Harry Potter Ultimatemode 救済と復活の章   作:純白の翼

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第2話の続きです。EXシナリオの14話も同時投稿します。


第3話 滅亡の青年

 パンテオンをけしかけたその男は、俺が倒しても怒るどころか逆に感心且つ興味がありそうな態度を取っていた。

 

「やるじゃん。ハリー・ポッター。流石、リーダーが目を掛けるだけの事はある。」

 

「リーダーだと?いや、それよりも何で魔法使いを執拗につけ狙う?」

 

「最初は訳アリの一家を襲撃してたんでね。ま、いずれは堅気に先手を打ちたいわけよ。その下調べさ。」

 

「次はローガーと言いたいのかよ?」

 

「まあな。でもあそこ、対魔法使い用のありとあらゆる対策を張っているから無理そうだなと判断したわけ。ロイヤル・レインボー財団の攻略は、やはり最後に回す事にしたよ。最初に闇の陣営、次に不死鳥の騎士団、その次が英国魔法界、そしてアルカディア。最後に、ロイヤル・レインボー財団さ。」

 

 時期が来ればそうすると言いたいのか。つくづく野放しには出来ねえな。

 

「だったら尚更、今ここで潰してやる。」俺はアセビの杖を取り出す。

 

「おやおや。未成年とは言え、魔法使いだったわけか。お前。それにお嬢ちゃん、名前は?」

 

「エリナ・ポッター。」

 

「貴様、TWPFなのか?」

 

「成る程。もう1人の方は、生き残った女の子か。俺は、周りからゲブラーって呼ばれている。所属は……ハリー・ポッター、お前の言うとおりだ。」

 

 自分をゲブラーと名乗った男が、右手で杖を握る。タダ者じゃない。まるで、本気のキットを相手にしているみたいだ。しかも、俺が後継者?一体こいつ、何を言ってるんだ?とにかく、ウイルスモードを発動させないと。いや、ここは力を温存しておきたいな。久しぶりに、あの呪文を使ってみるか。先に武装解除呪文をかけてからな。俺は杖を、ゲブラーに向ける。

 

武器よ去れ(エクスペリアームス)!』

 

 武装解除呪文を無言で放つ。

 

「あらら。これから3年生だってのに、もう無言呪文会得してるのか。成る程。両親や伯父を足して、20で掛けた実力ってのも強ち間違っちゃいない。」

 

 ゲブラーが杖を振るう。武装解除呪文は掻き消された。何だ?無言呪文か?何を使ったんだ?フィニートなのか?

 

「さてと。ウイルスモードの力も試しておこうかね。見ておけよ。W-ウイルスには、こういう使い方もあるって事をな。」

 

 右手の指を鳴らすゲブラー。骨の衣装が見受けられる漆黒の怪人が20体出現した。

 

「何だ!?こいつら!」

 

「こいつらは、ヴァイラス・ソルジャーって言ってな。W-ウイルスから作った戦闘員だ。ハリー・ポッター。お前の力、もっと見せて貰うぜ。やれ!」

 

 ヴァイラス・ソルジャーが俺目掛けて進んできた。武器は持ってなさそうだな。格闘術を使うのか?関係無い。やってやる。

 

「ホオオオォォォ……ワチャー!」

 

 突きを食らわせる。。食らったヴァイラス・ソルジャーは消滅した。

 

「ほう。よく見たらジークンドーか。大した奴だ。」

 

 ゲブラーは、俺に対して感心している。余裕の表情見せやがって……こっちはギリギリなのに…………

 

勇賢の紅光(ブレイエンス・ディセルクス)!」

 

 今度は、真紅の光を身体全体で纏う。これは、俺が最初に自分自身の手で編み出した魔法だ。身体能力を40倍に上昇させる。一見、16倍以上20倍以下で身体能力を上げるウイルスモードよりも強いと誰もが思うだろう。

 

 だが、この魔法には致命的な弱点がある。使っている間、()()()()使()()()()()()。故に、身体能力強化の度合いは低いが、引き続き通常形態と同じく魔法を使えるウイルスモードを会得してからは余り使っていない。

 

 しかし、魔法を使う必要の無い戦闘においては、相変わらず有効な魔法だという事に変わりは無いわけだが。この魔法は、体術と相性が良い。

 

 だからこそSDAやSAA、ABC、HIA、ABDなどを駆使し、ヴァイラス・ソルジャーを全滅させた。

 

「やるなあ。創作の身体強化呪文。少しやってやるか。ウイルスモードの力も、見せてくれ!」

 

 ゲブラーが近づいて来た。勇賢の紅光(ブレイエンス・ディセルクス)を即座に解除する。そして、ウイルスモードを発動した。

 

 俺は、無言呪文で使える攻撃呪文を乱射。ゲブラーは、華麗に避けまくる。ゲブラーがすぐそこまで来た。俺に、拳をぶつけてきたのだ。ウイルスモードは5つある感覚の内の、視力が特に強化されている。動体視力、見切り能力に関しても通常時よりも強化されているんだ。だから拳は見切った。

 

「……」

 

「これが、唯一正式に確認されている魔法使いのウイルスモードって奴か。この齢でここまで使いこなしているとは、本当に大したものだな。」

 

 ゲブラーは、今度は蹴りを入れようとする。チッ!油断も隙間ありゃしねえ。避けるが、また蹴りが次々に来る。

 

「さっさと攻撃したらどうなんだ?」

 

「ハリー・ポッター。お前をやるつもりなんて、全く無いんだよ。でもまあ、そこまで言うなら。」

 

神の怒り(デイ・デイーラ)!!」

 

 捉えた。これで直撃する筈だ!

 

呪文を消せ(エクスポティア・イレイス)。」

 

 左手から透明なエネルギー弾を放つゲブラー。すると、神の怒りを掻き消してしまった。

 

「おっ。動揺してるな。まあ、無理もないか。自分の最大攻撃呪文を消滅させられて、冷静になれるやるなんざそうそういねえし。」

 

 今度は、右手を前に出して来た。

 

「俺の力ってのを、少し見せてやるよ物質消滅波(パニシム・サブセティア)。」

 

 右手からエネルギー弾放つゲブラー。

 

「嘘だろ。」

 

アステファルコンとパンテオンの残骸を、完全に消滅させてしまったのだ。

 

『コイツの術の力は……恐らく【消滅】。手に向けた所を、文字通り消し去ってやがる。軌道が読めないから、回避も難しいし。』

 

「どうした?それで終わりか?物質消滅波(パニシム・サブセティア)!」

 

 今度は、俺に向けて物質を消滅させるエネルギー弾を放って来た。

 

「……」だが、これなら防ぎようはある。マントに魔力を集中させた。

 

「ハリー!」エリナの叫び声が聞こえる。

 

 マントを形態変化させ、ゲブラーの消滅の術を完全に防ぎ切った。

 

「凄い!消滅してない!それに、マントを盾に使えるなんて!!」

 

 エリナは、俺が無事なのを確認できたのか安心していた。

 

「そのマント。結構丈夫になるんだな。なら次の手は、こんなんでどうかな?すぐに消すのは簡単だが…………ウイルスの力も見せたくなったし。」

 

 ゲブラーはグラサンを外す。眼の色がルビーレッドとなっていた。まさか、これは。

 

「ウイルスモードを使えるのは、必ずしもお前だけじゃないって事だ。そして……」

 

 ゲブラーの目が、ルビーレッドからライムグリーンに変わった。

 

「これが、更なる進化形態。その名も高次元ウイルスモードだ。そういう意味では、俺は常にお前の何歩先までも歩いてるってわけなのさ。」

 

「高次元ウイルスモード!?」

 

「全てにおいて従来のウイルスモードを凌駕する究極系。そして、この状態なら杖の要らない専用の魔術が両目にそれぞれ宿る。左右で同じな時もあれば、全く別物な時もあるしな。その力を、特別に見せてやろうじゃないか。」

 

 ゲブラーは、右目だけを開けた。すると突然、俺の体が重くなった。あまりの重圧に、全身が地面についてしまう。それでも、ゲブラーを睨み付ける。

 

「成る程。これ程の力の差を見せつけられても、まだ屈しないとは。」

 

「ハリー!」エリナが来た。今まで呆然としていて、やっと我に返ったようだ。

 

武器よ去れ(エクスペリアームス)!」

 

 エリナが呪文を唱える。しかし、ゲブラーは盾の呪文を使って、やり過ごした。

 

「いいか小娘。魔力ってのはな、まだまだ上の、()()という領域が存在するのさ。小僧の方はともかく、お前がそこまで達するのは現状不可能。だから、特別に見せてやるぜ。」

 

 その瞬間、ゲブラーの身体が黒紫のオーラを纏った。何だこれは。さっきまでとはまるで別物だ。まるで、あの力を使ったキットやアドレー義兄さんだ。こいつまさか、本当に覚醒の領域に…………

 

『魔力感知で探ってみるか。』

 

 それによれば、奴の全身が魔力の塊になっている。魔力の量も質も桁違いだ。戦闘経験が皆無で、尚且つ猟銃を持ったマグルの大人を1桁とするならば、今のゲブラーは9桁と言った所だ。

 

「エリナ!お前じゃ勝てない!逃げろ!」

 

「イヤだ!このまま自分だけ逃げるなんて出来ないよ!武器よ去れ(エクスペリアームス)!」

 

「フン。只の武装解除で俺を倒せるとでも思ってるのか?武器よ去れ(エクスペリアームス)!」

 

 2つの真紅の閃光がぶつかり合う。だが、ゲブラーの放った者の方がすぐに勝利してしまった。未覚醒時の死の呪文すら一方的に打ち負かす程の威力に底上げされているのが、覚醒した魔法使いが使う武装解除呪文なんだ。

 

 呪文がエリナに当たってしまい、彼女は吹っ飛ばされた。

 

「うう…………」

 

 何とか意識はあるようだ。だけど、動けないようだ。

 

「おい!手を出すのなら、俺だけにしろ!エリナには手を出すな!!」

 

「……自分が危機的な状況になっても、妹の命を最優先するか。そのせいで、自分の身を滅ぼすかもしれないんだぞ?」

 

 俺の顔を足で踏んづけて来ながら、そう告げるゲブラー。

 

「ハア……ハア……ハア…………それ以外に……俺の……魔法使いとしての……道はない!」

 

「成る程な。」何故か、感心したような表情になるゲブラー。

 

 その直後だった。義祖父ちゃん、キット、ルーピンが来た。

 

「おーい!大丈夫かい、2人共!」ルーピンが声を掛ける。

 

「ハリー。少し待ってなさい。今助けよう。」

 

 義祖父ちゃんが穏やかに言った。いっその事、怒ってくれればいいのに。

 

「ケフェウス…………いいや、ゲブラーか。狙いは俺達だろうが!今すぐハリーを放しな!」

 

キットが、ゲブラーに怒りをぶつける。

 

「ほう。」ゲブラーは、俺を放した。

 

「お揃いだな。3人来るとは。今日は、手を引くつもりだったんだけどな。ポッター兄妹が来てしまったわけよ。ハリー・ポッターの方は、お前らを狙ってる事を言った瞬間、すぐさま臨戦態勢を取った位だ。本当にお前らの存在が、余程大事だって事だな。」

 

「大丈夫か?」キットが駆け寄って来る。

 

「……自分の足で、立てるよ。」

 

「ゲブラーの術の力は、消滅だ。普通の人間は、奴の術を食らうだけで、文字通り1回で消滅しちまう。」

 

「やっぱりそうだったのか……術や、レプリロイド残骸を消したり。」

 

「そんな!どうやって倒せばいいんですか!」

 

「……難しいな。今の所、それは。エリナ。お前も休んでな。無理をし過ぎたんだからよ。」

 

 エリナの疑問に、キットは表情を強張らせながら答えた。

 

「……」義祖父ちゃんは、俺を心配そうに見ていた。すぐに、ゲブラーを見たけど。

 

「ま、そういう事だ。今日の所は、ここでドロンするぜ。あばよ。」

 

「私が素直に、お前を逃がすとでも思ってるのか?」

 

「出来るさ。何故なら……」

 

 ゲブラーは靴を取り出した。

 

「そうか。移動(ポート)キーか。それにしても、あの男。どこかで見た覚えが……」

 

 ルーピンが呟いた。

 

「これでいつでも逃げ切れるからな。それと、言っておくぜ。ハリー・ポッター。お前もまた、高次元ウイルスモードの力を発現しうる者だ。だがな、その力をすぐにでも使いたければこうすれば良いのさ。」

 

「どんな方法だ?」

 

「大切な奴を殺せば良いのさ。」

 

「!?」その言葉を聞いて、俺はかなり動揺した。

 

「じゃあな。また会おうぜ。」

 

 ゲブラーは、戦線離脱をした。

 

「逃げられたな、ジジイ。」

 

「見事にな。それよりもハリー。大丈夫かな?」

 

「見事に完敗……した。もっと、強くならなきゃ……。」

 

 次は、絶対に勝ってやる。

 

「エリナ。立てるかい?」ルーピンがエリナに聞く。

 

「な、何とか。終わって気が抜けました。」

 

「やっぱり、あいつ……」俺が言おうとしたが、義祖父ちゃんが遮った。

 

「ああ。間違い無い。TWPF。『終わりを生み出す者』だ。もっと、財団にいる者達を守れるように我々も強くならなければ。」

 

「もっと、強くなる方法ってあるの?」

 

「今はゆっくりと休みなさい。また後でにしよう。」

 

「こんな勝手な事をした俺を、一思いに怒ってくれりゃいいのに。」

 

「気にしなくて良いよ。我々の為にやってくれたのだろう。だがハリー。これだけは言っておく。命だけを捨てるような真似はやめる事だよ。私が言いたいのは、それだけだ。」

 

 こうして、無事にロイヤル・レインボー財団に帰還した。TWPFか。あいつらは一体?そもそも、俺を殺そうと思えば幾らでも出来たのに何なんだ?まるで、俺の力を試しているかのようだった。しかも、俺を後継者と呼んでもいた。

 

 とにかく今は、休んで力を蓄えなければ。それが、今俺に出来る事なのだから。

 




覚醒の領域に達した魔力、ウイルスモードの進化形態、消滅属性の固有魔法持つゲブラー。どうやったら倒せるんだよと思うかもしれませんが、まあなるようにはなりますんでご安心を。

今回のハリーの敗北。この経験は、彼をあらゆる意味で成長していく事でしょう。人間、失敗や負けた時こそ成長に対する真価が問われますからね。

次回、日本及びマホウトコロにハリー達が行きます。修行もそうですが、遊ぶ為でもあります。そこで、ある出来事が起こります。それでは、また来週も宜しくお願いします。
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