ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

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今回は承一郎がやる中学の頃の話です。


承一郎とカズ、サウナにて

マザーベース内、シャワー室───

 

カズ「フーンフーフーンフーン♪フーフーフーフーン♪フーフーフーフーフーフーン♪フーフーフーフーン♪」

 

PMC組織では珍しい大きい風呂場、そのシャワーの前で鼻歌を歌っているのはこの『水晶の牙(クリスタル・ファング)』の服司令官、カズヒラ・ミラーである。

 

キュッ!シャー!

 

その隣でシャワーを浴び始める者がいた。

 

?「…サングラス取ったらどうだい?」

 

カズ「ああ、暗いハズだ」

 

そう言ってカズはサングラスを外した。いや普通風呂場に入ったら外すだろう。

 

?「ふぅ……」

 

少年は温かいシャワーを浴びて息を吐いた。

 

カズ「ボス?承一郎じゃあないか」

 

少年──もとい、この『水晶の牙』総司令官である一条承一郎はシャワーを浴びて体を洗いながらカズに話しかけた。

 

承一郎「……出来たんだってね」

 

カズ「ん?」

 

承一郎「例の部屋だよ」

 

カズ「ああ、サウナか」

 

承一郎「君らしくないね」

 

カズ「うん?」

 

承一郎「贅沢なんじゃあないのかい?このマザーベースにサウナなんて」

 

カズ「ボス、開発を許可したのはあんただ」

 

承一郎「ミッション中に気が変わった。GMP(資金)がかかり過ぎるんじゃあないかってね」

 

キュッ!と承一郎はシャワーの蛇口を閉めて今度は頭を洗う。

 

カズ「話しただろ?海水を吸い上げて、濾過する電気代を考えたら風呂より経済的だ。フィンランド出身の兵士もいるし、士気も上がる。石鹸、使うか?」ヒュッ!

 

カズは石鹸を投げて渡すが、

 

ピシッ!

 

承一郎は叩き落とした。

 

承一郎「断る」

 

カズ「スタッフの評判もいいぞ?」

 

承一郎「そういえばオセロットも『いいセンスだ』とか言ってたな…」

 

カズ「赤くなるまで石を焼くんだ。で、水をかけて蒸気を出す。本格的なフィンランドサウナだ、20人は入れる。……ジョジョ」

 

キュッ!シャー!

 

また蛇口をひねり、シャワーを浴びる。

 

承一郎「カズ、ここでケガ人が出たって?」

 

カズ「うん?ほんの打ち身程度だ」

 

承一郎「尾骶骨骨折、診療所に一ヶ月。誰だった?」

 

尾骶骨、人間が爬虫類から進化した時の名残り、いわば尻尾の部分の骨だ。ここを骨折すると座るだけで激痛が走り、歩く事すらままならない。

 

カズ「アルマジロ」

 

承一郎「その時君もいたんだって?」

 

カズ「あ、あぁ……急に、転んだんだ。……石鹸かな?」

 

承一郎「転んだ、あのアルマジロが。人一倍慎重で、戦車より重心が低い彼が?」

 

そういう承一郎もCQCによる投げを断念して首を締めて気絶させてからフルトン回収せざるを得なかった程の兵士だ。そんな兵士が転ぶとなると、よっぽどの事があったのだろう。

 

カズ「あまりの振動で、マザーベース中のウミネコが飛び立ったそうだ」

 

承一郎「へぇ」

 

カズ「のぼせたのかなぁ、サウナで」

 

承一郎「ほぉ、サウナで」

 

カズ「ボス「カズ」ボス?」

 

承一郎「君……何か、言いたい事あるかい?」

 

カズ「ああ……そうだなジョジョ。サウナ入る?」

 

承一郎「…案内してもらおうか」

 

 

サウナ室───

 

ジュウウウウウウウウウッ……!

 

サウナ室は焼き石にかけられた水の蒸気で蒸し返し、温度も100度をキープしていた。もはや息をするのも苦しいレベルだ。

 

カズ「フゥー……見ろ、この蒸気」

 

承一郎「君、内腿にも傷があるね」

 

カズ「どこを見ているんだ?」

 

承一郎「君の全てだ。そう、そのタオルで隠しているところ以外はね」

 

※これは素です。

 

ジュウウウウウウウウウッ……!

 

承一郎「カズ、それで……」

 

カズ「どうだサウナ、中々だろう?」

 

承一郎「ああ、日照りの熱帯雨林が涼しく思えてくる。で、カズ…」

 

カズ「これなーんだ?」ガサッ

 

カズがおもむろに取り出したのは何かの枝の手元を束ねたものだった。

 

承一郎「なんだい、その葉っぱは」

 

カズ「ビヒタだ、白樺の枝を束ねた…」

 

承一郎「ビヒタ…」

 

カズ「本場はこいつで体を叩くんだ。ビヒタでビンタ(ボソッ)血液循環を促して……代謝」

 

承一郎「へぇ……やってみてくれ」

 

カズ「いいけど?…ふっ!」ペシッ!

 

カズがビヒタで承一郎の背中を叩いた。

 

承一郎「貸してくれ」

 

カズ「どうぞ」

 

承一郎「…ふんッ‼︎」ビシィッ!

 

承一郎もカズの背中を叩いた。

 

承一郎「へぇ、こりゃいいね」

 

カズ「力強いな、ジョジョ」

 

承一郎「で、カズ」

 

カズ「はい?」

 

承一郎「後ろを見せてみろ」

 

カズ「えっ、後ろ?」

 

承一郎「立って後ろを向いてみろ」

 

カズ「な……なんだ、なんだジョジョ」

 

承一郎「タオルを取れ」

 

カズ「あ、ああ……」シャル…

 

ペチペチ……

 

※何度も言うがこれは素

 

カズ「ジョジョ、どこを触ってる」

 

承一郎「尻にも傷があるな……爪で引っ掻かれたような」

 

カズ「もう、いいか?」

 

承一郎「いや、もう少し見せろ。…前向け」

 

カズ「えっ……」

 

承一郎「前を向け」

 

※何度も言うがこれは(ry

 

カズ「ジョジョ……」

 

承一郎「カズ。君、モテるな」

 

カズ「……まぁ」

 

ペチペチ……

 

カズ「ジョジョ、どこ触ってる」

 

承一郎「カズ、座れ。……ふんっ‼︎」ビシィッ!

 

承一郎はカズをビヒタで叩いた後に座った。

 

承一郎「君、覚えているかい?」

 

カズ「何が?」

 

承一郎「会って間もない頃だ。君、僕に女の数を聞いたね?」

 

カズ「ん?」

 

承一郎「モノにした女の数、だったか?」

 

カズ「あ、あぁ……」

 

承一郎「あれから二年だ。君、何人になったんだい?」

 

カズ「うーん…(パシパシと手を叩く)これくらいかな」

 

承一郎「そんなにか⁉︎」

 

カズ「いやぁ……ええっと……」

 

承一郎「どうやったらこの二年で増えるんだ、この生活で!」ビシィッ!

 

承一郎はさらに叩く。ちょっと力が強くなっているのは勘違いではないだろう。

 

承一郎「カズ、僕はここの連中の惚れた腫れたに首を突っ込むつもりはない。個人の自由、自己責任だ」

 

カズ「さすがボス…」

 

承一郎「だが自分の、それぞれのスタッフの、責務や精神に悪影響がないのが大前提。分かるね?」

 

カズ「あ、熱くなってきたから俺はそろそろ…」

 

承一郎「カズ!君、ここの副司令なら、わきまえたらどうだい?」

 

カズ「何だよ…」

 

承一郎「昨日ガゼルから相談があった。ミッションから戻ってすぐにだ。折り入って話したい事があるってね。彼女は、ここで働くのが惜しい程の美人だよね?」

 

カズ「そうだな…」

 

承一郎「君達デキてるんだって?」

 

カズ「そう言ってたか?」

 

承一郎「ところがガゼルは、君がスワンと一緒にいるのを見ちまったらしい。スワンもここにいるのは勿体ないような子だよな…」

 

カズ「ああ…二人でいる事くらい…」

 

承一郎「入ったのか?」

 

カズ「えっ?」

 

承一郎「スワンとここのシャワー室に、二人きりで入ったのか」

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

カズ「ええっと……」

 

承一郎「ふぅんッ‼︎」バシィンッ!

 

承一郎の思いっきり振りかぶった一撃がカズに直撃する!

 

カズ「いった‼︎!」

 

承一郎「どうなんだい?そう聞いたぞ、石鹸プレイをしてたとな。ふぅんッ‼︎」バシィンッ!

 

そう言ってまた叩く!なんだか頭の角が妙に伸びているのは気のせいか?

 

カズ「セッケンッテッター‼︎?」

 

承一郎「言え!」

 

カズ「悪かった……つい」

 

承一郎「つい⁉︎それをアルマジロが見た、スワンはアルマジロのガールフレンドなんだって?」バシィンッ!

 

カズ「うぐっ⁉︎」

 

承一郎「そりゃあ驚くよなぁ、重戦車並みの安定感を誇る、あのアルマジロがッ‼︎」バシィンッ!

 

カズ「ぎゃふっ⁉︎」

 

承一郎「ひっくり返るくらいになッ‼︎」バシィンッ!

 

カズ「ぐあぁっ……ああ……」

 

承一郎「マザーベース中のウミネコが、飛び立つわッ‼︎」バシィンッ!

 

ニャアニャア!ニャアニャア!ニャアニャア!

 

カズ「ぐあぁっ‼︎」

 

承一郎「ビヒタァッ‼︎!」

 

ガシャーーーーーーz____________ンッ‼︎

 

カズ「ウボァッ……‼︎」

 

まるで雷が落ちたような音でビヒタがカズを容赦なく叩かれた。もう枝を束ねたやつで出していい音ではない。

 

承一郎「①二股(FU☆TA☆MA☆TA)、②共有施設の乱用、③挙句スタッフの負傷!君何やってるんだ⁉︎」

 

カズ「ジョ、ジョジョ……」

 

承一郎「僕に、こんな説教を、させるな‼︎」ベキィッ!

 

ついに承一郎の鉄拳制裁(TEE☆KE☆N☆SE☆I☆SA☆I)が下された!副司令ぇ…。

 

カズ「ぶわぁっ……‼︎」

 

ガシャアアアアンッ!

 

その威力たるや、大の大人を吹き飛ばすほどだった。

 

カズ「…今のはグーだ」

 

承一郎「それだけじゃあないだろう。君、ドルフィン、ピューマ、コットンマウス、エレファント、一体何人に手を出した⁉︎潰す気か‼︎」

 

すでにカズの被害に遭われた女兵士は数知れず。こいつの罪状は…クロだ!すべてッ!←悪に堕ちたカズのセリフ丸パクリ(詳しくはメタルギアソリッドV参照)

 

ガラガラ……

 

カズ「やりやがったな、このぉ‼︎」ベキィッ!

 

承一郎「ぐっ…!貴様!」ベキィッ!

 

承一郎「根性、叩き出せ‼︎」ベキィ、バキィッ!

 

カズ「ぶっ!べらっ!がっ…」ダッ!

 

承一郎「行かせるかッ!」

 

バァンッ‼︎バシャアッ‼︎

 

スタッフ達「うわぁっ⁉︎」「ミ、ミラー副司令⁉︎」「ボ、ボスも⁉︎」

 

スタッフ達もいきなり司令、副司令がサウナ室から飛び出して風呂で殴り合いを始めて驚いている。

 

承一郎「このッ、スケベグラサン野郎ッ、握り潰すぞッ!」ベキィ、バキィ、ベキィッ!

 

カズは殴られながらも逃走を試みるが、

 

承一郎「待てッ!」ビシュッ!

 

承一郎は手元にあった石鹸をカズの足元に投げつける!

 

カズ「あ、ああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ‼︎」ガシャアアアンッ!

 

石鹸に滑り、カズは派手にスッ転ぶ。石鹸プレイをしてた奴が…これを因果応報という。

 

カズ「ボス、落ち着け。動物には本能ってやつが…」

 

承一郎「ここは秩序ある人間社会だ。ハァッ!」

 

カズ「カバー!」ズギュンッ!

 

カズは『TOKYO通信』を発動させ、シャワーを手動から自動に設定し直し、承一郎にシャワーを浴びせた!

 

シャーーーーッ‼︎

 

承一郎「何ッ⁉︎」

 

カズ「ムーブ!」ダッ!

 

承一郎「待て、このッ……スネークキーック‼︎」

 

カズ「タコスッ‼︎」

 

風呂場の出口へ向かうカズに承一郎はライダーキックをかました!さすが承一郎ッ!オレ達に出来ない事を、(素で)平然とやってのけるッ!そこに痺れぬ憧れぬゥ!

 

それでも外へ脱出したカズに、承一郎は後ろから首を絞めた。

 

カズ「待て…首が…」

 

承一郎「火照った体に…気持ちいいだろう…海風が…」

 

カズ「あったかくて…あつくて…背中になんか当たってるしィ…」

 

※現在二人は全裸です。

 

承一郎「あぁん?」ミシッ!

 

カズ「イグ、イグイグイグゥ……‼︎」

 

カズよ、そのセリフはアウトだ。腐女子を呼ぶぞッ!

 

承一郎「カズ、真剣に考えろ。女か、僕達か…!」

 

カズ「両方…」

 

そう言い、承一郎の拘束から脱出する。ダメだ、この男、反省などしていないッ!

 

承一郎「待ぁてぇッ!」

 

承一郎「お前…少しは…懲りろッ!」ベキィ、バキィ、ベキィッ!

 

カズ「オレが…モテて…何が悪いッ!」バギィ、ベキィ、バキィッ!

 

お互い拳を叩き込む。いやカズよ、論点そこじゃあねぇ。

 

承一郎・カズ「「うおおおおおおおおおおおおおおッ‼︎」」

 

ベキィッ!

 

お互いのクロスカウンターが顔面にヒットした。

 

カズ「が……うおおっ……」

 

承一郎「ハァ…ハァ…いいパンチだ。だけど僕には効かない」

 

カズ「さすがだなボス……」カチャ!

 

承一郎「お前…何も持った?」

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

承一郎「フルトン回収装置…ハッ、それをどうするつもりだ」

 

カズ「全裸で空の旅はどうだ、ボスゥ?」

 

フルトン回収装置を取り付けようとするカズの手を承一郎は、

 

承一郎「フッ!」

 

掌底で弾き飛ばした!

 

カズ「あーーーーッ⁉︎」

 

承一郎「ハッ!」ドスッ!

 

そこから腹にパンチを叩き込み、カズは倒れた。

 

承一郎「全員に謝れ」

 

カズ「ああ…」

 

承一郎「少しは慎め」

 

カズ「ああ…」

 

承一郎「サウナ掃除一年」

 

カズ「……ああ…」

 

承一郎「……よし!」

 

いやよしじゃあねぇって。二人共全裸だぞ。

 

承一郎「君達、何を見てる」

 

スタッフ達「あ、ボス…」「いや、その…」

 

承一郎は騒ぎを聞きつけて来たスタッフ達を一瞥し、

 

承一郎「…持ち場に戻れ」

 

命令を下した。


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