Harry Potter Ultimatemode 救済と復活の章 作:純白の翼
空には、髑髏の口から蛇の出ている紋章が浮かび上がっていたのだ。
「闇の印か!?」
「場所が近い!ハリー、行くぞ!」
マントを形態変化させて飛行するで。それで一気に目的地まで行く。歩いても大丈夫と判断した場所で地上に降りると、マリア達3人と鉢合わせた。
「姉上とエリナが闇の印が打ちあがった方向に行っているんだ。5人で行こう。」
森の外れの空き地まで着くと、20人の魔法使いが数人を囲っているではないか。それを止めようとしているウィーズリーおじさんにエイダ義姉さん、エリナの3人。その後に、ディゴリー氏とクラウチもいた。
「やめてくれ!私の子供達だ!」
囲まれていたのは、ロン、ハー子、ゼロ、グラント、フレッドとジョージ、ジニー、セドリックの8人だった。囲っていたのは、よく見ると魔法省の役人達であった。知らなかったとはいえ、子供相手に攻撃をしようとしたのか、バツの悪そうな表情になっている。クラウチを除いて。
「誰だ!誰がやった?あの闇の印を打ち上げたのは!!」
クラウチがヒステリックに叫んでいる。
「僕等はやってない!」ロンが抗議するが、クラウチは全く耳を貸さない。
「白々しい事を!お前達8人は、犯罪の現場にいた!!」
「バーティ。ちょっと落ち着きましょうよ。まだ子供ではありませんか?」
「ねえ皆。ここで何があったの?」エリナが8人に聞いた。
話の要約はこんな感じだ。逃げようとした時に、ジニーの杖が無い事に気付いた。探そうとした矢先に闇の印が上げられ、運悪く魔法省の役人と戦闘になったらしい。
「戦況は?」
「私とゼロ、グラントで終始圧倒してやったわ。」ここでジニーの修行の成果が出たか。
「ジニー、しばらく見ない内に強くなったな。それも、俺やグラントと肩を並べられる位には。」
「本当よ。ルール無用の戦闘状態のゼロ、グラント、ハリーの強さは良く知っているけど。ジニーも大概よね。」
「そうだね。」
ロンとハー子も同意見のようだ。双子とセドリックの3人は、マジかよという表情をしていたりする。
「先生がいたからよ。」さり気無く俺に視線を送った。
「それで皆さん。さっきの印はどこから出て来たか覚えていますか?」
エイダ義姉さんが優しく聞いた。
「あそこの木立の陰から声が聞こえました。何か呪文を唱えたんです。それで、グラントが即座に失神呪文を……」
これに答えたのはハー子だった。場所を指差し、震え声で言った。
詳しくそこを調べてみると、貴賓席にいた屋敷しもべ妖精が倒れていた。
「こんな――筈は――無い――絶対に――」クラウチが項垂れている。
「闇の印を作るにしても、杖がいるんじゃないですか?」役人に聞く。
「ところがね、ハリー。」ディゴリー氏が苦々し気に俺の疑問に答えようとする。
「この妖精は、杖を持ってたんだよ。」
「でも屋敷しもべ妖精って確か、変態ヘビが虫けらのような扱いをしてたそうじゃないですか。何で闇の印を作る必要があるんです?自分をゴミムシ以下の下等な存在だと認識している残念マスクのハゲの代名詞を造り出すメリット何て皆無ですよ。」
「相変わらずだな、お前。」グラントが突っ込んだ。
「酷い言われようね、例のあの人も。」
「いいや、5人共。普通、変態ヘビとか残念マスクのハゲとか、変なあだ名付けないけどね。」
「同意だな。」
「ディゴリー、こればっかりは俺も同じだよ。」
セドリック、フレッド、ジョージの順で6年生組がそんな事を言ってたりする。役人たちはドン引きしている。ウィーズリーおじさんは苦笑いだ。
話しを戻すと、ウィンキーが確かに杖を持っていた。でもそれだけで、犯人と断定するのは余りに性急なのでは。と、思っていると、バクマンも到着した。蘇生呪文を使ってからウィンキーの尋問が開始されるのだった。
ウィンキーが目覚める。寝ぼけた様子で辺りを見る。自分の周りを囲む魔法使い達に気が付いた。その後に上空を見上げ、浮かび上がる闇の印に身をぶるっと震わせた。ウィンキーは、こちらが哀れと思う程に怯えていた。
ウィンキーは何も知らないと言い張るが、ディゴリー氏は厳しい口調で追及を続ける。杖を掲げた時に、ジニーがハッと何かに気が付いた。
「それ、私の杖!」
「どういう事?」
気付いた時にはもうなかったらしい。ウィンキーは、ただ拾っただけだと言う。
「しもべよ、お前がこの杖を見つけたのか、え?そして杖を拾い、ちょっと遊んでみようと。そう思ったというわけだな?」
「あたしはなさっていませんです!お拾いになっただけです!闇の印をお作りにはなりません!やり方をご存じありません!」
これじゃ埒が明かねえなと思いながら、7人に聞いた。
「おい、お前ら。呪文を唱える声って、本当にウィンキーだったのか?」
「いいえ!」ハー子が真っ先に否定した。
「もっと違う声だったよな!」グラントが全員に同意を求める。
「もっと太い声……人間の声だな。」ゼロがきっぱりと言った。
直前呪文で、杖から出た呪文を調べる事になった。結果は、ジニーの杖から闇の印が出た事が分かった。
「あたしはなさっていませんです!決して、決して、やり方をご存じありません!!あたしはよい屋敷しもべ妖精さんです。杖の使い方をご存じありません!」
「お前は現行犯なのだしもべ!凶器の杖を手にしたまま捕まった!」
「エイモス。落ち着け。ウィンキーに出来る筈が無いじゃないか。アレは、魔法使いでもほんの一握りしか知らないんだから。」
ウィーズリーおじさんが、ディゴリー氏を窘める様に言った。
「そうかエイモス。君は、こう言いたいわけだ。私が召使い達に、常日頃から闇の印の作り方を教えていたと。」
クラウチが一言一言に冷たい怒りを込めてディゴリー氏に言い放つ。気まずい沈黙が流れ始めた。これを見るに、権力志向が強く、自分を貶める者には容赦しない性格なのだろう。
「そ、そんなつもりは全く………」
「君は、この私に嫌疑を掛けようしている! 誰よりも闇の魔法を嫌悪し、それを行う者を問答無用で断罪してきたこの私に!」
「クラウチさん!私は、貴方がこれに関わりがあるなどとは一言も言っていない!」
「私のしもべを咎める事は、私を咎める事でもある!他の何処で、私のしもべが呪文を身につけたというのだ!言ってみろ!!!」
「失礼ですが……」話に参加したのは、意外な人物だった。イーニアス義兄さんだ。
「全く無い、そうとも言い切れませんよ。ミスター・クラウチ、別にあなた自身でなくても良いのですから。例えば、親族に死喰い人がいれば或いは…………」
?何の事を言ってるんだろうか?でも、その言葉を聞いてクラウチは青ざめている。魔法所の役人もだ。
「それに、ミスター・ディゴリー。そんな高圧的な尋問はやめた方が良いですよ。正確な情報が引きずり出せなくなりますからね。」
イーニアス義兄さんは、ウィンキーの目の前に立った。
「ウィンキー。」
柔らかい口調でイーニアス義兄さんが、ウィンキーに語り掛ける。ウィンキーはビクビクと震えている。
「私の名前は、イーニアス・ローガー。聞きたい事があるので、聞いても良いかな?」
「は、はい。何でございましょう。」
少し時間を空けている。ウィンキーを落ち着かせる為なのだろうか。
「姉上。やはり兄上は……」
「開心術を使っていますね。」
そんな声が聞こえた。成る程な。情報を引きずり出すのか。
「杖はどこで手に入れたんだい?」
「木立の中でございます。」
「使った者は見たかな?」
「いいえ!」
「だ、そうです。分かったでしょう。ウィンキーは、彼女は運が悪かったとしか言いようが無いというわけです。」
イーニアス義兄さんは、辺りを見渡す。
「もういい。こやつは、私の命令に背いた。これは、『洋服』に値する。」
クラウチは、冷酷にウィンキーにそう言い切った。ウィンキーは泣き叫ぶ。しかし、クラウチは全く意に介さない。ハー子も反論するが、無視した。これに関しては、俺達はお手上げだな。ウィンキーをどうするかは、クラウチの自由なのだから。
こうして、テントに戻る事になった。ハー子がグチグチ言っている。面倒なので、適当に聞き流すことにした。ちなみにジニーの杖は、ちゃんと返して貰えたのだった。