ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

89 / 192
平和が終わる。


クリスタルの謎その②

ボリビア───

 

信乃「若、やはりこの仕事奇妙ですよ。護送任務だから敵の妨害が予想されていたのに、全然来ませんよ」

 

承一郎と信乃はは数人の組員を連れてボリビアへやって来た。そして護送するトラックを後ろから車で追っていた。

 

承一郎「ああ、確かに奇妙だ。だけど妨害がなかったらなかったで良しとしよう。今は任務に集中するんだ」

 

信乃「はい、若」

 

承一郎は信乃にそう指示する。ある荷物の護送任務、依頼が来るほどという事はそれなりに何者かが介入して来るというのは予想されていたが、現状全くそんな様子はない。

 

だが油断は禁物だ。相手はいつどこから襲って来るかは分からない。

 

承一郎「それに問題は荷物の中身だ。後でこっそりと確認するが、気をつけろよ」

 

信乃「分かりました」

 

一番注意すべき点は荷物の中身だ。後で隙をついて確認するが、ヤバイものだったら即任務を降りる気だ。

 

ヤクザ「そういえば坊っちゃん、学校とかで好きな子とか出来ましたかい?」

 

車を運転する組員が急にそんな話をしてきた。

 

承一郎「なんでそんな話始めるのさ…。う〜ん、まだいないかな」

 

信乃「そういえば若は昔女の子と何か約束していましたよね?」

 

承一郎「えっ?そうだっけ?」

 

信乃「若、しっかりして下さいよ。そのペンダントの約束の女の子ですよ。忘れたんですか?」

 

承一郎「いや、約束の内容が少し曖昧で…それにその女の子の顔が思い出せないんだよ」

 

信乃「そうなんですか?」

 

承一郎「ああ…それよりさ、信乃の方はどうなんだい?」

 

信乃「えっ?私ですか?」

 

承一郎「そうそう、信乃は結構人気があるじゃあないか。でもそういった話はないし…」

 

信乃「…私は、その、昔若と遊ばれていたお嬢さんの側にいた女の子が…」

 

意外ッ!それは鶫ッ!

 

承一郎「へぇ〜!信乃にも初コイの相手がいたんだ〜!」

 

信乃「だ、誰にも言わないで下さいよ!」

 

承一郎「はいはい…また会えるといいね」

 

信乃「…はい」

 

信乃は少し頰を赤らめてそう答えた。

 

信乃「…若」

 

承一郎「ん?」

 

信乃「若の夢って何ですか?」

 

承一郎「夢か…今のところ警察官になって…」

 

ヤクザ「ええっ⁉︎坊っちゃんポリ公になるんですかい⁉︎」

 

承一郎「いやいや、まだ途中だよ。僕の夢はね…警察になって、表と裏で街を守りたい。それが僕の夢なんだ」

 

信乃「…なるほど。じゃあ要鍛錬ですね、若」

 

承一郎「げっ、藪蛇だったか!」

 

車の中に、笑いが広がった。

 

 

夜、ビル前───

 

信乃「若、着きました」

 

承一郎「皆、戦闘準備!」

 

ヤクザ達「「ヘイ!」」

 

承一郎達は一斉に車に降り、運転席に移動する。

 

運転手「なんだお前ら、何か…」ガクッ

 

運転手は承一郎の瞳を見た瞬間に催眠術をかけられ、意識を失う。

 

承一郎「どうだい?」

 

ヤクザ「坊っちゃん、このトラック…何もありやせんぜ」

 

荷物の中身は、なんと空だった。おそらく運転手でさえ、自分が何も積んでいないトラックを運転していただなんて夢にも思っていないだろう。

 

運転手も、利用されていたのだ。

 

承一郎「クソッ、つまり僕達は…ッ!」

 

信乃「嵌められた…ッ!」

 

ジャキッ!

 

一同「「‼︎!」」

 

いつの間にか承一郎達の周りには何人もの男達が銃を構えていた。

 

承一郎「…何の真似ですか?」

 

?「お前達はここで始末される世界だったのだ。元からな」

 

銃を構える男達の中から、一人男が現れた。

 

マイク・O「私の名はマイク・O。あのお方の『遺体』を返してもらうぞ、一条承一郎。それは元々我が祖国の世界のものだ。お前の『母』が『奪った』ものを返してもらうぞ」

 

承一郎「…何の話ですか?」

 

マイク・O「…そこまで頑なに知らぬフリをするというのなら、話したくなるような世界にしてやろう」

 

マイク・Oは懐から何本かの釘を取り出し、釘に向かって息を吐いた。

 

その釘はまるで風船のように膨らんだ(・・・・)。そしてだんだんとバルーンアートの犬の形になっていく。

 

マイク「我が『チューブラー・ベルズ』でな…。じっくりと捕らえて拷問してやる……あのお方の『遺体』の在り処を吐きたくなるような世界にな!」

 

信乃「話はそれだけですか?」シュカァァン!

 

信乃は刀、『村雨』を抜く。その刀からは、濃い霧が発生した。その周囲の人間の体が水分の多さで湿っている。

 

信乃「つまり、あなた方は敵…ならば倒すまで!」

 

マイク・O「お前ら、撃て!」

 

カチィッ!

 

マイク・Oが男達に指示し、引き金が一斉に引かれる。

 

しかし、銃から発射されるべき弾丸が発射しない。

 

男達「なっ⁉︎」「どうなっているんだ…⁉︎」

 

承一郎「マイク・Oと言ったな?あなたが長々と自分のスタンドや話をしている間に僕達はすでにこの数の銃への対抗策を打ち出したのさ。つまり、『「村雨」の迸らせた水によって火薬を湿らせる』事を考えたのさ」

 

マイク・O「なんだと…ッ⁉︎」

 

承一郎「この人数の多さに油断したでしょう?ですけどね、拳銃(チャカ)が怖くてヤクザなんてやってられないんですよ!」シュカァァン!

 

承一郎達も信乃に続いて刀を抜き、もう片方の手に銃を構える。

 

承一郎「集英組次期組長、一条承一郎…参る!」

 

戦いが、始まる。




はい、というわけでマイク・O登場です。話し方が難しい(汗)

スタンドプロフィール

チューブラー・ベルズ

ステータス
【破壊力 - D / スピード - D / 射程距離 - D / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - B】

金属に息を吹き込み、バルーンアートの犬や鳥を作り出すスタンド。スタンド像は存在しない。

効果中の金属はゴム風船と動物の特性を併せ持ち、ごく単純ながらある程度の自律行動も可能。また、急激に元の金属に戻ることにより、その運動エネルギーで対象を殺傷することができる。


次はMGRから、あの男が登場!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。