ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
もいっぱあああああつッ‼︎
世界が、ゆっくりと感じる。信乃の体が、ドサっと崩れ落ちる。
承一郎は急いで彼の体を支える。
承一郎「信乃…信乃ぉ…!」
信乃「若……ご無事で…よかった…」
信乃の体のあらゆるところから紅い血が流れる。明らかに致命傷だ。
承一郎「何を言ってるんだ…!君が…!波紋…ッ!」
承一郎は波紋の呼吸で急いで信乃を治そうとするが…
信乃「無駄です…もう…助かりません…」
承一郎「諦めるな…!諦めたらそこで終わりだ…‼︎」
承一郎は波紋を送り込むが、信乃の体はだんだんと冷たくなっていく。
承一郎「クソッ!クソ、クソッ!治れッ!治ってくれッ!」
信乃「若…ありがとうございます…。でももう…意識が…」
承一郎「そんな…!」
信乃の瞳から光がだんだんと消えていく。
信乃「…若…星は…砕け散っても…いつかは光り輝くんです…」
承一郎「いったい何を…」
信乃「若…最後まで…自分の信じた道を…歩んで下さい…。私は…見てますから…」
信乃は自分の刀──村雨を承一郎に持たせる。
承一郎「信乃…?」
信乃「星となって…皆の頭上を…明るく照らして下さい…。私達の魂は…あなたを見守っていますから…」
そう言うと、信乃の体ゆっくりと力を失い、ガクンと手が垂れる。
その瞳からは光が完全に消え、冷え切っていた。
プツン…と承一郎の何かが切れた。何かは分からないが、承一郎の中で大切な何かが切れた。
?『…どうなりたい…?』
声が、聞こえた。
?『…どうなりたい…?』
声がもう一度問いかけた。
承一郎「…強くなりたい…」
承一郎は答えた。
?『強くなりたいのか…?』
声は問いかけた。
承一郎「ああ…もう何も失わないように…もう何も『奪わせない』ように…!」
承一郎は答えた。
クリスタル・ボーン(以下CB)『その願い、叶えよう』ズギュン!
声と共に現れたそれは、白い戦士だった。
承一郎は初めてその戦士を見たが、その戦士が自分自身だと直感した。
CB『そうだ、私はお前だ。お前は私だ。鬼よ、お前に力を与えよう』
承一郎の額から、白い角が生える。その形相は鬼のようだ。
承一郎は村雨を取り、一気に引き抜いた。月の光を浴び、刀が青白い光を放つ。水が迸り、村雨を覆う。
まるで
CB『私は「
体を親友の血で染めながら、
承一郎「…僕は…一条承一郎……いや、───」
承一郎「───『
<= to be continued=
少年は進む。
仲間を喪い、それでも前に進む。
自分と世界への憎悪を滾らせながら。
次回、『