Harry Potter Ultimatemode 救済と復活の章   作:純白の翼

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第20話 後悔

1994年12月20日。大理石ホール。

 

「ハリー。どうしたの?」

 

「マリア。誰かに誘われた?」

 

「ザビニってる人がしつこく誘ってくる。しつこい人とは参加したくないのに。」

 

「そうか。あいつは処刑確定だな。」

 

ザビニには、地獄を与えてやろう。女癖の悪さに関しては、同じスリザリンでも酷評されてるし。その度に報復を受けているので、周囲は「またか。」と見るだろうしな。

 

「ダンスパーティの事だけどさ。行きたくないか?」

 

「本当は行きたい。だけど…………」

 

自分の正体を知られたくないのか。それはまあ、分かるな。背中の奴なんて、絶対に見せたくはないだろうし。

 

「じ、実はさ。俺の友達が、まだパートナー見つかってないんだ。無理にとは言わない。出来たら、そいつの相手になってくれないかな?」

 

ジッとマリアを見つめてそう言った。マリア、少々思い悩んでいる。だが、しばらくして俺に対してニッコリと微笑んだ。

 

「良いよ。参加する。」

 

「オーケー。俺からそいつに伝えとくぜ。」

 

マリアは走り去っていった。パーティに参加したいみたいだったな。本当に。これで、人との接し方を克服するきっかけになると良いんだがな。

 

「さて。ロンに早速伝えようか。それに、フレッドとジョージがカナリア・クリームを売りさばき始めると聞くし。」

 

早速談話室に戻って、ロンに報告しに行こうとした。が、その時にスネイプと遭遇した。何て最悪なタイミングだ。

 

スネイプ視点

散歩をしている時の事。たまたまポッターを見かけた。何をする気かは分からんが、とにかく後をつけてみる。

 

「大理石ホールでマリア・テイラーと会話!?しかも、テイラーが笑顔を見せているだと!?決して感情を見せない筈なのに、何故?」

 

マリア・テイラー。今年の新入生。レイブンクローに所属している。授業態度は至って真面目。授業の成績も良い方だ。但し、他の人間を拒絶しているのが玉に瑕である。唯一の例外はスピカ・マルフォイだけ。そう思っていた。今日までは。だが、ポッターに対しては完全に心を開いている。それこそ、スピカ・マルフォイ以上にだ。

 

そう思っていると、ポッターと鉢合わせになった。まただ。また我輩に死をイメージさせる程の殺意を見せているではないか。最近は随分控えているが、毎回の授業の度にアレでは我輩の身が持たなくなる。

 

「…………」ポッターは、無言で立ち去ろうとする。

 

「マリア・テイラーとはどういう関係だ?」

 

ふと思った事を聞いてみる。答えるつもりは全く無いだろうが。ポッターは振り向いた。去年ペティグリューに見せていた、赤い目をしている。メイナードと同じ。

 

「それを知ってどうするというのですか?まさか、無理矢理開心術を使って、対人恐怖症になった原因を探りたいとでも?それとも、私の人間関係にまで口を出すつもりで?」

 

口調こそ丁寧ではあるが、警戒心を解いておらず、敵意まで見せている。常に閉心術を使っていて、心までは読まれない様にしてはいるが、今の態度は開心術を使わずとも分かる。

 

「ミス・マルフォイでも、あそこまで感情が豊かにはならない。教員にも必要最低限の会話しかしない。なのに、学年も寮も違う一見何の関係も無い人間に対しては全面的に信用している。そこに興味があってな。それにだ。お前の人間関係にまで口出しする程、我輩はしつこくない。ダンスパーティの相手が誰であれ。それが例え、スリザリンの生徒であってもだ。」

 

その言葉に面食らったようだ。だが、すぐにメイナードと同じ赤い目の状態から、リリーと全く同じ緑の目に戻ったのだ。

 

「彼女の過去は、プライバシーに関する事だから話す事は無いです。本人も話したがらないし、それならば俺も、詳しく聞くつもりは無い。だけどロイヤル・レインボー財団に保護される前は、相当酷い目に遭わされたって言うのは本当ですが。だから、殆どの人間に対しては心を開く事は無い。それどころか、接してくる人間は恐怖の対象でしかない。」

 

ポッターが感傷に浸るように語った。本気でマリア・テイラーを気に掛けている様だ。

 

「あいつの心を探ろうとすればする程、あいつはどんどん心を閉じていく。あいつの方から歩み寄らない限りは、関わろうとしない事を警告しておきましょう。」

 

真面目な表情で言ってきた。これは本当なのだろう。ポッターは全てを知っている様だが、素直に教えてくれるとも思えない。ダンブルドアを通して聞くという手段もあるが、当のポッターはダンブルドアすら全く信用してないのだ。だから、マリア・テイラーに何があったのかを我輩が知る事は出来ないだろう。

 

「その警告、受け止めておくとしよう。」

 

それでも、テイラーとの振る舞い方を伝授されたのは幸運と考えるのが妥当だろうか。

 

「では、そろそろ行きますよ。」

 

ポッターはそう言って走り去った。我輩は、その後ろ姿を見た。確かにメガネの生き写しではある。だが、中身と語ってくるものは全くの別物だ。やはり、我輩の方で独自に監視を、引き続き行っていく方が良いかも知れん。

 

「闇の帝王に同調する事は無いだろう。寧ろ、『終わりを生み出す者』と深く関わってきそうだ。それに、我輩に復讐をするかどうかで葛藤しているようだな。」

 

イドゥンやエックスとは親しい。特にエックスにとっては、師匠であり兄のような存在だ。恐らく、彼の後見人を務めている事も察しているのだろう。だから迷っているのだ。自分を殺したり、死に追いやる事が果たして正しいのかどうかを。

 

「ハリーはまだ、復讐の心を捨てたわけではない様じゃの。」

 

「校長。何時からそこに?」

 

ダンブルドアがいた。

 

「途中からじゃよ。ミス・テイラーとの接し方についてからと言った方が分かりやすいかの。」

 

「ポッターは、あなたの存在に気付いていたようですが。」

 

「感知能力を使っておるようじゃの。それも、かなり正確で広範囲の。」

 

「ロイヤル・レインボー財団で教わったのですか?」

 

「どうやら、自分の力で編み出したようじゃよ。おかげで、わしはハリーの足取りを掴む事が困難になったのじゃ。その一方で、誰かの変装を見破れるという事が分かったのじゃよ。フォルテを通してじゃが、アラスターが変だと言っておった。」

 

「左様ですか。であるから、今度は我輩にムーディを監視させると?」

 

「それは否じゃ。既にフォルテが監視しておるよ。」

 

「そうですか。」

 

思い切って切り出してみよう。

 

「校長。ポッターの復讐心が消えてないとはどういう事ですかな?確かにペティグリューを殺そうとしましたが、その時は思い留まってあ奴を生かすという決断を下しました。」

 

「ペティグリューに関しては、ジェームズの最期の遺志を尊重しただけに過ぎん。その大義名分さえなくなれば、迷う事無く叫びの屋敷で殺しておったじゃろう。」

 

「…………」

 

「わしが懸念しておるのは、ハリーがヴォルデモートと同調する事よりもPWPEに同調してしまう事じゃよ。」

 

「何故そう言い切れるのですか?あんな理不尽極まりない組織に、ポッターが行くと。」

 

「PWPEのリーダーが、ハグリッドの運転するオートバイからハリーを落とした事については君も知っておるじゃろう?」

 

「ハグリッドから直接聞きましたので。」

 

「うむ。元々PWPEは、ハリーを組織の次期リーダーとして引き入れたいと考えておる事が、最近のわしの調査で分かっての。突き落としたのは、あの者達にとっても不測の事態だったのじゃよ。」

 

「……!?その話、続きをお聞かせください。」

 

「何故、彼を狙うかは分からぬ。じゃが、これだけは確実に言えるのじゃよ。ハリーは、そう遠くない未来でヴォルデモートよりも厄介な者達を相手にしなければならぬ。アランがあの子を育てたのは、そう言った事態を見越しての事じゃろう。」

 

「ポッターは、その事にお気づきなのですか?」

 

「いいや。具体的には分かっておらんじゃろう。じゃが、PWPEと接触した事もあって、これからの自分にとっては決して無視の出来ない存在だと認識しておるのは確かじゃ。」

 

「つまり、直接的ではないにしても薄々気付いているという事ですね?」

 

「そういう事になる。じゃから、ロイヤル・レインボー財団との確執を解き、わしらの犯した過ちを2度と繰り返さない様にするよう努力する。だからアランには、もう1度手を貸してほしいと思っておる。しかし、そう上手くはいかないのじゃよ。」

 

「アルフレッド・ローガーが結果的に死ぬ任務をあなたは与えてしまい、片や我輩も、まだ闇の帝王に仕えていた頃にアラン・ローガーの息子夫婦を命令で殺めた。それで手を組もうと言う方が、虫が良過ぎる気がします。」

 

「そうじゃの。わしの率いる不死鳥の騎士団を、ロイヤル・レインボー財団が総力を挙げて叩き潰さなかっただけでも良しと考えるべきじゃろう。」

 

「協力をしてくれるのは、無理そうですな。」

 

「セブルス。君は、君のやるべき事をやるのじゃ。君のやってしまった過去の過ちを帳消しにする事は出来ぬ。じゃが、これから作っていく未来なら幾らでも変える事が出来るのじゃ。当分先になるかも知れぬが、もう今までの自分とは違うという事を行動に示していけば、ハリーも、アランも理解してくれるじゃろう。」

 

「では、我輩はこれで失礼します。」ダンブルドアに礼をして立ち去った。

 

ダンブルドア視点

『わしでは、ハリーの憎悪とわだかまりを解く事が出来ない。いいや、あの子が教師の中で最も信頼しておるミネルバでさえも無理じゃろう。アランは、ハリーのやる事に否定すらしていない。』

 

結局自分は他力本願なのか。どんなに答えを出せても、悪い手段だからと封じてきて、結果的にヴォルデモートによる犠牲者が増えてしまっている。そして、それ以外の悪意には何の対抗策すら出来ていない。

 

結局、全ての事態は自分が引き金を引いたのである。欲深さゆえに、アリアナの死の原因を作ったのは自分。ゲラートの悪行を耳にしながらも、最後の最後まで決闘を逃げ続けたのは自分。トムの危険性を知りながらも、やり直すチャンスを与えたのも自分。あの能力欲しさに、アランに無理を言ってアルフレッドを不死鳥の騎士団に引き入れたのも自分。ちゃんとした情報管理を整えずに、予言の一部が漏洩した原因を作ったのも自分。

 

その結果、何が起こってしまったのか。アバーフォースには反発され、権力に弱く、欲深さや傲慢さを自覚する事になった。ゲラートに関しては、ヨーロッパ中で死者も出てしまい、しまいには第二次世界大戦の枢軸国の真のリーダーになった。トムの場合は、言うまでもない。

 

そして、もう永遠の命を求めたりしないって決めてたのに。アルフレッドの虹の目を見て、そしてフォルテの持つもう1つの杖の能力欲しさにまた求める様になってしまった。透明マントをジェームズから見せられて、死の秘宝への欲求が再燃した。最悪な物を求めるなと他人に言い聞かせながら、自分は未だに捨てきれていないのだ。そもそも、自分に誰かを導く資格なんてあるのだろうか。

 

「わしは、どうしようもない人間じゃ。他の者に、人間にとって最悪な物を求めるなと言いながら、自分は捨て切れていない。そもそもフォルテを教員にしたのも、彼の持つ杖に興味があったのが理由じゃからのお。」

 

彼の持つもう1つの杖。ゼロの持つ杖と表裏一体。ゼロの杖があらゆる敵を倒す杖ならば、フォルテの杖は全ての命を救う杖と言われる。その杖の真の力が見たくて、フォルテを手元に置きたいとも思った。見ないに越した事は無いのだが。

 

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