってくれ」
承一郎「兄さん…」
ジョルノ「大丈夫、サイボーグに…ましてやAIなんかに僕達が負けるわけないだろう?」
トリッシュ「ここは私達に任せて」
承一郎「…すみません」
僕は二体の義体の間を走り出す。二体は攻撃を繰り出すが、それを『ブラッディ・シャドウ』の空間移動で回避する。そしてそのまま先へ突っ込む。
ジョルノ「さて…」
陽乃「このウルフ以下のAIをさっさと倒して、子供達を助けましょう」
チーム黄金の風対義体(AI搭載型)二体、戦闘開始ッ!
ついにサーバールームに到着した。薄暗く、いくつもの柱で構成された部屋の中心に、サンダウナーはいた。
サンダウナー「彼らはVR訓練中だ。邪魔をするな。彼らの訓練にはリベリアでの少年兵育成プログラムが応用されている。…知ってのとおり、リベリアのあのプログラムは非常に優れていた。だが今の時代、先進国主導であのような訓練を行うのは困難だ。だから我々は脳に信号を送り、訓練を仮想体験してもらう事にした。夢を見ているようなものさ。その夢の中て無抵抗な捕虜や市民を殺してもらう。訓練が終わり次第、彼らはサイボーグの
サンダウナー「なぜこんな事が必要かわかるか?」
承一郎「鬼畜が…!子供なら洗脳しやすいってわけか?」
サンダウナー「それも間違いではない。だがそもそもなぜサイボーグが必要となったのか…戦争の原動力は残虐行為だ。残虐行為が復讐を呼びさらなる残虐行為を呼ぶ。教えてやる。真の答えは人間が無人機より残虐だからだ。我々は子供が持つ人間本来の残虐性を引き出しているに過ぎん」
承一郎「ご立派な企業理念だな」
サンダウナー「まだわからないようだな、毒蛇」
サンダウナーが近くの柱に近づくと、柱から何かがせり出てきた。あれは…子供達の脳か!
サンダウナー「脳なんていくらでも買える。この脳に
周りの柱からも脳が大量に脳が出てくる!こいつら、こんなにたくさんの脳を集めていたのか!
サンダウナー「需要がある限り、何度でも同じ事が繰り返される。戦争を欲する者がいる限り、戦争屋は消えん」
承一郎「欲する者…」
サンダウナー「なぜ太古から戦乱が絶えん?秘密結社か何かの陰謀だとでも?否!戦争は人間の本質だ。そしてまた、3時間後に大きな需要が生じる。あの911が我々の黄金時代をもたらしたようにな」
911…アメリカ同時多発テロ事件の事か!4機の旅客機を超高層ビルに突っ込ませたあの大事件…!まさか、あの規模の事件をまた…⁉︎
承一郎「…何をする気だ?」
サンダウナー「ついて来い」
サンダウナーを追って出た先にはまだ雨が降り続けている屋上だった。
サンダウナー「どうだ毒蛇?ここなら商品に気兼ねせずに遊べるだろう?」
承一郎「3時間後に何をする気だ?」
サンダウナー「手遅れだ。現行機の巡航速度はマッハ2.0も出ない。そもそもお前達はここから生きて帰る事もない」
マッハ2.0だと…⁉︎そこまで距離のある場所で行うという意味か…!
そう考えていると、屋上の周りにヘリが3機飛んできた。ヘリのライトがサンダウナーの背中を照らす。サンダウナーの背中にマウントしてあった6枚の赤い盾がガシャン!と展開される。
サンダウナー「だがすぐには殺さん。人間の本質において俺はお前以上に純粋だ」
サンダウナーは盾から二本の大型高周波マチェーテを引き抜く。
戦闘BGM『Red Sun』
サンダウナー「お前の残虐性を見せてみろ」
八幡「じゃあお言葉に甘えさせてもらうぞ!『クリスタル・ワールド』ッ!時よ止まれッ!」
ドォォォォーーーーーz__________ン‼︎
八幡は時を止め、骨のナイフを生成しながらサンダウナーに投げまくる!
八幡「時は動き出す」
世界の時が動き出し、ナイフの雨あられが殺到する。サンダウナーは六枚の盾を構える。ナイフが盾に触れた瞬間…
ドグォォォォンッ!
盾から爆発が生じ、その爆風によってナイフをまとめて吹き飛ばした!
承一郎『衝撃に反応して爆発が生じる盾のスタンドか…厄介だな』
八幡「なら内側からだ!『ブラッディ・アメジスト』!」
輝く紫色の茨が影を伝い、サンダウナーをグルグル巻きにして拘束する!
八幡「そしてくらえ、
続けて波紋疾走を流し込むが、
サンダウナー「フン、なんだこのみみっちい拘束は!」ブチィッ!
サンダウナーは茨の拘束を引き千切る。奴のボディ、サイボーグの中でかなりのパワーを発揮する部類か!
僕はサンダウナーに接近しながらナイフを投げる。サンダウナーはマチェーテでナイフを弾きながら横薙ぎの一閃は放つ。
僕はそれを前屈みになって回避、そのままサンダウナーに斬りかかるが盾によって阻まれる。僕は空間移動で背後に回るも、残りの盾が背後に回りシールドバッシュを繰り出すのをバク転しながら回避する。
承一郎「カズ!あの装甲のどこを斬れば爆発反応を起こさないか解析出来るか⁉︎」
カズ『ああ、急いで解析する!少し待ってくれ!』
陽乃「ごめんなさい、遅くなったわ!」
その時、下の階に続く所から陽乃さんが来た。
承一郎「陽乃さん!他の皆は?」
陽乃「サーバールームで子供達の脳を保護しているわ!」
承一郎「了解、奴のスタンドは爆発反応する盾です!今奴のスタンドに対応出来るのは…」
陽乃「私の出番ってわけね!任せて!」
陽乃さんはサンダウナーへ走り出す。
サンダウナー「小娘が!泣き喚け!」
サンダウナーの振り下ろす大型マチェーテを陽乃さんは右に回避、サンダウナーは盾を構えるも、
陽乃「泣き喚くのはあなたよ!うりゃうりゃうりゃうりゃうりゃぁ!」
陽乃さんの『アヌビス神』はその装甲をすり抜けてサンダウナーのボディを斬り刻む!
サンダウナー「バカな⁉︎」
カズ『ボス、解析終わったぞ!』
承一郎「了解!陽乃さん、援護します!」
陽乃「わかったわ!」
僕と陽乃さんは同時に走り出す。サンダウナーは盾を構えるが、
カズ『ボス、下の盾の繋ぎ目だ!』
承一郎「フッ…!」
『村雨』が斬るべき隙間に入り込み、防御をこじ開ける!そして、僕を踏み台にして陽乃さんが!
陽乃「うりゃうりゃうりゃうりゃうりゃぁ!」
陽乃さんが盾の繋ぎ目ごとサンダウナーを斬り裂き、白い血が舞う。
承一郎「くらえ、『ブラッディ・ボーン』ッ!」ズリュッ!
僕の背中からせり出した6本の骨の刃が影を伝ってサンダウナーの盾のアームを全て切断する!
サンダウナー「ぐぅっ…!なめるなぁ…!」
防御が削げたサンダウナーはアタッチメントを使ってマチェーテ二本をくっ付ける。あの形は…まさか!
盾が削げた分スピードが上がったサンダウナーはマチェーテを陽乃さんに横薙ぎ払いをするが、陽乃さんは余裕でそれを『アヌビス神』で受け止める。
陽乃「こんなの、貧弱ね「陽乃さん、危ないッ!」えっ?」
僕は陽乃さんを突き飛ばしマチェーテの範囲から逃す。けど僕が逆に…
ズパァァァン……ッ‼︎
一瞬で僕の体が上下に別れてしまった。
陽乃「承一郎君!」
承一郎「がぁぁああぁああ‼︎ぐぉぉおおぉぉおお…‼︎」
だが僕は斬られた瞬間に空間移動で下と一緒に離脱、急いで上下を接続して修復する!
承一郎「クソッ、やはりその形状…人斬り鋏か!」
サンダウナー「気づくのが遅いな、毒蛇!」
陽乃「大丈夫、承一郎君⁉︎」
承一郎「ええ、大丈夫です…八幡、時間稼ぎはこれで充分か⁉︎」
八幡「すまないな承一郎、お前が体張ってくれたお陰で時間は充分稼げたぜ!」
八幡の体からは骨の芯にしてその回りが輝く紫色の茨が巻き付いたものがサンダウナーの身体中を覆っている。
八幡「『クリスタル・アメジスト』…承一郎考案のより強固に敵を拘束する茨だ!しかもさらに…」
ドスッ、ドスッ!と骨の刃がそこからサンダウナーを貫く!
承一郎『全身を覆いつつ貫くアイアン・メイデンのようなものになっているッ!』
サンダウナー「ぐぅっ…!」
八幡「陽乃さん、今だ!」
陽乃「了解、ハァッ!」
スパァァァン…ッ!と振り下ろしの一閃がサンダウナーに直撃した。
サンダウナー「マズった…斬られちまった…」
陽乃さんの一撃をくらったサンダウナーはよめろいてビルから落ちた。
承一郎「やったか…?」
八幡『それはフラグと言うんだぜ?』
確かにそのとおりのようだ。下からヘリのローター音が聞こえてくる。ビルの下からヘリが上昇してきた。ヘリにはサンダウナーがしがみついている。
サンダウナー「遊びは終わりだ。そろそろ息の根を止めてやる!」
ヘリからミサイルが発射される。
承一郎「こっちも遊びは十分だ。時間がないからね」
だが『ブラッディ・シャドウ』の空間移動でヘリの正面にミサイルを移動した。そのまま滞空しているのなら座標をすぐ固定出来る。
サンダウナー「バカな⁉︎」
ミサイルはヘリに直撃、爆発でサンダウナーがこっちに吹っ飛ばされる。
承一郎「バカはあんただ!無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」
僕がサンダウナーのボディを斬り刻む!バラバラになったサンダウナーのボディが屋上のヘリポートに落下する。
サンダウナー『さすがだ…毒蛇』
承一郎「待て!3時間後にどうなる?」
サンダウナー『あの男は…「テクムセ作戦」を実行する…』
承一郎「アームストロングか」
サンダウナー『…少し喋り過ぎた。サムに話がある…』
サム『斬られたようだな』
サンダウナー『毒蛇…いや、承一郎はずいぶんと…強くなったようだ…。これがお前の…望みだったのか…?』
何…?一体、どういう事だ…?
サンダウナー『計画は…知られたも同然だ…あとは…お前の、好きにしろ…』
サンダウナーは力尽き、通信は終わった。代わりにオセロットから通信が届いた。
オセロット『こちらオセロット、今ピークォドに乗ってそっちに向かっています。あと数分で到着する予定です』
承一郎「わかった」
カズ『ボス、さっきのサンダウナーの話だが…』
承一郎「奴ら、何を企んでいる?911に匹敵すると…しかもタイムリミットは3時間後だ。マッハ2では間に合わないと言っていた」
カズ『だがマッハ2といえば3時間で4500マイルは飛べる』
承一郎「となると、911のような米国内のテロじゃあない」
カズ『だが911に匹敵するほどにPMCの需要を上げる事件なんてどこでも出来る事じゃあないぞ。小国でクーデターや内戦を起こした程度じゃあPMCの需要はあまり変わらん』
承一郎「アメリカ主導で大きな戦争を起こすつもりか?…奴ら、まさか!」
カズ『どうした?』
承一郎「大統領だ。大統領はパキスタンに向かっている。パキスタンで大統領の身に何かあれば…」
カズ『それなら確かに対テロ戦争再燃の口実になるかもしれん…』
承一郎「軍に連絡は?こっちから大統領に直接連絡しても通信が遮断されているッ!」
オセロット『私は米軍出身ですが、今はそう安易に出来ません。あなたの母、ザ・ボスを殺した者がこちらの居場所を気取られる可能性がある』
カズ『そもそも確証がない。第一、ワールド・マーシャル社といえば軍の身内も同然だ』
承一郎「だが、このまま見過ごすわけには…」
カズ『…悔しいが、俺達には何も出来ない。仮に最新鋭の戦闘機を借りたとしても間に合わない』
エヴァ『…ちょっといいかしら?』
承一郎「エヴァか?」
エヴァ『パキスタンに行くのに戦闘機は必要ない気もするけど。
カズ『第一宇宙速度といえば…』
エヴァ『一気圧での概算だとマッハ23、時速でいえば17650マイル…』
カズ『パキスタンまで30分もかからないぞ!』
承一郎「よし!『彼女』に連絡してくれ!」
ヘリ──ピークォドに子供達の脳を収納して保護してピークォドの中に乗り込む。
ピークォド「
承一郎「よし、離陸してくれ」
ピークォド「了解!」
ローター音と共にピークォドが離陸する。目的地は彼女の施設だ。
オセロット「…昔ば宇宙旅行なんて準備に何日もかかりましたが、なんだか感慨深いものですね」
承一郎「彼女の施設では軌道に乗らないなら準備はすぐに出来るらしい。最近じゃあ毎日のように大気圏内の試験飛行を行ってるって話だ」
僕の母、理那は地球を、世界を見たらしい。僕もそんな光景を見られるのだろうか。
キング・クリムゾン‼︎
ピークォドが、宇宙港に到着した。
?「こっちよ」
声のする方を見ると、まだ十代前半の銀髪の少女が立っていた。
彼女の名前はサニー。僕がまだ傭兵をやっていた頃に紛争地帯から拾ってきた子供達の一人だ。
学校に通っていた時期もあったがあまりにも知能が高すぎるために周囲と反りが合わずに一年ほどで退学するという程の天才であり、今では航空技術開発研究所の『ソリス』社内でかなりの権限を持っている。
サニー「久しぶりね、ボス」
承一郎「ああ、元気だったか」
サニー「あら?その可愛い子は?」
サニーはウルフを見て聞く。
承一郎「迷える子羊だ」
僕は答えた。サニーはウルフの前にしゃがみ込み、右手を差し出した。
サニー「お手」
ウルフは少し躊躇い、最終的にサニーの右手に前脚を乗せた。僕も手を差し出してみるが、ウルフはそれを無視する。
サニー「あちらの方達は?」
承一郎「…並行世界の家族とその仲間さ」
サニー「…また大変な事になったみたいね」
サニーはなんでこんなに面倒ごとを抱えられるのかといった様子で肩をすくめる。
承一郎「すまないな、急に」
サニー「気にしないで、こっち」
僕は装備を整えた後、ジョルノ兄さん達と共にサニーに着いて行く。
承一郎「どこにあるんだい?」
サニー「すぐよ」
承一郎「これを君が…」
サニー「ええ、ラムジェットと
サニー「時間がないんでしょ?乗って」
承一郎「わかった。ありがとう、サニー」
サニーはこちらを振り向き、笑顔を見せた。
サニー「どういたしまして!でも、おかしいわね…スタッフ達が一人もいないなんて…」
一同「「‼︎」」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
RLVの近くをよく見ると、そこには一人の男と一匹の狼がいた。
男──ジェットストリーム・サムが狼──ブレードウルフの頭に手を乗せていた。
八幡『野郎、車かバイクをフルスピードで飛ばしてここまで来たっていうのか⁉︎』
あり得ない話ではない。ここはコロラド州の中、車で2時間で行ける場所だ。こっちは地上からの迎撃を避けるために少し時間をかけてしまったし、全速力で飛ばせば時間を短縮出来る。
だが奴は明らかに僕達がこの場所に来ると予想してここまで追って来たんだ!
ウルフはこちらにやって来る。
ウルフ『承一郎』
承一郎「彼と話したのか」
ウルフは『ああ。だが奴はあまり本心を語らない』
サム「こいつは奇遇だな」
承一郎「戯言はよせ。だが行儀良く待てたようだな。そいつは褒めてやる」
サムの周りには血の跡はない。ただ僕達を待っていたようだ。
サム「フフ…無益な殺生は好まん」
承一郎「それはそうだろうな。で、次の戦争でどれだけ殺す?」
サム「そいつは無益じゃあない」
承一郎「金が儲かれば確かに有益だろうな。お前達には」
サム「金の話じゃあないんだ、承一郎。理想の問題なんだ」
承一郎「理想だと…?」
サム「だが何が正しかったのか決めるのは俺達じゃあない、歴史だ。俺達は剣士だ。戦うだけだ。そうだろ承一郎?」
サニー「承一郎…」
承一郎「サニー…君は下がってくれ」
サニーは頷き、後ろに下がる。僕は顔を向けてRLVから離れた場所へ歩く。サムもそれに続く。
承一郎「僕の生き方は僕が決める。誰かの決めた正しさなどに興味はない。お前をこの
サム「ほう?ハハッ…そいつは面白い。フハハッ、いいぞ承一郎」
ウルフ『やるのか、二人とも?』
承一郎「手出しは無用だ」
サム「まぁ見てな」
シュカァァン!
僕とサムは同時に刀を引き抜き構える。
片や強者との死闘を望む殺人剣、片や同じ殺人剣でありながらも、自分の信じた道を守るために殺人剣が昇華された真の活人剣。
承一郎「決着だ」
サム「オーケー、いざ参る!」
二人の男の、死闘が始まる。
BGM『The Only Thing I Know For Real』
同時に僕とサムは大地を蹴り、刀をぶつけ合う。凄まじい剣圧がぶつかり合い、火花を散らす。
八幡『おい承一郎、骨の鎧はいいのか?』
お互いに距離を置いて同じ方向に駆け出す僕へ八幡が問いかける。
承一郎『彼の刀「ムラサマ」は鎧ごと焼き斬ってしまう。なら鎧を纏わずに出来るだけ速く、出来るだけ能力を使う事による隙を見せずに倒すのがBEST!』
ジョニィ『あいつはマフィアをあの刀一本のみで殲滅させた奴だ。能力による小細工は無駄だ』
再び二人の刀がぶつかり合う。先に先手を取ったのはサムだった。繰り出される『ムラサマ』の攻撃は赤く光り、僕へ殺到する。対する僕も青白く光る『村雨』で防ぎつつも反撃を行うが、サムもそれを防ぐ。
赤い閃光と青い閃光の線が走り、剣がぶつかり合う。サムの刀『ムラサマ』が防御しきれなかった僕の胸を切り裂く。
承一郎「ぐっ…!」
僕は後ろに飛びながら空中でバランスを取り着地、すぐにサムに攻撃する。サムは強力な突きを繰り出すが、僕はそれを弾き、そこから『村雨』でサムの手から『ムラサマ』を弾き飛ばす!
ヒュンヒュン…ドスッ!と『ムラサマ』が地面に突き刺さる。
サム「もっと楽しませてくれ、承一郎」
素手だろうと関係ない。僕は『村雨』で斬りかかるが、サムは軽快なフットワークでそれを躱し僕に右ストレートを叩き込む!
僕はそれを鞘で受け止めるも、あまりの衝撃に防御の構えが解けて仰け反ってしまう。サムはそこに左回し蹴りを放つ!くらって吹っ飛ばされるも地面に背をつけた瞬間に後転して起き上がる。そして、
承一郎「
脳が白熱しながらも、体がさらに加速する。『村雨』の剣速が速くなり、サムに迫る!
サム「ハァッ!」
サムはそれを両手で挟み込み、火花が散る。真剣白刃取りか!だが『村雨』は『防ぐ』のではなく『躱す』のが正しい方法だ!
承一郎「迸れ、『村雨』ッ!」
白刃取りをした『村雨』から水圧カッターが発生する!水圧カッターはサムを切り裂き、僕はそのままサムへ『村雨』本体を振り下ろす!
飛び散るのは白…いや赤い鮮血だ。サムのスーツの表面は対ブレード皮膜だけで、あとはパワーアシストスーツを着込んでいる程度なのか⁉︎
この全身サイボーグが当たり前の時代に、負傷した右腕から右胸あたりだけまでを剣速を上げる為に高出力の人工筋肉で強化、更にプロテクターで覆っているだけなのか!
サム「ぐっ…!少しは出来るようだ」
サムは地面に突き刺さった『ムラサマ』を引き抜いて構え直す。
僕は間髪入れずに平突きを放つも防がれ、サムは逆に蹴りを放ちながら『ムラサマ』の連撃を浴びせてくる。
そしてその度に大きくなる水と炎が衝突し、二つの剣圧がぶつかり合う事で衝撃波が生じる!
サムは間合いを取り、一気に飛び込みながらの振り下ろしを繰り出す!僕はそれに対して『村雨』を水平に構える。『ムラサマ』が僕の脳天に入ろうとする一歩手前に
承一郎「行け、『村雨』ッ!」
刀の切っ先から水が勢い良く迸り、ジェット噴射の如き勢いで僕の体をスライドさせ、サムの振り下ろしを回避する。モンスーンと戦った時に閃いた技の応用だ!
サム「何ッ⁉︎」
承一郎「セイッ!」
水の噴射の勢いを利用した形でそのままサムの腹を『村雨』で横に薙ぎ払う。またしても舞うのは赤き血。
サム「くっ…!セイッ!」
サムは間合いを取り、そこから圧倒的な勢いで突進しながらの一撃を叩き込む。僕は防ぐも、サムは間髪入れずにもう一度繰り出す!
僕はそれを『村雨』の水圧噴射によってノーモーションでフライボードのように跳躍、サムの横一閃を躱す。
そしてそのまま軌道調整をしてサムに水圧噴射で加速した『村雨』を振るうが、
サム「フッ!」
サムの剣圧によって吹き飛ばされてしまう。そしてサムは『ムラサマ』を納刀、抜刀の構えを取る。
カチッ!
サムが、鞘にある引き金を引く。
バシユッ!ギュィィィィィン……ッ‼︎
爆発的な速さで『ムラサマ』が鞘から飛び出し、それをサムが掴み、
サム「ハァッ‼︎」
ズバァァァン…ッ‼︎と、神速の抜刀が僕に迫る。
昔は敗北を味わった剣技…だが今は違う!
承一郎「60%…解除ッ!」
脳がさらに軋むような痛みに耐えながら、火花の動きすらもスローに見える世界の情報を集め、『ムラサマ』の軌道を予測する。
承一郎「いくぞ、
僕は刀の軌道をギリギリ避ける程度に逆に前に飛び込む!体を捻り、一撃必殺のこの絶技を回避する。ジュゥゥゥゥッ…!と体の表面を炎が炙るが、体を真っ二つにされて焼き尽くされて灰になるよりはマシだ。それと同時に、
──今です、若!──
承一郎「轟け、『村雨』ッ!」
バリバリバリィッ!
ここにいるはずのない
承一郎・サム「「ハァッ‼︎」」
ギュィィィィィンッ‼︎
すかさず二つの刃がぶつかり合って鍔迫り合いになり、火花を散らす。
サム「これで終わりだ」
承一郎「ぐぅっ…!うおぉぉおおぉぉおっ!」
僕はサムの『ムラサマ』を弾き、それを握る右手を斬る。そして、
承一郎「これで終わりだ!」
ドスゥッ…!
サムの腹に『村雨』を突き刺した。
サム「ぐおぉっ…!」
僕は『村雨』を引き抜いた。
サムは片膝をつき、自分の腹を触って赤い血を見る。その後、ウルフを見て微笑み…
ドサッ…
大地を背に向けて、力尽きた。
承一郎「ぐぅっ…!ハァ…ハァ…ハァ…」
僕は60%解除の反動による苦痛に耐えながら、『村雨』を鞘に納める。
ウルフ『死んだか…』
承一郎「ほとんどサイボーグ化していないとはね…」
ウルフ『サム…これで本当に良かったのか?俺にはわからん…』
承一郎「AIにもわからない事が?」
ウルフ『正しさに唯一の答えはない。故に人は争う。争いを生むのは悪ではない。それぞれの理想や規範の対立だ。だが、俺の従うべき規範はどこにある?』
承一郎「…自分の知性で考えるんだね」
僕はサムに近づき、側にある『ムラサマ』を手に取る。かつては僕の左腕を焼き斬り、彼の愛刀である『ムラサマ』が彼と共に歩んだ月日が、剣の重さとして伝わってくる。
『ムラサマ』を触ると、空中にIDロックの画面が表示された。
承一郎「IDロック付きか」
ウルフ『使いたいか?高周波を流したところで斬れ味は刀の出来次第だからな』
そんなつもりはない。確かに魅力的だが僕には『
ウルフ『だがそれは、あいつが師範から受け継いだものだ』
…彼も…サムも、僕と同じ『受け継いだ者』だったのか。
承一郎「墓標にするか?」
ウルフ『いや、形見にさせてくれ』
ウルフは『ムラサマ』の鞘を口に咥えて差し出してくる。僕はそれを受け取る。
太陽を背を向けて、僕は『ムラサマ』を振るう。そして、ゆっくりと『ムラサマ』を鞘に納める。
どちらかが死に、どちらかが生きる。善悪や勝ち負けではない、僕達戦士とはそういう宿命なのだ。生き残った者が去っていった者達の意志を受け継ぎ、そして『受け継いだ者』は、終わりなき闘いにこぎ出してゆくのだ。
僕はウルフに『ムラサマ』を渡す。ウルフはそれを口に咥える。
カズ『タイムリミットまで一時間を切った!急げ!』
承一郎「ああ…サニー、よろしく頼む!」
サニー「任せて!さぁ、皆早く乗った乗った!」
サニー『目的地までの飛行はプログラム済みよ。サインが消えるまでシートベルトは外さないで。
承一郎「ああ。…カウントダウンは?」
サニー『面倒な事は抜き!発射ぁ!』
…もう少し、お淑やかに育って欲しかった…。
いきなり機体が揺れてきた。僕は骨の鎧を、ウルフはフェイスアーマーをつける。他の皆は時速マッハ23と聞いて若干固まっている…と思いきや、結構平然としている。
どんだけアクロバティックな日常を送っていたんだ…?
機体が傾き、RLVが空高く上昇するのがわかる。目指す場所はパキスタンのシャバッザバード基地。
世界を巻き込む戦争を防ぐために、そして何よりも愛する人達を、家族を守るために、僕達は決戦の地へと飛び立った。
<=to be continued=