ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子──   作:GIOGIO

91 / 192
連投だぁぁぁーーーーッ‼︎!

もいっぱあああああつッ‼︎




憎悪が目覚める(V has come to)

世界が、ゆっくりと感じる。信乃の体が、ドサっと崩れ落ちる。

 

承一郎は急いで彼の体を支える。

 

承一郎「信乃…信乃ぉ…!」

 

信乃「若……ご無事で…よかった…」

 

信乃の体のあらゆるところから紅い血が流れる。明らかに致命傷だ。

 

承一郎「何を言ってるんだ…!君が…!波紋…ッ!」

 

承一郎は波紋の呼吸で急いで信乃を治そうとするが…

 

信乃「無駄です…もう…助かりません…」

 

承一郎「諦めるな…!諦めたらそこで終わりだ…‼︎」

 

承一郎は波紋を送り込むが、信乃の体はだんだんと冷たくなっていく。

 

承一郎「クソッ!クソ、クソッ!治れッ!治ってくれッ!」

 

信乃「若…ありがとうございます…。でももう…意識が…」

 

承一郎「そんな…!」

 

信乃の瞳から光がだんだんと消えていく。

 

信乃「…若…星は…砕け散っても…いつかは光り輝くんです…」

 

承一郎「いったい何を…」

 

信乃「若…最後まで…自分の信じた道を…歩んで下さい…。私は…見てますから…」

 

信乃は自分の刀──村雨を承一郎に持たせる。

 

承一郎「信乃…?」

 

信乃「星となって…皆の頭上を…明るく照らして下さい…。私達の魂は…あなたを見守っていますから…」

 

そう言うと、信乃の体ゆっくりと力を失い、ガクンと手が垂れる。

 

その瞳からは光が完全に消え、冷え切っていた。

 

プツン…と承一郎の何かが切れた。何かは分からないが、承一郎の中で大切な何かが切れた。

 

 

?『…どうなりたい…?』

 

 

声が、聞こえた。

 

 

?『…どうなりたい…?』

 

 

声がもう一度問いかけた。

 

承一郎「…強くなりたい…」

 

承一郎は答えた。

 

 

?『強くなりたいのか…?』

 

 

声は問いかけた。

 

承一郎「ああ…もう何も失わないように…もう何も『奪わせない』ように…!」

 

承一郎は答えた。

 

 

クリスタル・ボーン(以下CB)『その願い、叶えよう』ズギュン!

 

 

声と共に現れたそれは、白い戦士だった。

 

承一郎は初めてその戦士を見たが、その戦士が自分自身だと直感した。

 

CB『そうだ、私はお前だ。お前は私だ。鬼よ、お前に力を与えよう』

 

承一郎の額から、白い角が生える。その形相は鬼のようだ。

 

承一郎は村雨を取り、一気に引き抜いた。月の光を浴び、刀が青白い光を放つ。水が迸り、村雨を覆う。

 

まるで親友(とも)の魂が、承一郎に応えるかのようだった。

 

CB『私は「水晶の骨(クリスタル・ボーン)」。お前は?』

 

体を親友の血で染めながら、

 

承一郎「…僕は…一条承一郎……いや、───」

 

 

憎悪(V)(has)

 

 

承一郎「───『毒蛇(ヴァイパー)』だ」

 

 

目覚める(come to)

 

 

<= to be continued=




少年は進む。

仲間を喪い、それでも前に進む。

自分と世界への憎悪を滾らせながら。

次回、『The Venom(憎悪)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。