ジョジョの奇妙な冒険──5人目のDIOの息子── 作:GIOGIO
承一郎が目覚めて見たものは、いつも見慣れた天井だった。
承一郎「ここは…」
ヤクザ達「「坊っちゃん‼︎」」
承一郎が目を覚ますと、組員達が一斉に飛んで来た。
ヤクザ達「坊っちゃん、よくご無事で!」「坊っちゃん、お帰りなせぇ!」「
一征「イチ、気がついたか」
承一郎「父さん……ッ!信乃はッ…⁉︎皆はッ…⁉︎どうなったんだッ…⁉︎」
ヤクザ「坊っちゃん、落ち着いて!」
承一郎は急に起き上がろうとすると、組員達がそれを抑えた。
一征「…結論から言うとだな…全員死んだ。おめぇ以外はな」
承一郎「ッ…‼︎」
一征「俺らが駆けつけた時にはおめぇと何と言えばいいのか…髑髏達がいた。後は
承一郎「羽姉さんの…」
一征「だが、信乃達の遺体はどうしようもなかった。あのままでは腐り、朽ち果ててしまうからな。火葬してもらって、遺灰としてこっちに運んだんだ」
承一郎「…そう…ですか…」
承一郎はそこで自分に斬り落とされ、焼き尽くされた左腕があった事に気がついた。
承一郎「そういえば…腕が…斬り落とされて、焼き尽くされたハズの左腕が…。いつの間にか生え治っていたのか」
一征「イチよ…おめぇの目が覚めるまであいつらの埋葬を待っておいたんだ。埋葬は明日行うぞ」
承一郎「…分かりました」
翌日の早朝、集英組───
まだ太陽が昇っていない早朝、承一郎達は集英組の無縁塚の前に立っていた。社会からはじき出された者達の眠る場所。信乃の父も、ここで眠っている。
なぜそんなに早朝かというと、承一郎が眠れなかったのがある。仲間達が目の前で死ぬ夢を見て、眠れなかったのだ。
竜「…それでは坊っちゃん、始めます」
承一郎「…ああ」
竜の合図と共に組員達が信乃達の遺灰が入った壺を運ぶ。
一征「…イチよ、自分を責めるな。俺の判断が招いたミスだ。俺がしっかりしていたら…あいつらは死なずに済んだかもしれねぇ…。それによ、あいつらはおめぇを守るために命を懸けたんだ。そのおめぇがそんな顔してたらよぉ、あいつらが浮かばれねぇよ」
一征は悔やんでいた。もっと自分がよく調べていたらこんな事にはならなかったハズだと。
だが、いくらそんな事を考えても所詮は
承一郎「いや…僕が殺したんだ。彼等が目の前で死んでいくのを、僕は止める事が出来なかった。見殺しにしたんだ…僕が…」
一征「イチ…」
承一郎は組員達に近づき、
承一郎「待て!」
震えた声で呼び止め、
承一郎「…僕が…やる…」
そう言った。
一征や竜、組員達は息を飲んだ。
そこには一条承一郎という人間はいなかった。瞳に
組員は一つの壺を承一郎に渡した。それは信乃の遺灰が詰まった壺だった。
承一郎「……」
承一郎は無縁塚の前に屈み込み、入れようとするが、そこで止まる。
承一郎「君達の無念を土に還らせたりはしない」
土に還らせる?それは自分を救おうとした彼等への侮辱ではないだろうか。承一郎はそう思った。
承一郎は壺の蓋を開け、中にある遺灰を舐める。
承一郎「僕は常に君達とある。…僕は君達の苗床だ」
承一郎は遺灰を掴み、顔に塗った。顔が白く染まる。
太陽が昇り、承一郎を照らす。
承一郎「君達を灰にはしない。君達はダイヤモンドだ」
一征「埋葬はしない?それで……」
一征の問いに承一郎は答えず、代わりに遺灰に手を入れた。
その骨から成る遺灰は、承一郎のスタンド、『
そして、朝日を浴びて、光り輝くダイヤモンドになった。
まるで、彼の魂が宿っているようだった。
承一郎「仲間の灰でダイヤモンドを創る。…それを僕達は抱いて前へ進む」
一征「…死してなおも…輝き続ける…仲間の元で……」
承一郎「僕達は進む続ける。どんな事があろうとも」
風が吹く。
承一郎(信乃…君は言ったね、星は砕けてもいつかは光り輝くと…。だけど僕みたいな鬼でも──凶星でも…光り輝いていいのかな?)
──いいんですよ、若──
承一郎「……」
何かが、聞こえた。風に乗って、何かが聞こえたような気がした。幻聴かもしれない。でも、それでもいいと思った。
人間の脳は、幻を見る事が出来る。痛み、未来も。
承一郎(なら、その
承一郎は昇る朝日に誓った。
数日後、承一郎達を陥れた組織は潰されるが、ダミーの組織だった事が判明した。
そして承一郎は『
その二年後、小野寺小咲と出会い、恋に落ちるのはまた別の話。
<= to be continued=
第0章、完結!
やっと終わったな…(泣)
この『毒蛇』誕生回、ずっとやりたかった回でもありました。どのように承一郎が復讐を誓うのか、その元はMGSV『
MGSシリーズはプレイする『映画』と言われるほどの壮大なストーリーが一番素晴らしい作品でした。
『ジョジョ』のテーマは『人間讃歌』、一人一人の物語が複雑に絡み合う作品ですのでどうしてもこの素晴らしい作品同士を合わせてみたい!と思いました。
まだだ!まだ終わっていない!
まだこの終着点は見えませんが、精一杯頑張っていきます!