Harry Potter Ultimatemode 救済と復活の章   作:純白の翼

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第20話 罪無き者の救済

その後、暴れ柳にいた全員が吸魂鬼に襲われる前に城に戻った。話を始めたのが11時だったのに、今は18時だ。義祖父ちゃんは、担架に乗せて運んだ。少々強い失神呪文を食らったようだが、無傷だとの事。安静にしていればいずれ起き上がるとイーニアス義兄さんが言っていた。

 

スネイプは、意外にもシリウスを睨むだけで何もしてこなかった。真実を知ったスネイプにとっても、相当重たいものだからだろうか。それは、本人だけしか分からないだろう。

 

ペティグリューは魔封石の鎖で縛られていた上にリーマスやメリンダ、キットに監視されていたので、魔法で逃げる事も出来なかった。というよりも、精神崩壊寸前まで追い詰められたので逃げる気力も無かったのだろう。

 

全員で校長室まで向かい、ダンブルドアにペティグリューを突き出した。全員、すぐさまペティグリューを含めて医務室に送られた。ペティグリューはその後、西塔の使われていない部屋に魔封石の鎖で縛られた状態で監禁された。翌朝にも、ファッジを呼んで引き渡すとの事。

 

1993年12月23日。医務室にて8時に起床した。さあて。やる事をやりますかね。

 

流石のファッジも、シリウスの無実を認めざるを得なかったようだ。アメリア・ボーンズが真実薬と開心術師数人を使って実践して、冤罪が証明されたからだ。そして、今までロイヤル・レインボー財団が集めた資料の内容も筋が通っていて、グウの音も出ない状態となったのだ。

 

ファッジは冤罪を認めた。多少面倒な事は残っているが、自由の身になる日はそう遠くないそうだ。やったね。

 

一方のペティグリューについては、闇払いにアズカバンまで護送された。護送される直前にしっかりと魔法省関係者全員にネズミの動物もどき(アニメーガス)だと伝えた。逃亡は敵わなかった、正確には、精神崩壊直前になっているので逃げようともしなかった。

 

シリウスの動物もどき(アニメーガス)は伝えなかったが、ダンブルドアだけには伝える事になった。全て終わったのは、12時になる直前だ。ローガー家の人達とキットとはここで別れた。

 

翌日のクリスマス・イブ。俺達8人は、湖の畔まで集まってた。獅子、穴熊、鷲、蛇の全ての寮が集まっているけど、この際寮のいざこざなんて関係無い。俺達にとっては。

 

「終わったな。」ゼロが呟いた。安心しきっている。

 

ロンとグラントは、小石で水切りをやっている。グラントの方が長く保っていた。

 

「どうしたらそこまで長くやれるんだい?」

 

「まずはよぉ、石選びから勝負が始まるんだよ。」

 

エリナ、ハー子、イドゥンはガールズトークをしている。ハー子はエリナに、何故魔法法執行部長と親しかったのか聞いている。

 

「スーザンと一緒に行動しているからね。手紙で交流をしてたんだよ。」

 

「いつの間に人脈を作ってるんですか?全く、大したものですよ。あなたは。」

 

「ハリーもロイヤル・レインボー財団を通して、世界中に人脈を持ってるわね。何か凄過ぎるわ。」

 

ニンバスが眠っている場所にエックスと共にいる俺。ハロウィーンの時に出来なかった両親への黙祷を捧げていた。

 

「あの時は世話を掛けたな。ありがとうエックス。それに暴言を吐いて、本当に申し訳なかった。」

 

「良いんですよ。別に僕は、先輩にペティグリューを憎むなとは言いませんよ。先輩もご両親が命懸けで守ったその命を無駄にして欲しくなかっただけですからね。何より、あなたを罪人にしたくありませんでしたから。」

 

新聞を広げる。一面大見出しでシリウスの無実とペティグリューの逮捕が掲載されていた。イドゥンから聞いた話だが、魔法省は賠償金として高級官僚の年収10年分だけを払おうとしていたそうだ。そこに慰謝料はどうしたんだと脅し、もとい進言して慰謝料も加算された賠償金を支払わせた。やるなぁ、イドゥンの奴。

 

それでシリウスの財産は結果的に、何十代先にも残るような規模にまで膨れ上がったそうだ。ま、クリスマスに救済が出来たんで、エリナやブラック姉弟には最高のクリスマスプレゼントになった筈だ。本人達も、嬉しそうにしてるし。

 

夕方、城に戻る。大広間に8人で行った。この時点で大広間にいるのは、緊張でガチガチの1年生2人、不貞腐れた表情をしているスリザリンの5年生が1人だ。少人数なので、テーブルは1つだけになった。豪華な夕食をいただき、早く寝た。

 

翌朝のクリスマス。余談だが俺は、お手製のクッキーを焼いて親しい人に送っている。

 

プレゼントが届いている。確認してみようかな。まずウィーズリーおばさんからだな。毎年恒例になりつつあるセーターが届いた。それにお手製のミンスパイ1ダース、小さいクリスマス・ケーキ、ナッツ入り砂糖菓子1箱もあった。続いて、ロイヤル・レインボー財団からのプレゼントを見てみよう。

 

小さな包みを開ける。1つは本だ。『陰陽術の薦め 達人編』という本である。もう1つは、記憶を映すメモ帳とペンのセット。6ヶ月以内の物なら何でも映せる仕様だ。最後の1つは何と、携帯銃だった。手紙が挟んである。エイダ義姉さんからだ。早速読んでみよう。

 

『メリークリスマス。今回も仕事でホグワーツに残らせる羽目になってしまい、申し訳なく思います。ちなみに、ロックマンXとエストポリス伝記のソフトは買っておきましたよ。今回のプレゼントについてですが、エリナちゃんにも送りましたよ。あなたには、最後の陰陽術の書物と記憶を映すメモ帳とペンのセット、そしてミラクルガンナーという魔法拳銃です。マニュアルを同封したので、うまく使いこなしてみてください。』

 

ミラクルガンナーを取り敢えず口寄せ契約しておく。必要の部屋で練習するか。砲術は身に付けてるけど、剣術に比べたら下手糞なんだよな。そこは時間を掛けて克服していくけどね。

 

朝食を食べに大広間に向かう。途中でロンと鉢合わせした。どうやら、俺を探してたらしい。俺を見るや否や、何かを言いたくてウズウズしている。

 

「おはよう。どうしたんだよ?」

 

「ハリー!やっと起きたんだね!君宛に凄いプレゼントが来てるんだ!シリウスから!!」

 

何故にシリウスから来たんだろうか?ちなみに彼、今はロイヤル・レインボー財団が提供した高級住宅で暮らしている。いずれ俺とエリナを新居に招待したいそうだ。よし、この夏行ってみますか。

 

「分かったよ。すぐ行くから急かすなよ。」

 

ロンに半ば引っ張られるように大広間に連れて行かれた。この城に残留している生徒全員が、同じテーブルにいた。なにやら、俺宛に届いたプレゼントの包みが開かれる瞬間を今か今かと待っている。

 

「律儀な事だな。約数名、俺を待たずに封を破る奴がいると思ったが。」

 

「そういう人達は必死に止めたわよ。」ハー子が俺にそう言った。

 

「ねえねえ。早く包みを開けてみてよ。」エリナが急かした。

 

早速開けてみた。その中身は、それはそれは見事な箒だった。キラキラ輝きながら、テーブルに転がり出た。ダイアゴン横丁で見つけた、あの箒だ。炎の雷、ファイアボルトだ。皆、オーって言ってるし。

 

「マジかよ。」ロンの声がかすれていた。

 

クィディッチの熱狂的なファン達は、羨ましそうな顔で俺に送られてきた箒を見つめている。手紙がある。読んでみよう。

 

『ハリーへ

メリークリスマス!先日は、俺の無実を証明してくれてありがとう!君やエリナには、感謝してもしきれない位だよ。クィディッチの最初の試合で、君のニンバス2000が壊れた所を見た。先日のお礼に加えて、今まで出来なかった13回分の誕生日プレゼントだと思って、この箒を使ってくれ。

シリウス・ブラック』

 

「い、良いのか。これを俺が使っちゃって。」

 

欲しいとは思っていた。これ、500ガリオンもする代物なのだ。今まで使っていたニンバス2000を25本も買える値段なんだ。

 

「あ、続きがあるよ。ええと、『君は多分遠慮するんじゃないかな?でも気にしないでくれ。思う存分これで活躍する事が、俺にとっては最高に幸せな事だからね』だって。有り難く受け取って大丈夫だと思うよ。」

 

「でもエリナ。お前は、シリウスから何貰ったんだ?内容次第じゃ、気まずいからさ。」

 

「うん。それなんだけど、両面鏡の片割れに、超最高級仕様の箒手入れセット、同じグレードの杖の手入れセット、ゴブリン製の首飾りを貰ったんだ!」

 

「何気に凄い事になってるな。分かった、使うよ。今まで以上に無様な負けは晒さないようにするよ。で、このチビフクロウは?」

 

ロンの近くではしゃいでいる、小さなフクロウを指差す。

 

「こいつかい?ペットのいなくなった僕が飼えば良いって、シリウスがね。」

 

ロンが言った。フクロウは、ホッホッと嬉しそうに鳴きながら、ロンの周りを飛び回っていた。後日、ジニーによってピッグウィジョンと名付けられた。

 

そんなわけで、ありがたくファイアボルトを頂戴した。俺は、早速シリウスにお礼の手紙を書いた。ナイロックに手渡して、運んで貰った。

 

早速競技場へ向かい、飛んでみた。うん、完全に性能だけならレッドスパークに軍配が上がる。だが、安全性や加速、減速、急旋回がこちらの思った通りのタイミングで出来るという意味では、ファイアボルトの方が素晴らしい。今後の試合では、このファイアボルトを使っていこう。レッドスパークはプライベート用にこれからも使っていきますか。

 

飛び終わってから、乗りたい人へ順番に渡していった。どうやらくじで決めたようで、学校に残ってる人の殆どが、乗りたくて堪らないようだった。

 

嬉しい事ばかりの今年のクリスマス。夕食の方も素晴らしかった。その時にマクゴナガル先生に箒の事を報告。今までの厳格な性格をキャラ崩壊させる程の喜びようだった。マダム・フーチと一緒に小躍りをし、周囲を唖然とさせた。

 

12月26日。朝食を食べに、大広間に向かう。ん?何やら騒がしいな。クリスマスのノリがまだ続いてるのか?勘弁してくれと思いながら、席に座る。すると、ロンとハー子が俺の方にやってきた。

 

「お早う。朝からやけに騒がしいけど、何があった?」

 

「これ、読んでみて。」ハー子が日刊予見者新聞を俺に押し付ける。

 

新聞を読んでみる。正直読みたい気分ではないが。だが、ある記事が俺を釘つけにした。

 

『マルフォイ邸、クリスマスの惨劇』、『カロー兄妹虐殺』、『謎の勢力、終わりを生み出す者』と。この3つの記事は関連性があったのだ。

 

午後12時。俺は、昨日のマルフォイ邸でのクリスマスの惨劇の記事を読み終えた。参加者の証言で、終わりを生み出す者だと名乗ったのだ。犯人は2人。マクルトと名乗る虹の瞳を持った男と、ダアトと呼ばれた仮面をした男の2人。そこにゲブラーを入れて面が割れたのは3人だけという事になる。そして、ゼロがイタリアで交戦したティファレトという奴も含めて、4人という事になる。

 

「ハリー。君、顔が真っ青だぜ。」

 

その言葉で我に返った。ロンとハー子が、心配そうな顔で俺を見ている。

 

「悪りい。嫌な事思い出しちまった。虹の瞳の男とは以前、どこかで出会った気がしてさ。やっぱり、覚えてないけど奴を深層心理で恐れているのは間違い無いだろうな。これからは、コイツとも戦わないといけないのに。」

 

少し笑う俺。全然笑えないけどな。

 

「別に恐怖心を持つ事は悪い事じゃないわ。あなたは12年前、その人に空から叩き落されたんですもの。無理もないわ。」

 

「ハグリッドから聞いたのか?」

 

「ええ。バックビークの件で協力している時に、偶然ね。」

 

「そうか。ハグリッドの奴、口が軽過ぎるんだよ。まあ、いずれバレるとは思ってたけどさ。」

 

俺達3人、何とも言えない雰囲気ななった。話題を変えるか。

 

「それよりも、バックビークの件ってどういう意味だよ?」

 

「その事なんだけどね。ハグリッドについては不問になったんだ。」

 

「良かったじゃん。校長が弁護にでも入ったのか?」

 

「まあね。でも問題はここからなんだ。バックビークについては、有罪が確定したんだ。」

 

「何!?」

 

「理事から危険生物処理委員会に付託されたんだ。ハグリッドが言うには、委員会はルシウス・マルフォイの息がかかった連中で、実質処刑も同然だって。」

 

「……」

 

「エリナにゼロ、グラント、ルインにも手伝って貰ってるわ。ハリーも協力してほしいの。」

 

協力はしたい所だ。だが、真脱狼薬の完成を急がないといけない。とてもではないが、同時にこなすのは無理だ。

 

「ゴメン。今は、新しい魔法薬を作っているんだ。直接的な協力は俺の身が持たない。」

 

2人共、うなだれた。俺の性格なら、やってくれると思ったのだろう。だが、直接的に出来ないのであって、間接的な協力は出来る。魔法生物の事件ファイルとその判例に関する文献はロイヤル・レインボー財団のアーカイブファイルにあった筈だ。

 

「だけど、ロイヤル・レインボー財団の所有する文献に魔法生物の事件ファイルとその判例に関する本はあるんだ。それを取り寄せる位の協力は出来るぜ。」

 

2人の顔が再び、希望に満ち溢れた。

 

「ありがとう!」ハー子が俺に抱き着く。く、苦しい。

 

「じゃあ早速、手紙書いておくよ。マルフォイが絡んでいると分かれば、連中を痛い目に遭わせたいだろうと考えるから、すぐに送ってくれる筈だ。」

 

手紙を持たせて、送った。ナイロックはまだ帰って来てないので、ふくろう便を使った。

 

早速必要の部屋に向かった。真脱狼薬の新しい段階、変身前の状態を維持する事に対しては苦戦していた。まるでこれじゃ、右を見て左を見る感じで難しい。これっぽっちも進んでいない。

 

だが、陰陽術とミラクルガンナーに関してはある程度の成果を上げた。陰陽術の術の1つ、悪しき力を己の心と精神で最小限に抑えるのを助ける『封邪法印』を始めとする封印術を習得出来た。陰陽術に関しては、封印術に適性がある事が分かったんだ。

 

もう1つのミラクルガンナー。唯の弱い豆玉を出す武器かと思った。しかし、魔力を纏わせてから発射すると、威力と貫通力が底上げされた弾が発射されたのだ。何かしらの魔法を纏わせたら、杖から出る魔法よりも距離を問わずに攻撃出来るのではないだろうか。今度、凶嵐でも同じ事をやってみようかな。

 

なんだかんだ言って充実した毎日を過ごしている。何時までも平和が続けば良いけど。そう言うわけにもいかない。義祖父ちゃんは、分かっているだけでもヴォルデモートはまた動き出すと言っていた。

 

それは本当なのだろう。その時にエリナは、余計危険になると言ってた。ダンブルドアに同調したくないけど、我々のできる限り彼女をサポートしていくべきなのだ。ロイヤル・レインボー財団に属している者で、あいつに1番近い距離にいる俺こそ適任なのだ。

 

余談だけど、最近時間に関する魔法にも興味を持ち始めた。巻き戻したり、止めたり、進めたり。ヴォルデモートさえ手を出さなかった分野を極めて見たくなった。

 

話を戻す。リチャード・シモンズの勢力。アルカディア。そして、終わりを生み出す者、通称PWPE。俺にとってはどちらも、特に後者は決して無視の出来ない存在だ。奴等との激突は避けられないだろう。だから今、出来る事を精一杯やるんだ。新たな決意を胸に、俺は更に休息も交えながら己を鍛錬した。

 

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