ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
八幡『よぉ承一郎、今大丈夫だったか?』
自動販売機でコーラを買っていた時に、並行世界の通信機から死闘を共に生き抜いた戦友の声が聞こえた。
承一郎「八幡か、珍しいじゃあないか。今は大丈夫だよ」
八幡『ああ、それは良かった。そっちの調子はどうだ?』
承一郎「聞いて驚くなよ、新会社の設立手続きが完了したんだ。子供達の未来は明るいぞ、世界初のサイボーグ派遣会社さ!機械の力と人の頭脳を持つサイボーグは建設の現場や介護分野の活躍も期待されているんだ」
八幡『へぇ、年齢問題とかは大丈夫なのかよ?』
承一郎「弁護士からのお墨付きも得たさ。何せ彼らが国に戻っても家族も仕事もないからね」
そう、アームストロング達が集めたのはそういうストリートチルドレンだった。最低なクズ共だったが、その点だけは利用出来た。
承一郎「募金だけじゃあメンテナンス代にもならない。それにストレートチルドレンは彼らだけじゃあないからね。彼らだけを成人まで援助するのは不公平な話だ」
八幡『完全な公平なんてないさ』
承一郎「これで彼らはアメリカで教育を受けられるようになった。サイボーグにして国に返すわけにもいかないし仕事だけさせるのもね」
八幡『で、お前はどこに?』
承一郎「アメリカだよ。華さんに協力してもらった代わりとして秘書をやらされているんだ。今は休憩時間さ」
華『坊や、そろそろ休憩は終わりよ。急いで来てくれる?』
噂をすれば影という事か、千棘さんの母である華さんから連絡があった。
八幡『…まぁ、頑張れよ』
承一郎「君も社畜生活、頑張れよ」
八幡『言うなよ、思い出さないようにしてたのによ!』
笑い声が聞こえた。
それからあの世界を離れる時の事を思い出す。
実は他のどの世界よりも、異変の解決時間だけはジョルノ兄さん達黄金の風チームが早かったのだが、とある事が気になって集英組の世話になっていた。
まぁ、それ故に千葉村の集結には千棘さんや小野寺君達が集まったのだが、問題はそこじゃあない。
承太郎「比企谷……と言ったか。ヴァレンタイン大統領がお越しだ」
八幡「了解。ありがとうございます。空条博士」
空条「DIOに空条博士と呼ばれるとはな……」
八幡は同じくホームステイしていたこの世界の承太郎に案内され、閣下の下へ行く。
ファニー「久し振りだな。比企谷八幡。まだ一条君の中にいたのか?」
早く帰って貰いたいのだろうが、気になることが出来たらしい。あちらの閣下と共に平行して調べて貰っている。
ファニー「わざわざ帰還を遅らせてまで調べていたのだ。何が理由かね?」
八幡「承一郎に言われていたんだ。この世界の技術を持ち帰ってみてはどうか?………と」
ジョバァーナ(ニセコイ)「結論は?」
八幡はブラッディ・シャドウから『村雨』と銃剣を取り出す。
八幡「高周波ブレードとナノマシン……これは対費効果的にも優れてはいます。もっとも、オーバーテクノロジー過ぎて世界バランスを壊しかねませんがね。承一郎の申し出は、悪いですがお断りしますよ。俺達の時代には、過ぎたる物です」
ヴァレンタイン(俺ガイル)「どジャアァァン」
あちらの世界の閣下もやって来た。
八幡「お疲れ様です。閣下」
ヴァレンタイン「うむ。八幡。君と承一郎くんの情報にはかなり助けられた。アームストロング以下数名の物が同じ事を企んでいた。サイボーグ兵計画もな。軍を突入させて全員射殺した。もちろん、計画自体潰したからこの世界のようにはならないだろう」
やれやれ。これで異変は終わりか……。
そう思うと、自然と僕の左足から八幡の魂の欠片が飛び出た。
承一郎「やっと出ていったか。悪霊が。だが、勉強にはなったよ。お前の戦術はな」
八幡『やれやれ。あんなのは基礎の基礎だ』
承一郎「ぬっ………」
八幡『次に会ったときは、容赦しねぇ。肉体的、能力的に負けていてもな、戦術でお前に簡単に負ける俺じゃあねぇ。覚悟しておけ』
承一郎「お手柔らかに頼むよ」
そういって八幡は陽乃さんの方へと飛んでいく。
陽乃「いらっしゃい。八幡君」
八幡は陽乃さんの中へと導かれ、同化する。
ジョルノ「これで終わりだね」
千棘「帰っちゃうの?トリッシュさん」
トリッシュ「まぁね。八幡を戻さなくちゃいけないし、何よりもいつまでも居座ってたらこっちのあたしに悪いしね」
ジョバァーナ「さようなら。この世界の僕、ミスタ、トリッシュ、ブチャラティの転生の留美。そして異世界の親戚の陽乃、雪乃……そして、父の転生、八幡」
空条「そっちの俺やジジイや徐倫によろしくな。元気でな」
雪乃「ええ。この世界のジョルノ兄さん。少ししか話せなかったけれど、いつかまたお会いできると信じて」
小咲「雪ノ下さん…もう少し料理を習いたかった」
雪乃「あなたの矯正は………多分無理よ」
鶫「ミスタさん。あなたの銃の腕をもう少し見せてほしかった……」
ミスタ「こっちの俺に見てもらえよ。親切に教えてくれるんじゃあないか?多分な」
万里花「ジョルノ・ジョバァーナ。そっちのあなたもいつかは私が逮捕するけんね!」
ジョルノ「やって見せて下さい。こちらのあなたごと倒してみせましょう」
こんなやり取りを聞けるだけでも、僕の日常が戻ってきたと感じられる。
ついでに言えばこの世界にも八幡達がいる。何でそいつらに拾われなかったんだろう?
春「陽乃さん………うう」
承一郎「まぁ、八幡復活を見届けるから。他の世界の人間も来るって言うし…」
春「なんですか?口説いてるんですか?確かに先輩は王子様ですし?少しぐっとこないこともないですけど、良く考えたらお姉ちゃんや千棘さんとかの間をフラフラしてますし、天然たらしなのでキチンと女性関係を何とかまとめてから出直してきて下さいごめんなさい」
この話し方は!確か前に八幡が言われて某究極生命体風にバカ笑いしていた…!
ジョルノ「いろはの声でこれを聞けるとはね」
ジョバァーナ「なるほど。確かにこれはおもしろい。時々頼むよ?春」
春「一色いろはさんの高速お断りを真似してみました。声が似てるからいつかはやりたかったんです♪」
承一郎「いろはぁぁぁぁぁぁ!殴る!悪霊と一緒にいろはも殴る!」
この場には僕、小野寺君、春ちゃん、千棘さん、鶫さん、橘さんが揃っていた。
ファニー「さらばだ。そちらの私よ」
ヴァレンタイン「うむ。さらばだ。それでは全ての者達が終結している。オペレーション・リゲイン・ジェムストーンの最後を見届けよう。それでは……ドジャアァァァン!」
そして、僕達は八幡の肉体のある八幡の並行世界の千葉村へと旅立った。
次回、『集まる同じ
同じ声の人達が集結します。かなりカオスです。